2021年11月29日公開
2021年11月29日更新
風神雷神の事故の原因・詳細・真相・遊園地|エキスポランド
楽しい遊園地は時々、運営のずさんなメンテナンス管理によって大きな被害と事故を招いてしまう時があります。この記事では2007年5月に起きた大阪のエキスポランドで大人気だったアトラクションの風神雷神Ⅱで起きた事故の詳細や風神雷神Ⅱの事故原因などをご紹介しています。
目次
風神雷神の事故があった遊園地「エキスポランド」
2007年5月5日連休の時期ということもあり、たくさんの来場者で賑わう遊園地内で、12時48分頃、遊園地を代表する大人気アトラクション「風神雷神Ⅱ」の立ち乗りジェットコースターで、風神雷神Ⅱの本体から車輪と連結する部品が外れ、乗車していた乗客1名が死亡し20人以上の負傷者を出す悲惨な事故が起こりました。
大人気だった遊園地エキスポランド
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エキスポランドは1970年に大阪万博のアミューズメントゾーンとして造られました。大阪万博閉幕後、1974年に再開されました。大阪吹田市の万博記念公園に付帯された遊園地で、当時は大阪を代表する遊園地として、学校遠足や家族連れ、カップルにとても人気があり、多くの来園者を迎えました。
風神雷神Ⅱの事故後には客足が伸びず、相次ぐコースターやアトラクションの不具合が重なり、2009年2月に民事再生法を申請し破産手続きを申告し、倒産する結果となりました。
エキスポランドを代表した人気アトラクション
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当時エキスポランドには、遊園地を代表する世界一のアトラクションが多数存在していました。遊園地を代表するアトラクションを求めてたくさんの来園者で賑わっていました。
巨大観覧車の「テクノスター」や、距離と乗車時間が世界最長記録のジェットコースター「ダイダザウルス」や、事故が起きてしまった、立ち乗りコースター「風神雷神Ⅱ」と並んで宙づり式ジェットコースター「オロチ」などの人気アトラクションが存在していました。
ジェットコースター「オロチ」から誕生したマスコットの「おろちくん」はエキスポランドのマスコットとして人気がありました。
世界最大だった巨大観覧車「テクノスター」
当時は全高85mという世界一の大きさを誇る巨大観覧車でした。85mという全高は「科学万博つくば85」にちなんで造られました。2007年にエキスポランドが閉園した後も存在していましたが、2009年11月に解体が始まり12年に撤去されました。
国内最大の宙づり式ジェットコースター「オロチ」
エキスポランドを代表する宙づり式のジェットコースターでした。アトラクションのマスコットである「おろち君」はエキスポランド全体を代表するマスコットとして大変人気がありました。
世界最長ジェットコースター「ダイダラザウルス」
2つあった周回コースを1つに繋げたコースが全長2340mとなり、当時は、世界最長のコースターとしてエキスポランドを代表する人気アトラクションでした。世界最長に伴い、乗車時間も世界最長となりました。
エキスポランドの名物アトラクション「風神雷神Ⅱ」
1990年に大阪の花博記念公園鶴見緑地で行われた、国際花と緑の博覧会(大阪花博)にて運行されていた立ち乗りコースター初代「風神雷神」がモデルとなり誕生した、エキスポランドの「風神雷神Ⅱ」は定員は1両に4名で最大24人、全長985メートル、最高時速75キロで、約2分20秒で1周する立ち乗りコースターです。
大人気のアトラクションでしたが、この「風神雷神Ⅱ」によって、史上最悪といわれているジェットコースター事故が起きてしまいました。
悲惨な風神雷神事故の詳細
遊園地で起きた死亡事故の中でも、最も悲惨な事故といわれる、エキスポランドの「風神雷神Ⅱ」の脱線事故は2007年5月5日12時48分頃に起こりました。
大型連休でたくさんの来園者で賑わう園内で、人気立ち乗りコースター「風神雷神Ⅱ」の走行中の車両より、車輪とレールを連結する部品が外れ車両が左45度に大きく傾き、車両と左手すり部分に頭部を挟まれた乗客1名が即死、その他に乗客、男女合わせて21人が緊急搬送され、風神雷神Ⅱの事故を目撃者した人のなかにも気分が悪くなる人が続出し、10人以上が病院で手当てを受けました。
被害者はコースターに頭部を挟まれ首が切断されていた?
ネット上で「風神雷神Ⅱ」の脱線事故を検索すると「首」や「切断」と続いて検索されます。事故当時、風神雷神Ⅱで被害者の女性は車両と手すりに頭部を挟まれ即死してしまった事実と、風神雷神Ⅱの事故直後に被害者女性の友人が、被害者女性がいないと探していたことから「首が切断されて生首になり地面に落下した。」と噂になりました。
実際は、風神雷神Ⅱでの事故の目撃者による「首は飛んでいなかった」という証言があるように「被害者女性は生首になった。」という事実はなかったものの、風神雷神Ⅱの事故直後、車両の下の地面には直径30~40センチの血だまりができたという証言もあるほど損傷は激しいものでした。
風神雷神の事故を引き起こした原因とは
遊園地事故の中でも史上最悪の事故といわれている「風神雷神Ⅱ」の脱線事故の直接的な原因は、6両編成のコースター車軸が金属疲労によって折れたことにより車両の2両目が脱線し急停止したことが原因といわれています。
しかし、その後の調査で、車軸を固定するための部品の劣化が事故の要因だったことや、アトラクションの安全点検のずさんさが指摘され、風神雷神Ⅱのメンテナンスなど、管理体制の怠慢が浮き彫りとなりました。
調査によって判明した風神雷神事故の真相
「風神雷神Ⅱ」の事故後、調査によってエキスポランドの安全管理のずさんさが問題視され、「事故は起こるべきして起きた。」という声と共に、風神雷神Ⅱの事故が起きる直前の異変や事故直後の現場の悲惨な状況が明らかになりました。
明るみになった悲惨な事故の状況
「風神雷神Ⅱ」のコースは全長985.2mで乗客を乗せたコースターは出発後、高さ約40メートルまで引っ張り上げられ落下し、終点まで走りきる構成上慣性の法則で終点まで走り切るため、緊急停止や速度制御は不可能でした。
風神雷神Ⅱの車軸が破断車軸が折れても車輪はすぐに脱線する事なく、しばらく制御不能のまま走行を続け、約30メートル暴走したのち、レールの鉄製手すりに衝突して停止しました。事故後の捜査本部の調べで、車体と車軸を固定している部品に緩みはないものの、長期間の走行による劣化が原因で部品部分に亀裂が生じ、折れてしまった事が判明しました。
安全点検の怠慢で見落とされた事故原因
風神雷神Ⅱの事故発生時、現場に居合わせた人のインタビューには、「金属が摩擦するような音がした」という声や、白い煙が上がり、コースターの部品のような金属の破片が飛び散ってきたという証言もありました。また、機械音が聞こえたという証言もあったとのことです。
当時の調べによると、今回事故が起きた「風神雷神Ⅱ」の車軸は開業以来、15年間交換されたことがなく、点検時に単に目視のみで「良好」と報告されていました。
また、通常は毎年1月から2月にかけて行われる金属の部品など、亀裂や劣化を点検するための風神雷神Ⅱのメンテナンス検査が、1年3ヶ月もの期間行われていなかったという遊園地側の安全点検について怠慢の事実が今回の事故によって明るみになりました。
風神雷神Ⅱの事故による被害者について
この風神雷神Ⅱの事故による被害者は、コースターの車両の2両目に乗車していた女性1名が死亡、その他に乗車していた男性4名、女性17名が重軽傷を負い病院に搬送されました。
この悲惨な事故によって死亡した女性は、風神雷神Ⅱの事故車両に乗り込む直前に、後ろに並んでいた家族連れを気遣い、席を譲っていました。そして、事故車両の2両目に座ったことにより、偶然にも大きな事故に巻き込まれてしまいました。
死亡した被害者は直前に席を譲っていた
「風神雷神Ⅱ」の事故車両の2両目に乗っていて死亡した女性は、同僚5人と共にエキスポランドを訪れていました。当初1両目に乗り込む予定だった女性は「風神雷神Ⅱ」の事故車両に乗り込む直前、後ろで順番待ちをしている父親と娘2人の家族連れが車両の構成上離れてしまうことを気遣っていたといわれています。
家族がそろって乗り込めるように1両目を譲り、6人グループだった女性グループは2両目から3両目にかけて乗り込み、大きな被害に遭いました。席を譲ってから事故に遭うまでの約3分間のできごとでした。
ネットで検索される事故被害者の顔
インターネットで、風神雷神Ⅱの事故について検索すると死亡した被害者女性の顔写真が出てきます。調べてみると、当時亡くなったのは、ふくよかな19歳の会社員の女性でした。報道された当時の遺影写真は中学生の卒業式の写真でした。また、報道当時、卒業式のビデオで将来はネイリストになりたいと語っている場面があり、そちらは希望に満ちあふれた笑顔で語る様子を撮した物でした。
また、死亡した女性19歳の以外の被害者女性以外の顔写真は、死亡ではなかったため、顔が公開されることはありませんでしたが、それでも、この風神雷神Ⅱでの無残な事故であったことに間違いはなかったでしょう。
真実とは異なる?事故被害者の体重や容姿の噂
この風神雷神Ⅱの事故において、当時の事故被害者の体重や容姿からでは、とても首が飛ぶようには見えないとのウワサが立ちました。風神雷神Ⅱの事故当時は、被害者の女性の姿がなかったため、首が飛んだのかといわれていましたが、実際には『手すりと車体に頭を挟まれていて、頭が2つに割れていた』という目撃者の証言がありました。
目撃者いわく、見てもいられない状況だったとのことです。また、風神雷神Ⅱの事故被害者の女性は事故直前まではダイエットに成功していたとのことで、噂されている体重や想像しているよりかは、体重はそれほどなかったといわれています。
そのため、首が飛ぶようなことはなかったといわれています。どちらかといえば、『頭のほうが車体と手すりに挟まった』と捉えたほうがわかりやすいでしょう。下記に当時、事故を直接見ていたという目撃者による証言がありましたので、リンクを貼っておきます。
体重でジェットコースターが傾いたという噂
2ちゃんねるのとあるスレッドでは「体重でジェットコースターが傾いたのでは」というコメントがありました。しかし、上記の事故直後にダイエットに成功していたといわれているとおり、体重が原因ではなかったことがわかります。
原因は、風神雷神Ⅱのジェットコースターの車軸が折れたことによって、起こったとされていますし、さらに15年もの間メンテナンスがまともにされていなかった積み重ねによって起こるべくして起こった事故といわれてます。
ジェットコースターは安全を重視して作られている
つまり、当時の女性の体重ではジェットコースターは傾かなかったことになるでしょう。ジェットコースターは安全な乗り物といわれており、約300kgの重さに耐えるほどで、安全には万全にして開発されているアトラクションです。
しかし、今回の事故に関しては遊園地運営側のメンテナンス管理がずさんであったため、安全な乗り物から危険な乗り物へとメンテナンスの怠りがこの事故の原因を作ったといわれています。
病院に搬送された風神雷神Ⅱの事故の目撃者たち
事故直前にギーッという鈍い機械音と乗車客の絶叫が
風神雷神Ⅱの事故の目撃者たちの中には、あまりの悲惨な出来事に見ていられず、気分が悪くなってしまった人たちもいたといわれています。当時、風神雷神Ⅱの事故現場を目撃した女子大生によると『はがれた塗装みたいなキラキラとした物が見えた』『部品のような物が落ちてきた』と証言しています。
そして、そのあと、ギーッという機械音とともに乗客の絶叫があり、この事故が起きたといわれています。その後、車体に挟まれていて動かない人、つまり事故の被害者を目撃しており、あまりのショックにその女子大生を含めた事故目撃者32人が病院へ搬送されることとなりました。
精神安定剤を受けた目撃者や過呼吸の症状が出た目撃者も
風神雷神Ⅱの事故を目撃して気分が悪くなり、病院に搬送された人には自分で立ち上がれない状態になっていて精神安定剤を処方されたという方や、過呼吸の症状が出てしまう方もいたと、患者を受け入れた柏原部長は証言しています。
また、当時事故を目撃していた21歳の女性2人の場合は、口も聞けないほどショックを受けてしまったとスポーツ報知などで報道されていました。
事故当初が子どもの日であったことから子どもも多かった
この風神雷神Ⅱの事故の日、実は5月5日の子どもの日であったことから、家族連れの客が多くいたといわれています。そのため、事故を目撃した人の中にはあまりの悲惨さにPTSDになってしまった人も多くいたといわれています。
また、先述しましたがこの事故を目撃し、気分を悪くして病院に搬送された目撃者達は最大で32人いたといわれていますが、それほどまでにこの風神雷神Ⅱの事故は悲惨さを物語っていることがわかります。
風神雷神Ⅱとエキスポランドのその後
1F中央 光の広場 - 吹田市、ららぽーとエキスポシティの写真 - トリップアドバイザー
風神雷神Ⅱのその後
風神雷神Ⅱの事故の後、エキスポランドではメンテナンスのずさんさが祟ってなのか、次々にアトラクションの不具合が起きるようになりました、営業を再開した後は「ワイルドマウス」という小型のジェットコースターが緊急停止してしまいました。
その数日後には当時、風神雷神と並んで人気だったジェットコースター「オロチ」の不具合によって、小学生がケガをしてしまう事故が起こりました。そして、エキスポランドの客足は遠のき、2007年12月9日に再度閉園をしました。
休園の間、風神雷神Ⅱの撤去と他のアトラクションの改修工事に入りましたが、2008年10月にはその工事は中止となり、2009年にはエキスポランドは倒産してしまいました。
エキスポランドのその後
エキスポランドのその後は、2009年にエキスポランドが倒産しましたが、その1年後の2010年にエキスポランド跡地で農業体験型公園『ファームエキスポ』として新たな施設をオープンしていました。しかし、そのファームエキスポも1年後の2011年には契約が満了となり、終了してしまいます。
このファームエキスポが運営されていた時も遊園地の解体工事が進んでいたため、思うような客足がなかったともいわれています。
現在は『エキスポシティ』という施設に
エキスポランドが倒産し、2010年~2011年までファームエキスポとして運営していましたが、契約が満了となり、ついには大阪府がエキスポランドの跡地の利用者事業者を公募するまでとなりました。
そして、選ばれた利用者事業者は、三井不動産を選びました。三井不動産は、教育や異文化の交流を目的とした複合型施設を提案したといわれており、採用されたといわれています。結果的に2015年11月から『エキスポシティ』と施設名を変えて商業施設とレジャーが楽しめる複合施設として運営されることとなりました。
当時の面影はほとんどない複合型施設へと生まれ変わった
エキスポシティには、観覧車と水族館、映画館、ショッピングモールなどが併設されています。エキスポランドは、遊園地から生まれ変わり、家族が楽しめる施設が充実した施設となりました。エキスポシティには、遊園地やジェットコースターはなくなりましたが、それでも当時の面影はほとんどなく、連日人々で賑わうとても楽しい施設となっています。
風神雷神Ⅱ事故の後も遊園地での事故は多い
遊園地によるメンテナンス管理のずさんさによる事故は時々起っています。しかし、その楽しい遊園地も事故1つが起きるだけでも、楽しいはずの場が一気に怖い所へと豹変してしまいます。
風神雷神Ⅱのような悲惨なアトラクション事故を未然に防ぐためには、運営側のメンテナンスをより強化することが大切になってくるでしょう。それでも、風神雷神Ⅱの事故の後でもジェットコースターのボルトが落ちる、事故死するなどの事故が後を立ちません。
風神雷神のような被害者を出さないために学ぶことは
いかがでしたでしょうか。今回は、風神雷神Ⅱの事故の詳細や事故原因、当時の状況などをご紹介いたしましたが、このような悲惨な事故を防ぐには運営側の努力が重要といえるでしょう。
また、お客として行く側としては、乗る前にどんなささいなことでも良いので、何か変な音がしたり、安全バーがしっかり閉まらないなどの異変を感じたらすぐにその場から離れることや係員に報告することが、このような事故に巻き込まれないための対策だといえるでしょう。
風神雷神Ⅱの事故から10年以上経ちますが、今でもこの悲惨な事故があったことから学ぶことは多いといえるでしょう。