授乳中のロキソニン服用は危険なの?母乳・赤ちゃんへの影響は?

授乳中の頭痛や生理痛がツライ。そんな時はロキソニン!でも授乳中って薬服用して大丈夫?母乳に薬の成分移行しない?赤ちゃんに影響ない?気になりますよね。そこで鎮痛薬としてよく使われるロキソニンは授乳中に内服しても大丈夫なのか確認していきましょう。

授乳中のロキソニン服用は危険なの?母乳・赤ちゃんへの影響は?のイメージ

目次

  1. 1授乳中なのに頭痛・生理痛がひどい・・・
  2. 2ロキソニンってどんなもの?基本情報をチェック!
  3. 3授乳中の服用は推奨されていない!
  4. 4ロキソニンは母乳にどんな影響を与えるの?
  5. 5ロキソニンを飲んだら授乳までの間に時間をとろう
  6. 6ロキソニンに替わる薬はあるの?
  7. 7貼るタイプのロキソニンテープは大丈夫?
  8. 8服用するときは医師や薬剤師に確認して
  9. 9出典はこちら

授乳中なのに頭痛・生理痛がひどい・・・

授乳中なのに頭痛・生理痛がひどい・・・。ツライ痛みは残したくないから、普段なら鎮痛薬ですぐに抑えたいところですよね。
「頭痛・生理痛にロキソニン」でおなじみのロキソニン、筆者も妊娠前は頭痛・生理痛が酷かったので毎月のようにお世話になりました。
でも、授乳中の内服薬って気になりますよね。母乳に移行して赤ちゃんに影響出ない?大丈夫?と思うと気軽に服用できない。でも授乳中だから・・・と服用しないとずっと痛い。痛いからイライラしたり眠れなくなったり。パフォーマンスも下がってしまいます。

授乳中だからといって薬の服用ができないわけではありません。
そこで、今回はロキソニンについて知って、授乳中の内服と正しくお付き合いしていきましょう。

ロキソニンってどんなもの?基本情報をチェック!

ロキソニンってそもそもどんなものなのか、確認していきましょう。

商品名:ロキソニン
内服薬のロキソニンには「ロキソニン錠60㎎」と「ロキソニン細粒10%」があります。
錠剤・細粒ともに薄いピンク色で錠剤は小さな丸い形をしています。
使用期限は室温保存で4年。

用法・容量:成人(15歳以上)1回1錠、1日2回まで。小児は服用不可。
なるべく空腹時を避けて服用。
とされています。

市販のものは第1類医薬品に指定されており、薬剤師または登録販売者による取り扱いになっています。

ロキソプロフェンナトリウム水和物が主成分

ロキソニンという名前は商品名で、ロキソプロフェンナトリウム水和物が主成分になります。
ロキソニン、ロキソプロフェン、ロキソプロフェンNaと、市販や取り扱っている薬局によって言い方が違いますが、製薬会社がつけた呼び方(商品名)が違うだけで成分はみんな同じです。
 

効果は「痛み止め」として使われることが多い

この、ロキソプロフェンナトリウム水和物という成分が、体内の「痛み・炎症・発熱」を引き起こす物質(プロスタグランジン)が作られるのを抑えて、痛みを抑えます。

効能として、
頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽頭通・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛
悪寒・発熱時の解熱

幅広く痛み止めとして使われることが多いです。

副作用はないの?

頭痛・生理痛を主として、全身の痛み止めとしての効果が期待できるお薬ですが、副作用のリスクもあります。
特に多いのが胃が痛くなる・ムカムカするなどの胃腸障害ですそのため、ロキソニンが処方される際には一緒に胃薬が処方されることが多くあります。
その他の副作用には吐き気・嘔吐・発疹が確認されています。
 

使用にあたっての注意点

まず、15歳未満は服用できないこと。お薬の箱にも書かれていますが小児にはロキソニンは使用できません。
半分の量にしたからといって、ロキソニンの成分は小児への服用は認められていません。

次に、服用の際には空腹時を避けて内服し、1日2回までの服用とすること。空腹時は特に副作用の胃腸障害が出現しやすくなるからです。
どうしても症状が再出現してしまいツライ場合には3回目の服用も可能ですが、前回服用から4時間以上空けてから服用するようにしましょう。1)
また、1回に2錠まとめて服用は絶対にしないでください。重篤な副作用を引き起こす可能性があります。

ちなみに、ロキソニンの鎮痛効果は「胃が痛い時」には使用してはいけません。
副作用の胃腸障害は、薬の成分により胃腸に負担がかかることで出現するものです。「胃が痛いからロキソニン」は余計に胃腸に負担をかけ症状を悪化させる原因になりますので、やめましょう。
 

授乳中の服用は推奨されていない!

本題の、授乳中にロキソニンは内服して大丈夫なのか?ですが、実は授乳中の服用は推奨されていません。
安全性が確立されていないからです。
しかし、出産後の後陣痛の鎮痛薬として産婦人科で処方されている側面もあります。
出産後に起きる後陣痛は子宮収縮による痛みで、授乳によっても促されます。
実際に、筆者の周りでも後陣痛にロキソニンが処方されたという人もいました。
病院によって・先生によっても指針や考えも違い、処方するところと処方しないところがあるようですが。

授乳中の服用は推奨されていないのに、授乳によって促される後陣痛に対して処方。
矛盾していますよね。こうなったらどうしたらいいか余計にわからなくなってしまいます。
 

ロキソニンは母乳にどんな影響を与えるの?

授乳中の内服。ロキソニンは母乳にどんな影響があるのでしょうか。

まず、授乳中の薬の内服について、ほとんどの薬は内服するとその成分が母乳に移行するといわれています。しかし多くの場合は、お母さんが飲んだほんのわずかな量しか母乳中に移行しません。もし赤ちゃんが薬の成分を含んだ母乳を飲んでも、その中のさらにわずかな量しか赤ちゃんには吸収されないので、授乳中の内服は影響がないことがほとんどです。
なかには、赤ちゃんに影響が出るくらい吸収されてしまい授乳中の使用が禁止されている薬もありますが、かなり限られています。2)5)

ロキソニンの場合も、母乳中への移行が実験で確認されています。しかし、その成分を含んだ母乳の安全性については具体的な症例はなく影響の有無もわかっていないため、授乳中の服用に関する安全性は確立されていません。
ロキソニンの成分を含んだ母乳を飲み続けることで赤ちゃんにどんな影響があるのか、現時点ではわかっていないのです。
そのため製薬会社としては、安全ですよと言い切れないことは授乳中は推奨できない、としています。

ロキソニンを飲んだら授乳までの間に時間をとろう

とはいえ、授乳中にも起きるツライ痛みにやむを得ずロキソニンを飲んだ場合は、授乳まで時間を置きましょう。

製薬会社では授乳中の内服は避けるようにと示していますが、やむを得ず内服する場合は時間を置くことで、血中濃度・乳汁中の薬の濃度が下がり、より影響が少なくなると考えられます。

製薬会社の実験では、内服後4~6時間が最も母乳中の薬の成分濃度が高く、24時間後には最高濃度の10分の1の濃度、48時間後には検出できない量まで減少したと報告されています。3)

ロキソニンに替わる薬はあるの?

授乳中ロキソニンを服用してからしばらく置く。現実的には難しいことの方が多いですよね。
一度授乳を止めてしまうとホルモンの変化で再開が難しくなってしまう場合もあり、簡単にしばらく授乳しないと選択できないことも。

でもツライ痛みが続く。困りましたね。
では、授乳中でも服用が可能な薬があればいいですよね。
授乳中の頭痛・生理痛がツライ時、ロキソニンに替わる鎮痛薬はあるのでしょうか。

授乳中の頭痛・生理痛によく処方されるものに、カロナール(アセトアミノフェン)というものがあります。
ロキソニンと同じ解熱鎮痛薬ですが、痛みや熱に対する効果のメカニズムが違います。
脳の中枢神経や体温調節中枢に作用することで解熱鎮痛効果を発揮します。

さらに、ロキソニンと比べて効果が穏やかで安全性が高いと言われており、妊娠中の発熱時に処方されることもあります。
また、カロナールの成分であるアセトアミノフェンは、小児の発熱に対しても処方されていますし、市販の風邪薬にも広く使われています。
もちろん、薬なので副作用が全くないわけではありません。報告されている主な副作用では、発疹・嘔吐や食欲不振があります。効果についても個人差はあります。

国立成育医療研究センターのホームページの「授乳中に安全に使用できると思われる薬」にも、カロナール(アセトアミノフェン)は記載されています。
この一覧にロキソニンは記載がなかったので、授乳中のカロナール服用の安全性がロキソニンよりも高いことがわかりますね。

授乳中の安全が認められているお薬でも、母乳中に薬の成分は移行しますし、自己判断での薬の増減はしないようにしましょう。
 

貼るタイプのロキソニンテープは大丈夫?

内服でなく、湿布薬であるロキソニンテープはどうでしょうか?
赤ちゃんを抱っこしていると腰や腕が痛くなったり、腱鞘炎になることもしばしば。
そんな時は湿布薬使いますよね。ロキソニンテープも市販されており薬局で簡単に購入できます。
湿布薬は貼ったところに局所的に効くものですが、同じように母乳中に薬の成分は移行するのでしょうか?

ロキソニンテープの場合、母乳中への薬の成分の移行するかは不明のようです。乳汁移行に関する実験も報告は確認されていないようで、授乳中の安全性も確認されていません。

参考として、内服薬に比べ湿布薬投与時の血中濃度は著しく低い、ということだけ確認されているようです。6)
こちらも、授乳中の使用は安全か危険かは不明のため推奨はされていないといったところです。

服用するときは医師や薬剤師に確認して

製薬会社や病院の医師・薬剤師が書かれているようなサイト、どのサイトにも書かれていますが、服用する際は自己判断せず必ず医師や薬剤師に確認してください。
ドラッグストアで市販薬を購入する際にも、授乳中であることを伝えてください。

飲み合わせによって副作用が強く出ることや、状況によっては中止する必要があること、他に代用できる薬の提案など、医師や薬剤師がその時々の状況によって判断します。
もしかしたら、授乳中であることを伝えたことで、おすすめできない、販売できないと言われてしまうこともあるかもしれません。安全を確保するために「服用しない」と判断することもあるからです。

どのお薬にも言えることですが、特にロキソニンは市販もされていてとても身近な薬だからこそ、自己判断せず、専門家に相談し正しく付き合っていくことが大切です。

出典はこちら

1)ロキソニンの用法・副作用について
2)妊娠・授乳とくすりの関係
3)ロキソニン錠・細粒を授乳婦に投与しても大丈夫ですか?
4)ロキソニンとカロナールの違い
5)授乳中に安全に使用できると思われる薬・授乳中の治療に適さないと判断される薬
6)ロキソニン外用剤を授乳婦に投与できますか?

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この記事のライター
syuuking522

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