母乳って血液でできてるの?成分・出る仕組み・出し方の工夫を解説!

母乳の原料は血液だということをご存知でしょうか。母乳に含まれる栄養成分・免疫成分や、母乳が出る仕組みから、母乳の量を増やす方法についてまで解説します。また、母乳に血液が交じる原因について、乳がんの可能性も含めて見ていきましょう。

母乳って血液でできてるの?成分・出る仕組み・出し方の工夫を解説!のイメージ

目次

  1. 1母乳はどうして出るの?仕組みは?
  2. 2母乳が赤い?血液が混ざってしまう原因は?
  3. 3対処法が知りたい!
  4. 4母乳の成分をチェック!
  5. 5母乳をしっかり出す方法は?
  6. 6健康的な母乳育児ライフを!
  7. 7出典はこちら

母乳はどうして出るの?仕組みは?

出産を終えると始まる授乳ですが、母乳はママの体の中でどのように作られているのだろう?と不思議に思う方も多いでしょう。母乳が作られる仕組みを図を含めてご説明していきます。

母乳の原料は血液って本当?

母乳は、意外に思われるかもしれませんが血液から作られています。血液は真っ赤な色をしていますが、母乳は赤くありません。これは、乳房にある毛細血管が血液を取り込む際に赤血球は取り込んでいないためです。

出典: https://www.amoma.jp/column/baby/breast-feed/34295.html

上の図の通り、毛細血管から取り込まれた血液が乳腺で母乳となって、乳管を通って乳頭から出てくる仕組みとなっているのです。

ホルモンの作用で出る

母乳はママの体から分泌されるプロラクチンとオキシトシンというホルモンによって生成されています。母乳を作り出す成分がプロラクチンで、母乳を出すように働きかけるのがオキシトシンです。オキシトシンは赤ちゃんが乳首を吸って刺激することで分泌される仕組みとなっているので、ママは赤ちゃんにおっぱいをたくさん吸ってもらって、乳首を刺激してもらうことが大切です。

出る量は時期や授乳頻度で変わる

母乳の成分は赤ちゃんの成長時期によって変化し、その量にも差があります。

産後すぐから3日までの間に分泌される母乳は「初乳」と呼ばれています。初乳には赤ちゃんが外の世界でもしっかりと守られるように免疫成分が豊富に含まれています。また、たんぱく質やビタミンの量も多く、”黄金の液体”と呼ばれるほど、赤ちゃんにとって大切な母乳となります。量は少ないです。

産後4日から15日までは「移行乳」と呼ばれる母乳に変化します。母乳の量は増えていき、免疫成分とたんぱく質が減っていく代わりに糖質と脂質が増えていきます。

産後16日以降からの母乳は「成乳」と呼ばれます。量は増えて安定した量となり、糖質がさらに増えて甘くなります。成分は赤ちゃんの成長や健康の度合いに合わせて変化します。

また、授乳の頻度によっても母乳の量は変わってきます。赤ちゃんが乳首を吸うことでプロラクチンやオキシトシンの分泌量が増えるので、授乳頻度が多ければ多くの母乳を作ることができます。

4時間以上、授乳の間隔が空いてしまうとこの2つのホルモンの量が急激に減ってしまうので、時間の間隔を考えながら授乳をしてあげると良いでしょう。

母乳が赤い?血液が混ざってしまう原因は?

母乳やおっぱいに関するトラブルには焦ってしまうことと思います。急に乳首から母乳に交じって血が出ることがあった場合、そのまま赤ちゃんに与えても良いものかも分かりませんし、乳がんなど重大な病気にかかってしまっているのではないかと焦ってしまうことでしょう。

母乳に血液が交じる原因は、心配でないものもあれば病気の可能性もあるのです。血が出る原因をまとめて見ていきましょう。

乳首に怪我はない?

血液が母乳に交じる場合、まず乳首に傷が無いかを確認してみましょう。乳首が下着でこすれてしまって血が出ることがあります。赤ちゃんが乳首を吸う力はとっても強いので、授乳に慣れていない時期には乳首に傷ができてしまうことがあるのです。

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赤ちゃんが乳首だけを吸ってしまって力がかかってしまっている時や、母乳を飲んでいる赤ちゃんを乳首から無理やり外そうとすると傷ができて血が出る可能性があります。

血乳の可能性

特に乳首に傷がないのに母乳に血が交じる場合は、血乳が出ていることになります。乳頭からの分泌液のうち、血液が交じるものを血性分泌と呼びます。母乳を生成するための乳腺が急激に発達することで起こるとされています。妊娠中や赤ちゃんが生まれて数週間ほどの間、血乳が見られることがあります。

母乳がしっかりと出るようになってくるとこの症状が治まり、血が出ることは無くなっていきますので、心配はありません。
ただし、おっぱいマッサージを自己流で行ったり、搾乳機をむやみに使ったりして乳腺が傷ついてしまうと血液が交じることがありますので、気を付けてください。

乳腺炎になってしまっているかも

乳頭から細菌が感染してしまい炎症を引き起こすのが乳腺炎です。炎症の部分が痛みを伴いながら赤く腫れ上がってしまう症状が出ます。また、38度くらいの発熱を伴うこともあります。
乳腺炎が悪化して化膿が酷くなると母乳に血液が交じることがあるのです。

乳腺炎はおっぱいに母乳が溜まりがちになって起こる場合もあるので、おっぱいを母乳に溜めないように授乳をこまめにしてやると予防になります。

乳がんのおそれも・・・

母乳は血液からできているので、授乳中に血が出るということはさほど稀なことではありません。ただし、乳がんの症状のひとつにも乳頭から血液が交じるというものもあります。

乳がんの初期症状としては、乳頭から血が出る症状の他、乳房が熱や痛みを持つ、乳房にくぼみやしこりがある、左右の乳首の位置が違うなどがあります。

血が出るという症状だけでは乳がんとは判断できないので、他に思い当たる症状がないかをじっくりと確認してみると良いでしょう。

対処法が知りたい!

母乳に血液が交じる原因について説明しましたが、では、それぞれどのように対処したら良いのでしょうか。
まずは冷静に血が出る原因を探ったらその対処法を見ていきましょう。

乳首に傷がある時の対処法

乳首に傷が出来てしまって血が出る場合は、授乳時に乳首に負担がかからないように工夫してあげることで対処ができます。
まず、同じ授乳姿勢で授乳を続けていると同じ位置に負担がかかってしまって痛みの原因となります。授乳の位置を変えるなど工夫をしてみましょう。乳首を浅く含ませるのも乳首にかかる力が強くなってしまうので注意してください。

哺乳瓶でも授乳できる赤ちゃんであれば、乳首の傷が回復するまでは搾乳機で絞って哺乳瓶で授乳を行うのも良いでしょう。

血乳の対処法

血乳は乳腺が急激に発達するなどで起こりやすく、数回の血乳で徐々に薄くなっていくようであれば悪性ではない可能性が多いので心配はありません。
もしも1週間以上血が出るという場合は乳腺外科に相談してみましょう。

赤ちゃんに血乳を与えても問題が無いか心配かと思われますが、授乳を続けても健康的に問題ありません。初乳の時期には血乳が出やすいですが、気にせず授乳してあげてください。

乳腺炎の対処法

もしかして乳腺炎?と思ったらまずは乳腺外科を受診しましょう。乳腺炎はまず風邪のような症状が出て、乳房にチクチクとする痛みを感じます。
もし受診をせずに放っておくと、膿が溜まってしまって手術が必要となることもあります。
乳腺炎の治療としては、抗生剤が処方されます。

抗生剤以外に乳腺炎をできるだけ和らげるためには、ママの乳房と体を安静に保つことを心がけましょう。水分を多くとるようにし、温かいお風呂で乳房をしっかりと温めてあげるのも良いです。

癌の疑いがある時はしっかり診察して

もしも乳がんが疑わしい初期症状が現れた場合は、速やかに病院を受診しましょう。乳がんは放置してしまうとがん細胞が増殖して、血液やリンパ管から全身に転移しやすい怖いがんです。

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ですが、初期症状で乳がんに気づいて早期治療を行えば非常に完治しやすいがんでもあるのです。乳がんでは?と疑わしいという場合は少しでも早く受診をして乳がん治療を行うことが一番重要なのです。

母乳の成分をチェック!

母乳は赤ちゃんを大きく健やかに育てるための完全食と言っても良い飲み物です。赤ちゃんの成長や体調に応じて栄養分が含まれています。
また、免疫成分も含まれているので、赤ちゃんを感染症やアレルギーなどから守ってくれる重要な役割も持っています。

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母乳に含まれる素晴らしい成分をそれぞれ説明していきましょう。

体を作る!たんぱく質

母乳には赤ちゃんの体を作るのに大切なたんぱく質が必要な量含まれています。母乳に含まれるたんぱく質は、ホエイ(乳清)とカゼインというたんぱく質に分けられます。ホエイは非常に消化しやすいため、赤ちゃんの消化器官に負担をかけずに吸収されます。

エネルギーを蓄える!脂肪

母乳の全カロリーのうち30~50%を占めるのが脂肪です。脂肪は赤ちゃんのエネルギー源として働きます。母乳の中には脂肪を効率よく消化するための酵素であるリパーゼが含まれているので、赤ちゃんの体の中でうまく消化されてエネルギーとなってくれます。

また脂肪のうち必須脂肪酸は、赤ちゃんの神経細胞を作るという重要な役割を果たします。

素早く使えるエネルギーに!乳糖

乳糖は赤ちゃんのエネルギー源となる成分です。体の中でゆっくりと分解されるので、血糖値を急激に上げることがありません。また、カルシウムの吸収を手助けするという役割もあるので、骨や歯の発育を助けたり、中枢神経や脳の発達にもよく働いてくれるのです。

骨の成長にも欠かせない!ビタミンとミネラル

母乳にはさまざまなビタミンやミネラルが含まれています。

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ビタミンには脂溶性と水溶性があり、脂溶性のビタミンはママの体に蓄積されているので不足することは滅多にありません。ですが、食生活が偏っていたりすると赤ちゃんのビタミン欠乏症につながるので注意が必要です。
水溶性ビタミンには、ビタミンB1やビタミンCなどがあります。無理な食事制限や食生活の乱れはもちろんダメですが、赤ちゃんだけでなくママの体にも必要な栄養素なので、意識的に摂取すると良いでしょう。

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母乳には、カルシウムやマグネシウム(鉄分)、リンなどのミネラルが含まれています。授乳中はカルシウムを摂ることが大事ですが、牛乳の摂取量に気をつかいましょう。牛乳やヨーグルトといった乳製品を摂りすぎると、赤ちゃんが乳製品や卵のアレルギーになることもあるためです。ですので、カルシウムは乳製品だけでなく、小魚やカルシウムを多く含む食品から摂るようにしてみましょう。

絶対必要!水分

母乳の約90%は水分でできています。
ですので、赤ちゃんは母乳を飲むことで水分補給を行っているのです。

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抵抗力を上げる!免疫物質

特に初乳に多く含まれる成分が免疫物質成分です。
主な免疫成分をご紹介します。

IgA抗体

粘膜組織で、ウイルスや細菌、アレルゲンなど病原体の侵入を防ぐ免疫成分です。免疫機能がまだ発達していない生後すぐの赤ちゃんを病原体から守るために、初乳にたくさんの量のIgA抗体が含まれています。

リゾチーム

リゾチームは酵素の一種で、善玉菌であるビフィズス菌を増やしてくれて、ウイルスや細菌からの感染を防ぐ働きがあります。

ラクトフェリン

人間の母乳のみならず、哺乳動物の多くの乳にふくまれているたんぱく質の一種がラクトフェリンです。生後間もない赤ちゃんを感染症から守ってくれます。
抗菌や抗ウイルス作用の他、脂質の代謝をよくするという働きもあります。
整腸作用のある善玉菌を増やし、悪玉菌の生育を抑制する、腸内環境改善の効果もあるとして注目されている成分です。

白血球

血液からできている母乳には白血球が含まれています。白血球には感染を防ぐ働きがあります。そのため母乳は殺菌作用があり、消毒などの必要なく授乳を行うことができるのです。

母乳をしっかり出す方法は?

赤ちゃんにとってしっかりと美味しく健康的な母乳を出す方法をご紹介します。
母乳の作られる仕組みを理解し、生活に気を付けて過ごしましょう。

授乳回数を増やす

まず大事なことは、授乳の回数を増やして赤ちゃんに母乳を吸ってもらうことです。母乳には赤ちゃんが母乳を吸う刺激の仕組みで分泌されるホルモンが関係しているので、頻回授乳が母乳を作り出す機能を高めることにつながります。

しっかり休んで体力を回復させよう

出産後の毎日は赤ちゃんの世話が中心となってストレスが溜まりやすい時期となります。ですが、ストレスはオキシトシンの分泌を阻害してしまうので、母乳の量が減ってしまう一因となるのです。

子育てや家事を一人で溜め込まず、家族や行政の手助けを利用するなどして、ストレスをできるだけ溜めないように心がけましょう。
赤ちゃんのお昼寝の時はママも一緒に体を休めるなど、休める時に休むのも一つの手です。

ちゃんと寝よう

授乳は昼夜問わず、不規則な時間の授乳となるために、睡眠不足になりがちです。ですがしっかりと寝ることも大切です。寝れる時には寝ておくようにしましょう。
昼寝をすることもおすすめです。

こまめに水分補給

母乳のほとんどは水分でできているので、水分補給をこまめに行うようにしましょう。1日2リットルを目安とすると良いです。

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母乳マッサージをしよう

母乳マッサージを行うことで母乳の出を良くすることができるので、できれば出産前から行っておくと良いでしょう。
母乳マッサージとは、乳房の基底部を動かすことで母乳の分泌を促すマッサージです。自己流で間違った母乳マッサージを続けると乳腺炎にもつながる可能性があるので、助産師に指導してもらうのが確実です。

お風呂や散歩で血流をよくしよう

母乳の原料は血液なので、血流を良くすることは母乳の量を多くすることにつながります。温かいお風呂で全身を温めてあげたり、適度に散歩をしたりすることで血流が良くなります。

ごはんの量・バランスを改善しよう

食生活は血液を作るのに重要です。授乳中には、通常量プラス350キロカロリーのエネルギー量が必要なので、その量を食事から摂取できるように調整しましょう。
また、量だけでなく栄養のバランスも大切です。たんぱく質はもちろん、血液を作る成分である鉄分も大事ですので、しっかりと摂れるようにすると良いです。
根菜類は体を温めてくれるので積極的に摂り入れましょう。

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栄養素としては、カルシウム、ビタミンD、葉酸がしっかりと摂れるとなお良いです。

健康的な母乳育児ライフを!

このように、母乳は血液を原料として、ホルモンの生成によって分泌が促される仕組みとなっています。母乳の量を増やし、赤ちゃんにとって良質な成分の母乳を作り出すには、食生活や生活習慣、授乳頻度などに気を配る必要があります。

また、乳首から血が出る、母乳に血が交じるなどの母乳トラブルや乳がんなどの病気にも、注意深く原因を探って対処してあげることも大切です。
母乳の出る仕組みを理解し、健康的に母乳育児を行って元気な赤ちゃんを育てましょう。

出典はこちら

1. https://www.amoma.jp/column/baby/breast-feed/34295.html

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この記事のライター
MegT
新米ママとして日々奮闘中です!

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