ニキーチンの積み木の遊び方とは?空間認識能力や問題解決力を養おう!
知育玩具として人気の積み木の中でも今注目されているのはニキーチンの積み木です。シンプルな形と遊び方は、子供の想像力や空間認識能力を養う効果が期待できると評判です。今回は積み木と合わせて独特の子育てスタイルを築いたニキーチン夫妻についてもご紹介します。
目次
今、ニキーチンの積み木が大注目!
積み木は幼児から大人まで楽しく遊べる知育玩具として昔より愛されてきました。そんなオーソドックスな積み木の中でも今、子育て世帯で大注目されているのはニキーチンの積み木です。今回はニキーチンの積み木の遊び方や子育てについて解説します。
そもそもニキーチンの積み木とは?
ニキーチンの積み木を初めて耳にする方のために、簡単にニキーチンの積み木についてご紹介します。ニキーチンの積み木とは、ペレストロイカ以前のソ連時代に7人の子供達を独自な方法で育て上げたニキーチン夫妻の教育の考え方を取り入れた積み木です。シンプルなキューブやレンガ型の積み木を使って、さまざまな模様や形を作る遊び方が考案されています。
ニキーチンの積み木の効果とは?
自由な発想で組み立てることのできる積み木は、子供の想像力を育てるのに最適な知育玩具です。とりわけニキーチンの積み木は、低年齢から図形感覚を伸ばすのに最適です。数色に塗り分けられた積み木は他の積み木に比べてさまざまな模様が作れるので、より頭を鍛える効果が高いと考えられます。夢中で遊ぶうちに自然に空間認識能力が養われ、注意を払いながら正確に形を作り上げることで問題解決力が養われる効果があるといわれています。
ニキーチンの積み木を3つ紹介!
みんなの積木
ニキーチンの「みんなの積木」はカラフルな7ピースが組み合わさってひとつのキューブを形作った積み木です。別売りのパターン通りに仕上げたり、積み木を組み合わせていろいろな形を作ったりして遊びます。キューブ型に戻すだけでもなかなか難しいですよ。
パターン通りに完成させる遊び方から、空間認識能力が高まり、組み合わせていろいろな形を作って遊ぶことで、想像力も伸ばす効果も期待できます。
模様づくり
「模様づくり」の積み木は、ニキーチンの積み木の他に「模様づくりパターンカード」を用意して、カードに描いてある模様を作る遊びです。キューブの面は三角形と正方形に色塗られているので、組み合わせ次第で色々な模様が作れます。
最初から難しい模様を作ろうとすると、子供は嫌になってすぐにあきてしまいます。最初は簡単な模様からはじめましょう。1歳頃ならばただ積み木に触れさせているだけでOKです。ゆっくりと子供のペースではじめるのがコツです。慣れていくうちに段々と複雑な模様づくりにチャレンジして、長く楽しく遊べるようにサポートしましょう。
ユニキューブ
ニキーチンの「ユニキューブ」は、対象年齢4歳以上の積み木で、キューブの各面が異なる色で塗り分けられています。ユニキューブの遊び方もパターンを見ながらその模様になるように組み立てていきます。パターンは別売りですが、自作して子供と一緒に楽しむのもおすすめです。
一面だけでなく六面すべての色を考慮して積み上げなければ図案通りに組み立てられないので難易度は高めですが、遊びながら観察力や立体的に考える力を高める効果が期待できます。
ニキーチンの積み木以外の知育遊び6選!
猿まねごっこ
後にご紹介する『ニキーチンの知育遊び』にも紹介されている「猿まねごっこ」は、積み木を使った遊び方です。先生役になった人が作った形を生徒役の子供がまねをします。ごっこ遊びのように先生役になった子供も楽しめますし、まねする子供も楽しめる知育遊びです。
点あそび
「点あそび」はカードを使って遊びます。4色のカードに数字やサイコロのような点を使って数字を書きます。遊び方はシンプルなので小さな子供でも楽しめますよ。
すべてのカードを混ぜ、数字を小さい順や大きい順に並べ替えたりして遊びます。特別なルールはないので、自由な発想で子供と遊びましょう。
レンガつみ
「レンガつみ」は積み木を使う遊び方です。使用する積み木の比率が1:2:4のため、数量の自然の法則を遊びながら学べます。
遊び方は、「設計図」が基本になります。正面からだけでなく横からも真上からも見て全体像をとらえながら組み立てていきます。「猿まねごっこ」で遊んだり、後ほどご紹介する遊び方の「組立て設計局」で使ったりと徐々に遊びを広げていきましょう。
モンテッソーリの型合わせ
ニキーチンが知育玩具の参考にしたのは自立と集中力を養うモンテッソーリの教具です。モンテッソーリの型合わせは遊び方にルールはありません。自由な発想で遊んでいくうちに自然と色と形を認識していきます。
形おぼえ
「形おぼえ」は『ニキーチンの知育遊び』にある遊び方のひとつです。カードに図形や数字、簡単なイラストを描きます。このカードを見た後に、記憶を元に描くという鉛筆と紙だけで遊べる室内遊びです。
まずは子供が確実に正解できる簡単な問題からはじめます。記憶力や把握力を高める効果があり、上達すると問題を見ないでも描けるようになるといいます。
組立て設計局
「組立て設計局」は、積み木というよりも図画工作の課題に近い遊びです。市販の積み木にはどういうものを作るかを示す絵や写真がついていますが、それではただ組み立て作業するだけで創造性は育成できません。
「組立て設計局」の遊び方は、ただ組み立てるだけでなく、ある一定の技術的課題を出すことがポイントです。例えば、荷車なら「車輪が回るように」という課題を付け加えます。設計の目的をはっきりと理解して、試行錯誤しながら実現していくことで、思考能力や問題解決力が養えます。
【番外編①】ニキーチン夫妻の子育て方法とは?
ニキーチン教育の提唱者であるニキーチン夫妻は、旧ソ連のモスクワの郊外に暮らしていました。「子供達は大人が考える以上にさまざまな力を持っている」という考えをもち、7人もの子供達を学業面でも運動面でも優秀な人材に育てあげました。
子供を家庭内教育のみで育てる
共働きだったにも関わらずニキーチン夫妻は7人の子供達に保育園や幼稚園に通わせず、また祖父母の力も極力借りずに家庭教育のみで育てました。夫が8時~13時の工作の教師の仕事、妻が13時~19時までの図書館勤務と夫婦で就業時間を調整しながら、2人で子育てをしたといいます。
子供に危険なことを体験させて覚えさせる
子育てをしている方の多くは、子供が危険な目に合わないように危険なものは子供の手の届かない場所にしまっているのではないでしょうか。しかし、ニキーチン夫妻は「いかに危険から自分たちの身を守るか」ということを子供達自身が体験して覚えるように、マッチやはさみなども特に隠さずに置いておきました。
「痛みを感じる程度に、でも危険のないように」と陰ながら見守り、危険なことでも子供達自身に体験させて「どこまでなら大丈夫」という感覚を体得させました。
親や子供自身を信じる力を育てる
ニキーチン夫妻の子育ては、一般的な教育メソッドや子育てノウハウとは全く別物の独自なものでした。真冬でも薄着を徹底させ、子供達にはだしで外を歩かせていたため、世間の人々から強い非難を浴びたこともあったそうです。しかし、夫妻は「おのが道を行け。人々をして言うに任せよ」という言葉を励みに独自の子育てを貫きました。
子供の能力・意欲を高める工夫をする
ニキーチン家は決して裕福ではありませんでした。また、共働きでの子育てのため、子供達にかかりきりにはなれません。しかし、積み木などの手作りの知育玩具をたくさん用意しました。夫婦の寝室は応接室と仕事部屋を兼ねるなどして、体を動かす家庭体育館や工作室などを作り、子供達の能力や意欲を高める工夫をしました。
【番外編②】ニキーチンに関するおすすめの本2選!
ニキーチンの知育遊び
ニキーチンの教育論が記された著書である『ニキーチンの知育遊び』には、遊びの教材となる積み木やパズルの作り方から楽しみ方まで詳しく書かれています。この著書では子供と一緒に親も遊び、大人も想像力を広げることの大切さを教えてくれます。ニキーチンの積み木をより効果的に使いたい方におすすめの本です。
ニキーチン夫妻と七人の子ども
ニキーチン夫妻の共著で、いわゆる「教育本の古典」のひとつです。冬でも暖房はつけずに薄着でいることや子供にも働く義務があり賃金も出る、危険なものを遠ざけないなど、その子育て法はかなり個性的でワイルドです。ニキーチン夫妻について知るにはこの本から読み始めるとわかりやすいかもしれません。
ニキーチンの想像力を育む遊びを育児に取り入れよう!
今回はニキーチンの積み木の遊び方や子育て法についてご紹介しましたがいかがだったでしょうか。小さな子供に1人で何かをやらせることは心配なものです。心配なので親はついつい手助けをしてしまいたくなります。しかし、ニキーチン夫婦のように子供の成長のためには横で見守ることが大切です。ニキーチンの積み木で遊びながら、子供の力を信じる育児を取り入れましょう。