2018年07月13日公開
2019年11月17日更新
授乳中でもカロナールは飲める?効果や用法用量を詳しく解説
授乳中はママは口にするものにいろいろと気を使うことでしょう。しかし、頭が痛くなったり歯が痛くなったりすることもあります。そんなとき、カロナールなら飲んで良いと聞くことがあります。授乳中でも飲んでよいカロナールとは、どんな薬でどのように飲んで良いのでしょうか。
目次
授乳中でもカロナールは飲める?
カロナールという市販の薬の名前は商品名です。薬には主成分があり、その成分からの効果を商品として売り出す時に商品名がつけられます。
カロナールの一般名は「アセトアミノフェン」です。アセトアミノフェンは、一般的に風邪薬として使われることが多く、熱を下げたり痛みを和らげる効果があります。
アセトアミノフェンは、その副作用の少なさから幼い子供や授乳中などにも使いやすく、市販の薬としても世界的にもよく出回っています。
カロナールは非ピリン系解熱鎮痛薬
カロナールと似たような効果を持つロキソニン(ロキソプロフェン)などは、非ステロイド性抗炎症薬といって痛みや炎症に対して直接効果を発揮します。効果は期待できますが、消化器症状などの副作用も多く胃薬とセットで服用されることも多い薬です。
一方、カロナールは脳の中枢神経や体温調節中枢に作用することで解熱鎮痛効果をあげるもので、効果はやや穏やかですが比較して安全性が高いと言われている薬です。
カロナールの効果
カロナールは、体温調節中枢に直接作用して熱放散を増大させる形で熱を下げ、痛みを感じる中枢神経に働きかけて痛みを抑える薬です。授乳中の頭痛や生理痛、歯痛、発熱などは休めない時期だけに普段よりいっそう辛く感じることでしょう。そのような授乳中の痛みや発熱に対しても、比較的使いやすい薬です。
200㎎錠、300㎎錠、500㎎錠がありその時の年齢や対格、また授乳中などの条件やその時の症状によって使い分けます。
カロナールの副作用
カロナールは非ステロイド性抗炎症薬(ロキソニンなど)と比べると、副作用が少なく効果はマイルドだと言われています。
ただ、副作用の報告はゼロでは無く個人差はあります。主に食欲不振などの消化器症状、発疹などが副作用として挙げられます。カロナールは比較的安全性が高い薬ですが、始めは市販薬では無く医師の処方薬で医師の指示のもと服用するとより安心でしょう。
授乳中にカロナールを服用した報告
実際の授乳中の母親が、アセトアミノフェンを服用した結果が報告されています。授乳中の母親が、アセトアミノフェン650㎎を服用、1~2時間後に母乳での血中濃度が最高となり、半減期は1.35~3.5時間後でした。
そして、乳児の尿にはアセトアミノフェンも代謝物も出なかったということです。乳児の尿中から検出されなかったということは、ほぼアセトアミノフェンの影響は無かったと考えられるということです。
*半減期とは、服用した薬物が血中での濃度が2分の1に低下するのに要する時間のことです。
授乳中のカロナールの用法用量
授乳中のカロナールの用法用量については、どのようになっているでしょうか。
カロナールの種類
カロナールの錠剤には、200㎎錠と、300㎎錠、500㎎錠があります。錠剤としては、この3つの錠型となります。カロナールは、小児から成人まで服用できるので体重や年齢によって、200㎎錠、300㎎錠、500㎎錠を使い分けることになります。
また、他に粉薬があります。カロナールの原末もありますが、原薬を粉末にしたもので苦みがあります。細粒のカロナールはオレンジ風味にしていますが、すっきり飲み切れず口に残ってしまうと苦みを感じるでしょう。
さらに子ども用にシロップと座薬があります。シロップは飲みやすいようにオレンジ味になっていますが、やはり苦みが残ります。
カロナールのジェネリックは?
カロナールはほとんどアセトアミノフェンといっても過言ではありません。アセトアミノフェンの錠剤もありますが、どちらが先発品でどちらが後発品かというのははっきりしないともいえます。
歴史だけ言うと、アセトアミノフェン錠に比べてカロナールの方が後発品という見方もあります。アセトアミノフェン錠は基本的に200㎎です。
用量は使用目的によって異なる
カロナールの用量は頭痛などで服用する場合と、風邪で発熱したりする場合とでは違ってきます。
頭痛などで服用する場合
カロナールの用量は、目的ごとに異なります。一般的に頭痛などで服用する場合は、1回が300㎎~1000㎎です。つまり、300㎎錠を1錠か、500㎎錠を2錠ということになります。
また、1日で服用して良い限度は4000㎎までです。そうなると、200㎎錠であれば20錠、300㎎錠であれば13錠、500㎎錠であれば8錠という計算になります。また、服用間隔は4~6時間開けなくてはいけません。
風邪での発熱などで服用する場合
成人で風邪などで解熱することを目的とした服用の場合、1回300~500㎎錠を発熱時に頓用として服用します。つまりカロナール200㎎錠を1.5~2.5錠となります。300㎎錠なら1錠です。500㎎錠を1錠でも指示内の量ではあります。医師に相談してみましょう。
ただ、このように頓用の服用の場合は1日2回までが限度で、1日の服用量は最大1500㎎となり7.5錠までとなります。
服用の注意点
カロナールの服用の注意点がいくつかあります。
・空腹時を避けましょう。これは、できるだけ消化器症状の副作用を避けるためです。胃腸の中がまったくからっぽだと、薬の副作用が出やすいことがあります。
・服用間隔は4時間以上あけましょう。薬の効果が無くても、自分で時間を早めたり量を増やすことは厳禁です。作用が期待できないばかりか、副作用が強く出てしまう可能背があります。薬効が無い場合は、薬を変えるか、量を変えるか、医師や薬剤師に相談しましょう。
・他の解熱鎮痛剤を併用しないようにしましょう。やはり副作用が強く出る可能性があります。
カロナールは比較的安全性の高い薬ではありますが、副作用やアレルギー反応の可能性がゼロではありません。用法用量をしっかり守り、副作用が出ないかチェックしながら服用しましょう。
授乳中のカロナールの用量は?
授乳中でもカロナールは服用できるということでも、大前提として「治療上の有益性が危険性を上回る」ときのみ服用するべきということがあります。
また、できれば医師の指導のもと服用することがすすめられます。そして、授乳中のカロナールの用量ですが、特に妊娠中や授乳中でも通常の成人の服用量と同様となります。
カロナールを服用するタイミング
カロナールは、授乳中であっても大きく授乳間隔を開ける必要は明示されていません。ただ、できるだけ授乳に影響なく安心して服用したいものです。
その際は、授乳しても薬の影響が少ない服用直前に授乳するか、授乳直後30分以内であれば、より安心でしょう。ただ、その際も使用間隔は原則4~6時間はあけるなど、通常の原則は守ります。
カロナールは市販で買える?
カロナールは市販でも買えるのでしょうか?一般的な薬局、薬局チェーンではどのように買えばよいでしょうか。
カロナールの市販薬
カロナールは医療法医薬品として、市販では買えません。しかし、カロナールと同じアセトアミノフェンを主成分とした市販薬があります。商品名は「タイレノールA」です。タイレノールは取り寄せるような特殊な市販薬では無く、薬局に行けば大抵ある市販薬です。
医師にカロナールを処方されたことがあり、特に問題なく薬効を受けられた場合、同じものを市販で買いたいときはタイレノールが良いでしょう。
タイレノールの使い方
カロナールは200㎎錠からありますが、タイレノールには200㎎錠はありません。タイレノールは1錠は、カロナール300の1錠と同じ成分量です。カロナール300㎎と同じ用法用量になります。1日3錠まで、服用間隔は4時間以上置きます。また、15歳未満には服用させてはいけません。
処方薬で出されるカロナールに比べると、服用できる量や間隔、(特に風邪による発熱時)空腹時は避けるなど規制も多いので要注意です。ただ、正しく使用すれば副作用が少ない、という点はカロナールと同様です。
タイレノールは授乳中でも大丈夫?
授乳中のタイレノールの服用に関しては、基本的には服用できるとなっています。ただ、医師の判断のもとでは無い場合は、授乳中で心配であれば常駐の薬剤師によく確認するなどしましょう。そして、カロナールと同様に授乳に影響の無い時間に服用するようにしましょう。
カロナールは授乳中でも飲める便利なお薬
カロナールは、その安全性から授乳中でも飲めるといわれています。特に新生児は昼夜の別なく、授乳することもありますし、どんなに疲れていてもさぼることができないこともあります。疲れから頭痛が続いたり、原因不明の発熱をすることもあるでしょう。そのようなときに、カロナールはとても重宝します。
ただ、授乳中の安全性も高い薬ではありますが、できれば特に初回は医師の指示のもと、処方薬を服用した方が良いでしょう。それで、大きな問題が無かった場合、市販薬を購入することをおすすめします。