授乳中の飲酒はOKなの?お酒やアルコールが母乳に与える影響とは?

お酒が大好きなママにとって、授乳中のアルコール禁止はつらいもの!授乳中のお酒はどうして飲んだらダメなの?お酒入りのお菓子は食べてもOKなの?飲酒中に授乳してしまった場合の影響とは?授乳中の飲酒について知りたいアルコール好きママは必見です!

授乳中の飲酒はOKなの?お酒やアルコールが母乳に与える影響とは?のイメージ

目次

  1. 1授乳中の飲酒はリスクが大きい?
  2. 2授乳中だけどお酒を飲みたい!どうすればいい?
  3. 3ノンアルコール飲料やアルコール入りお菓子は大丈夫?
  4. 4授乳期のカフェインやタバコは大丈夫?
  5. 5お酒と上手に付き合いながら無理のない育児を
  6. 6出典元はこちら

授乳中の飲酒はリスクが大きい?

お酒は気分を楽しくし、明るい気分にさせてくれます。
けれども、授乳中のお酒は母乳や赤ちゃんの発達にどんな影響があるのか、知っていますか?

飲み会が好き、お酒が好き、酔った気分が好き。お酒が好きな理由はいくつもあって、飲み会や飲酒がストレス発散のもと!というママもいるはず。

どんなに飲酒が好きでも、授乳をするとなるとアルコール成分が赤ちゃんに与える影響が大きくて、まったく飲まないと禁酒を決めるのが普通ですよね。

けれども、授乳中のお酒を禁止することでストレスを抱え、辛い気持ちのまま授乳期を過ごすのも悲しいもの。もう二度とやってはこない授乳期を、楽しく過ごしたいと思いませんか?

授乳期のお酒による影響やアルコールが抜けていく時間を知り、お酒やアルコールの量を上手にコントロールしながら、母乳に影響なくお酒の誘惑を自分で管理できるようになりましょう。

アルコールで母乳が出にくくなる!

お酒が授乳中のママの母乳に与える影響は様々あります。
その中でも、母乳が出にくくなるのがアルコールが起こす悪影響のひとつです。

赤ちゃんを産んでから母乳が開始されると、母乳を作るためのホルモン「プロラクチン」と、作られた母乳が乳腺を通って乳首まで運ぶためのホルモン「オキシトシン」という2種類のホルモンが作られます。

お酒を飲むと、アルコールではなくお酒の中に含まれる多糖類のおかげでプロラクチンの分泌量が増えます。つまり飲酒すると母乳が作られる量は増えるのです。

しかしオキシトシンは違います。授乳中のママがお酒を飲んでしまうとオキシトシンの分泌が抑制され、母乳を出す「射乳反射(しゃにゅうはんしゃ)」を阻害し、母乳が出なくなってしまうので、結果的に赤ちゃんが飲む量が不十分になってしまいます。

また、プロラクチンが活発になることにより母乳の量が増えても、オキシトシンの減少で母乳がスムーズに出なくなってしまうことは、乳腺に母乳が溜まりやすくなって乳腺炎などのトラブルになる可能性も高まりますので、授乳期のお酒は控えた方が影響が少ないことがわかります。

赤ちゃんの発達に影響することもある!

母乳は、何から作られているかご存知ですか?
それは、ママの血液。アルコールを飲酒した場合、母乳のアルコール濃度はママの血液内アルコール濃度と同じになるのです。

人間は飲酒後、約30分から60分で血液のアルコール濃度が最大になると言われています。これは太っているか痩せているかの体型の違いや、アルコールの量に耐性があるかといった個人差はありますが、おおむねその時間帯にはアルコールの影響が最大となります。

もしこのタイミングで赤ちゃんに授乳してしまうと、赤ちゃんもアルコールを摂取してしまうこととなります。赤ちゃんの肝臓はまだ未発達で未熟、十分にアルコールを分解できません。

また、未発達な赤ちゃんにとってアルコールは大敵。授乳期なのに毎日深酒などママが大量のお酒を飲みすぎてしまうと、『低身長・低体重・記憶障害・学習障害』など、普通に過ごしていれば起きない発達への悪影響が起きてしまうのです。

授乳期でもお酒を飲みたい!という欲望を抑えるのは楽なことではないですが、長い人生お酒が飲めない時間はたった一年あまりです。赤ちゃんの卒乳までは、お酒は控えた方が影響も少なく、赤ちゃんとしっかり向き合えますよ。

授乳中だけどお酒を飲みたい!どうすればいい?

授乳期には赤ちゃんのために、何がなんでもお酒は禁止!
そうはいっても、ママの頑張りに報いるためにたまにはお酒を飲みたくなりますよね。
授乳期のママがお酒を飲むためには、アルコールに気をつけたいポイントがありました。

子育ては、イライラの連続です。慣れないことを寝不足や体力不足の中、フラフラになって毎日同じことを繰り返す。
我が子は何をしても可愛いけれど、可愛いだけでは育ちません。

そんな時、授乳期だからと禁酒している方がストレスになって、自分を追い詰めてしまってはいけません。
お酒を飲むためには、アルコールにまつわる「時間」と「量」を明確に守る必要があるのです。
逆に言えば、それさえ守れれば授乳期の飲酒は禁忌ではないのです。

搾乳した母乳やミルクを与える

お酒を飲みたい。けれど、眠る赤ちゃんもいずれは起きて母乳を欲しがります。
けれども、アルコール入りの母乳では赤ちゃんの発達に危険が。
そんな時は、搾乳した母乳や、粉ミルクで代用しましょう。

あとで詳しく説明していますが、お酒に含まれるアルコールが体から抜けるには3時間以上の長い時間が必要です。新生児期の赤ちゃんは3時間おきに授乳しないとならず、何も飲ませないわけにはいきません。

お酒を飲むと、母乳の味も変化します。普段飲み慣れていない味を嫌がる赤ちゃんは、お酒(アルコール)入りの母乳を拒否するかもしれません。その前に搾乳し、冷凍保存しておいた母乳をあげると、安心して飲んでくれます。

ただ、完全母乳で哺乳瓶に慣れていなかったり、粉ミルクの味を嫌がる赤ちゃんはスムーズに飲んでくれないかもしれません。ママが病気になっても母乳はあげられなくなるので、緊急事態に備えるという意味でも哺乳瓶で飲む練習をしておいてもいいかもしれませんね。

お酒の適正量を守る

では、具体的にどの程度までお酒を飲んでから授乳しても、アルコールなどで発達に影響がない量になるのでしょうか。

なお、アルコールの分解能力は個人差がかなりあります。以下の表で示した適正量に達していなくても酔ってしまったり、体調が悪い時にはお酒は控えましょう。

【お酒の適正量】

ビール 350ml
ワイン グラス1杯
サワー類
(アルコール7%)
1缶

この表は体重50kgのママが1日に飲んでも良い適正量ですが、これ以上の量を飲むのは赤ちゃんの発達に影響が出て危険です。

アルコールの度数が高かったり、授乳や子育てで疲れているといつも以上に酔いが回ってしまいます。お酒で酔ってフラフラになってしまい、赤ちゃんのお世話ができないのでは、気分転換の意味がありません。

たとえ適正量以下でも酔い始めたなと思ったらすぐにお酒を中止し、少し休みましょう。お酒を飲んだ後にすぐ授乳するのは絶対にやめましょう。

では、お酒を飲んでから授乳までどれくらいの時間をあければ発達に悪影響がないのでしょうか?

飲酒から授乳までの間隔をあける

授乳期にお酒を飲んでしまった場合、血液中にアルコールが残っている間は授乳をしてはいけません。

ここで大切になってくるのは、「お酒を飲んでから約5倍の時間が経過すれば血液中のアルコールはほぼ解消される」ということです。

お酒を飲んでからのピークが約30分から90分ということですから、その5倍の時間、約2時間30分から7時間30分経過すれば肝臓でアルコールが代謝されたということになります。アルコールの分解能力は個人差が大きいので、かなり差がある結果です。

つまり、どんなにお酒が強いママでも、最低2時間〜3時間は授乳の時間をあけましょう。これは体重50kgの女性がビール1缶(350ml)を飲んだ場合ですので、アルコールを飲んだ量や飲んだ時間などによっても変化します。

さて、お酒を飲んだ後につらくなる「二日酔い」ですが、これはお酒が体内に残っているからというわけではありません。アルコールによる体の変化が翌日に影響しているものだと考えられています。

二日酔いだと赤ちゃんのお世話はつらいですが、1日時間を空けた状態のおっぱいなら授乳も大丈夫。ただ、その状態での授乳やお世話は大変ですから、やはり深酒はしない方が良いでしょう。

飲酒以外のリラックス方法を考えてみる

お酒を飲んで明るい気持ちになることは、授乳中のストレス軽減に手っ取り早い方法です。
しかし、発達に悪いなどリクスも高いもの。お酒以外でストレスを発散するあなたに合った方法は、きっとあるはずです。

甘いお菓子と美味しいお茶でティータイムも、たまにはパパに預けてリフレッシュすることも大切です。産後1ヶ月検診で問題がなければ、赤ちゃんと一緒にお散歩するのも良い気分転換になります。

授乳期だから、赤ちゃんがまだ小さいから。遠慮してできないことを数えるより、できること、昨日より赤ちゃんができたこと、発達したことを数えてみましょう。

授乳期で大変なのは、永遠ではありません。今だけの赤ちゃんとの濃密な時間を、周りのパパやおじいちゃんおばあちゃんと一緒に楽しめるよう、お酒以外でリラックスできる時間を作っていきませんか。

辛い時には辛いと言っていいのです。具体的にどんなことを手伝って欲しいかということを伝えれば、パパも積極的に育児に参加してくれますよ。

ノンアルコール飲料やアルコール入りお菓子は大丈夫?

チョコレートボンボンなどお菓子の中、あるいはお菓子の生地にお酒が入っているお菓子が大好きでやめられないという授乳中ママがいます。また、ノンアルコールならアルコールが入っていないので大丈夫、という人も。本当でしょうか?
 

日本での法律上、ノンアルコール飲料はアルコール分が1%以下のものをいいます。
つまり、ノンアルコールといえどもアルコールがゼロというわけではないのです。

【ノンアルコール飲料等のアルコール分】

ノンアルコール飲料 0.05%以下
定アルコール飲料 0.05〜1.00%以下

授乳期にお酒が飲めない代わりにノンアルコールビールなどを楽しみたいという場合でも、微量にアルコールは含まれているので飲み過ぎには注意してください。

続いてアルコール入りのお菓子ですが、リキュールなどが入っているお菓子は基本的にアルコール分が高いものは多くないようです。お茶請けに少しお菓子を食べたからと言って、すぐさま影響することはないようです。しかし、お菓子といえどもお酒はお酒です。

お菓子だからと油断せず、アルコールが入っているのはお酒と捉えて、お酒入りお菓子を食べた後は3時間以上時間をあけて授乳するようにしましょう。

授乳期のカフェインやタバコは大丈夫?

授乳中は何かと我慢が多いものですが、カフェインやタバコも同様に気をつけなければなりません。

授乳中のママがカフェインを摂ると、1%前後が母乳に混じります。コーヒー1杯程度では発達に影響はありません。しかし赤ちゃんはカフェインに対して過剰に反応し、以下のような反応を示すことがあります。

【カフェインがもたらす赤ちゃんへの影響】

  • 泣きやすくなる
  • 夜寝にくくなる
  • 情緒が不安定になる

上記のような反応が見られた場合には、カフェインを控えるようにしましょう。

妊娠していない、健康な人が1日に250mg以上のカフェインを摂ると、寝ても起きてしまう回数が増えることが実験でわかっています。授乳期はこれよりももっと少ない量で抑えましょう。

【飲み物に含まれるカフェインの量】

種類 1杯当カフェイン量 100ml中カフェイン量
コーヒー(150ml) 135mg 90mg
紅茶(150ml) 30mg 20mg
緑茶(150ml) 30mg 20mg
玄米茶(150ml) 15mg 10mg

次いでタバコの影響ですが、ママが喫煙した場合の母乳に含まれるニコチンの量は微量という研究成果が出ていますが、タバコは受動喫煙(タバコの煙を吸ってしまうこと)の方が赤ちゃんにとって深刻な影響を及ぼします。

呼吸器官や中耳への影響、疾患の発症、乳児突然死症候群(SIDS)のリスクを格段に高めてしまうことは、アメリカや国内での調査において証明されています。

タバコはストレス解消になるかもしれませんが、周りに及ぼす影響が顕著です。吸いたい気持ちが我慢できないときは、クリニックなどの禁煙外来に通うのもひとつの方法です。あなたの赤ちゃんを守るために、タバコはきっぱり禁煙した方が望ましいでしょう。

お酒と上手に付き合いながら無理のない育児を

お酒が大好きな筆者にとって、お酒を我慢しなければならない授乳期はストレスとの戦いでした。

自分のお腹を痛めて産んだ赤ちゃんはとても可愛かったのですが、「ママはいつでも笑顔でいなければ」という自分で作った強迫観念で子育てを楽しめていませんでした。

そんな時たまにごほうびで一杯だけ飲むお酒が、私には良い気分転換になりました。飲む量と時間をきちんとコントロールし、飲酒後すぐに授乳しない。そのルールを守ることが大切です。

赤ちゃんのためには飲酒しないということを決意するのも大事ですが、ママが笑顔でいることも大切です。お酒に飲まれるのではなく、上手な付き合い方を覚えて楽しい授乳期を目指しましょう。

出典元はこちら

【助産師監修】授乳中のアルコール摂取は絶対ダメ?飲酒する際に気を付けること
授乳中にアルコールを飲んでしまったときの対処法は?
【助産師監修】授乳中のコーヒーは我慢?カフェインが母乳にもたらす影響は?
母乳とタバコ

関連するまとめ

Noimage
この記事のライター
天瀬雛菊
ライター歴そろそろ一年半。面白い、楽しい、役に立つ情報をご紹介していきたいです!

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ