2021年11月29日公開
2021年11月29日更新
千葉市緑区あすみが丘事件の概要・関連人物や行動・その後
10LDKの豪邸に住む家主が何者かによって刃物で刺され、殺された千葉市緑区あすみが丘事件です。未だに犯人が逮捕されておらず、刃物も見つかっていません。一体誰が家主を殺したのか、豪邸のその行方はどうなったのかなど、事件の気になる詳細をご紹介します。
目次
千葉市緑区あすみが丘事件を知っていますか?
2016年に発生した千葉市緑区あすみが丘事件は、家主である当時55歳の佐田泰三さんが何者かによって玄関から入った廊下で刺されて死亡した事件です。なぜこの千葉市緑区あすみが丘事件が世間から注目されたのかというと、その家があまりに豪華な屋敷であったためでした。
日本では珍しい10LDKという地上3階建てのこの家は、千葉県の豪邸が立ち並ぶチバリーヒルズの近くに建ち、地元でも有名な豪邸でした。その屋敷に被害者は妻と二人きりで住んでいました。犯人は未だに捕まっておらず、未解決事件として謎に包まれています。
事件に関連した人物や行動
事件の被害者はどんな人物?
この千葉市緑区あすみが丘事件の被害者は、佐田泰三さん55歳です。妻は14歳年下で当時41歳でした。この豪邸には夫婦で暮らしており、事件当時、妻は買い物に出かけていて家にいませんでした。
事件当時佐田さんは自宅に1人でおり、父親と電話で会話をしています。時刻は午後8時30分頃でした。どの家も夕食が終わり、団欒を楽しむ時間帯でもあります。その時、事件が起こったのです。
被害者の家族はどんな人物?
被害者の家族は同居する14歳年下の妻だけでした。妻は、事件発生時刻の夜8時30分は不在で帰宅したのは午後11時でした。しかし、結婚している女性が帰宅するには遅い時間ではないでしょうか。近所には多くの家が立ち並んでいますが、夜になると道路も暗くなり、人もあまり通らないような場所です。夜道を1人で帰ることを躊躇しなかったのか疑問ももたれます。
どのようにして被害者は殺されたのか?
父親と午後8時30分頃に電話で会話をしていた佐田さんは、妻が帰宅する午後11時頃までの2時間の間に殺されています。部屋の明かりがつき、家主が在宅しているのがわかる状況で犯人は玄関から侵入しました。
発見された時、佐田さんは玄関でいきなり刺されたと推測され、少し行った廊下で倒れた状態で発見されました。刺し傷は数ヶ所あり、心臓に達した深い傷が致命傷となり佐田さんは亡くなりました。
しかし現場には争った形跡もなく、驚くことに金銭や貴重品などが残った状態でした。金品を狙う強盗の犯行でもなく、物取りの犯行でもないと分かります。妻が居ない時間を狙っているので、強姦目的でもありません。部屋を荒らして何かを探した様子もないとなると佐田さんだけを狙った犯行と考えられます。
被害者は防犯意識が低かった
この事件が起きた犯行時刻に近隣の住民は、大きな叫び声や怪しい物音なども聞いていません。また被害者は、10LDKという豪邸に住めるだけの資産家でありながら、夜の9時近くに玄関のドアを開けて刺されていたことから日頃から防犯の意識が低かったのでしょうか。
殺人現場となった家の場所は?
事件の現場となった場所は、綺麗に区画された閑静な住宅地です。その一画でこの千葉市緑区あすみが丘事件は起きました。住所は千葉市緑区あすみが丘六丁目59番地11です。ニュータウンで道路も整備され、周辺の住宅はみな一戸建てばかりです。築50年以上という古い家はなく、みな築30年前後という家が多い場所でした。
千葉市緑区あすみが丘事件があったこの地域は日当たりも良く、空気も美味しい、子供を育てるには絶好の場所でもあります。そのような場所でこの事件は起きたのです。
静かすぎる住宅地
ひとつ気になるとすればこの事件が起きた地域は、昼間でも人がほとんど歩いていないのです。主婦が立ち話をする姿もほとんどなく、子供がワイワイと道路で遊ぶことも少ない地域です。あまりご近所同士がコミュニケーションをとっていない住宅地ということを犯人は知っていたのでしょうか。
空き巣は昼間の時間帯に下見をすることが多いですが、ほとんどの人が家の中にいる静かな地域なため、ゆっくり歩いて家を見ていても近所の人が気が付くのは難しいでしょう。
事件現場の様子は?
事件現場は、被害者の佐田さんが刺されて倒れていた玄関から少し入った廊下でした。犯人は、玄関を開けた佐田さんを鋭利な包丁で瞬時に刺してすぐに逃走したと警察はみています。豪邸の中を物色した形跡もなく、犯人の足跡は室内にもキッチンの床などにも残っていませんでした。
被害者の服も書類も手つかずのまま
事件後、寝室にあるベッドの上に荷物が散乱していたのです。他の部屋の机の上には書類の山がそのまま残っていますし、鏡台もサイドテーブルの上にあるティッシュもそのままでした。まるで昨日まで生活していたかのような状態で荷物が残っているのが気になります。
驚くのは、佐田さんが生前に着ていた服がハンガー掛けに幾つも掛けられて残されているところです。普通なら、残された家族が事件で殺された愛する夫の遺品を片付け、家具も処分するでしょう。ところが、まるで夜逃げをしたような状態で家族は豪邸を去っているのです。
豪邸がオークションで競売にかけられた!
競売の出品時の値段や条件って?
この千葉市緑区あすみが丘事件が起きた現場となる豪邸は、その後どんな運命を辿ったのでしょうか。調べてみると大手オークション会社の「ヤフオク!」に出品されていました。出品者は官公庁で、土地の詳細も公開されました。そこには、平成26年1月に建物内で殺人事件が発生した物件だと明記されています。
出品額は756万円と、2億円もする豪邸を3分の1ほどの値段で出品されたのです。それでも買い手はつかないのではとの噂が飛び交いオークションを見守る人々は白熱しました。結果、1111万1100円の落札価格がつくことになりました。
荷物が残されたまま
ここでまた気になることは事件後、家に出入りする人がほとんどおらず維持管理状態が良くなかったという点です。妻や被害者の家族がほとんど出入りしていないのは、近寄りたくないとの心境が伝わります。
しかし、この豪邸は玄関が二つあり、二世帯住宅のような造りになっているのです。被害者が事件当日に高齢の父親と話していたのも、ゆくゆくは家に呼び寄せたいと考えていたのではないでしょうか。被害者の夢は、儚くも犯人に命を奪われて散ってしまったのです。
また部屋が9室もありましたが、この夫婦には子供がいませんでした。妻は事件当時41歳と出産するには高齢です。もし子供が生まれたとしてもこれだけの部屋はいらないでしょう。
豪邸の落札者は誰?
落札者は千葉県在住の男性
さて殺人事件があった豪邸を落札したのはどんな人物なのでしょうか。購入したのは、千葉県に住む不動産業の男性でした。年齢は佐田さんと同じく50代です。
千葉市緑区あすみが丘事件が起きた事故物件ということを承知の上で購入しましたが「気持ちが悪くないか」との質問に対し「資産価値は重視せず、とにかく破格の値段なので購入した」と話しています。将来的にはシェアハウスかペンションのようにして利益を得たいと落札したとのことです。
現在も警察は犯人を捜索中
千葉市緑区あすみが丘事件が起きた豪邸の壁はモダンなレンガ風のタイルで、広いバルコニーで横たわりながら眩い星空を楽しむことができます。部屋が9つもある地上3階建ての豪邸は、被害者の夢が詰まっていました。
いまだに犯人は捕まらず、犯行に使われた凶器も見つかっていません。しかし、特捜班は犯人を見つけ出すべく事件の犯人を現在も捜しています。一刻も早く犯人を見つけ出し、住民と被害者の家族が安心して暮らせる日々を取り戻してもらいたいものです。