2018年11月14日公開
2019年11月27日更新
七五三で神社にお参り!参拝のマナーや注意点、予約の仕方も解説!
七五三は神社だけ?お寺でもできる?近頃はお参りしないこともある七五三ですが、神社でご祈祷をお願いするなら参拝マナーや初穂料など、事前に押さえておきたいですよね!?七五三の予約やお金や服装やマナー、歴史も少しまとめています。
目次
七五三とは?
七五三とは、子どもの成長を祝うイベントです。三歳・五歳・七歳の節目に子どもの成長を祝うことから、七五三と言われています。神社でお祓いをして祝詞を奏上してもらうご祈祷を受ける方や、写真撮影をする方など、七五三の祝い方も様々あります。近頃では、お参りしない場合もあるようです。
「七つまでは神のうち」
現代日本では、授かった子どもが生まれることが多数と言えますが、昔は子どもが無事に生まれ育つことは今よりずっと尊いものだったようです。
「七つまでは神のうち」「七つまでは神の子」というような言葉が残っていて、七歳までは「神からの預かりもの」と昔は考えられていたようです。それほど、流行病などで命を失う子どもが多かったというわけです。
七五三で神社でお祓いをする儀は、子どもを神様から預かって立派に育てていますよということを神様に見せ、子どもを奪っていかないでという願いと、これからの子どもの健康祈願と厄災などお祓いをするという思いや願いがこめられている儀式のようです。
お参りしない場合も、七五三に込められた思いなど日本の伝統文化なんだよということを子どもに伝えるのはおすすめです。幼い心にも、なんとなく響くことがあると思いますよ。
七五三は朝廷までさかのぼる歴史あるイベント
『七五三』を祝う前に、七五三の各年齢に行う宮中や公家の行事がありました。
・三歳(満三歳)「髪置きの儀」
赤ちゃんの頃は男女とも剃っていた髪を、三歳の誕生日になり髪を伸ばす儀式をして、子どもになるようです。
・五歳(満四歳)「袴儀」
五歳になった男子は初めて袴をはき、碁盤の上で吉方を向きます。男子限定になったのは江戸時代からのようです。
・七歳(満六歳)「帯解きの儀」
女子は七歳で、紐付きの着物から大人と同じ着物を着て帯を締めました。一人前としてのけじめの儀式のようです。
このような平安・鎌倉時代頃からされていた『七五三の年齢で行う行事』が転じて、今の『七五三』になっていったようです。
江戸幕府で七五三は庶民にも
元々は七五三の年齢の節目に公家などが行っていた行事を、江戸幕府第五代将軍徳川綱吉が長男の健康を祈って始めたとされる説が有力です。これ以降、この七五三の節目に、神社やお寺でお祓いや参拝をして祝うイベントが武家や裕福な豪商などを経て、上方の庶民へ広がっていったと言われています。
11月15日に七五三をするのは?
・江戸時代五代目将軍徳川綱吉が、長男の七五三の儀を天和元年11月15日に行ったことから。
・七五三を足すと15
・旧暦の15日は、鬼宿日=鬼が出歩かない日で、何をするにも吉とされていた。
・旧暦の11月は収穫の実りを神に感謝する月で、その月の15日は満月でもあることから。
七五三の祝いが11月15日であることには諸説ありますが、将軍徳川綱吉の説が有力なようです。いずれにしても、子どもの成長を祝い今後の厄災をお祓いし、神に感謝を捧げる行事にふさわしい日がいつなのか?で、定着していったようです。
お参りするのは神社?お寺?
神社(神道)では、産土神(うぶすながみ:生まれた土地の氏神)が子どもを守ると言われているので、近くの神社でお祓いや参拝するのが一般的です。
お寺(仏教)では、仏様や先祖の霊が子どもを守ると言われているので「仏様や先祖に子どもが無事成長したことを感謝」するためのお参りになるようです。
神社とお寺のどちらへ参拝するか、どちらが正解ということはないようです。子どもの成長に感謝して祝う気持ちが一番です。
神社とお寺の作法の違い
(1)神社では鳥居の前で、お寺では山門の前で一揖します。
両手を胸の前で組み合わせて行う敬礼のことを、一揖(いちゆう)と言います。神仏がいる場所への『玄関』=『鳥居や山門』でご挨拶して入る、という所作が一揖です。鳥居や山門の前では、立ち止まって一揖してから入るようにしましょう。
(2)手水舎(ちょうずや)で手を清めます。
お参り前には手を清めましょう。手を清める=禊(みそぎ)ということ。水は少量で良いようなので、七五三の儀式の一つとして挑戦してみてください。詳しい手順については、後で説明しています。
(3)お寺の場合は、お線香をあげます。
子どもの成長に感謝する七五三では、仏様への気持ちとしてお線香を購入し、その煙を浴びて身を清めたりお祓いをしたりといった意味合いがあるようです。新しく自分で点したろうそくで、お線香を手向けるようにしましょう。他の人が点したろうそくの火を使って、自分の線香に火を付けるのはタブーのようです。
(4)参拝します
神社:2礼、2拍手、1礼(後に詳細の説明があります)
お寺:手を合わせて祈る(拍手しない)
神社では拍手と礼、お寺は拍手無しと覚えておくとベター。地域性・神社やお寺によって多少異なることもありますので、参拝予定先の作法は、予約時や受付・パンフレット・HPなどで確認しておくと安心です。
お参りだけでもいいの?
近頃は、七五三はお参りしないで家族で記念写真を撮る日というご家庭もあるでしょう。また、七五三は子どもの成長を祝うイベントだから神社やお寺のお参りだけで良いのでは?というシンプルな考え方もあるでしょう。
お金をかけるだけのご利益があるのが七五三というわけではありません。あくまで、子どもの成長を祝うイベントが七五三です。神様や仏様に、「お預かりした神の子を立派に育ててますよ、これからもよろしくお願いします!」ということを願いながら、家族で神社やお寺に参拝するだけでも、七五三と言えます。
七五三で神社にお参りする当日までの段取り
予約はいつ?どうするの?
11月15日に近い土日には、七五三のご祈祷受付が混雑する時期です。小さな子どもを和装させ11月の寒空の下、数時間も待つ!となると、せっかくの成長を祝う七五三が、予想以上の苦行になってしまうことも。ご祈祷を予定しているならば、ぜひ、予約して行くことをおすすめします。
ご祈祷までの流れ
・七五三衣装のレンタルや写真撮影をお願いするお店を決める
・七五三衣装のレンタルや写真撮影日を予約
・参拝先(神社やお寺)を具体的に決める
・ご祈祷するなら予約する
七五三の神社やお寺でのご祈祷までの流れは、こんな感じかなと思います。
早めに準備がしたい方は、7月~9月上旬に、写真店や神社で予約状況など確認して、希望の日程が空いているようなら予約することをおすすめします。
参拝と写真撮影は同じ日でも良い?
写真撮影の日=参拝の日にする時のメリットとデメリットをあげてみます。
■メリット
1日で七五三のイベントを終了することができます。
■デメリット
着慣れない和装・慣れない撮影・慣れない神社での作法などで、子どもがだんだんと疲れてきます。大人も、慣れない服装や場所で子どもの面倒を見ないといけません。子どもの忍耐と親の忍耐、いずれも必要なことを事前に覚悟しておきましょう!
お金はいくらくらい必要?
七五三に必要なお金ですが、ご祈祷をお願いすると初穂料が必要です。初穂料の相場はだいたい5,000円~1万円ほどのようですが、神社やお寺などによって異なりますので、ご予約の際にご確認ください。
七五三でご祈祷する時に必要なお金
・七五三衣装(レンタル・着付け代金)
・七五三ご祈祷の初穂料
この2種が、多くの方が準備されるお金だと思います。
この他に、
・写真撮影代金(アルバム代など)
・お祝いランチやディナー
予算として意識しておきたいお金はこの2点もあります。
七五三のしきたりなどはご家庭や親族などの意向があることもあるので、事前に相談しておくとトラブルが少なくておすすめです。祖父母は、『あの衣装を着せて、あの神社でご祈祷をして、あのお店の会席を食べて…』等々、すでに予定を組んでいるということも。1~2歳くらいの頃から話題に上げるなどして、それとなく確認しておくことをおすすめします。
交通費や雑費を含めると七五三にかかるお金は細々とあります。11月は寒い日はとても寒いので、カイロを準備したり、着物に合う手袋やマフラーを選んだり、万が一グズりがひどすぎて着替える時のためにワンピースやタキシードなどそれなりの着替えを用意したり…と、考えればきりがありません。
準備万端で挑みたいですが、もしものことばかり気にかけすぎて、七五三という『子どもの成長を祝う』本筋から外れてはもったいありません。家族みんなでおしゃれしてお出かけする1日を、楽しむ気持ちも大切です。
お参りしない場合もあります。お参りしない場合は、七五三のお祝いでやりたいことなど家族で決めたイベントや、写真撮影代金や家族での食事代などが、七五三でかかるお金となります。
また、11月にお参りしない場合もあります。七五三のお祝いは11月15日ですが、11月にはお参りしないで、当日はディナーをちょっと良いものにしたり子どもの好きなものにしたりして家族だけで祝って、ご祈祷やお参りを10月までに済ますというプランもあります。9月下旬から七五三の予約は入っているようなので、混雑する11月にはお参りしないで、混雑しすぎず寒すぎない10月に!というプランもあります。
予約をしていない、できないときはどうする?
予約なしでご祈祷を受けたい方は、事前予約をしていない、または、当日分も受付している、神社やお寺で当日受付の窓口などに並びましょう。
希望していた神社やお寺の七五三受付が終了していたという方は、満年齢で受ける予定だった方は、来年に延ばすという手もあります。または、9月初旬なら空きがあるということもあります。予定より前倒しにしたり延ばしたりする時は、親族や家族に相談することをおすすめします。または、家族やママ友などに相談して、他の神社を探してみても良いかもしれません。
事前予約できない神社やお寺でご祈祷を受けたい方は、当日予約の長い列に並ぶことを覚悟して出かけます。大人が先に並び、子どもは後で合流という形でも。長蛇の列が予想されるなら、当日受付している近くの神社やお寺にも、目星を付けておくこともおすすめします。希望している神社やお寺の当日受付の列が長すぎて無理かもしれない…という時に、他のプランがあると、安心ですよ。
七五三で神社でお参りをする作法
手水舎での手順ってあるの?
手水舎で手を清めるのは「禊」と同等の儀式として前述しましたが、正式な手の清め方があります。絶対やらなければならない、というわけではないですが、知っておくと所作としては完璧で素敵です。
(1)右手に柄杓を持って水をすくい左手に水をかけます。
(2)左手に柄杓を持ち変えて右手に水をかけます。
(3)右手に柄杓を持ち変え左手に水を受けて口をすすぎます。
(4)残った水で柄を洗うために柄杓を立てて水を流します。
(5)柄杓を元へ戻します。
これで、身を清め、神や仏様の御前に立つ準備が整います。
賽銭の入れ方にも作法が
(1)賽銭箱の前に着いたら軽く一礼します。
(2)鈴があれば強く鳴らします。
(3)準備した賽銭を、静かに置くように賽銭箱に入れます。
神様に「私が来ました」とお知らせするために、鈴を鳴らしますので、大きめの音でも大丈夫です。七五三ならば、子どもに鈴を鳴らせても。賽銭は、投げ込むのではなく、そっと入れると神様に失礼になりません。
二礼二拍手一礼で感謝を示そう
(1)神前へ腰を90度折って2回深いおじぎを2回します。
(2)手のひらを合わせて、右手を少し下にずらした所で、拍手します。
(3)手のひらを合わせ、祈念をします。
(4)最後に深く一礼します。
拍手は、下心がないことを神様に伝える所作です。無心で子どもの成長と厄災などからのお祓い、日頃見守ってくださってありがとうの感謝を伝えましょう。神社によっては、二礼四拍手一礼の所作のところもあるようなので、参拝前にご確認ください。
謝礼のはいつ渡す?封筒の書き方も知りたい!
お祓いを受けて祝詞を奏上してもらうのがご祈祷です。ご祈祷(お祓い)をお願いするとお金がかかります。神様に豊穣を祝ってお供えする「初めて採れた稲」が、現代では「定額のお金」=「初穂料」になっていますので、失礼がないようにしたいですね。
謝礼『初穂料』を渡すタイミング
初穂料の納め方として、多くは次の3つのパターンがあるかと思います。
・受付で初穂料を納める場合
・写真代金とパックになっている場合
・直接、神社やお寺の方に渡す場合
初穂料を渡す(支払う)タイミングは、場合によります。が、多くは、社務所で申込用紙を記入した後に、ふくさから取り出して、記入した申込用紙と一緒に初穂料も受付の方にお渡しすることが多いようです。直接お渡しする場合は、神社の場合「お供え下さいませ」、お寺の場合「有難うございます」が多いようです。ですが、作法などは地域性もありますので、気になる方は、予約の際に確認しておくことをおすすめします。
初穂料ののし袋の書き方
・神社では『初穂料』『御初穂料』
・お寺では『御布施』『七五三詣』
初穂料を包む水引は紅白で蝶結びのものを選びます。上に「初穂料」、下に七五三のご祈祷を受ける子どもの名前を書いておきます。受付や申込用紙がなく、読みにくい名前の場合は、ふりがなをふっておくと良いようです。地域によって親の名前も聞かれることもあるようなので、事前に確認しておくことをおすすめします。
写真を撮るタイミング
写真はどこで撮っても良いという神社やお寺もあれば、ご祈祷中は撮影禁止ということもあります。写真撮影は、ご祈祷やお参りが終わった後で、撮った方が良いようです。気になる方は、予約や問い合わせの時に、写真撮影をしても良いかどうかを聞いておくと安心です。
七五三で神社に行くときの服装や準備は?
ご祈祷をする場合と、参拝だけで済ませる場合とで、服装は異なるようです。
・ご祈祷する場合:フォーマルな正装
・参拝だけの場合:普段着でも◎
これは、絶対というわけではありません。なので、参拝だけの場合にフォーマルで出かけても間違いというわけではありません。参拝だけの場合多いのが、親子とも洋服で、子どもはフォーマル、親はややフォーマルといったパターンのようです。
親のフォーマルで気を付けたいのは、派手過ぎず地味すぎずということです。ブラックフォーマルだと「お祝い」感が少なくなってしまいます。逆に、七五三は子ども主役のイベントですから、子どもより派手な装いはタブーのようです。
子供の用意するものをチェック
ご祈祷する場合
子どもに正装(スーツや和装)を着せて、ご祈祷の予約時間までに社務所など指定の場所に行きます。子どもの準備は、これのみ、と言っても過言ではありません。ただし、グズったりした時用に親が用意した方が良いものは、様々あります。
参拝だけの場合
子どもに普段着~正装の服を着せます。普段着でも良いですし、フォーマルな服装でも良いようです。
親の用意するものをチェック
ご祈祷する場合
・親も正装(父:スーツや和装、母:スーツや和装)
・初穂料
参拝だけの場合
・親は普段着~ややフォーマルな服装
共通で用意した方が良いもの
・お金(タクシーで移動・帰宅!?など不測の事態も)
・カメラ(フル充電)
・スマホ(待ち時間に動画など見せてしのぎます)
・子どもの予備靴(和装の草履を嫌がった時用)
・子どもの着替え(フォーマルを脱ぎたがった時用)
・子どものグズリ対策品(小さな絵本や飴や個装菓子など)
・子どものお気に入り飲み物(蓋が閉まるものがベスト)
・寒い日なら、マフラーや手袋
準備した方が良いものは、個々で異なります。どうしても手放せないぬいぐるみやおもちゃなど、遠慮なく持って行かせていただいた方が良いこともあります。神聖な場所へ出向くわけですが、子どもがグズリすぎても大変ですから、子どもの普段の様子からご判断ください!
七五三筆者体験談
なかなかヘビー!と実感しました。思い描く素敵な七五三の1日!とは少し違っている感じです。七五三の撮影日と参拝日を違う日にしましたが、着付けの時間が早く、七五三参拝予定の神社まで遠く、移動で疲れて、神社でグズり、いつもよりお金をかけたランチも子どもをあやしながらなんとか食べる…非常に疲れた1日でした。
お参りしない方が良かったの?とその日は思ってしまいましたが、神社で撮った写真も残せて、幼い子どもの着物姿も可愛く、七五三のアルバムが残せて良かったと思いました。その時は感じませんが、数年後にアルバムを開くと、節目のイベントをやりました!という親も達成感を感じることができます。『ヘビーだったなぁ』という印象も含めて、『やり遂げた!』という良い思い出となりますよ。
七五三で伝統文化を伝えよう
お祓いや祝詞を受けるご祈祷をしたり、参拝だけにしたり、お参りしないで写真撮影だけ、などなど、七五三にもお祝いの方法は様々あります。全てをパーフェクトにしようとするととてもお金のかかるイベントですが、七五三は子どもの成長を祝うイベントです。お金をかけない場合も、お参りしない場合も、なぜお祓いをするのか?祝詞はどうしてあげるのか?など、子どもの成長を祝う日本の伝統文化なんだよ!ということを、伝えてみてください。ご家族に合った七五三を。ぜひ、楽しんでください!