2018年05月16日公開
2018年05月16日更新
赤ちゃんの成長曲線(発育曲線)まとめ!データ上で成長を見守ろう!
赤ちゃんの成長は体重や身長だけではよくわからないものです。そこで赤ちゃんの成長の推移の目安となるのが成長曲線(発育曲線)。今回は発育値の表や成長曲線(発育曲線)をまとめて紹介します。赤ちゃんがどのくらい成長しているか、是非確かめてみてください!
目次
赤ちゃんの成長曲線(発育曲線)って何?
赤ちゃんの身長・体重はひとりひとり異なり、自分の赤ちゃんがどのくらい成長しているのか、小さすぎたり大きすぎたりしていないかは簡単には確認できません。
そこで赤ちゃんの成長の目安にすることができるのが成長曲線と呼ばれるグラフです。
発育曲線と呼ばれることもあります。
赤ちゃんの成長曲線の読み取り方
成長曲線(発育曲線)は厚生労働省が公表している全国の男児・女児別に赤ちゃんの身長・体重を集計し、その成長推移を示したグラフです。
10年ごとに院内調査・個人調査をしていて、現在は平成22年度のデータを元に作成した成長曲線が最新のものとして厚生労働省のHPで公開されています。
母子手帳にも記載されていますので、赤ちゃんの体重・身長を計った時に書き込んでいけば自分の赤ちゃんの成長度合いや同じ月齢の赤ちゃんたちの中でどのくらいの大きさなのかを確認できます。
成長曲線(発育曲線)はパーセンタイルという方式が用いられています。
パーセンタイルとは計測値を小さい方から順に並べ、下から数えて何番目かをパーセント表示する方法です。
例えば、下から数えて45番目ならば45%となり、50番目が中央値、50%となります。
成長曲線(発育曲線)の場合、3%を最小値、97%を最大値としています。
つまり、この間の帯状の範囲に94%の赤ちゃんが当てはまります。
実際に男児・女児別の成長曲線グラフを確認しよう
成長曲線(発育曲線)は男児・女児別に公表されています。
厚生労働省のHPからダウンロードできる成長曲線(発育曲線)をご紹介します。
成長曲線を使用するときは男児・女児のどちらの方か間違えないように注意してください。
男児の成長曲線(発育曲線)
身長はcm、体重はkgです。
3%、10%、25%、50%、75%、90%、97%の7本の線が描き込まれています。
女児の成長曲線(発育曲線)
同じく身長はcm、体重はkg。
同じように7本の線で構成されています。
成長曲線は97%の赤ちゃんが当てはまるように作られていますが、必ずしも全ての赤ちゃんが当てはまるわけではありません。
男児・女児共にどのくらいの時期にどのくら成長するかは個人差が大きいです。
多少外れていても過度な心配をすることはありません。
大切なのは自分の赤ちゃんの成長推移が正常かどうかです。
ちゃんとグラフが右肩上がりになっているでしょうか?
突然体重が激減したり、グラフが横ばいになっていないかなども併せて確認してみてください。
男児・女児別の月齢ごとの発育値をチェックしよう
厚生労働省は成長曲線の他にも男児・女児別の月齢ごとの身長・体重・頭囲・胸囲をまとめた数値も発表しています。
同じく厚生労働省のHPからダウンロードすることができます。
成長曲線のグラフに描かれている線を数値化した表になります。
赤ちゃんは新生児の時に体重が減少する生理的体重減少というものがありますので、体重の表のみ生後1日~5日の体重も表示してあります。
体重(kg)の発育値
成長曲線に描かれている7本の線を数値化したものです。
体重のみ生後1日目~生後5日目の数値も記載されています。
男児
女児
必ずしも男児よりも値が低いというわけではありませんが、女児の方が数値は低いようです。
これは全体を通じた傾向のようです。
身長(cm)の発育値
成長曲線に描かれている7本の線を数値化したものです。
男児
女児
あまり大きな差はないように思えますが、やはり男児の方が数値が大きい傾向があります。
3%だと、出生時は同じ身長でも30日後にはわずかに差が出来るようです。
頭囲の発育値
男児・女児別の頭の大きさです。
頭囲に明らかな異常があった場合、水頭症やホルモン異常の疑いがあります。
男児
男児の頭囲です。
この値から大きく外れている、明らかな異常がある、といったことがなければ過度な心配は必要ありません。
女児
女児の頭囲です。
男児同様、明らかな以上がなければ問題ありません。
男児に比べ、数値が小さい傾向があります。
胸囲の発育値
男児・女児別の胸囲の大きさです。
男児
女児
女児の方が胸囲が大きい、などといった特徴は赤ちゃんの時には見られません。
他の数値同様、男児よりも低めなことが多いです。
生まれた時はほとんど同じように見える男児・女児でも数値や成長曲線で比べてみると差があることがわかります。
同じ性別、同じ月齢でも赤ちゃんの成長はひとりひとり違いますので、あくまで参考としましょう。
成長曲線や発育値を上手に使い、我が子の成長を記録してみましょう。
体重を書き留めておくことにより病気や異変に気付きやすくもなります。
赤ちゃんの肥満度もチェック!
赤ちゃんの身長・体重は赤ちゃんによって違いが大きく、簡単に比べることが出来ません。
成長曲線を大きく上回っているからといって赤ちゃんが太り過ぎているとは限りません。
また、同じように成長曲線よりも下の体重しかなくても、身長が小さいことが原因かもしれません。
赤ちゃんが太り過ぎているかいないかは肥満度を算出して考える必要があります。
赤ちゃんの肥満度を表すのに用いられるのが「カウプ指数」というものです。
カウプ指数は大人でいうBMI(ボディマス指数)、小学生~中学生で使用されるローレル指数です。
時折身長が高いからと一つ上の指数を使用してしまう人もいますが、肥満度は身長で指数が変わるのではなく年齢で使用する指数が変わります。
また、どの指数も計算式と数値の結果が違いますので、赤ちゃんの肥満度を調べる時は必ずカウプ指数を使用しましょう。
カウプ指数の計算式は
体重÷〔身長(cm)×身長(cm)〕×10⁴=
算出した数値を以下の指針にあてはめます。
13未満 やせ
13~15未満 やせぎみ
15~18未満 正常
18~20未満 肥満ぎみ
20以上 肥満
例えば生後0か月~生後2か月未満の男児の中央値である身長55.6cm、体重4.79kgならば、
4.79÷〔55.6×55.6〕×10⁴=15.496・・・
となります。
15~18未満ですので、正常値となります。
しかし、赤ちゃんの肥満度は余程大きく肥満、やせと出なければ過度な心配をする必要はありません。
ちなみに、「未満」ですので「15」の場合も「正常値」となります。
赤ちゃんの成長記録におすすめの方法は?
赤ちゃんの体重・身長などの成長記録はどのように成長曲線に書き込めば良いのでしょう?
成長曲線は同じものでも、そこに記録するための方法はいろいろあります。
筆者のおすすめの方法をいくつかご紹介します。
専用アプリがおすすめ!
今やほとんどの人が使用しているスマートフォン。
成長曲線と表示したり成長を記録することができる専用のアプリがいくつもリリースされています。
Androidで使用できるアプリとiOSで使用できるアプリ、どちらでも使用できるアプリを紹介します。
すくすく成長曲線(iOS版、Android版対応アプリ)
Android版、iOS版のどちらにも対応しているアプリです。
赤ちゃんの名前、性別、年齢を登録し、体重・身長を入力すると成長曲線上に表示され、確認することができます。
双子ちゃんなど二人以上の赤ちゃんでも一つのアプリで管理できます。
ご両親の身長から予測したお子さんの成人身長(目標身長)を見ることができる機能がついています。
赤ちゃんの成長グラフ Lite(iOS版対応アプリ)
iOS版に対応しているアプリです。
最初にアプリを立ち上げた後、設定から名前、性別、誕生日を入力すると成長曲線が表示されるようになります。
任意の日付に体重・身長を入力すると成長曲線上に表示され、確認することができます。
カウプ指数を計算することもできます。
赤ちゃんの体重管理 大きくなぁれ(Android版対応アプリ)
Android版に対応したアプリです。
成長曲線上に表示されるだけではなく、体重がどのくらい増加したかの自動計算もでき新生児の体重増加のペースを確認できます。
母乳で育てているママは母乳が不足しているかどうかを確認しやすいです。
母子手帳に直接書き込む
母子手帳の成長曲線を使用する方法もあります。
母子手帳にはその時点での最新の成長曲線が掲載されています。
成長曲線上に直接点を書き込み、点同士を直線で結べば、赤ちゃんの成長推移の折れ線グラフとなります。
母子手帳と共に成長の記録も残しておくことが出来ます。
エクセルを使う
パソコンで成長記録を管理したい人向けに、エクセルを使用した「成長曲線作成表計算ファイル」を無料でダウンロードできるサイトをご紹介します。
エクセルをある程度使えこなせる人向けですが、月齢別の標準的な身長、身長に対する肥満度、頭囲、胸囲の偏差値、目標身長など、確認できる情報は多岐にわたります。
エクセルの使用に自信がある人はこちらを使うのも良いでしょう。
赤ちゃんの成長曲線が下回る・上回るのは危険?
成長曲線上に体重を書き込んでみたら、帯状ラインよりも上回ったり下回ることもあります。
成長曲線を上回る、下回るのは危険なのでしょうか?
赤ちゃんの成長には個性がある
赤ちゃんの大きさは個人差があり、成長もまた画一的に大きくなるわけではありません。
成長曲線を多少下回る・上回る程度ならば過度な心配は必要ありません。
成長曲線は94%の赤ちゃんが当てはまるように作られています。つまり、逆に言えば6%の赤ちゃんは当てはまらないのです。
赤ちゃんがどのくらいの時期にどのくらいの体重になるかは赤ちゃんによって違います。
産まれた時は他の赤ちゃんよりも小さかったけれど、2か月を過ぎた頃からぐんぐん成長して周囲の赤ちゃんたちよりも大きいくらいになった、なんてことも良くあることです。
最初から最後まで成長曲線に当てはまるわけではありません。
多少外れてしまっていても、赤ちゃんが元気に動き回っていたり排泄の回数が正常ならば心配しすぎる必要はありません。
成長曲線を下回る原因は?
赤ちゃんの体重が成長曲線を大きく下回る場合は栄養が足りていない可能性があります。
成長曲線を大きく下回る時は注意が必要です。
体重が標準を下回る原因として考えられるのは赤ちゃんのカロリーが足りていないということです。
これは、母乳の栄養不足やミルクの量不足が主な原因です。
母乳を上げている場合は、ママが十分に栄養を取れていない可能性があります。
母乳の栄養価はママのとる食事に左右されます。
母乳の栄養価をあげることができるように、食生活を見直しましょう。
白米や青魚が良いとされています。
また、赤ちゃんが母乳を上手に飲めていないことも。
哺乳類であげるミルクとは異なり、母乳は赤ちゃんがちゃんとたくさん飲めているのか見た目ではわかりません。
赤ちゃんは最初の頃はまだ母乳をうまく飲めません。
たくさん飲んでいるように見えてもあまり飲めていないということがあり得ます。
赤ちゃんが母乳を欲しがったのならば、満足するまであげましょう。
ミルクを上げているのに体重が成長曲線を下回る場合は、ミルクの量が少ない可能性があります。
適切な量をあげているかどうか確認してみましょう。
また、母乳やミルクに問題がなくても成長曲線を下回ることもあります。
赤ちゃんが活発に動き始めるようになると、カロリーがたくさん消費されるようになり、母乳やミルクで摂取するカロリーが足りなくなることも。
そのため、体重があまり増えなくなり成長曲線を下回るのです。
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成長曲線を上回る原因は?
成長曲線が上回っていても、基本的には問題はありません。
栄養不足で成長曲線を下回る場合とは違い、上回っていてもあまり心配する必要はありません。
パパママの身長が高い場合は、赤ちゃんの身長も高くなることが多く、成長曲線を上回ることがあります。
身長が低いのに体重だけ上回っている場合など、肥満が心配な時は肥満度を確認してみましょう。
異常な数値でなければ、たとえ肥満気味の値になっていても問題ありません。
この頃の赤ちゃんは肥満になることはほとんどありませんし、食事制限などのダイエットをさせてしまうと赤ちゃんの成長を阻害してしまいます。
病気が原因の可能性も
曲線が長期間横ばいになる、短期間で体重が急激に減るなどの場合は、何らかの病気が原因の可能性もあります。
その場合は、医師の診察を受ける必要があります。
身長や頭囲がなかなか伸びない場合はホルモン異常などの病気の可能性があります。
ホルモンは赤ちゃんの成長に欠かせません。
ホルモンが不足すると赤ちゃんが低身長になったり、知的発達を阻害することがあります。
また、頭囲が明らかに大きくなってしまった時に考えらえる病気が「水頭症」です。
水頭症は脳を保護する液体である「脳脊髄液」が頭の内側に過剰に留まってしまう病気です。
生まれつき異常を持っていたために発症する先天性のものと、何らかの原因で発症する後天性のものがありますが、赤ちゃんが先天性で水頭症だった場合や、まだ頭蓋骨の結合がやわらかい時期に水頭症になってしまった場合は、過剰に溜まった脳脊髄液が頭蓋骨を押し広げ、頭が大きくなる事が起こります。
赤ちゃんの頭囲が明らかに大きくなった場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。
赤ちゃんの成長曲線を目安にして楽しく成長管理をしよう!
成長曲線上に成長記録をつけることで赤ちゃんがどのくらい成長し、他の赤ちゃんに比べてどのくらいの大きさなのかが一目でわかるようになります。
また、成長曲線を目安にすることで赤ちゃんの成長を予測することもできます。
成長曲線を上手に活用し、楽しく赤ちゃんの成長記録を管理しましょう。