スキー選手の里谷多英事件の概要｜わいせつ/きっかけ/泥酔

里谷多英さんは、1976年6月12日に北海道札幌市で誕生しました。冬季の北海道は雪に恵まれていることから、里谷多英さんも幼少期からスキーを始めました。里谷多英さんは、小学六年生の時に全日本選手権に優勝するなどの好成績を残していたので、この頃から有望なモーグル選手として期待されていました。

1994年に開催されたリレハンメルオリンピックにも出場しましたが、その後モーグル選手の引退を考えることもありました。しかし、引退はせずに長野オリンピックに出場し、日本中を震え上がらせる競技を見せてくれました。

里谷多英さんが選手として活躍していたモーグルという競技は、スキー板を使ってデコボコな斜面を選手の技術などで美しく魅せる競技です。スタート地点からゴールまでの時間も記録するので、美しい技術であっても記録が遅ければ評価されない、とても難易度が高いウインタースポーツです。

1998年に開催された長野オリンピックは、日本の長野県で開催されたことから、普段ウインタースポーツに興味がない層も惹きつけたほどで、日本全体が長野オリンピックに注目しました。選手達も、自分達の国である事で気合が入ったのか、メダルを獲得した選手も多くおられました。

里谷多英さんも、長野オリンピックにモーグル選手として出場し、他の選手を圧倒させる記録を残し金メダルを獲得しました。

里谷多英さんは、長野オリンピックで金メダルを獲得したほど活躍したのですが、カメラの前でシャンパンを下品に飲み干したり、長野オリンピックの表彰式での態度などが、スポーツ選手としての品格が無いとの批判も多く、里谷多英さんは悪い意味でも注目されてしまいました。

しかしそれ以降も、里谷多英さんはモーグル選手として活動を続け、2002年にアメリカのソルトレイクシティで開催されたソルトレイクシティオリンピックにも出場しました。そして銅メダルを獲得したことで、2度のオリンピックに連続でメダルを獲得したモーグル選手となりました。

モーグル選手としての活動も当時順調だった里谷多英さんは、2003年に一般企業に勤める男性と結婚されました。二度のオリンピックの活躍で里谷多英さんを知る方も多かったので、里谷多英さんは多くの方に祝福されながら結婚を果たしました。

しかし、里谷多英さんは三年後の2006年に夫と離婚してしまったのですが、その離婚理由は、里谷多英さんが起こした事件が関係しているのではないかと言われることがあります。

2005年の2月、全ウインタースポーツファンや世間を騒がせた「里谷多英事件」が発生しました。ニュース番組などで取り扱われた直後は、里谷多英さんが何らかの事件に巻き込まれたのではないかと感じた方もおられたのですが、里谷多英事件は里谷多英さんが被害者の事件ではなく、里谷多英さんが「加害者」として起こしてしまった事件でした。

さらにこの事件は、里谷多英さんがわいせつ行為を行ったことがきっかけで発生した事件でしたので、この事件がきっかけで里谷多英さんに失望した方も多くおられました。

里谷多英事件が発生した場所は、東京の六本木にあるクラブでした。里谷多英さんは事件が発生した当時、コーチの方と外国人男性の三人で来店しました。そして、気分が良くなった里谷多英さんは、夫がいるにも関わらず意気投合した外国人男性とVIPルームへ移動し、お互い合意の上で肉体関係を結び始めました。

結婚している身であっても、夫以外の男性と肉体関係を結ぶことは違法ではないので、それだけで刑事罰が発生するわけではありません。里谷多英さんが男性と肉体関係を結んだ場所は、クラブのVIPルームだったのですが、このVIPルームは外側からでもVIPルームの中が見えるようになっていたので、里谷多英さんが行ったことも全て見える状態となっていました。

そのため、人に見られる場所で肉体関係を結ぶと「公然わいせつ」となります。当然、クラブのスタッフは里谷多英さんに注意をしたのですが、そのことがきっかけで里谷多英さんは激昂し、スタッフに対して暴力行為を行ったことで事件となりました。

公衆の面前で肉体関係を結ぶことも問題ある行為ですが、他者への暴力行為は、刑事事件になる可能性もあるほどの反社会的行為です。里谷多英さんがなぜこのようなことをしてしまったのか、原因はお酒にありました。

里谷多英さんはお酒が大好物であることも知られ、長野オリンピックでも金メダル獲得が決まった直後にシャンパンを一気飲みするほどでした。そのため、酒癖の悪さも噂されていました。そしてその噂通り、里谷多英さんはお酒に酔った勢いで事件を起こしてしまいました。

事件を起こしてしまったことで里谷多英さんは、関係者や自分が所属しているフジテレビにまで迷惑をかけることとなったのですが、この里谷多英事件は不起訴処分として解決し、騒動も収まりました。しかし、里谷多英さんは今回の事件を重く受け止め、モーグルの強化選手としての活動を停止することを決めました。

スポーツ選手らしからぬ事件を起こしてしまった里谷多英さんは、不起訴処分となったものの、今までテレビで応援していた方々の気持ちを裏切る結果となり、長野オリンピックの時とは真逆の意味で話題の人となりました。

里谷多英事件がきっかけで、多くの方々の信頼を失うこととなった里谷多英さんですが、それでもモーグル選手を引退することなく活動を続けました。しかし、事件後の里谷多英さんの成績は、あまり良い成績ではありませんでした。

2006年のトリノオリンピックにも出場しましたが、競技中も失敗が目立っていたことから以前メダルを獲得したほどの選手とは思えない、15位という成績でした。そして2010年のバンクーバーオリンピックにも出場したのですが、その際も競技中に失敗をしてしまい、19位で幕を閉じました。

様々な方面で話題になった里谷多英さんは、2013年2月にモーグル選手を引退しました。引退の理由は、里谷多英さんがモーグル選手としての自身の実力に限界を感じたことが理由でした。

事件を起こしてからの里谷多英さんは、その後のオリンピックでも良い成績を残すことができませんでしたが、長野オリンピックやソルトレイクシティオリンピックでの里谷多英さんを知る方々は、里谷多英さんの引退を惜しみました。

福島県で開催されたワールドカップで、里谷多英さんはラストランを行いましたが、その際も失敗をしてしまうなど、里谷多英さんにって悔いの残る滑りとなってしまいました。しかし、モーグルの世界を日本中に広めた一人でもある里谷多英さんの引退は、後輩の選手達やファンの方々に惜しまれ、暖かい空気の中引退しました。

引退した里谷多英さんは、現在モーグル選手としてではなくOLとしてフジテレビに勤務されています。

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有名人にとってイメージは大切なものですので、不倫などの行為は今後の活動に影響するほど悪い印象を世間に感じさせてしまいます。それはスポーツ選手でも同じことで、テレビで応援していたスポーツ選手が事件を起こしてしまうと、良い成績を残せる選手であったとしても、応援してくるファンは少なくなるでしょう。

里谷多英さんは多くの方々がいる場所でわいせつ行為と暴力行為を起こしましたが、これらの行為は許される行為ではありません。他者を傷つけないために、そしてファンを残念な気持ちにさせないためにも、スポーツ選手は自身のイメージを守ることも大切なことでしょう。