子供をネグレクトする親の特徴とは?与える悪影響や止める方法も!
子供をネグレクトする事で悪影響を与えたり虐待や育児放棄にまで発展する事があるのです。その原因やネグレクトをする傾向にある親の特徴などを解説しますのでご覧ください。そういった親は子供の関わり方や育児にも特徴があります。自分が当てはまらないか確認しましょう。
目次
近年問題となっているネグレクトについて知ろう!
ネグレクトという言葉を耳にする機会が増えていますが、ネグレクトとは虐待なのか、育児放棄なのか不明瞭な部分が多いですよね。その言葉の意味についてやネグレクトする親の特徴や原因、子供への影響などを詳しく解説しますのでご覧ください。
そもそもネグレクトとは?
そもそもネグレクトとはどんな言葉の意味で由来がなにかなどをまずは解説しますのでご覧下さい。
ネグレクトの意味
まずは「ネグレクト」という言葉の意味はこちらです。
ネグレクト [3] 【neglect】
②養育者による,子供に対する不適切な保護や養育。衣食住を十分に世話しない場合や,精神的・医療的なケアを十分に行わない場合など。栄養不良や発達障害などを引き起こすほか,人格形成に多大な影響を与える可能性がある。育児放棄。養育放棄。 → 児童虐待
つまり児童虐待・障害者虐待・高齢者虐待・患者虐待などを意味しています。育児に関しては親が子供と関わりを持たずに育児放棄する事を指し、子供も心に深く傷を負わせる行為です。
ネグレクトの言葉の由来
ネグレクトは英語の"neglect"が由来しています。語源はラテン語の「選ばない」を意味する言葉になり、"neglect"の意味は「無視する」「怠る」などです。その事から子供と関わりを持たずに育児放棄している親を意味するようになりました。
ネグレクトの主な3つの種類
ネグレクトの主な種類は3つあります。それぞれについて詳しく解説していきますのでご覧ください。
①一般的ネグレクト
一般的ネグレクトとは親が子供に関わりを持たず、何の世話もせずに育児放棄している事を意味します。生活に必要な食べ物を与えなかったり、衣服を与えなかったりする事です。子供の成長に欠かせないものを与えない事を意味します。
②医療的ネグレクト
子供が病気になったり怪我をしたとしても、病院へ連れて行くのを放棄したり必要な治療を施さないことを医療的ネグレクトといいます。満足な治療ができず今後の成長や命に危険を及ぼしてしまいます。
③情緒的ネグレクト
情緒的ネグレクトは情緒的虐待ともいいます。子供は親に甘える事が精神的に一番安定するのですがそれを放棄してしまう事で精神的に子供は不安定に陥り、その後の性格や人生に影響を及ぼしてしまいます。
子供をネグレクトする親の10個の特徴
ネグレクトする親の特徴ですが、大きく分けて10個あります。それぞれについて細かく解説するのでご覧ください。
①子供への愛情が不足している
親が子供に対して愛情を持てない場合や不足している場合ネグレクトをするという特徴があります。愛情不足であると育児怠慢だけでなく育児放棄をし、無視をしたり甘えさせなかったりという行動をします。
②幼少期にネグレクトを受けていた
ニュースでもネグレクトの原因はかつて自分も親に虐げられていたからというケースをよく見ます。虐待やネグレクトは親子の間で連鎖する事が多く、自分の子供に虐待をする親は過去の経験からしてしまいます。
③感情を抑えられない
育児のストレスが原因となりイライラを抑える事ができないという時や、感情が不安定になり抑えられないという特徴がネグレクトをする親にはあります。妊娠の頃から生活が変わるため、ストレスや不満がたまり解消する事ができずに感情のコントロールが失われてしまうのです。
④共感性がない
ネグレクトする親は、それをされている子供の気持ちに立つ事ができないという特徴があります。それを共感性がないといい、共感性がないと「相手が苦しんでいる」「今辛いと感じている」という事が理解できずなくなってしまいます。育児を放棄しても何も思わず平気になってしまうのです。
⑤子育ての認識が間違っている
ネグレクトする親の特徴として子育ての認識が間違っているという事があげられます。子供をたたいて理解させる事が虐待ではなく正しいと認識していたり、しつけと執着して意見を変えない人の事です。誤った認識なのに正当化しているため考えを変える事ができません。
⑥何かに依存している
アルコールや薬物だけでなくスマートフォンに依存している状態もネグレクトの親の特徴です。子供を無視して自分の安らぎだけを得て何かに依存している状態は子供を無視している事になります。
⑦孤立している
子供と親だけで子育てをし、周りと関わりを持たないで孤立しているとネグレクトをする親になってしまう事があります。一人で気負いすぎてしまいストレスが溜まり、気持ちの逃げ場もなくなってしまうのです。
⑧精神疾患がある
女性の場合は特に産後うつという病気もありますが、精神疾患を患っている場合自分の治療に専念しているため子供の事が二の次になってしまいます。また精神疾患を治療するための薬を服用すると、体調が悪くなる事もあります。
⑨経済的に困窮している
経済的に厳しい状況であるとネグレクトをしてしまうという特徴があります。お金がないと生活ができずに困窮してしまいます。心に余裕がなくなり、イライラが多くなりネグレクトにつながってしまうのです。
⑩夫婦仲が悪い
子供に対してネグレクトをする親の特徴として、夫婦の仲が悪いという事があげられます。お互いの仲が悪いとギスギスしてしまい、子供への態度に影響してしまうのです。また旦那さんから奥さんが虐待を受けている場合、虐待から逃れるために子供にネグレクトするというケースもあります。
ネグレクトになる5つの原因
ネグレクトをする親になってしまうのには原因が5つ考えられます。ここではその5つの原因について解説します。
①身近に頼れる人がいない
ネグレクトをする原因として周りに相談したり頼れる人がいない環境であるという事があげられます。旦那さんは仕事で育児に関わりを持たず、お互いの実家も遠いので頼る事もできないと一人きりで悩みを抱えるようになってしまうのです。
②世代間連鎖
自分も親から虐待を受け、親もその親から虐待を受けていたというケースもあります。親がネグレクトや虐待を受けているとその方法が正しい育児だと認識され、自分の子供にも同じ事をしてしまうのです。過去の経験が原因となり自分の子供にネグレクトする事で次の世代にも同じ事が起こってしまいます。
③疲れやストレス
育児のストレスや疲れは子供が小さいうちは解消する事ができません。周りに頼れる人がいない場合はもっとです。相談相手がいるだけでもだいぶ解消されますが、それもなかなかできないとママのストレスは溜まる一方です。すると疲れやストレスが原因となり子供にネグレクトしてしまいます。
④家庭が貧困
経済的に貧困であり生活が苦しいと、心がすさんでしまいます。すると感情をコントロールできずに子供にネグレクトしてしまうのです。子供のために働き、稼ぐのですがままならずに育児放棄をしてしまうという最悪の形になってしまいます。
⑤一人親家庭
本来なら二人で分担すべき事を全て一人で背負わなければならない一人親家庭だと、ストレスや疲れがたまりネグレクトをする原因になります。パートナーがいるだけでも相談相手ができ、ストレスや疲れが半減します。全てをこなさなければいけないと疲れがたまり育児放棄してしまうのです。
ネグレクトが与える4つの悪影響について解説!
ネグレクトする事で子供に与えてしまう悪影響を4つ解説します。心の虐待といわれるネグレクトなので、大きなダメージを子供の心に与えます。それについて詳しく説明するのでご覧ください。
①子供の性格や行動
ネグレクトを子供にすると性格や行動などに影響を与えます。親から放棄されるという事は子供の心に深い傷を負わせ、それが直る事は一生ありません。そのため性格や行動などが破綻してしまうのです。そのためネグレクトの影響を受けた子供は自分の子供にも同じ事をしてしまう可能性が高まります。
②身体的なものや見た目
心の虐待といわれるネグレクトは、子供の心の成長に著しく影響を与えます。心に悪影響が与えられると、身体的なものや見た目にも反映されるのです。身体の発達が遅れて言葉が出なくなってしまったり、成長ホルモンの分泌不全が引き起こされてしまう事もあります。子供への身体的影響は一生続き、寿命を縮めたり老化を早める事もあります。
③人との関わり方
ネグレクトは心に大きな傷を残し、心理的な影響が与えられます。そのためトラウマとなり、人と関わりを断ち部屋に閉じこもってしまう場合もあります。人間関係を築く事を恐れ、外に出なくなってしまうのです。
④知的な発達
心に影響を与えられた場合、それが脳に反映される事もあります。子供らしく遊べなかった事で脳の成長が著しく遅れ、周りよりも覚える事が遅くなったりしてしまうのです。その影響は幼少期だけでなく、大人になってからも続き人よりも遅れて成長していくようになります。
ネグレクトにならないために意識すべき子供との関わり方
ネグレクトにならないために意識するべき子供との関わり方をいくつか紹介します。子供と望ましい関わり方をする事でよい関係を築く事ができるでしょう。
①他の子供と比べない
ネグレクトをしないためには他の子供と比較しないようにしましょう。比べられると子供は劣等感を感じ、いらない子供だと感じてしまいます。比較するのではなく子供のしている事を認めてあげるのがよい方法です。
②子供のありのままのを受け入れる
子供にとって親が全てであり世界の中心です。親から放棄されたり無視されるのは「自分がいらない子だ」「価値がない」と思わせてしまいます。そうではなく子供の全人格をありのまま受け入れて大切だという事を伝えましょう。
③子供の話をよく聞く
子供の話をよく聞いてあげる事も大切です。子供は一生懸命自分の言葉で気持ちを相手に伝えようとしています。それを遮ってしまったり子供の意志を汲み取る事ができずに親の意見を通してしまうと、子供は自分の事を受け入れてもらえないと感じてしまいます。
④成長に合わせたアドバイスをする
子供の話をよく聞いて的確なアドバイスをしてあげましょう。曖昧であったり的外れなものだと子供も不安になります。成長に合わせてわかりやすく明確にアドバイスをしてあげる事が大切です。
⑤子供と向き合う時間を作る
仕事に家事に忙しいですが子供との時間を持つ事はとても重要な関わり方です。特に1対1で向き合う時間を持つ事が大切になります。わずか30分でもいいので1日に1度は向き合う時間を作りましょう。
ネグレクトを止める5つの方法
ネグレクトを止めるために5つの方法を紹介します。自分で自覚しても止める方法が分からないとどうしたらいいのか分かりませんよね。詳しく解説しますのでご覧ください。
①他人事ではないと心に留めておく
虐待というと他人事のように感じますが、ネグレクトは意外と身近にあります。ネグレクトの特徴として「虐待をしている」という実感や自覚がない事があげられます。周囲からも気づかれづらいので指摘されません。けして他人事ではないと心に常に留めておく事が大切です。
②誰かに助けを求める
ネグレクトだけでなく、育児に不安を感じたらすぐに相談するのもよい方法です。旦那さんや友達など誰でもよいので助けを求めましょう。兄弟や姉妹、親でもいいので身近な誰かに話す事でネグレクトを防ぐ事ができます。
③専門機関に相談する
産院の助産師さんや地域の民生委員などに相談するのも1つの方法です。子育て支援センターのスタッフや児童相談所など今は様々な相談窓口があります。育児に行き詰まり不安を感じたら、一人ではないという事を思い出して相談にいきましょう。
④全てを完璧にしようと思わない
家事も育児も仕事も全て完璧にしようとするとストレスや疲れが溜まってしまい、子供にネグレクトするという最悪の形で爆発してしまいます。全て完璧にしなくてもいい、手を抜いてもいいんだと意識しましょう。少し気が抜ける事でストレスや疲れが解消されます。
⑤子供を一人の人間として尊重する
子供は親の分身ではなく、一人の人間であると尊重する事もネグレクトを防ぐ方法の1つです。親の思うとおりの人格や生き方を押しつけるのではなく、子供を尊重する事で対等になれます。相手を受け入れる事が良好な関係を築く最良の方法です。
ネグレクトについてよくわかる作品3選!
ネグレクトについてよくわかる作品を3つ紹介します。ネグレクトや虐待について詳しく描かれているので参考にしてみてください。
①【漫画】死母性の庭
この話は夫の目を盗んで子供に虐待を繰り返してしまう母親の話です。母親としての自信を失ってしまった主人公がイライラを子供にぶつけてしまいます。夫に虐待がばれてしまったあとは二人で協力して育児をするようになります。女性目線のお話です。
②【映画】誰も知らない
「誰も知らない」は一人の母親とそれぞれ父親の違う4人の子供との生活を描いています。母親が子供たちを置き去りにしてしまい、困窮する生活の中で悲しい結末を迎えるのです。実際にあった事件を題材にしています。
③【小説】ハッピーバースデー 命かがやく瞬間
この話は子供目線の物語で、母親から精神的虐待を受けていた主人公があまりの暴言に声を失ってしまうという話です。祖父母の愛により心の傷を癒やして成長していきますが、家族はそんな主人公を見て受け入れるようになります。
ネグレクトは他人事ではない!不安を感じたら相談しよう!
ネグレクトは他人事ではありません。不安な方はネグレクトを止める方法もいくつかあるので、できそうなものをまずは実践してみてください。育児によるイライラがたまり爆発しそうになる前に、ぜひ周りや行政に相談しましょう。