授乳中に頭痛薬は飲んでもいいの?ツラい頭痛を早く治したいママ必見!
授乳中は頭痛に悩むママも多いです。そんな時に頭痛薬が欲しくなりますが、授乳中の薬の服用は不安ですよね。この記事では、授乳中に飲める頭痛薬の紹介や、頭痛薬に頼らなくても頭痛を治す効果のある方法などを紹介していきたいと思います。
授乳中に頭痛薬を飲んでも大丈夫?
授乳中は睡眠不足や骨盤の歪み、肩こりやストレスなど様々な理由で頭痛を感じやすくなります。今までめったに頭痛薬を飲んだことがない生活を送っていた人も、産後には体調の変化を起こして頭痛薬などの薬に頼る人も多くいます。
妊娠前なら、そんな風に頭痛になると頭痛薬を気軽に飲むことが出来ましたよね。ですが、授乳中となると母乳への移行を恐れてなかなか自由に頭痛薬を飲むことも出来なくなります。
しかしながら、頭痛薬の中には授乳中に飲んでも問題ないものもあります。医師や薬剤師・登録販売者に相談する必要はありますが、ひどい頭痛の場合は我慢しすぎずに適切に頭痛薬を服用するのがおすすめです。
授乳中に飲める頭痛薬とは
市販の頭痛薬でも、医療用医薬品の頭痛薬でも授乳中に飲める頭痛薬は存在しています。入手方法に分けて、それらの頭痛薬を解説していきます。
病院で処方される頭痛薬
医療用医薬品として病院で処方される頭痛薬は、あゆみ製薬から発売されているカロナールが代表的です。カロナールは解熱鎮痛剤の中でも効き目が穏やかな頭痛薬として知られています。
カロナールにはさまざまな剤型があり、「カロナールシロップ・カロナール原末・カロナール坐剤(100・200・400)・カロナール坐剤小児用50・カロナール細粒(20%・50%)・カロナール錠(200・300・500)」と、年齢や体格、症状に応じて処方される量が変わります。
カロナールの添付文書の「妊婦, 産婦, 授乳婦への投与」の欄を見てみると「妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので,妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること」という記載はありますが授乳中に関する注意事項は記載されていません。
そのため、頭痛がひどい場合には、病院で主治医や薬剤師を相談した上で頭痛薬としてカロナールを処方してもらうことがおすすめです。
注意したいのは、カロナールが比較的効き目のゆるやかな頭痛薬だといっても、人からもらったり人にあげたりすることは絶対にしてはいけません。体質によってカロナールが飲めない人もいますし、あまり頻繁に譲渡し合っていると違法と判断される可能性もあります。
自分や友人、周りの人が頭痛に悩んでいて頭痛薬を欲しがっても、安易に薬をあげないよう注意してください。
市販薬で飲める頭痛薬
授乳中に頭痛薬を飲む際は主治医や薬剤師の監修のもとで飲むことがおすすめです。しかしながら、授乳中は病院になかなか行けない人もいるでしょう。それでも頭痛がどうしても我慢出来ない時は、市販の頭痛薬に頼る選択肢もあります。
タイレノール
市販されている頭痛薬の中で授乳中の人に一番おすすめ出来るのが、タイレノールです。このタイレノールはジョンソン・エンド・ジョンソンから発売されています。
タイレノールの包装は10錠入りと20錠入りがあるので、自分の頭痛の頻度を考えて購入するのが良いでしょう。
服用方法ですが、タイレノールは15歳以上しか服用できません。幼稚園児などが誤って飲むと大変危険ですので、服用後は確実に棚にしまうようにしましょう。また、タイレノールは1回1錠、1日3回まで(4時間以上の間隔を空ける)と、用法・用量が設定されています。
このようにタイレノールを飲んでいても頭痛が収まらない場合は、何か病気があるかもしれませんので、あまり長期間タイレノールを服用せずに病院に行くようにしましょう。
タイレノールの成分に関してですが、アセトアミノフェンから作られており、これは先ほど紹介したカロナールと同じ成分をしているため授乳中に飲んでも問題がない頭痛薬だと言われています。また、タイレノールの成分であるアセトアミノフェンは胃にやさしい成分としても知られています。
授乳中は赤ちゃん中心の生活になるので、どうしても食後に頭痛薬を飲めないことも出てきます。そんな時にも胃にやさしいタイレノールは安心なので、市販されている頭痛薬の中ではこちらを購入しても良いでしょう。
葛根湯
医療用医薬品として、ツムラやクラシエを中心とした様々なメーカーから発売されている葛根湯ですが、こちらは市販薬としても販売されています。頭痛薬としてだけではなく、妊娠前から「風邪の引き始めだから葛根湯を飲んでおこう」と愛用していた人も多いのではないでしょうか。
剤型は様々なものがあり、「葛根湯A(1日3回服用)・葛根湯S(1日2回服用)・葛根湯錠(1日3回)・葛根湯液(1日2回)」となっています。漢方は匂いや味や強いものが多いので、慣れない人には葛根湯錠がおすすめです。
葛根湯は、炎症性疾患に効果があり、乳腺炎に悩む授乳中の人にも処方される薬ですので、授乳中に頭痛薬として飲んでも安心出来ます。しかしながら、添付文書を見ると「体力中等度以上」という記載がありますので、産後に体力が戻りきっていない人にはおすすめできません。
葛根湯だけではなく、漢方は服用する人が持っている体力に応じて処方が変わることもある薬です。葛根湯は第二類医薬品に分類されるので登録販売者からも購入自体は可能ですが、市販薬を服用する場合でも薬剤師に相談した方がより安心でしょう。
また、よく誤解されているのですが漢方薬にも西洋医薬品と同様に副作用が存在しています。たまに「漢方薬には副作用がないから葛根湯とかを気軽に飲めるよ」とおすすめする人はいますが、それは完全なる間違いです。市販薬でも、薬を飲む前には正しい知識を身につけるか専門家に相談するようにしましょう。
イブA錠
エスエス製薬から発売されているイブA錠も、授乳中に飲める頭痛薬として知られています。こちらもタイレノールや葛根湯と同じく、市販の頭痛薬としてドラッグストアなどで薬剤師・登録販売者から購入が可能です。
「イブシリーズ」と呼ばれるイブA錠の中には「イブクイック頭痛薬・イブA錠EX・イブ」など色々な種類があります。この中でもイブA錠は比較的小粒な錠剤で、飲みやすい加工のされたフィルムコーティング錠です。錠剤を飲むのに慣れていない人でもイブA錠なら飲みやすいと言う人が多いのでおすすめです。
こちらもタイレノールと同様に15歳以上しか服用出来ませんので、赤ちゃん以外に子供がいる家庭では注意が必要です。また、イブA錠の主成分は「イブプロフェン・アリルイソプロピルアセチル尿素・無水カフェイン」となっています。
このイブプロフェンという成分は頭痛薬によく含まれていますが、解熱効果のある市販薬の中ではロキソプロフェンナトリウム(ロキソニンの主成分)の次に強い成分となっております。タイレノールの主成分であるアセトアミノフェンよりも強いので服用に注意してください。
授乳中の頭痛薬としてイブA錠を飲む人は多くいますが、必ず医師または薬剤師・登録販売者に相談する必要があります。妊娠前から飲み慣れていたとしても、授乳中は一度相談してから服用するようにしてください。
バファリン
ライオンから発売されているバファリンは「半分が優しさで出来ている」というフレーズや「頭痛にバファリン」というCMが有名ですので、今まで頭痛薬に縁のない生活を送っていた人も名前は知っているという人は多いのではないでしょうか。
バファリンは、ロキソプロフェンナトリウムという成分が入った「バファリンEX」や、アセチルサリチル酸(アスピリン)から出来ている「バファリンA」、イブプロフェンとアセトアミノフェンが配合された「バファリンプレミアム」など様々な種類があります。
この中で一番効果がゆるやかなのはアセチルサリチル酸が配合されているバファリンAですが、アスピリンにはアレルギー反応を示す人もいるので、そういう人は服用時に特に注意するようにしてください。
バファリンも他の市販薬と同じく15歳未満は服用が出来ないので保管に注意が必要です。また、バファリンにはアセチルサリチル酸の吸収を緩やかにすることで胃を保護する「ダイバッファーHT」という成分が配合されているので空腹時にも比較的服用しやすい頭痛薬だと言えるでしょう。
ただし、バファリンも服用前には医師や薬剤師・登録販売者に相談する必要があります。家に頭痛薬として常備してあったとしても、授乳中は注意しましょう。
ロキソニン(ロキソニンS)
頭痛薬として一番知名度が高いのは、ロキソニンかもしれません。ロキソニンは医療用医薬品として第一三共から発売されていますが、2011年から処方箋なしでも薬剤師の説明を受けることで買える第一類医薬品として第一三共ヘルスケアにより市販されています。
ロキソニンは医療用医薬品として、「ロキソニンゲル1%・ロキソニンテープ(50mg・100mg)・ロキソニンパップ100mg・ロキソニン錠60mg・ロキソニン細粒10%」の剤型があります。また、市販薬としては「ロキソニンS・ロキソニンSプレミアム・ロキソニンSテープ・ロキソニンSパップ」など、頭痛薬としてだけではなく様々な人に愛用されています。
知名度の高いロキソニンですが、添付文書を読むと授乳中の人は必ず医師・薬剤師に相談することと書いてあります。授乳中にロキソニンを服用したい人は、処方薬であれ市販薬であれ必ず確認してください。
ここで注意したいのが、第一類医薬品は登録販売者による販売は許可されていないということです。店舗にもよりますが、夜間は薬剤師がいないためロキソニンSが購入出来ない店舗が多くあります。買いに行く前に薬剤師が出勤しているか確認した方が安心でしょう。
母乳への影響の少ない頭痛薬の飲み方
医師や薬剤師・登録販売者に相談してから頭痛薬を飲むといっても、出来る限り母乳に影響のない飲み方をしたいものですよね。
母乳移行しにくい時間帯は、授乳直後の服用がベストであると言われています。薬は、服用してからだんだん血中濃度が上がっていき、30分後をピークとして3時間は血液に留まると言われているからです。
ですので、頭痛薬を飲んだ後は出来る限り次の授乳まで時間を空けた方が望ましいと言えるでしょう。粉ミルクや、あらかじめ搾乳して冷凍しておいた母乳に頼るのもおすすめです。
授乳中の頭痛の原因と対策は?
授乳中には、生活環境の変化から様々な理由で頭痛が起きやすくなります。頭痛薬に頼るだけではなく、原因と対策を覚えることで改善されることもあります。
睡眠不足
夜泣きや夜間の授乳などで、授乳中はどうしても寝不足になりやすくなります。まとまった睡眠が取りにくいので、頭痛になってしまい頭痛薬を頼りたくなってしまう時期だと言われています。
対策としては、赤ちゃんが寝ている時に一緒に眠りましょう。掃除や洗濯、料理などを片付けたくなりますが、無理して行う必要はありません。一緒に睡眠をとって睡眠不足を解消しましょう。
他の大人がいる場合は、赤ちゃんのお世話を少し任せるのもおすすめです。誰もいない暗い部屋で眠ると、短時間でも劇的に体力が回復し頭痛が治ることもあります。頑張りすぎず、人に頼るようにしましょう。
肩こり&運動不足
あかちゃんは軽くても3,000gほどあります。おんぶや抱っこをしていると、すぐに肩が凝ってしまいます。また、授乳中は体力が落ちていたり自分の時間がとりにくいので運動不足にもなりやすい時期です。
ストレッチや入浴などで、血流を良くして肩こりを改善するようにしましょう。また、適度な運動は気分転換にもなるので誰かに赤ちゃんのお世話を任せてウォーキングに出ることもおすすめです。
ただし、産後は体力が落ちているので急激に激しい運動をしないように注意してくださいね。
水分不足
水分の不足も、血流を悪くして頭痛の原因となります。母乳は血液から作られるので、授乳中は赤ちゃんに水分を奪われ水分不足に陥りやすくなってしまいます。
授乳中は1日に1.5~2リットル程度水分を摂る必要があると言われています。飲み物だけではなくお鍋やスープなどを作って水分を摂るのがおすすめです。
また、お茶を飲む際も冷えたものより暖かいものの方がおすすめです。暖かい飲み物は血行を良くするので頭痛を改善する効果があります。頭痛薬を飲む時にも、水ではなく白湯を用意すると良いですね。
その他の対策法は?
少量のカフェインをとろう
頭痛薬には「無水カフェイン」という成分が含まれています。このように、カフェインは頭痛にも効果的な成分です。授乳中はカフェインを控えている人が多いですが、少量であればカフェインを摂取しても問題ありません。
梅干をこめかみに貼ろう
「梅干を貼る」というと気休めのように感じるかもしれませんが、実はこちらはかなり効果的な頭痛の解消法になっています。
梅干の香り成分には「ベンズアルデヒド」というものが含まれています。実はこの成分に、鎮痛効果があるのです。
時代劇でも、お母さんが種を抜いた梅干をこめかみに貼っている描写を見たことがある人は多いと思います。頭痛薬に頼る前に、こうした昔からの方法に頼るのも良いですね。
頭痛の気配を感じたらゆっくりしましょう
授乳中には、気を付けていても頭痛になってしまう人がほとんどです。授乳中でも飲める頭痛薬はたくさんありますが、出来れば頭痛薬に頼らずに治すことが出来れば良いですよね。
ほとんどの場合、頭痛にはなる前に前兆のようなものがあります。身体が重く感じたり、急に眠くなるなど、その様子には個人差がありますが、その気配を感じたらゆっくりするようにしましょう。
赤ちゃん中心の生活は、授乳中だけではなくこれからも長く続きます。頭痛薬にも上手に頼りつつ、自分に合った生活ペースを掴んでいけると良いですね。
↓授乳中に病気にかかった時には以下のような記事もありますので参考にしてください。
出典はこちら
1. ジョンソン・エン・ジョンソン|タイレノール
2. クラシエ|葛根湯
3. エスエス製薬|イブA錠
4. ライオン|バファリン
5. 第一三共ヘルスケア|ロキソニンS
6. 西陣病院
7. 今日の治療薬 2018