授乳中にインフルエンザに感染しても母乳育児は続けてOK!注意点は?

毎年のように話題になるインフルエンザ。授乳中のママが感染することも少なくありませんが、母乳育児はOKと言われています。この記事では、授乳中にインフルエンザに感染しても母乳育児がOKな理由、無理のない授乳の方法や注意点、授乳中の予防接種は大丈夫なのかについてご紹介していきます。

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目次

  1. 1授乳中にインフルエンザにかかった!授乳しても大丈夫?
  2. 2インフルエンザ感染中の授乳はOK!その理由は?
  3. 3インフルエンザ感染中に授乳するときはこんな所に気を付けて!
  4. 4インフルエンザ感染中の正しい授乳方法を覚えよう!
  5. 5【番外編】授乳中にインフルエンザの予防接種はしても大丈夫なの?
  6. 6授乳中にインフルエンザに感染しても大丈夫!安心して母乳育児を続けよう!

授乳中にインフルエンザにかかった!授乳しても大丈夫?

時期になると多くの人が感染してしまうインフルエンザ。その猛威は老若男女を問わず振るわれ、当然ながら授乳中のママや生まれて間もない赤ちゃんも感染する恐れがあります。そんな時に気になるのが、授乳中のママがインフルエンザにかかったときに、赤ちゃんに授乳をしても大丈夫なのかということですよね。今回は、授乳中にインフルエンザに感染した場合の授乳についてご紹介していきます。

参考文献

新型インフルエンザ対策(A/H1N1) 妊娠中や授乳中の人へ
産婦人科診療ガイドライン-産科編2017 (63ページ)

インフルエンザ感染中の授乳はOK!その理由は?

先に結論から申し上げれば、インフルエンザに感染してしまったとしても、授乳には何の問題もありません。ただ、理由もなく「授乳しても問題ないよ!」と言っても信ぴょう性に欠けますよね。インフルエンザ感染中の授乳がOKな理由や、授乳の方法や気を付けるべきことについてご紹介していきます。

母乳がインフルエンザの感染経路ではないから

インフルエンザウイルスの感染経路は主に2つあります。せきやくしゃみなどで空気中に飛び散った粒子を吸い込むことで起こる飛沫感染と、つり革など不特定多数の人が触れる場所にウイルスが付着していて、それを口や目などの粘膜に触れることで感染する接触感染です。

どちらの感染経路であっても、インフルエンザウイルスは気管支の中で増殖をするため、血液中に現れることは考えにくいとされています。ご存知の通り母乳は血液で作られているので、母乳から赤ちゃんの体内にインフルエンザウイルスが侵入する可能性は考えづらいと言われています。

インフルエンザの薬の効果が母乳に移行しにくいから

授乳中は様々な薬が制限されているため、インフルエンザにかかっても赤ちゃんのために薬を飲めないと思うママもいるかもしれませんが、これは大きな勘違いです。インフルエンザの治療にはタミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬が有名ですが、これらの薬を服用したとしても母乳にその成分が移るのはごくわずかで、赤ちゃんに対する影響はほとんどないと考えられています。

実際にWHOなどの専門機関が、授乳中のママがインフルエンザに感染したり抗インフルエンザ薬を飲んでいたとしても、授乳を続けることを推奨しているほどです。薬のわずかな影響と母乳が赤ちゃんにもたらす様々なメリットを比較すると、赤ちゃんに母乳を飲ませ続けるほうが良いという考えとなっているようです。

授乳がインフルエンザの予防になる可能性もある

まだ赤ちゃんがインフルエンザウイルスに感染していないのならば、授乳がインフルエンザの予防になることもあるようです。母乳には様々な栄養や抗体が含まれていますが、それ以外にも免疫グロブリン、ラクトフェリン、リゾチームといった感染を防御するための様々な因子も含まれています。これらの因子がインフルエンザウイルスの増殖を抑制し、インフルエンザウイルスが赤ちゃんの体内に侵入することを防いでくれるため、結果的にインフルエンザの予防へと繋がるのです。

さらに母乳には、ヌクレオチドという因子も含まれています。このヌクレオチドが病原体と戦うNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させるため、万が一赤ちゃんもインフルエンザに感染してしまったとしても、母乳を飲ませていたからこそ重症化しなかったというケースもあるようです。

インフルエンザ感染中に授乳するときはこんな所に気を付けて!

インフルエンザに感染していても授乳できるとお伝えしましたが、その中でも守らなければならない点もいくつかあります。赤ちゃんをはじめ、他の家族にインフルエンザを感染させないためにも、以下のような点に注意しておくことが大切です。

せきエチケットを守る

せきエチケットとは、他人にせきやくしゃみがかからないためのマナーのようなものです。せきやくしゃみなどの飛沫は、マスクや口をふさいでいない状態ではおよそ2mも飛ぶことがあるので、授乳している赤ちゃんが飛沫感染してしまう可能性は非常に高いです。

赤ちゃんの飛沫感染を効果的に防ぐためには、マスクを着用するのが一番です。マスクはガーゼマスクよりも、不織布のマスクのほうがウイルスの遮蔽率が高いので、必ず不織布のマスクにしておきましょう。また、マスクと顔の間に隙間が空いていては効果はありません。耳のゴムを縛って長さを調節したり、ワイヤーを鼻に沿って折り曲げるなど、しっかりとマスクを密着することが大切です。

またマスクをしていたとしても、万が一のために赤ちゃんのほうを向いてせきやくしゃみをするのは控えておきましょう。

ガーゼなどはマメに替える

赤ちゃんが触れることの多いガーゼやおくるみなどは、たとえば授乳ごとのタイミングなどで、マメに替えるようにしておいてください。いくらガーゼやおくるみにインフルエンザに感染した人が触っていなかったとしても、どこでウイルスが付着しているかは分かりません。

少々面倒ですし洗濯物も増えてしまいますが、赤ちゃんの健康のためにも、赤ちゃんの身の回りのものはマメに替えるようにしましょう。ただし、熱湯消毒やアルコール消毒などの特別な洗濯方法は必要なく、他の洗濯物と一緒に洗濯しても問題はありません。インフルエンザウイルスは洗剤や石鹸などで感染力を失うためです。

こまめに掃除をする

ウイルスは体外では最長で12時間程度生き続けることが分かっています。接触感染についてご紹介しましたが、インフルエンザウイルスはどこに付着しているか分かりません。たとえばテーブルや手すり、子供が大好きなスマホやリモコンなど、その場所は考えたらキリがありません。

さすがに全部に対処することは難しいかもしれませんが、子供が頻繁に触る場所は頻繁にアルコール消毒などをして、赤ちゃんが感染しないように気を付けましょう。また、インフルエンザに感染した人が鼻をかんだティッシュなどもゴミ箱にそのまま捨てるのではなく、ビニール袋などに入れて口を縛るとより一層安全ですよ。

必要以上に近づかない

赤ちゃんをインフルエンザに感染させないためには、なるべくインフルエンザの人と接触しないのが一番です。インフルエンザに感染していない家族がいるのならば、赤ちゃんの面倒を見てもらい、授乳の際だけ連れてきてもらうなどの方法がおすすめです。どうしてもひとりで赤ちゃんを見なければならない場合は、赤ちゃんからなるべく離れて体を休めましょう。

インフルエンザ感染中の正しい授乳方法を覚えよう!

インフルエンザで授乳する場合の注意点を踏まえた上で、正しい授乳方法についてもしっかりと覚えておきましょう。ママがインフルエンザに感染してしまった場合と、赤ちゃんがインフルエンザに感染してしまった場合の2通りの方法についてご紹介していきます。

ママがインフルエンザに感染している場合

もしもママがインフルエンザに感染してしまった場合は、赤ちゃんにインフルエンザウイルスが付かないように授乳前に清潔に手を洗い、必ずマスクを着用して授乳を行いましょう。もしも起きているのが辛いのであれば、寝ながら飲ませる添い乳でも大丈夫です。

また、なるべくならばインフルエンザの症状が重い場合は搾乳をし、インフルエンザに感染していない人に授乳をしてもらうというのも一つの手段です。ただし、実は症状が出ていないけれどインフルエンザウイルスが体内にいる「潜伏期間」である場合もあります。インフルエンザの症状が出ていなかったとしても、必ず手洗いやマスクをすることを忘れずに伝えてください。

もしもの場合のために搾乳をして冷凍保存をしておくと、いざという場合に非常に役に立ってくれます。母乳の保存方法については以下のリンクからご覧ください。

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赤ちゃんがインフルエンザに感染している場合

赤ちゃんがインフルエンザに感染してしまったとしても、通常通りに母乳を飲ませて問題ありません。しかし、もしも赤ちゃんぐったりして母乳の飲みが悪い場合は、搾乳した母乳をチューブで飲ませるなどの方法をとってみてください。どんな理由であれ、母乳は中断してしまうと出る量が減ってしまいまうことも多いです。母乳の出を維持するためにも、必ず母乳は出すようにしてください。

また、赤ちゃんからのインフルエンザの感染を防ぐためにも、必ずマスクを着用し、授乳後はしっかりと手洗いやうがいを心がけましょう。

【番外編】授乳中にインフルエンザの予防接種はしても大丈夫なの?

授乳中にインフルエンザが流行する時期になると、インフルエンザワクチンを接種したいと思うママさんも多いと思いますが、果たして授乳中に予防接種をしても大丈夫なのか疑問ですよね。

インフルエンザワクチンの接種は、授乳中でも問題ないとされています。インフルエンザワクチンは、病原性をなくした「不活化ワクチン」というワクチンなので、体の中でインフルエンザウイルスが活性することはありません。そのため、赤ちゃんに及ぼす栄養はないとされています。

むしろ授乳中のママさんがインフルエンザワクチンの接種を受ければ、赤ちゃんに感染する二次被害を防ぐことにも繋がります。ただでさえ赤ちゃんのお世話で睡眠不足や栄養不足になりがちなので、インフルエンザを含む様々な感染症に感染しやすいとも言われています。なるべくならワクチン不足で騒がれる前に積極的に摂取したいものですね。

授乳中にインフルエンザに感染しても大丈夫!安心して母乳育児を続けよう!

授乳中にインフルエンザに感染しても大丈夫な理由についてご理解いただけたでしょうか。体がダルくて辛いときの授乳はそれだけでも一苦労ですが、完母で育っている赤ちゃんにとっては、ママの母乳だけが頼りです。もしも自分で母乳があげられないほど体調が悪い場合は、周囲と協力しながら母乳育児を続けられるようにしましょう。

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参考文献

新型インフルエンザ対策(A/H1N1) 妊娠中や授乳中の人へ
産婦人科診療ガイドライン-産科編2017

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ほり
3児のお父さんをしています。

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