いじめ後遺症って?診断チェックポイントや克服法を紹介します

いじめ後遺症をご存知ですか?いじめ後遺症は、いじめの経験者に多く見られる病気です。「また新しい病気か」と軽く考えてはいけません。いじめを受けた時期から下手をすれば生涯に渡って苦しめられる可能性があります。いじめ後遺症について詳しく紹介していきます。

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目次

  1. 1いじめ後遺症とは
  2. 2子供時代のいじめの影響は大きい
  3. 3いじめ後遺症を克服するには
  4. 4子供がいじめに関与していたとき親はどうすればいいのか
  5. 5子供時代にいじめを受けていた有名人のエピソード
  6. 6いじめは加害者の悪意が作った呪いです

いじめ後遺症とは

いじめ後遺症とは、過去にいじめにあった経験がある人にいじめが起きたずっと後になってなって引き起こされる様々な精神的・肉体的な症状のことを言います。

いじめ後遺症は、いじめを受けたのが小学生や中学生の学生時代として、はるか先の30代などの大人になってから発症することも多々あります。また、大人になってもいじめのことを思い出すと変調をきたす人は、いじめ後遺症の可能性が高くなります。

いじめ後遺症の症状は?

いじめ後遺症の症状は、対人恐怖症や社会不安障害、パニック障害や摂食障害、うつ症状や引きこもり、自殺願望などの精神疾患です。また、精神疾患だけではなく、うつ状態を伴う不眠や頭痛、過敏性大腸症候群などの身体疾患も発症することがあります。

これらがいじめを受けている状況ではなく、いじめの後や大人にたってからも複数チェックできたり診断される場合は、気をつけた方がいいでしょう。

いじめ後遺症の診断チェックポイント

いじめ後遺症にはさまざまな症状が考えられます。過去にいじめを受けた経験があり、かつ以下の症状へのチェック項目が多ければ、いじめ後遺症の疑いが高くなります。気になる方は、チェックをしてみてください。

1.自分に自信がない。
2.自分はよく頑張っていると褒めてあげることができない。
3.人と関わることが苦手である。
4.人と関わっていても、楽しいと感じられないし信用ができない。
5.過度な不安を感じるときがある。
6.自分は生きていても無意味な人間で、価値がないと感じる。
7.人が多いところに行く時、必要以上に緊張してしまう。
8.他人に笑われているのではないかとかバカにされてるのではないかと感じてしまう。
9.人といることが怖いと感じることがよくあり、孤独になりがちだ。
10.死にたいと思うことがある。

いくつのチェックがつきましたか。チェックが多い場合は、後遺症の危険が高いと考えてください。

病院に行った方がいいの

いじめ後遺症の症状は、日常生活にも支障をきたす可能性が高くあります。今までにも精神的な不安などの変調があったり、気分がふさぎこむとか頭が痛いといった症状がひどく、鬱状態になったことがある人は、いじめ後遺症を疑って一度心療内科や精神科できちんと診断を受けたり、専門機関でカウンセリングを受けることを考えた方がいいでしょう。

病院で診察を受けてきちんと診断してもらい、カウンセリングで自分の置かれている状況を見つめ直してみてください。カウンセリングを受けることによって、頭の中と感情を整理して理解することができるようになります。それだけカウンセリングを受けることは意味があります。カウンセリングによって自分の状態を理解して自覚を持つことが、治療することへの第一歩になると考えられます。

子供時代のいじめの影響は大きい

子供時代のいじめは、単にいじめにあったという事象ではなく、実際に自分の心を蝕んで体全体に刻み込まれていると考えるべきでしょう。実際に子供時代のいじめが、大人になってまで後遺症となって自分自身に与える影響をみていきましょう。

いじめが脳に与える影響とは

人間は脳がさまざまなコントロールをすることで、感情や理性やその他全てのことを行います。その脳にある大脳辺縁系は、脳の中で記憶や感情や行動をコントロールします。

その中にある前頭前野という部位は、いじめなどによって暴言や暴行を受け続けると容積が減少することがわかっています。その結果、感情の制御や思考力、コミュニケーション能力に支障をきたすようになります。

また、同じ大脳辺縁系にある扁桃体という悲しみや恐怖をコントロールする部位は、いじめを受けることによって約1割大きくなることもわかっています。

このように、いじめは脳の形も変えてしまいます。脳の形を変えるということがどれほど恐ろしいことかは、人間であれば理解できるはずです。

 

対人関係の影響が大きい、人が信じられない

いじめは身近な人物から受けることが多く、それまで信用していた人が急に加害者となって襲い掛かってくる状態です。そのためいじめを受けた被害者は、他人が恐ろしくなり、他人を信用することができなくなってしまいます。大人になってもその状態が後遺症のように続く人も多くいます。

心のどこかで「この人は善人だから信じても大丈夫」と思っても、何かしらの不安がつきまとい、完全に信用しきれない状態に陥ります。さまざまな言動をちぇっくしてしまい、「騙されているのではないか」「またひどい目に遭わされるのではないか」などと考えてしまいます。その不安が余計に他人を信用することから自分の気持ちを遠ざけてしまうのです。

自分に自信が持てない

いじめの加害者は、被害者を見て笑ったり、被害者の行動を嘲ったりと、被害者がすることなすこと全てにいちゃもんをつけるといった行為を行います。その後遺症として、被害者は自分の行動に自信がなくなったりすることが多く、何かするにもおどおどしてしまったりする人間になる傾向があります。

自分の容姿なども人を不快にしているのではないかと勘違いしてしまい、顔を隠すようなしぐさが多くなったり、口数が少なくなったりうつむきがちになったりする人が多く見られます。

自分自身が持っている全ての自信が奪い取られてしまっているので、いじめから時期が過ぎても自分に自信を持てなかったりと、自信のない大人に成長しがちです。

自己肯定感が低い

いじめられた被害者は、加害者よりも自分を責めがちです。なぜいじめられるような人間になったのか、自分の犯した間違いを数えたり、自分の欠点をあら探しを大人子供問わずしてしまいます。そのため、「自分はいじめられるほどダメな人間なのだ」と感じ、自分への肯定すなわち自己肯定感が非常に低くなってしまいます。

自分が立派な人間であれば他人からいじめられたりしないと考えてしまい、自分は性格も容姿も能力も全てにおいて人より劣っていると考えがちで、大人になっても全く自分を認めてあげることができなくなります。

仕事への影響

いじめの後遺症は、仕事をする年齢になっても影を落とします。仕事をしていても自信がなかったり、自分の意見が言えなかったり、他人が怖くて信用できずにコミュニケーション不全に陥ったりします。

コミュニケーションに自信がないことは、就業にも影響します。自分が望む仕事に就けなかったり、就職をしても長く続かなかったりと、いじめを受けなかった人と比較して仕事面で上手くいかないことが多いとの調査結果もあります。

本当は能力があってできる仕事でも「自分にはできない」と考えがちになったりして、失敗を繰り返したりもします。上司に怒られれば、過去のいじめの恫喝を思い出したりして心と思考が固まったりすることもあります。

恋愛への影響

いじめを受けると自分の全ての自信や肯定感、他人への信頼感が破壊されます。そのため、恋愛にも億劫になってしまう人が多くいます。好きな人ができても「自分みたいな人間はどうせ愛されない」と考えたり、「自分はこんな容姿だからとても告白できない」など感じてしまい、全く積極的に恋愛できなくなります。

仮に恋愛ができても、彼氏を心から信用できない気持ちが続いてしまったりします。結果彼氏と上手くいかなくなったり、彼氏を非常に好きなのに伝えることができなかったりすることもあります。恋愛下手になってしまい結婚に躊躇する人もいます。結果孤独であったり、結婚がなかなか上手くいかなかったりということもあり、いじめの後遺症と考えられることが多々あります。

体の健康への影響

いじめを受けた人は、健康にも多くの影響があり、さまざまな症状を抱えて生きている人もいます。いじめられていた際の不安と緊張が損先も抜けきらず、外に出ると不安や緊張からパニック障害と診断される人もいます。

また、他人と関わることに非常なストレスを感じるため、胃腸を弱めたり頭重がひどいなどの症状も見られます。不安で眠れないといった症状が出る人もいます。こういった身体症状は、おおむね心因的なものと診断されます。

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いじめ後遺症を克服するには

いじめ後遺症を克服するためには、さまざまな症状を病院で診察・診断してもらったり、カウンセリングを受けながら克服していくことが大切です。そして、克服する上で最も大切なことは、自分を大切に扱って、自分の価値を自身が理解してあげて認めてあげるようになることです。

被害者は、いじめによって自尊心や自分の存在価値を全てなくしてしまっている可能性が高くあります。なくなってしまった自尊心や存在価値を自分で再び育て、「自分は価値のある人間だ」「自分は存在していても許されるのだ」と自覚できるようにしなければなりません。

いじめ後遺症を克服するのは、並大抵ではできませんし、非常に苦労することです。しかし、克服するためにはいじめ体験と向き合い、「自分は悪くなかった」「自分は自信を持っても大丈夫だ」と理解しなければなりません。克服すれば、また違う気持ちで毎日をすごすことができます。

子供がいじめに関与していたとき親はどうすればいいのか

それでは、自分の子供がいじめに関与していることが分かった場合、親としてどのように関わっていくべきなのでしょうか。特に小さいうちは、しつけの問題としても重要なことになってきます。また、しつけだけではなく、人として非常に重大な問題です。

わが子がいじめる側だった場合

わが子がいじめる側だった場合、親は「うちの子に限って」と考えないようにしなければなりません。わが子をかばいすぎれば、事実から目を背けがちになります。子供のしつけの一環から考えても、放置は許されません。

子供になぜいじめるのかをきちんと問い質しましょう。その上で、いじめがどういったものなのか、いじめられている子供の心情を説明して理解させてください。しつけだけの問題ではなく、人間性の問題であることを親も自覚しなければなりません。しつけだけでは怒るだけになります。それでは子供はなぜいじめがダメなのかを理解できず、同じことを繰り返す可能性が残ります。

いじめが人としていかにしてはダメなことか、どう償いをするのかを、きちんと子供と向き合って考えてください。

わが子がいじめられる側だった場合

わが子がいじめられる側だった場合、絶対に子供を責めてはいけません。しつけが上手くいかず子供に何らかの問題があるにしても、しつけの問題は別物です。いじめは絶対的にいじめる側が悪いことをわかっておきましょう。

いじめられた子供の心情を考え、慰め、寄り添ってあげましょう。そして、子供は全く悪くないこと、子供は素敵な人間であることをちゃんと伝えてあげましょう。何度でも繰り返しましょう。子供が自信を喪失するようなことがないように、自己否定をしてしまわないようにしてあげることが重要です。状況によっては、カウンセリングに連れて行くなどの対処が必要なこともあります。

いじめられたことによって傷ついた自尊心を癒してあげることが、親にとっての使命です。

子供時代にいじめを受けていた有名人のエピソード

神田沙也加

女優の神田沙也加は、松田聖子の娘ということで子供の頃に陰惨ないじめを繰り返し受けたことを告白しています。いじめは身体的だけでなく精神的に加えられました。

いじめはやむことがなく、4回学校を転校することで回避する方法をとりました。その後も2世ということで苦労は絶えませんでしたが、地道に活動を続け、本人の努力で今の地位を勝ち取りました。

 

芦田愛菜

芦田愛菜は子役としてブレイクしたため、小学校の頃いじめに遭いました。学校でいじめられるだけではなく、芦田愛菜の筆箱を勝手に持って帰られ、1年間で10個以上筆箱を買いました。

いじめを受けても転校することなく、先年慶応義塾大学附属中等部に入学したのは多くの人が知るとおりです。いじめに屈することなく、女優と名門女子中学生の二足のわらじを履いて頑張っている姿は凄まじいものを感じます。

渡辺えり

女優の渡辺えりは、子供の頃から太っていたため、体型に関するいじめを受けたことを告白しました。「デブ」などと悪口を毎日言われ、最終的に不登校になったとテレビで語っています。

しかし、小学校2年生の時学校の担任が変わり、その担任教師が褒め上手で何かにつけて褒めてくれることで自信を取り戻し、積極的になっていきました。そして初めて舞台で演劇をし、母親が「やっと元の明るいえり子に戻った」と涙するほど楽しそうに演技をし、その後自分で演劇の本を書くなど克服していきました。

いじめは加害者の悪意が作った呪いです

いじめは加害者が存在して初めて出来上がります。そして、その加害者は間違いなく悪意を持っています。悪意がないいじめは存在しません。

いじめは一度受けると呪いのように自分を縛りつけます。そこから逃げ出すために、克服するために、病院に行ってチェックやカウンセリングを受けることは恥ずかしいことではありません。抜け出すためには、外部へも助けを求めましょう。

そして、親はいま一度自分の子供へのしつけを考えてみる必要があります。そんな悪意を持った子供に育っていないか、育っている場合しつけに問題があることがあります。子供がいじめの加害者被害者にならないように、親はしっかりと子供と向き合い、子供に目を向けてあげてください。

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この記事のライター
sakukana613

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