2018年09月11日公開
2018年09月11日更新
【ハロウィンとは】由来や起源を分かりやすく!かぼちゃの意味とは?
ハロウィンってただのイベントじゃないの?という方も、仮装を純粋に楽しみたい方も、こんな意味があったんだ!とハロウィンをより楽しめる由来や意味や起源のお話。2000年前を起源としたお祭りの由来や、掛け声の由来、ジャックオーランタンには意味や昔話も!
目次
ハロウィンを解説!由来や起源は?
ハロウィンと言えば、かぼちゃ・こうもり・おばけ!仮装をして「トリックオアトリート!」の掛け声とともに隣家の扉をたたき、子どもがお菓子をいただくお祭りイベント。そんな風な印象をお持ちの方が多いと思います。今は、おばけや骸骨などちょっと怖い系の仮装を大人がやって楽しむイベントにもなりつつありますね。
ハロウィンの時期になると発売される期間限定のスイーツやスナック菓子についついときめいてしまうことも。そんな誰もが知るイベント:ハロウィンですが、期間限定スイーツや仮装のイベントというだけではありません。由緒ある宗教的意味合いや由来があるんです。
『ハロウィン』の意味と由来
ハロウィンは『イベント』として日本で定着しつつありますが、古代ケルト文化を起源とした由緒ある宗教的『祭』なのです。古代ケルトというと、2000年も前の文明。その宗教的『祭』が、内容や形式を変えて脈々と続いているイベント、それがハロウィンなのです。
ハロウィンの語源
ハロウィンは、英語で「Halloween」ですが、「All Hallow's Eve」が短縮されたもののようです。カトリックの『諸聖人(=All Hallows)の日』の『前夜(=eve)』に行われることから、英語で「All Hallow's Eve」→「Halloween(主にアメリカ英語)」または「Hallowe'en(主にイギリス英語)」となったという説が一般的です。
日本のハロウィン
現代では、カトリックではないキリスト教の英語圏、特にアメリカで定着し、祝祭本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっているようです。収穫祭と悪霊退散という意味はなんとなく残っているようですが、日本には1990年代に、アメリカから入ってきたようでイベント色が強いと言えます。
今の日本のハロウィンは、もっぱら仮装した子どもがお菓子をねだるイベントで間違ってはいませんが、子どもに聞かれたら「もともとは宗教的な意味がある祭りで、収穫を祝ったりやおばけを追い払ったりする行事だったんだよ」という感じの答え方が、良いのかなと思います。
では、その宗教的なところを少し掘り下げてみたいと思います。
『ハロウィン』の起源
ハロウィンは、ケルト文化のサウィン祭を起源とした説が有力です。というのが、諸説ある中で、一番古い(2000年前)文化がケルト文化なので、どの説も大元をたどってゆくとケルト文化にたどり着く可能性がなくはない、という感じです。そのケルト文化のサウィン祭の日程に、キリスト教(カトリック)の『諸聖人の日』が後で設定され、そちらがキリスト教圏で広まったようです。そのため、サウィン祭の名称は残ったものの、キリスト教由来のハロウィン(=英語でHalloween)が主流となりました。
キリスト教の中でもカトリック信者が多い国では、『諸聖人の日』を祝う祝日が設定されていている国もあるようですが、それをハロウィンとして祝う習慣は根付くことはないようです。宗教的価値観の違いということでしょうか。
ケルト文化のサウィン祭って何?
サウィンはスコットランド・ゲール語で、サウィン祭はケルト暦で1年の始まりを祝う祭りだったようです。ケルト人の1年の終わりは10月31日、11月1日は1年の始まりを意味し、秋の終わりと冬の始まりでもあるその期間に、死者の霊が親族を訪ねたり、悪霊が畑を荒らしたりすると信じられていました。サウィン祭は、10月31日の夜から11月1日の朝までの期間で、悪霊退散を主な目的とした、年末と新年に行う宗教的なお祭りだったようです。
ケルト神話やサウィン祭など、アイルランドに残る妖精や魔女といった神秘的なイメージの源は、こういった宗教的な背景からきているようです。
アイルランドではハロウィン休みがある
ケルト人の国は、現在のアイルランド。スコットランドやイングランドとともに大英帝国=イギリスとなった今でも、ケルト文化は残っているようです。10月の最終月曜日からの1週間学校がお休みになるようです。ケルト文化の一年の終わりと始まりを祝う行事が、ハロウィン休みとして未だに引き継がれているように思えます。
ハロウィンに【仮装】をするのはなぜ?
キリスト教(カトリック)では、11月1日が諸聖人の日で、全ての霊がやってくる日とされています。家族や親族の霊もいますが、悪霊や悪魔などもやってくるのです。そのため、そんな悪い魂に連れさられてしまわないよう、仲間のふりをする、または、悪霊が怖がってあちらの世界に戻るほど怖がらせる。それが、おばけや怖いものに仮装する理由とされています。
本来ハロウィン行事は何をするのか?
・かぼちゃをくりぬいた中に蝋燭を立てるジャック・オー・ランタンを作る
・魔女やおおけに仮装した子どもたちが近所を1軒ずつ訪ねて「トリック・オア・トリート」と言う。
・カボチャのお菓子を作る。
・子どもたちはもらったお菓子を持ち寄り、ハロウィン・パーティを開いたりする。
ということが、英語圏またはアメリカのハロウィン事情のようです。
サウィン祭では
ケルトのサウィン祭では、夜通し祭司たちが魔除けに炊いた火のまわりで踊り、最後に牛の骨を投げ入れ、各家庭にこの火を分け与え、悪いシー(=ケルト神話の妖精)などが入らないように、もらった燃え残りでかまどの火を新しくつけて家を温めたそうです。
ハロウィンの【かぼちゃ】には意味がある?
元々はカブを使っていたようですが、アメリカ大陸発見以降かぼちゃを使うようになったようです。というのも、アメリカへ入植したアイルランドの人々がハロウィンを祝おうとしたところ、本国で使っていたカブが入手困難で、かぼちゃで代用していったようです。それが今や主流となったのですから、驚きです。かぼちゃの加工しやすさや、色の鮮やかさなども、ほど良かったのかもしれませんね。今でも、スコットランドではカブを使ったランタンが作られているようです。
ハロウィンのかぼちゃ【ジャック・オー・ランタン】とは?
ジャック・オー・ランタンは英語で「Jack-o'-Lantern」。『ランタン(=ちょうちん)のジャック』と直訳できます。実は、その由来があるようです。
生前に堕落した人生を送ったまま死んだ者の魂が死後の世界への立ち入りを拒否され、悪魔からもらった石炭を火種にし、萎びて転がっていたカブをくりぬき、それを入れたランタンを片手に持って彷徨っている姿だとされている
日本で言うところの浮かばれない魂?という感じでしょうか。アイルランドの昔話のようなので、今でも語りつがれているようです。カブを題材にした昔話は西洋にいくつかあります。かぼちゃより、身近な食材だったようです。
かぼちゃをくりぬいて怖い顔を表現するのは、彷徨う魂や悪霊を怖がらせて追い払う『魔除け』の意味が強いようです。アメリカでは玄関(階段を上がった後の戸口)に飾ることが多いようです。サウィン祭の焚火が魔除けとされていたところからの流れでしょうか。もしくは、種火として焚火の火種を家庭に持ち帰ったという風習が、変遷していったのかもしれません。
ハロウィンの【おばけ】や【こうもり】の意味と由来
アメリカの仮装は、一般的に怖いとされているものがモチーフになっています。おばけが怖いのは世界共通のように思いますが、神聖視するものが各国で違うように、その『怖い』というモチーフは宗教観や世界観などによって様々です。
ケルト民族では、魔女は悪いものではありません。生まれ変わりや叡智のシンボルで、そのため、死んだ魂(=おばけ)も魔女によって輪廻の輪に戻されるという言い伝えもあります。ところが、キリスト教では万物の神はキリストただ一人なので、ケルト民族であがめられている魔女の叡智は、神以外の邪悪な存在から力を与えられたとして迫害されてゆきます。キリスト教をへて、魔女は、醜い老婆として描かれることになり、そのイメージが広がり定着したというわけです。
・こうもりが家の上を飛び回ると誰かが亡くなる
・家の中にこうもりが飛び込んでくると呪われる
・魔女はこうもりに化ける
・ろうそくに落ちて蜘蛛が燃えるとその近くに魔女がいる
というような、魔女やこうもりに関する迷信もあるようです。
そんな邪悪・怖いのイメージが、ハロウィンのイメージと結びついて、おばけ・魔女・こうもり・蜘蛛がハロウィンでは使われているのかもしれません。
ハロウィンの掛け声【トリック・オア・トリート】の意味と由来
英語圏のハロウィンでは「トリック・オア・トリート!(直訳:いたずらか?ごちそうか?)」の掛け声で各家をまわります。この起源は、「ソウリング(Souling)」というヨーロッパの風習(彷徨う悪霊のために「ソウルケーキ(Soul Cake)」を乞いながら歩く)や、農夫が祭で使う飲み物を集めるため各家をまわったという習慣から、と諸説あります。当時は、現代の掛け声ではありませんでした。今は、「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!」という、ハロウィンの挨拶のような感じですね。
「トリック・オア・トリート!」という掛け声を初めて使ったのは、1900年代初めのどこかの子どもとされています。それが、1952年のディズニーアニメ「Trick or Treat(邦題:ドナルドの魔法使い)」で世界的に広まったようです。
Walt Disney's Donald Duck: Trick or Treat
1952年のディズニーアニメ「Trick or Treat」と同時期に書かれたコラボ漫画。英語の漫画です。
ハロウィンの掛け声【ハッピー・ハロウィン】の意味と由来
「Happy Halloween!」は挨拶です。「Merry X'mas」と同じ、「have a nice trip」「Have a good time」と同類の言葉・挨拶です。お正月に「あけましておめでとう」と言うように、ハロウィン週間に「Happy Halloween!」と言う感じです。
「楽しいハロウィンを!」とか、「ハロウィン楽しんで!」とかいう感じの明るく軽い挨拶ですね。アメリカなど挨拶が一般化している地域では、親しい人や顔見知り、時にはハロウィンの日のレジのスタッフにも、声をかけられることがあるかもしれません。ちなみに、その時の返事は「Happy Halloween!」で良いようです。旅先などで言われたら、挨拶をお返ししてみましょう。
ハロウィンのおすすめの楽しみ方は?
ハロウィンの由来や起源は、かなり昔・そして背景も深いイベントですが、日本では日本の楽しみ方で楽しむということで良いのではないでしょうか。カトリックのキリスト教圏では受け入れがたいイベントのようですが、仮装やお菓子を準備して楽しむのならば、宗教や意義や由来などより、楽しむことが先決です。
ハロウィンの仮装やお菓子を楽しむ
大人には大人の、子どもには子どもの、仮装を楽しむことができます。変身願望が満たされてなんだかワクワクするので、子どもにも楽しいイベント。この日は、仮装しても大丈夫な日!と気合いの入った人も見かけますよね。ここは日本ですから、怖い仮装にこだわらず、女の子は天使や妖精、男の子は海賊やスパイダーマンなどに挑戦しても。
この時期ならではの旬のかぼちゃを使った料理やお菓子も楽しめます。ハロウィン限定のお菓子や総菜を買って楽しむも良し、子どもと一緒に手作りするのも良し、収穫祭として夕飯をかぼちゃづくしにしても良し、皆さんのお好みの楽しみ方ができます。
テーマパークやイベントで楽しむ
ディズニーランドやUSJなど大きなテーマパークはもちろん、居酒屋やカフェ、街カフェや仮装行列イベントなど、様々なイベントが開催されています。10月のお出かけイベントとして、色々調べてみるのも良いですね。近場で見つけて参加しても、秋の一泊家族旅行として出かけてみても良いのではないでしょうか。
ハロウィン料理やホームパーティーを楽しむ
せっかく仮装したのにお家の中だけじゃもったいない!という方には、自宅でホームパーティはいかがでしょうか。かぼちゃ料理を持ち寄ったり、程よい季節なのでお庭でバーベキューも良いですね。大きなピザを注文してみんなで取り分けて食べるのも楽しいです。
お部屋の飾り付けを楽しむ
100円均一などに、安くて使えるアイテムが販売されていますし、おばけやかぼちゃやこうもりなど簡単な切り紙などを紐にぶら下げてみても良いですね。ハロウィン限定の個包装で軽いお菓子も飾りと一緒にぶら下げるてみてください。小さな子どもには受けるはずです。(チョコのお菓子を直射日光の当たる窓側などに飾ると溶けますので、気をつけてくださいね!)
度胸だめしの「トリック・オア・トリート!」
子どもたちには「トリック・オア・トリート!」という掛け声を元気いっぱい言ってもらいましょう。日頃接さないお友だちの家族(大人)に大きな声で話しかけるという、ちょっとした度胸をつける練習になるかもしれません。
意味や由来を知ってハロウィンをもっと楽しもう
2000年前のケルト文化に起源があるとは!という方も、ハロウィンの仮装を純粋に楽しみたい方も、こんなお話が背景にあるんだなぁというおおざっぱなことが分かると、仮装やお菓子、ランタンから受けるイメージが変わってきますね。日本では、仮装や限定のお菓子や総菜を楽しむイベントだとしても、九十九神はお許しくださるはずです!皆さんのご家族やお友だちと、楽しいハロウィンをお過ごしくださいね。Happy Halloween!