ロールパンナちゃんの素顔や秘密を解説！ブラックロールパンナとは？

「それいけ！アンパンマン」の主要キャラクターのロールパンナちゃん。メロンパンナちゃんのお姉ちゃんですが、ターバンで隠した素顔は、目力がとっても素敵。ふたつの心を持つというパン達の中でもちょっと異彩を放つキャラクターです。

ロールパンナちゃんには、誕生に秘められたちょっと切ないエピソードや、その強さに秘められた思いがあるのです。運命を背負って生きるロールパンナちゃんの、その秘密に迫ってみます。

ロールパンナちゃんの初登場は1994年。メロンパンナちゃんのお姉さんとして、放送300回記念でロールパンナちゃんの誕生が描かれました。

ターバンで素顔を隠したミステリアスな風貌に、ロールリボンという長いリボンを使って戦います。最強とも謳われた女戦士、そのかっこよさは子供たちからも大人気ですね。

ロールパンナちゃんを作る時、メロンパンナちゃんが見つけたまごころ草という花の花粉と、メロンパンナちゃんのメロンジュースが生地に混ぜられています。「優しい心を持ったお姉ちゃんになるように」と、メロンパンナちゃんの願いが込められているのです。

ところが製作段階で、ばいきんまんによってばいきん草のエキスが混入させられてしまいます。この混入菌に気付かず焼き上げてしまい、ロールパンナちゃんは善と悪ふたつの心を持って誕生することになったのです。

ロールパンナちゃんが持っているリボンは、ロールリボンと言います。伸縮自在で鞭のように使ったり、敵を縛り付けて戦うほか、「ローリングハリケーン」という必殺技で大きな竜巻を起こすことができます。

他のパンは武器を持たない中、ロールパンナちゃんは唯一このロールリボンを使って戦うことが、ロールパンナちゃんが最強のパンと言われる所以でもあります。これには「メロンパンナちゃんを守るため」という説もありますが、はっきりとはしていません。

ロールパンナちゃんは最強が故に孤高の女で、一人ぼっちで生活し、素顔を晒さないようにしています。これは自分がいつ悪の心に支配されるかわからないため、心を閉ざしてみんなに近づかないようにしているのです。

しかし誰かが危険に陥ったり、特にメロンパンナちゃんのピンチには一目散に駆けつけます。動物や自然に心を許す一面もあり、最強かつ優しい心を持った女の子なのです。

ロールパンナちゃんの体内に潜むもう一人の黒い人格が「ブラックロールパンナ」です。黒いボディに真っ赤な目、邪悪な心に染まった状態のブラックロールパンナ。このブラックロールパンナの誕生の理由と、最強と言われる理由を紹介します。

ばいきんまんが混入させたばいきん草のエキスがばいきんまんの力で発動すると、ブラックロールパンナの状態になってしまいます。善の心の時の記憶がなくなり、アンパンマンですら太刀打ちできません。ターバンの色も黒くなり、恐ろしい風貌になります。

このブラックロールパンナの状態ではロールリボンから電撃攻撃ができたり、ロールリボンで絡めた相手を石化したりすることができます。これは善の心の状態では使えないため、やはりブラックロールパンナの状態が全てのパンの中で最強なのでしょう。

基本的に悪い心の原動力である「ばいきん草」の効果は、時間が経つと消えてしまいます。先述の通り、菌発動中は心が悪に支配されているため、目を覚まさせることは困難です。

しかし、ただ一人、メロンパンナちゃんの呼びかけで、ロールパンナちゃんは菌を解除し、良い心に戻ることができるのです。このメカニズムは解明されていませんが、優しい心が暗黒の力に打ち勝つ最強の力というメッセージなのでしょうか。

なんとロールパンナちゃん、過去に2回ほどドクター・ヒヤリによって完全なるブラックロールパンナとなったことがあります。本編645話「ふたりのロールパンナ」では完全に善と悪に分裂、劇場版「それいけ！アンパンマン　ゆうれい船をやっつけろ！」ではまごころ草の成分を抜き取られてしまいます。

こうなるともはや菌主であるばいきんまんの言う事も聞かなくなり、最愛のメロンパンナちゃんですら攻撃の対象となってしまうのです。

やっぱりロールパンナちゃんの闇落ちはなかなかに心を抉りますね。何人もの子供達にトラウマを植え付けてきたブラックロールパンナちゃんはどうやって善の心を取り戻したのか、それはご自身でご確認ください。

ターバンで常に素顔を隠しているロールパンナちゃん。その素顔は誰も見たことがありません。しかし一度だけ、ターバンを外してドクダミ茶を飲んだ場面がありました。その場合も後ろを向いていたため、やはり素顔はいまだに謎のままです。

ちなみに「包帯」ではなく「ターバン」です。決して怪我をしているわけではなく、ロールパンのモチーフとして顔に巻かれたものだそうです。ターバンで素顔を隠すことでふたつの心を持つロールパンナちゃんのミステリアスさを表現しています。

ロールパンナちゃんは、まだまだたくさんの秘密を持った女の子。表情もうまく読めず、あまりみんなと一緒にいることがないので、パン達の間では秘密めいた存在なのでしょう。そこで、ロールパンナちゃんの秘密をちょっとだけ教えます。

ロールパンナちゃんは、実はメロンパンナちゃんよりも後に生まれたことは知っているでしょうか。メロンパンナちゃんは1992年生まれ、ロールパンナちゃんは1994年生まれなのです。ジャムおじさんが、メロンパンナちゃんの「お姉ちゃんが欲しい」という思いに応えて作りました。

どうやって後に生まれたロールパンナちゃんを姉設定にすることができたのでしょうか…？明言はされていないので模索するのは野暮ですが、やはりパン達の創造主であるジャムおじさんは最強である可能性を感じます。

ロールパンナちゃんは、ふたつのハートを持つ女。「善の心の赤」「悪の心の青」それぞれの色で分かれており、善状態では赤い方が、悪状態では青い方が光ります。どちらかの心が動いている時、もう片方の人格は眠りについているのです。

では、ロールパンナちゃんが大活躍する登場回を紹介します。泣けるものからちょっと意外な一面が見れるものまで様々。ロールパンナちゃん好きなお友達は必見ですよ！

ロールパンナちゃん誕生話です。メロンパンナちゃんが見つけたまごころ草の花を使って、ジャムおじさんはロールパンナちゃんを誕生させます。実はロールパンナちゃんは登場初回にして早速闇落ちします。アンパンマンと戦うロールパンナちゃんですが、メロンパンナちゃんを助けたことで優しい心を取り戻します。

先ほど紹介した、ドクター・ヒヤリによってまごころ草の成分を抜き取られ、完全なる漆黒ロールパンナになってしまう回です。

仔馬・マリンと仲良くなったメロンパンナちゃん。しかしマリンがばいきんまんにさらわれてしまいます。ばいきんまんにガイコツ島に連れてこられたマリンは、そこにいたロールパンナちゃんと仲良くなり、宝物の船を見せてくれます。その船を見たばいきんまんは、幽霊船を作ることを思いつき、ドクター・ヒヤリとともに幽霊船と幽霊の製造に成功します。ロールパンナちゃんはこの時に漆黒のブラックロールパンナちゃんになってしまいます。

まごころ草の花びらに導かれるようにしてうきぐも城にやってきたロールパンナちゃんは、そこでローラ姫と会います。ローラの雨で汚れた空気をきれいにするうきぐも城が壊れてしまったためローラ姫が修理しているところでした。ロールパンナちゃんは城の修理を手伝いながら、ローラ姫と仲良くなります。そこにばいきんまんがやってきて、ばいきん草を使って悪さをします。

このローラ姫が歌う曲がアンパンマンの中でも名曲とされているのです。ちなみにこのお話ではロールパンナちゃんだけでなく、しょくぱんまんとカレーパンマンも黒くなります。

汽車とともに町へ食料を運ぶメロンパンナちゃん。そこへばいきんまんに襲われるものの、通りすがりのやきそばパンマンとロールパンナちゃんによってばいきんまんを追い払います。ばいきんまんは巨大化したブラックサボテンマンを使って、再びメロンパンナちゃんたちに襲いかかってきます。

全体的に西部劇のような雰囲気で、みんなの服装がかっこいいです。ばいきんまんとドキンちゃんの変装も可愛いと評判でもあります。サボテンマンは黒くなる上に巨大化するんですね。

ピーターというバイオリン弾きが来る音楽会に向けて、練習をするメロンパンナちゃん。それを盗み聞きしたドキンちゃんは、ピーターを拉致するようにばいきんまんに命令します。一方、ピーターは崖から落ちそうになったところをロールパンナちゃんに助けられ、一緒に音楽会に向かいます。そこにばいきんまんがピーターをさらってしまいます。

ピーターのバイオリンには心を浄化する力があるようで、闇落ちしたロールパンナちゃんを助けます。一方、ロールパンナちゃんとアンパンマンの複雑な関係性も見え隠れする話です。

鉄火のマキちゃんがバタコさんに恵方巻の作り方を教えています。その様子を見ていたドキンちゃんは、鉄火のマキちゃんを拉致するようにばいきんまんに命令します（基本的に、ばいきんまんは命令される側だとお気づきでしょうか）。ばいきんまんはロールパンナちゃんを鉄火のマキちゃんに仕向けますが、鉄火のマキちゃんとロールパンナちゃんの決闘が始まります。

ロールパンナちゃんと鉄火のマキちゃんの女の戦いににグッとくるお友達が続出するお話です。また、この話ではロールパンナちゃんが最初から闇落ちしているのもポイントです。ちなみに、鉄火のマキちゃんの声優さんはセーラームーンの海王みちる（セーラーネプチューン）の人です。

チェロヒキーさんにパンを渡しに向かうジャムおじさん達。メロンパンナちゃんがロールパンナちゃんも誘おうと、出かけて行きます。一方パトロールをしていたアンパンマンは、落雷にあって墜落してしまいます。メロンパンナちゃんと入れ違いでやってきたロールパンナちゃんは、雨の中メロンパンナちゃんを探しに行きます。

普段は強いアンパンマンが弱っているところを助けるメロンパンナちゃんの勇姿が見られます。メロンパンナちゃんとロールパンナちゃんの姉妹の絆に心がグッと来るお話です。

孤高の女ロールパンナちゃんのセリフは、心にグッとくるものばかり。その中でも、特にロールパンナちゃん好きなお友達の心に留めてほしい、深い名言を紹介します。

「ロールとローラ うきぐも城のひみつ」でメロンパンナちゃんに向けた言葉です。普段はくらやみ谷で一人で過ごしているロールパンナちゃんですが、本当はメロンパンナちゃん達と一緒に暮らしたい、という気持ちを吐露しました。

大人気の映画「それいけ!アンパンマン 夢猫の国のニャニィ」にて、ニャニィを、夢猫の国に帰さなければいけないメロンパンナちゃんに、ロールパンナちゃんが言った言葉です。出会いと別れについて考えさせられます。

「一緒にいなくても心は一緒にいられる。」という言葉に続いて、ニャニィが夢猫の国に大切な役目があるから行かなければいけない、とメロンパンナちゃんに語りかけます。「何のために生まれて何をして生きるのか」というアンパンマンのテーマのように思えます。

「ふたりのロールパンナ」にて、ブラックロールパンナと対峙するロールパンナちゃんのセリフです。世界の破壊者となったロールパンナちゃん自身と決別する場面は、ロールパンナちゃんのファンは涙なしでは見られません。

ロールパンナちゃんの声優さんは冨永みーなさん。アンパンマンでは現在ドキンちゃん役とも兼任しています。他には「サザエさん」の磯野カツオの声も担当している実力派声優さんです。

ちなみにドキンちゃんの声優さんは鶴ひろみさんが担当していましたが、2018年11月に鶴さんが亡くなったため、2019年1月からドキンちゃんの後任の声優を冨永さんが担当することになりました。

ロールパンナちゃんは、実は歌もお上手！ロールパンナちゃんの心情を歌った、代表的な歌があります。主に知られているこのふたつの歌を覚えてカラオケなどで歌えば、立派なロールパンナちゃん好きなお友達の仲間入りです。

悪の心パートと善の心のパートの歌い分けが素晴らしい名曲「ふたつの心」。悪のパートは幼少期に聞くとちょっと怖かったという声も。とにかく声優さんの歌唱力を実感する名曲です。

「ロールとローラ うきぐも城のひみつ」の作中で歌われた、別名「ロールとローラの歌」です。作中で流れたのはローラ姫の声優である黒木瞳さんが歌っているバージョン。CDに収録されているのは「ドリーミング」が歌っているバージョンです。

ローラ姫がロールパンナちゃんと出会えた喜びを歌った歌であり、一つ一つはちっぽけでも力を合わせれば大きな力になるということを歌った歌です。

ターバンがトレードマークのロールパンナちゃん。対極的な一面があったり、多くの秘密を抱えて生きる彼女はある意味アンパンマン達の中でももっとも人間味のあるキャラなのでしょう（パンですが）。そんなロールパンナちゃんの生き様は、大人である我々の心に響くものがあるのかもしれません。

今はふたつの心の狭間で孤独に戦うロールパンナちゃんが、いつかメロンパンナちゃんと幸せに暮らせるように願わずにはいられません。