2019年07月27日公開
2019年07月27日更新
タブレット学習のメリット・デメリット!子供が飽きない教材の選び方も!
近頃流行のタブレット学習をご存じですか?専用端末や家にある端末を使って効率よく勉強できると口コミで評判ですが、タブレット学習のデメリットをあげる声もあるので親としては気になる所です。今回はタブレット学習のメリット・デメリット・教材の選び方を詳しく解説します。
目次
タブレット学習は良いって本当?
近頃タブレット端末を使ったタブレット学習を利用する子供が増えています。勉強効果も高いといわれていますが、デメリットが気になって利用するのを躊躇している人もいるでしょう。実際の学習効果はどうなのでしょうか。
科学的に根拠が示されている
社会学者である有馬哲夫教授の著書『世界のしくみが見える「メディア論」』によれば、紙に印刷した文字を読む時は自然と「分析モード」になり、細部まで気を配るのでミスを見つけやすいのだそうです。一方、画面上で文字を読む時は「パターン認識モード」になり、細かい部分は多少無視して全体的なパターンや流れを追って読み取る事ができるといいます。一見するとデメリットに思えるかもしれませんが、タブレット学習は大まかな情報や流れを把握するのに向いてるともいえます。
低年齢児には特に有効
低年齢児の学習では、細かな情報よりも全体的な流れをつかむ事が大切です。つまり、大まかな流れが分かりやすいタブレット学習は勉強のスタートに向いています。特にまだ文字を覚えたての低年齢児の場合、タブレット学習の方がスピーディーに何度も練習できるので、勉強する効率も上がると期待できます。
タブレット学習には2つのタイプがある!
一般的にタブレット学習には専用のタブレット端末を利用するタイプ、iPadなど家庭の端末に学習用アプリをインストールして利用するタイプの2つあります。
専用タブレット端末
学習専用なので勉強に集中しやすい。
一般の端末
持っているものを利用すれば初期費用がかからない。しかし、利用する学習サービスによっては使用端末が指定されている。
タブレット学習のメリットとは?
デメリットが気になるタブレット学習ですが、学習する上ではメリットも沢山あります。タブレット学習の主なメリットは次になります。
視覚的に勉強できる
視覚的に勉強できる事がタブレット学習のメリットの1つです。アニメーションや動画を使って詳しく解説してくれるので、分からない所も理解できやすいので子供も楽しみながら勉強できます。
反復演習がしやすい
タブレット学習のメリットは、子供が楽しく反復演習できる事があげられます。小さな子供の学習は基本を覚える事が中心です。タブレット学習は間違えた問題を何度も繰り返せるのでインプットしやすいのです。
オーダーメイド型学習ができる
タブレット学習の教材の多くはオーダーメイド型学習で、苦手な問題の傾向を分析して理解度に合わせた学習プランを立ててくれます。サービスによっては年齢や学年にこだわらずに学習能力に応じた教材で学べる教材もあるので、効率的に学習を進められるのがタブレット学習のメリットの1つにあげられます。
自主的に勉強してくれる
タブレット学習の教材は、ゲームと学習を組み合わせたものも多くあります。低年齢の子供でも進んで勉強したくなる楽しい教材が豊富です。遊んでいる感覚で学べるので学習習慣を付ける目的で利用するのもおすすめです。
短時間で効率よく勉強できる
紙教材の場合、低年齢児や小学生だと親が丸付けや採点する必要があります。しかし、毎回付きっきりで勉強を教えられる時ばかりではありません。タブレット学習は自動採点機能が付いているので子供1人でも問題の答えが正解か不正解がすぐに分かります。そのため1人でも効率よく勉強を進められます。
学習進捗を親も把握できる
学習内容がデータとして自動的に残るタブレット学習では、親向けの専用アプリやメッセージ機能が付いています。学習進捗を親も把握できるので、学習指導がしやすいのも人気の1つです。
送迎が不要
共働きや低年齢児の子供がいる場合、塾の送迎が大きな負担になる事もありますよね。特に中学生・高校生になると塾が終わる時間は22時近くになるケースもあります。その点タブレット学習は自宅学習なので、送迎の負担がないのが魅力です。
タブレット学習のデメリットも知っておこう!
タブレット学習で親が気になるのは、やはりデメリットについてではないでしょうか。どんなデメリットもあるのか解説していきましょう。
専用端末が必要な教材がある
タブレット学習教材によっては、専用端末や専用のペンが必要な場合があります。その場合、購入するかレンタルする必要があるので初期費用がかかります。また、同じ専用端末を何年も使用していると故障する場合もあるでしょう。故障したら修理・交換費用もかかるのがデメリットです。
それ以外にも専用端末がフリーズしたり故障したら教材が使えなくなるのでその間は勉強ができなくなってしまうのもデメリットですね。
配信時に教材やサービスがダウンロードできないことも
タブレット学習のメリットは常に教材が新しく更新される事です。しかし、これがデメリットにもなりえます。専用アプリを使う事が多いタブレット学習は、問題・回答・サービスなどに変更があるとアップデートやダウンロードが必要です。教材によっては毎月同じ日に配信されてダウンロードしないと学習できない場合もあります。特に人気のある教材の場合、配信日にアクセスが集中してダウンロードができないケースもあるといいます。
デメリット対策には、朝や学校へ行っている間などに親が更新作業を行ったり、いつもとは勉強時間をずらして行いましょう。
書く勉強が疎かになる
タブレット学習で親が一番気になるデメリットは、「書く」勉強をしなくても学習できる点ではないでしょうか。手で書く学習は効率よく覚えられる方法です。脳科学的にも脳が活発に働くほど記憶しやすいと考えられています。このようなデメリットは、専用ペンを使用して書く学習もできる教材や、紙教材が付属しているサービスを選べば解決できそうです。
考える力が低下する可能性がある
タブレット学習は操作が単純なので、考える力が低下してしまうと懸念されます。また、回答がすぐに見られるので答えを見つけ出す力が養われないのではないかと心配する親も多いといいます。一見するとタブレット学習のデメリットのようですが、答えを先に見るのは悪い事ではありません。分からない問題に時間をかけているよりも、なぜその回答になるのかを考える事が重要です。普段から深く考える習慣を身に付けるようにしましょう。
勉強以外の事に使ってしまう
タブレット学習のためにお金をかけたのだから、成績アップのためにしっかり使って欲しいと願うのが親心です。しかし、タブレット学習には、ゲーム・動画・SNSなどが簡単に使えてしまうデメリットを考慮しなければなりません。
デメリット対策としては、あらかじめ制限をかけておく事です。また専用タブレット端末の教材ならば勉強のために作られているので簡単に制限できますし、ゲームアプリをダウンロードできないのでおすすめです。
デジタル認知症の危険性も!
タブレット学習で気になるデメリットとしては、子供の健康に関する事ではないでしょうか。ブルーライトはドライアイ・睡眠の質の低下などを起こすといわれています。下を向いた状態が続けばストレートネック(頚椎の湾曲がなくなる状態)になりやすいですし、同じ姿勢を続ける事で肩・首のコリや頭痛が起こる可能性もあります。
中でも気になるデメリットはデジタル認知症の危険性もある事でしょう。デジタル認知症は、情報のインプット過多や機械依存が原因で、記憶力・集中力・注意力の低下をもたらすという怖い症状です。
このようなデメリットの解決法としては、親と一緒に子供も「どのくらい使用するのが良いのか」「休憩中はどうすると良いのか」を学ぶ事が大切です。低年齢の頃からデジタル端末の利用法を習慣付けておけば、その後も体に負担をかけないようにデジタル機器と付き合えます。
タブレット学習の教材の選び方は?
タブレット学習の選び方に迷っている人もいるでしょう。月会費や初期費用などコストを基準とした選び方もありますが、子供が続けられなかったり、満足できる学習内容でなかったら効果はありません。選び方のポイントは、子供のタイプや状況に合った教材のメリット・デメリットを考慮しながら選ぶ事です。
学習意欲が低い子供の場合
勉強が苦手な子供には、始めやすさと継続して使えるかを考慮した選び方をすると良いでしょう。ゲーム性の高い学習が多かったり、アニメ授業ならば飽きずに学習が進められます。また、1コマの授業が短い方が集中力が途切れないので勉強を続けられるでしょう。
タブレット学習教材の中には、ごほうび機能が付いたサービスもあり、学習が進むとプレゼントをもらえます。学習の習慣を身に付けさせたいならば、このようなサービスのあるタブレット学習教材がおすすめです。
テストの点数を上げたい場合
テストの点数を上げたい場合のタブレット学習の選び方は、定期テスト対策のある教材を選ぶ事です。サービスによっては、教科書別の学習教材を配信しています。選び方のポイントは、オーダーメイド型学習の教材です。苦手な問題を配信したり、どの単元を勉強すれば良いのかを教える機能が付いてるので効率的に勉強が進められます。
受験を見据えて利用したい場合
受験対策でタブレット学習を使いたいと考えている場合の選び方は、学習レベルに合った問題で効率よく実力が付く・どんどん先取りできる・思考力を付けられる事をポイントに選びましょう。基礎をしっかり学んだら応用問題でより理解を深めたり、思考力を付ける必要があります。単純な計算問題ばかりでなく、文章を読み取らなくては解けない問題・思考を整理しながら解く問題などに対応したサービスを選びましょう。
人気のタブレット学習教材を紹介!
数あるタブレット学習教材の中でも人気のあるスマイルゼミ・進研ゼミ・Z会・RISU・デキタスの5つの学習教材についてご紹介します。それぞれのメリット・デメリットも併せてて解説しますので選び方の参考にしてくださいね。
スマイルゼミ
スマイルゼミの運営会社はワープロソフト「一太郎」や日本語入力システム「ATOK」などで有名な会社ジャストシステムです。学習教材は専用タブレット端末はデジタル用ペンを使用するデジタイザー式で、他社のタブレット端末とは比較ならないほどの感度の好さと評判です。入力した文字もしっかりと判読してくれるのでし記述式問題も多く取り入れています。
デメリットとしては、コースは中学生までしかない・キャラクターがあまり出ないシンプルな問題画面なので、低年齢の子供は難しいと感じてしまう可能性がある事や6ヶ月未満で退会した場合、専用タブレット代金29,820円(税抜)がかかる事です。
専用タブレット | ○ |
オーダーメイド型学習 | ○ |
先取り学習 | △(漢検・計算ドリル・英語プレミアム) |
特長 | 漢検・英語・プログラミング・朝日小学生新聞(月2回)など |
ごほうび機能 | ○ |
紙教材 | × |
進研ゼミ
株式会社ベネッセコーポレーションの進研ゼミは老舗ともいえる通信教育です。従来の紙教材の他にもタブレットを使った学習教材も展開しています。小学生コースのタブレット学習教材は、チャレンジタッチです。も進研ゼミ専用タブレットなので受講費用の他に初期費用が必要ですが、キャンペーンによっては無料の場合もあります。
子供が進んで勉強したくなるような遊びながら学べる作りなので楽しく学べます。中学生までは専用タブレット端末を利用して学び、高校生以上は紙教材中心でスマホで講義動画が配信されています。
デメリットとしては、子供1人につき専用タブレット機器が1台必要になるので兄弟で共有して使用できなかったり、6ヶ月未満で退会したり紙教材に変更した場合には専用タブレット代金が必要な事などです。
専用タブレット | ○ |
オーダーメイド型学習 | ○ |
先取り学習 | × |
特長 | 担任制コーチ・解き直し機能・演習・発展コース・プログラミング・書籍約1,000冊など |
ごほうび機能 | ○ |
紙教材 | ○ |
Z会
受験合格と学力アップを目指し、様々な教育サービスを提供する株式会社Z会はのタブレット学習教材です。タブレット学習ではあるものの、レベルの高い問題も多く、紙教材もあるので記述問題にも対応しています。難関校にも対応したカリキュラムも多いので学力アップを着実にしたいという学習意欲のある子供におすすめの教材です。
デメリットとしては、小学生タブレットコースはiPadが必須でモデルによっては利用できない場合もある事でしょう。また、兄弟で利用するには1人1台のiPad端末が必要な事です。
専用タブレット | ○ |
オーダーメイド型学習 | ○ |
先取り学習 | × |
特長 | 重要ポイントを厳選した問題と添削指導が毎月受けられる・ドリル早解きコンテストなど |
ごほうび機能 | ○ |
紙教材 | ○ |
RISU
RISUは、小学生向け算数教育サービスなどを提供する企業です。算数のみに特化した専用タブレット端末をした学習教材で、子供の勉強の進み方では年齢や学年を超えて次々に進められる無学年制システムを採用しているのが特徴です。専用タブレット端末は無料です。また、全学習記録はすべてサーバーへ送られ、東京大学や早稲田大学などのチューターが1人1人の学習状況に沿ったアドバイスを送ってくれます。
デメリットは、算数しか勉強できない事や基本料金のほかに子供の学習進度によって利用料がかかるため受講料が高く、学習意欲が高い子供の場合、毎月10,000円以上かかる場合もあります。
専用タブレット | ○ |
オーダーメイド型学習 | ○ |
先取り学習 | ○ |
特長 | 解き直し機能・個別指導など |
ごほうび機能 | - |
紙教材 | × |
デキタス
デキタスの運営会社は城南予備校と城南コベッツで有名な城南進学研究社で、生徒第一主義という理念を受け継いでいます。教科書に沿った学習内容の無学年制のオンライン学習教材で、受講料も小学生は月々3,000円(税抜)、中学生は月々4,000円(税抜)で年齢に関わらず全教科が学習できるのが最大の魅力です。
学習画面はスマホの学園ゲームアプリのようで、ごほうびプレゼントに景品のほかにアバターがもらえるので学習意欲もわいてきますよ。間違えた問題は「キミ問」として再度出題されたり、少し難しいチャレンジ問題に挑戦できるので学習意欲もわいてきそうです。
デメリットは、WEB学習なので親が管理しないとゲーム・動画・SNSなどに使ってしまう場合がある事でしょう。
専用タブレット | × |
オーダーメイド型学習 | ○ |
先取り学習 | ○ |
特長 | 解き直し機能・全国得点ランキングなど |
ごほうび機能 | - |
紙教材 | △(印刷して使用) |
タブレット学習を上手に利用して学習意欲を高めよう!
タブレット学習のメリット・デメリットや子供のタイプに合った選び方について解説しましたがいかがだったでしょうか。タブレット学習は年齢に関わらず自分のペースで学習が進められる教材です。近頃ではタブレット学習を自主勉強に利用する学校も増えてきました。デメリットは参考書や問題集のような紙教材と組み合わせる事で解決できるので、タブレット学習を上手に利用して子供の学習意欲を高めてみてはいかがでしょうか。