子供の集中力をつけるトレーニング方法!集中力がない原因とは?
子供の集中力が続かないことでお悩みの保護者の方は少なくないと思います。子供の集中力をつけるためのトレーニング方法やおすすめの習い事をご紹介いたします。また、訓練を成功させるためには環境を整えることも重要です。最適な環境で子供の集中力をつける方法を学びましょう。
目次
集中力のない子供に悩んでいませんか?
子供に集中力がない・勉強や習い事が続かないと悩んでいませんか?集中力とは、大人でも肉体面・精神面などの状況により、常にベストな状況で発揮するのは難しいものです。大人でも難しいことであれば子供にとってはなおのこと難しいかもしれません。子供の集中力について紐解いていきましょう。
そもそも「集中力」とは?
集中力の意味
集中力の意味とは、自分の意識や注意を1つの物事に対して集中させる力を指します。集中力と聞くと自分の好きな物や興味があることに対して取り組むときに強い力を発揮するイメージがありますが、そうでないときでも発揮できる力であり、人間の行動力の中でも「やる気」を司る力です。
子供が集中できる時間の目安
そもそも人間はどのくらいの時間集中できるものなのでしょうか。英国の学生団体は、ある程度の集中力が続く時間の目安を「学習に対する集中時間=年齢+1分」と示しています。つまり、7歳の子供なら勉強に集中できるのはわずか8分というわけです。それより長く勉強を続けると集中力が弱まってしまうそうです。
集中力をつけることの3つのメリット
①失敗が少なくなる
集中力がある子供は、小さなことでも見逃しにくいです。そのため、失敗することが少なくなります。集中力をつけると、脳内がその物事だけに意識を集中しているためミスをしにくい傾向があります。例えば漢字テストなど、1文字1文字に集中することができればハネなどの細かいミスに気がつくことができるのです。
②ポジティブ思考になる
子供に集中力をつけると、今ある問題を解決するためにはどうしたらいいか解決方法を考え、導き出した答えに向かって集中することができます。また、到着点から今やるべきことを考えているため、ポジティブに物事に取り組むことができるのです。
③計画性が身に付く
集中力をつけることができた子供は、これからやるべき行動や学習に対して全力を注ぐことができます。目標に向かっていく段階で横道にそれないために、やるべきことを計画的に実行することが可能です。
集中力がない子供の5つの特徴
①計画性がない
集中力のない子供の特徴として、「計画性がない」ことが挙げられます。勉強をするにしても、何をいつまでにやるのか計画を立てることができません。「今自分はどのくらい勉強が進んでいるのか」「あとどのぐらいで終わらせなくてはいけないのか」がわからないため、集中力が続かないのです。
②危機感がない
毎日の生活の中で危機感を持つということは子供にとっては難しいことかもしれません。しかし、計画を立てることができればそこから自然と「今はこれだけはやらなければいけない」という危機感が生まれます。集中力がない子供は計画を立てて行動することができないので、先の見通しを立てることができません。そのため宿題などの提出物を「出さなければ怒られる」という危機感につなげることができないのです。
③達成感が感じられない
計画性がなく、危機感もないということは、物事に取り組む時に目標を立てることをしない傾向が強くなります。目標を持って物事に取り組むことで達成感を得ることができるのですが、集中力がない子供は達成感を感じた経験が少ないことが多いです。また、計画を立てたとしても達成できないこともあります。そういうときもまた達成感を感じられず、やる気が続かないため中途半端な結果になってしまい、集中力が育ちにくいのです。
④思考の無駄が多い
勉強を始めたばかりなのに気が付いたら余計なことを考えてしまう、集中力がない子供はこうしたことが頻繁に起こります。思考の無駄が多いため集中力が続かないのです。あまりにも頻度がひどい場合は集中力がないだけでなく他の要因も考えられますので、しっかりと様子を観察しましょう。
⑤やる気がない
誰しも、普段は集中して勉強ができているのに、日によってはやる気が全くでないなんてことは当然起こります。そういうときは少し気分転換をしてやる気を充電すればまた集中できるので問題はありませんが、もともと何に対しても「面倒くさい」と思ってしまう子供であれば少々心配です。性格的に面倒くさがりな人は何かに取り組む時に常に面倒くさいと考えてしまうため集中力が続かないのです。
子供の集中力が続かない5つの原因
①テレビやゲームなどの時間が長い
子供の健康・教育の研究によると、長時間テレビゲーム・携帯ゲーム・テレビ視聴を行っている子供は、前頭前野が疲労し、集中力・記憶力・注意力が減少し、精神の統合と集中力を必要とする読書が持続して行えなくなるという結果を発表しています。ゲームで遊んだりテレビを見たりする時間が長いと、脳が疲れ、勉強に必要な集中力が衰えてしまうのです。
②睡眠時間が短い
子供学を専門とする教授による小学6年生111名を対象に行った調査によると、睡眠時間が7時間未満の子供はそうでない子供に比べ「いらいらする」「間違いが多くなる」など集中力の困難を訴える割合が多いことがわかりました。睡眠時間が短いと脳の疲れが十分にとれず、注意が散漫になってしまいます。また、睡眠時間が短く起床時刻が遅い夜型の子供は朝食を抜いてしまいがちで、これも集中力が続かないことに影響しているようです。
③精神的に不安定
何か心配なことがあったり気になることがあるときはなかなか集中することができませんが、それは大人であっても子供であっても同じことです。学校で嫌なことがあったりすると、子供の心は大人以上にデリケートなため、不安になったりイライラしてしまいます。また反対に、とてもうれしいことや楽しいことがあったときも、気持ちがそわそわして物事に集中できません。集中力が続かないときは、精神的に不安定である可能性が考えられます。
④栄養バランスが悪い
穀類やイモ類に含まれている糖質が不足すると、集中力がなくなるといわれています。実際、脳を働かせるためには糖質が必要なのは事実です。とはいえ、糖質をとりすぎて満腹になってしまうと眠気を感じてしまい、集中力が続かないことに繋がります。集中力を高めるためにはバランスのいい食事をすることが大切です。
⑤水分不足
集中力が続かない子供は、睡眠不足だけでなく水分も不足していることが原因として考えられます。人間の体は約60%が水分で構成されており、特に脳は80%が水分で構成されています。つまり、脳に必要な水分を十分量摂取することは脳の働きを維持し、集中力を高めることに繋がります。特に子供は大人以上に水分による影響が大きく、水分をしっかりとれていると集中力だけでなく記憶力もアップするといわれています。
子供の集中力をつけるトレーニング方法5選!
①簡単な計算問題を毎日繰り返す
子供の集中力をつけるためにおすすめのトレーニングは、単純な計算を毎日繰り返す訓練です。子供の学年やレベルに合わせて、決まった量または決まった時間で取り組むようにすると、予測が立てやすくなり集中力がついてくるのです。
②短い文章を繰り返し音読する
短い文章を繰り返し音読するトレーニングもおすすめです。例えばA4版3ページ程度の文章を10数種類など、取り組む訓練の量が明確に見えていると集中して取り組む姿勢が見られます。
③短時間でできる課題をこなす
短時間でできる課題をこなし、実際にかかった時間を測定し集中できる時間を認識することもトレーニングとしておすすめの方法です。集中できる時間の目安がわかることで、課題をこなすために必要な時間の見積もりの感覚を養う訓練ができます。
④目標タイムを設定する
これから取り組む勉強や宿題に対して目標タイムを設定してみましょう。目標タイムを設定することによって定められた時間までに終わらせなければという気持ちが起こり、集中力を養う訓練になります。
⑤できたという達成感を養う
訓練を終了したらカレンダーなどにシールを貼り、できたという達成感を養うことも大切なトレーニングの1つです。シールを貼ったら、次の訓練の目標を設定することも忘れずに行いましょう。
子供の集中力を高めるコツ
①集中できる環境を整える
子供がどんなに頑張ろうとしても、集中できる環境がなければ集中力を持続させることはできません。ですので、子供ができるだけ物事に集中して取り組める環境を整えてあげましょう。例えば、子供が宿題を始めるときにはテレビや音楽を消したり、漫画やゲームを片付けるようにします。親兄弟が協力し合って集中できる環境づくりに取り組みましょう。
②生活のリズムを整える
子供の周りの環境を整えたら、次は生活習慣を見直し、改善すべきところがあれば改善し、生活リズムを整えましょう。睡眠不足や食生活も集中力を養うために大切な要因です。夜遅くまで起きてゲームばかりしていれば睡眠不足になり、翌日学校で勉強や習い事に集中することができなくなるでしょう。脳の疲れをとって集中力を維持するためには質の高い睡眠が不可欠です。子供であれば午後9~10時には就寝し、できるだけたくさん睡眠をとらせましょう。
③ルールを決めて自覚させる
ゲームやお気に入りのおもちゃで遊んでいる時の集中力を勉強にも発揮してくれればいいのにと思うことは少なくないはずです。実は子供の集中力は、ゲームを禁止している家庭よりもゲームを許可している家庭の方が高いというデータが存在します。ルールを決めて自覚を促せば、集中力を高めることができるといえます。
子供の集中力を養う遊び・習い事5選!
①ジグソーパズル
ジグソーパズルは子供の脳を活性化させ、集中力・記憶力を養う効果を持つといわれています。指先で小さなピースをつまみ脳をフル回転させる必要があるジグソーパズルで遊んでいるうちに目の前のことに集中する感覚が身につくのです。小学生の子供なら100ピース程度で子供の好きな絵柄のものにチャレンジしてみるのがおすすめです。
②ボードゲーム
米国の心理学者によると、ボードゲームには集中力や計画性を養う効果があるといわれています。ボードゲームで相手に勝つためには、盤面をよく見て次の手を考える必要があるためです。中でも子供が遊ぶならルールがシンプルなオセロがおすすめです。
③折り紙
折り紙を丁寧に折って作品を完成させるためには、指先を正確に動かす必要があります。また、手本をよく見てその通りに紙を折ったり開いたりする行為は、集中力がなければできないことです。子供と一緒に気に入る教本と綺麗な紙を選んでみてください。一緒に楽しみながら集中力をつけるのにおすすめです。
④ピアノなどの楽器
精神医学の専門家によれば、習い事で楽器を練習した子供ほど集中力に関する脳の部位が発達しているといわれています。楽器の演奏には指を正確に動かしたり音楽を聴きとったり楽譜を読んだりとたくさんの作業が要求されることが影響しているのではないでしょうか。音楽が好きな子供は楽器演奏の習い事を検討してみるのもいいかもしれません。
⑤スイミング
東京大学の学生が経験した習い事のうち、最も割合が多かったのがスイミングなのだそうです。空間認知能力が鍛えられ、脳の発達に効果があるとのことです。また、スイミングスクールによれば、プールでは何もしないとおぼれてしまうため、目的地に向かうために一所懸命に集中して泳ぐことにより子供の集中力が鍛えられるといわれています。
子供の特徴や原因を理解して集中力を養おう!
いかがでしたか?子供の集中力には子供そのものに備わった力だけでなく、環境・生活習慣・訓練の方法など様々な要因が関わっていることがわかったと思います。まずは子供の特徴を理解し、原因を考えて的確なトレーニングで子供の集中力を養いましょう。