母乳を正しく保存する方法を徹底解説!常温・冷蔵・冷凍の場合や解凍方法は?

母乳を保存できるのはご存知でしょうか?赤ちゃんが母乳を飲んでくれなくて、母乳が余っていると悩んでいるママも多いと思いますが、そんな悩みは搾乳して保存することで解決できます。母乳の保存方法、母乳を保存する際の注意点、母乳を保存するメリットについてご紹介していきます。

母乳を正しく保存する方法を徹底解説!常温・冷蔵・冷凍の場合や解凍方法は?のイメージ

目次

  1. 1母乳は保存することができる!
  2. 2母乳を保存する時にありがちなミスとは?
  3. 3母乳を保存するために必要な道具は?
  4. 4【母乳を保存する方法①】常温の場合
  5. 5【母乳を保存する方法②】冷蔵の場合
  6. 6【母乳を保存する方法③】冷凍の場合
  7. 7母乳を保存する際に注意すべきポイントとは?
  8. 8母乳を保存するとこんなメリットが!
  9. 9母乳を上手に保存しておこう!

母乳は保存することができる!

完全母乳で赤ちゃんを育てている人にとって、赤ちゃんが母乳を飲んでくれないという悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。母乳は血液から作られているので、粉ミルクのようにお金さえ払えば無限にあるものでもありません。飲まない粉ミルクを捨てるのも勿体ないですが、母乳を捨てるのもそれ以上に勿体ないと思うママも多いと思います。

しかし、母乳は常温・冷蔵・冷凍の3つの方法で保存することができるのです。それぞれ保存方法や保存期間が異なりますが、どれも母乳を保存する上で非常に有効な方法となっていますので、ぜひ覚えておいてくださいね。

参考文献

母乳を保存する時にありがちなミスとは?

母乳を保存するにあたり、まずは間違った母乳の保存方法についてご紹介していきます。こんな風に母乳を保存しているのであれば、もしかしたら保存してある母乳は危ないかもしれませんよ。

消毒しない

母乳は赤ちゃんがそれだけで大きくなれるほどに栄養価が高いですが、栄養価が高いということは雑菌が繁殖しやすいということです。搾乳、保存する際はしっかりと滅菌処理をしたものを使わないと、しっかりとした保存方法を取っていても雑菌が繁殖してしまう恐れがあります。

また、ママのおっぱいにもちょっとした雑菌や、下着の繊維などが付着している場合もあります。搾乳をする場合は、消毒用のガーゼなどでしっかりとおっぱいを消毒してから行いましょう。

使用期限を書かない

それぞれの方法の保存期限についてはこれからご紹介していきますが、良くありがちなのが搾乳日を記入しないで、使用期限が分からなくなることです。そもそも母乳は生鮮食品と同じような扱いなので、使用期限が過ぎてしまった母乳は味が悪くなったり、最悪の場合赤ちゃんのお腹にダメージを与えてしまうこともあります。

解凍したものを再冷凍する

主に冷凍保存をした母乳に当てはまることですが、一度解凍した母乳は、赤ちゃんが口にした・していないに関わらず再冷凍をするのはNGです。再冷凍をすると様々な雑菌が増えやすくなるほか、再加熱によって母乳の様々な栄養が失われてしまうと言われているからです。

母乳を保存するために必要な道具は?

母乳を保存するためには搾乳という工程が必要になるのですが、母乳を保存することが初めてのママにとっては、「搾乳ってどうやってやるの?」といった状態だと思います。そんなママのために、搾乳に必要な道具についてご紹介していきます。

搾乳器

出典: https://ikumenkazoku.com/archives/1211.html

搾乳とは母乳を絞ることなので、自分の手で行うこともできます。しかし手で絞る場合は大量に搾乳するのは困難な場合も多いため、搾乳機を使って効率的に搾乳するほうが、ママのおっぱいへの負担も少なくなります。

搾乳機には手動タイプと電動タイプがありますが、それぞれ価格や使いやすさ、手間など様々な兼ね合いがあります。中にはレンタルをしている業者もあるので、まずはレンタルで色々な搾乳機を試してみるのも良いと思います。

母乳を保存する容器

母乳を保存する際に、搾乳器のほかに必要なものは、母乳を保存する容器です。一般的にはピジョンなどのメーカーで売られているパックが有名ですが、その他にもキャップ部分を付け替えるだけでそのまま飲ませることができるメデラのボトルタイプなどもあります。

100均などで売られているボトルやフリーザーパックを代用しているとの声もちらほら見かけますが、基本的には滅菌処理をされてない容器に関しては、あまりおすすめはできません。栄養満点の母乳は菌が繁殖しやすいと言われているため、しっかりと滅菌されていない容器ではせっかく保存した母乳がダメになってしまう場合もあります。

【母乳を保存する方法①】常温の場合

母乳を常温で保存する場合は、先にご紹介したような容器、またはしっかりと消毒した哺乳瓶にふたをして保存するだけです。長時間の保存は常温保存には向きませんが、16~25℃の間であれば、4~6時間程度の保存が可能と言われています。

ただし、大人が長時間常温で放置した牛乳を飲むのに躊躇することがあるように、赤ちゃんもあまり時間が経った母乳を飲むのは少し心配かもしれません。4~6時間という時間に安心せず、なるべくなら早く飲ませたいものです。どうしても長い時間の保存が必要であれば、次にご紹介する冷蔵保存や冷凍保存をおすすめします。

常温保存した母乳の温め方

健康な赤ちゃんであれば、常温保存のままでも保存した母乳を飲むことができます。しかし、体温に近くないと嫌がる赤ちゃんもいるため、温め方についても覚えておきましょう。

常温保存した母乳を温めるには、母乳が入ったボトルや哺乳瓶、パックをぬるま湯が入ったカップやボウルに入れて体温に近い温度(37℃前後)まで温めるだけです。母乳の中には熱に弱い成分に含まれていて、40℃まで温度を上げてしまうとその成分が失われると言われています。温度管理には十分注意しましょう。また、母乳の脂肪分が分離しているため、必ずボトルやパックを左右に優しく振って脂肪分を混ぜ合わせましょう。

【母乳を保存する方法②】冷蔵の場合

母乳を冷蔵保存する場合の方法は、基本的には常温保存の方法と変わりはありません。ただし、搾乳が終わったらなるべく早く冷蔵庫で保存をしましょう。すでに保存してある母乳に継ぎ足しもできますが、その場合は搾乳する母乳と保存してある母乳の温度を合わせるようにしておきましょう。

母乳を冷蔵保存する場合は3日間を限度としておきましょう。また、冷蔵庫で保存する場合は冷蔵庫内で最も冷える場所に置き、不安定なドアポケット部分などは避けるようにしましょう。

冷蔵保存した母乳の温め方

冷蔵保存した母乳の温め方も、基本的には常温保存した母乳と一緒です。カップやボウルにぬるま湯を入れて、体温程度まで温めましょう。ただし、冷蔵保存をしている場合は常温保存よりも脂肪分の分離が進んでいる場合があります。必ず良く振って、脂肪分を混ぜ合わせてください。

【母乳を保存する方法③】冷凍の場合

母乳を冷凍保存する際も、ボトルやパックに入れるところまでは変わりません。しっかりと口を閉じたら、すぐさま冷凍庫内で温度が安定している、冷凍庫の奥のほうで保存しましょう。冷凍保存の場合は、マイナス20℃の冷凍庫で最大で6ヶ月の保存が可能とされています。

また、母乳は冷凍すると膨張する性質を持っているため、ボトルやパックの最大量の3/4を限度としておきましょう。その他にも、冷凍保存をする場合は容器が冷凍保存に対応しているかにも注意が必要です。

冷凍保存した母乳を解凍する方法

冷凍保存した母乳を解凍する場合は、冷蔵庫でじっくりと解凍させてから温めるか、先述したように37℃程度のぬるま湯で解凍をします。常温での解凍は、滅菌済みの場合でもどこからか混入した菌が繁殖する恐れがあるので、赤ちゃんのためにも避けましょう。また、解凍した母乳は2時間以内に赤ちゃんに与え、それ以上を過ぎてしまう場合は捨てましょう。

母乳を保存する際に注意すべきポイントとは?

非常に便利な母乳の保存ですが、いくつか守ったほうが良い注意点があります。注意点を守ることが、赤ちゃんにとって良い母乳を飲ませることや、母乳の無駄を防ぐことにも繋がります。母乳を保存する際の注意点についてご紹介します。

保存日や時間を記入する

冷蔵や冷凍で保存をする場合、いつ保存したのか分からなくなってしまうこともあるかもしれません。誤って保存期限が過ぎてしまった母乳を飲ませないためにも、必ず保存日を記入しておきましょう。

なるべく小分けで保存する

先述したように、一度解凍した母乳を再冷凍することはおすすめできません。つまり、せっかく解凍しても赤ちゃんが飲み切らない分に関しては、泣く泣く破棄をしなければならないこともあります。なるべく母乳を無駄にしないように、少量ずつを小分けで保存することをおすすめします。

清潔な環境で行う

搾乳、温め、解凍のどの手順をとっても、必ず清潔な環境で行ってください。せっかく母乳を保存しようとしても、ちょっとしたことで雑菌が混入したのでは母乳が台無しになってしまいます。搾乳前には手指や道具の消毒などを行い、保存容器がボトルの場合は、ミルトンや熱湯などでしっかりと消毒したものを使いましょう。

母乳を保存するとこんなメリットが!

母乳を保存することでどんなメリットがあるのかについてご紹介していきます。ただ単に母乳が勿体ないから保存しているという人もいると思いますが、実はママの体にも良いですし、その他にも様々な恩恵を受けることができるのです。

おっぱいトラブルを防げる

赤ちゃんが母乳を飲まなかったり、飲む量が少ないなどが原因で母乳が詰まってしまうと、乳腺炎になってしまうことがあります。乳腺炎は全身のダルさ、リンパ節の腫れ、人によっては40℃を超える高熱が出るなど、かなり辛い症状を引き起こすことのある授乳中ならではの病気のひとつです。

また赤ちゃんが乳首を噛んでしまって傷ができて、もはや授乳どころではないという場合にも、一度搾乳した母乳を飲ませることで乳首の傷を癒すことにも繋がります。おっぱいトラブルを防ぎつつも赤ちゃんに母乳をしっかりとあげたいという場合に、母乳を保存するというのは非常に有効な方法なのです。

外出時に人目を気にしないで飲ませられる

たとえば電車などの人目が多いところで、赤ちゃんがお腹が空いてぐずってしまうということを経験したことのあるママも多いのではないでしょうか。いくら授乳ケープなどを持っていても、人前で授乳をするのはかなり抵抗がありますよね。そんな時に搾乳して保存してある母乳があれば、胸を出さずとも赤ちゃんに母乳をあげることができます。

お酒や薬が飲める

授乳中は赤ちゃんへの影響を考えて、お酒や薬などは制限されます。しかし、育児やその他でストレスが溜まってしまったり、どうしても体調が悪くて薬を飲まなければならないといった場合も少なからずあると思います。

薬やお酒を飲む前に搾乳をしておけば、赤ちゃんにそれらの影響のない母乳を飲ませることができます。薬やお酒の種類や量によりますが、一般的には数時間で母乳への影響はなくなるとされています。気分転換や体調を整えるためにも、母乳を保存することを上手に取り入れてみてくださいね。

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ママ以外でも飲ませられる

母乳を保存しておくことは、母乳をママ以外が与えられるということです。つまり、パパや自分の両親など、それらの人が母乳を与えることができるのです。母乳をあげることで何もできない状態がストレスに感じるママも多く、疲れている場合などは授乳自体が面倒くさいと感じることもあると聞きます。

たまには赤ちゃんにママ以外とのスキンシップをさせつつ、自分にゆっくり休む時間を持たせるという意味でも、母乳を保存してみるのもおすすめです。実際にパパが「母乳をあげられて嬉しい!」と喜んでいるという声もあるようですよ。

母乳を上手に保存しておこう!

どうしてもママが母乳をあげられないとき、搾乳して保存した母乳というのは非常に便利です。しかし誤った保存方法をとってしまうと、何度かお伝えしたように母乳の中に雑菌が混入したり、成分が変化していって栄養価の低い母乳となってしまいます。正しい母乳の保存方法を身につけ、上手に母乳育児をしていけると良いですね。

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この記事のライター
ほり
3児のお父さんをしています。

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