子供がゲームに依存する原因と対処法とは?良いルールを作ろう!
暇があればゲームばかりしている子供に注意したらかんしゃくを起こしたという経験はありませんか。ゲーム依存は他人ごとではありません。子供がゲームに依存する前に親がすべきことは何でしょうか。今回はゲームに依存する原因や対処法などゲームと子供の関係について紹介します。
目次
子供とゲームの関係について徹底調査!
携帯ゲーム機・スマホ・タブレットでゲームをプレイしている子供はとても多いですよね。小学生の携帯ゲームの所有率は約9割、10代後半になるとスマホの所有率は9割を越しています。このように幼い頃からゲームに慣れ親しんでいる子供がゲームと適切な距離を保っていくには早めに親が対処しなければなりません。
子供がゲームに依存する原因は?5つ紹介!
何度注意してもゲームを止めない子供はすでにゲーム依存症になりかけているかもしれません。子供をゲーム依存にさせないためには、まずは依存してしまう原因を考えてみましょう。
①現実逃避ができる
楽しいからゲームに熱中しているだけではありません。友達との関係がうまくいかなかったり、一生懸命頑張っている部活動でレギュラーになれないなど現実の世界がうまくいかないことが原因で依存してしまうケースがあります。つらい現実から逃れるために簡単な方法は現実逃避です。見たくない現実から逃れたいという理由でゲームに依存してしまうのです。
②焦燥感やイライラ感から解放される
部活や勉強で結果を出さなければならないと焦ったり、イライラ感で支配されてしまうこともゲーム依存に陥る原因です。子供時代から競争は始まっています。勉強しても思うように成績が上がらなかったり、どんなに練習してもレギュラーになれなくても、得意なゲームならば結果が簡単に出せると安心できるのです。ゲームならば自分はやればできる・結果が出せると確認して安心できるのが理由でいつの間にかゲームにのめり込んでしまうのです。
③自分が認められているように感じる
誰かに認めてほしいという欲求は誰かしら持っているものです。誰かに認めてもらえたり、受け入れられたことが原因でゲーム依存症になる子供もいます。その理由は簡単です。ゲームがうまいとちやほやされるので思うように評価されない現実よりもゲームに自分の居場所を求めるのです。
④孤独を感じない
ネットゲームは協力プレイなどで人と関わることができます。現実世界と違い、ゲームの仮想空間では自分を知られていないという安心感から自分を取り繕うことなく人と関われます。自分は孤独じゃないという安心感や居場所が欲しいという理由でゲームにのめり込む子供も多くいます。
⑤いつでも繋がりが持てる
オフラインゲームと違い、ネットゲームはいつでもインターネットでゲーム友達と繋がることができます。チャットを使って一緒にゲームする時間を決めたり親が知らないところで連絡を取り合う子供もいるでしょう。ゲーム友達との繋がりを大切にしたいという理由で自分の時間をゲームにつぎ込んでしまい、気がつけばゲーム依存症になったという子供も多くいます。
子供がゲームに依存になると陥りやすいことは?4つ紹介!
親としては子供が勉強しないでゲームばかり夢中になっているとゲーム依存症になってしまわないかと心配ですよね。子供がゲーム依存になると、どんなことが起こるのでしょうか。
①コミュニケーションが取りづらくなる
ゲームに依存してしまうと、人との関わりが減ってしまいます。勉強・家族・友達よりもゲームが大切ですべてがゲーム中心になってしまうのがその理由です。また、ゲームばかりしていると脳の異常によりイライラしやすくなったり衝動的になりやすいとの報告もあります。些細なことでキレやすくなり正常なコミュニケーションが取りづらくなるのです。
②学力の低下
子供は勉強するのが仕事です。しかし、勉強しなければいけない時間もゲーム時間に当ててしまうので学力が下がり、勉強に達成感を得られないとますますゲームに依存する悪循環に陥る可能性があります。また、ゲーム依存症になると集中力や注意力が低下するという研究結果も報告されています。
③登校拒否や不登校
ネットゲームの世界で最も盛り上がる時間帯は夜から深夜です。夜中まで起きているので朝起きれずに不登校や高校を中退する場合もあります。また、不登校を繰り返すことが原因で引きこもりになってしまう子供もいるのです。
④病気になる可能性も!
ゲームに依存してしまうと子供の体にも悪影響を与えます。ゲーム依存症の子供は、運動不足・持久力減少・骨粗しょう症・視力低下・睡眠障害になりやすいといわれています。また、2018年6月にWHO(世界保健機構)は、ゲーム依存症(ゲーム障害)を精神疾患として正式に認定しました。つまり、アルコールやギャンブルなどの依存症と同じく治療が必要な疾病です。診断基準は①ゲームの時間や頻度をコントロールできない②日常生活に問題が起きてもゲームにのめり込む③このような行動が1年以上続くなどです。また、ゲーム依存の2次障害でうつになるのも珍しくありません。
子供がゲームに依存にならないための対処法を3つ紹介!
子供がゲームをする場所は主に家の中です。まずは親がしっかりした対処法で子供のゲーム依存を未然に防ぎましょう。対処法のキーワードはコミュニケーションです。
①外で遊ぶようにする
子供をゲーム依存にさせない対処法は、子供の現実の生活を充実させることです。家ではゲームをしたくなってしまうなら、習いごと・部活などをさせてゲームをしない環境を作りましょう。部活に一生懸命取り組んでいる・友達との関係がしっかりできているなど、現実社会において周囲の人とうまくコミュニケーションが取れていれば、依存になりにくいといわれています。また、日光にはストレス解消・上質な睡眠を促す効果が期待できます。外で遊ぶよう促しましょう。
②なるべく目や手の届かないところに収納する
ゲーム機器やスマホが身近にあるとどうしても触りたくなってしまいます。なるべく目や手の届かない場所に収納しておくのもおすすめの対処法です。ゲーム機器やスマホなどは親が管理して子供に貸し出すという形にして、ルールを守らなければ返してもらうようにします。パスワードも親が管理しておきましょう。
③親子で一緒にゲームをしてみる
親も一緒にゲームをするのも対処法として有効です。先入観なしで普通にゲームを楽しむつもりで始めましょう。わからないことや教えてほしいことを子供に聞くと案外喜んで教えてくれるものです。ゲームを否定するとますます子供との距離が開いてしまいます。まずは子供とのコミュニケーションを取り戻すことが大切です。
子供がゲームにする時に決めたい良いルール4選!
依存症を防ぐにはルールを決めておくことも大切です。ルールは書面に残し、守れなかった時の約束もあらかじめ決めておきましょう。一方的にルールを決めると子供が反発したり、ルールを守らないケースも考えられます。子供と一緒に理由を話し合いながら書くのをおすすめします。
①時間を決める
まずはゲーム時間を決めることが大切です。時間の決め方は親子で話し合って決めましょう。「平日は30分、休日は1時間まで」「1時間勉強したら1プレイ10分しても良い」「夜9時にはゲームをやめる」「家族と過ごす時間はやらない」など家庭に合うルールを決めましょう。また、キッチンタイマー・スマホのタイマーやロック機能を利用する方法もあります。1日1時間程度のゲーム使用では子供への影響はないといわれています。まずはこの時間を目安にするのがおすすめです。
②場所を決める
なるべく家族の目の届くところでやるように場所も決めておきます。ゲーム場所を決めておけばゲーム時間も管理しやすくなります。ゲーム機器やスマホを使用できる場所はリビングかダイニングがおすすめです。子供がゲーム依存症になる前に、家でも子供の行動をしっかり把握しておきましょう。
③宿題を先にすることを徹底する
ゲームしたかったら宿題を先にするということを徹底させましょう。ゲームというご褒美があれば子供は自主的に勉強を始めます。実はこのルールは子供の成長にも良い影響を与えるといいます。勉強と遊びの切り替えがしっかりできる子供は計画性も自主性も高くなるというのです。
④寝る直前はしない
ゲーム機器やスマホのブルーライトは睡眠の質に影響します。深い睡眠が成長ホルモンを作ります。まだまだ成長期である子供への影響を考えると就寝1時間以上前にはゲームをやらないようにしましょう。
【番外編】ゲームをすることにはメリットも!3つ紹介!
子供に悪影響があるからゲームをさせないという家庭もあるかもしれません。しかし、ゲームには子供に次のような良い影響を与えるという報告もあるんですよ。
①創造性が育つ
ミシガン州立大学教授リンダ・ジャクソン博士が12歳児を対象に行った研究では、普段テレビゲームをしている子の方がそうでない子より創造力が高かったといいます。ゲームにある複雑なキャラクターやストーリー設定が子供の問題解決能力を高めてゲーム以外の場に応用する力を持つと考えられています。また、問題を解く粘り強さも得られるといわれています。
②認知能力が上がる
アリゾナ州立大学のクリストファー・サンチェス博士は、ゲームをすると数学やサイエンスに必要な視覚空間的な認知力や推論力が高まると報告しています。大学生に25分間ゲームをさせ、その前後にテストをしたところ、ゲームした後の方が点数が上がったというのです。
③細部への注意力が上がる
ゲームをプレイしていると素早く視点を移して何かを見つけたり、瞬間的に切り換えられるので注意力が高まるといいます。これは本を読んだり、地図を見たり、数学の問題を解くのに役立つ力です。また、イタリアのサンドロフランセチーニ大学の研究では、読むことに困難を抱える読字障害の子供にアクションゲームをさせたところ、読む力が改善したとの報告があります。
ゲームについては、親子でしっかり話し合おう!
依存させないようにと子供をゲームから遠ざけるだけが対処法ではありません。ルール作りが必要な理由を親と子供でしっかり話し合うことが大切です。子供の本来の居場所は家庭です。家庭で子供も納得できるゲームのルールを作れば子供が自己管理を学ぶ経験にもなります。日頃から親子でコミュニケーションを取りましょう。