子供の理想的な睡眠時間とは?睡眠不足や障害が与える悪影響や改善方法も!
乳幼児から小学生・中学生まで、子供の理想的な睡眠時間は違います。子供の睡眠不足の原因や睡眠時間の不足が与える悪影響や障害にはどんなものがあるのでしょうか。症状を見極め睡眠障害の疑いがある場合には病院の何科を受診すれば良いのでしょうか。全て解説しています!
目次
子供の睡眠不足や睡眠の質が気になる!原因や改善法を知ろう
早く寝るように言ってるのになかなか寝ようとしない子供の睡眠不足や、何故か夜中に起きてしまって短い睡眠しか取れない子供の睡眠の質が心配になってしまいますよね。睡眠不足の原因や睡眠の質の改善方法を見ていきましょう。
子供の睡眠不足や睡眠の質が落ちる3つの原因とは?
小学生や中学生の子供が睡眠不足になったり睡眠の質が落ちたりすることには原因があります。その原因を探って子供の睡眠不足を改善していきましょう。
【原因①】世間の24時間化
子供の睡眠時間が短い原因としてまず生活や労働などといった世間の様々な物事が24時間化していることがあげられます。スーパーやコンビニ、インターネットカフェやマンガ喫茶など24時間営業をしている店はいくつもあり街はいつまでも明るく元気で、眠ろうとする意識を遠ざけます。夜の遅い時間でも子供を連れて出かけている家族連れを見ても驚かなくなりました。
【原因②】IT機器の普及
睡眠不足の小学生や中学生が増えている原因にはIT機器の普及も関連しているでしょう。テレビゲームやスマートフォン・タブレットなどがいつも近くにあり、眩しい光に晒され続けています。スマートフォンやLED照明から発せられるブルーライトは眠りを誘うメラトニンの分泌を妨げ、体内時計のリズムを乱すので長時間眠れなくなってしまいます。
【原因③】親の生活リズムの乱れ
親の生活リズムの乱れも子供の睡眠不足の原因となります。世間が24時間化することに伴い労働時間も長くなりがちで、そこに働く人たちの帰宅も遅くなりそのしわ寄せが子供に行くのです。
子供が取るべき理想的な睡眠時間は?【幼児・小学生・中学生】
ともすれば不足しがちな子供の睡眠時間ですが、どれくらいの睡眠時間が必要なのでしょうか。子供が取るべきとされている理想的な睡眠時間は子供の年齢によって変わります。幼児・小学生・中学生と年齢別に見ていきましょう。
幼児の理想的な睡眠時間は?
幼児の理想的な睡眠時間は10〜13時間と言われています。夜は20時か21時までには寝かせ、朝は6時か7時に起こすようなリズムです。保育園での昼寝の影響で夜に寝られなくなっている時は短い時間にしてもらうなど先生と相談してみましょう。
小学生の理想的な睡眠時間は?
少し年齢が上がり学校に通うようになった小学生の理想的な睡眠時間は9〜11時間です。6時や7時に起こすために前日夜は21時か遅くとも22時には寝かせたいものです。宿題に塾に習い事と小学生も忙しいでしょうが「早寝早起き朝ごはん」を行なっている子供の方が学力が高いという話もあります。
中学生の理想的な睡眠時間は?
思春期・反抗期真っ盛りの中学生は8~10時間ほど睡眠を取るのが理想とされています。心身ともに不安定になりがちな時期に睡眠不足まで重なってしまっては悪影響しかありません。中学生は難しい時期なのでスマートフォンやゲームに関してもしっかりとしたルール作りが必要です。
中学生という年代の睡眠障害には起立性調節障害の疑いもありますので症状によっては病院を受診したほうが良いかもしれません。
睡眠不足の子供に表れる3つの影響とは?
子供の睡眠時間が不足するとあらわれる影響についても考慮していきましょう。ここでは主な影響3つについて解説していきます。
【影響①】免疫力が低下する
短い睡眠時間では疲れがとれなくなり、免疫力が低下します。免疫力が弱くなると病気に抵抗する力も弱くなってしまい、ちょっとした風邪でも重症化しやすくなるのです。血行が悪くなり新陳代謝が衰えると肌のトラブルがでてくる可能性があります。
【影響②】感情のコントロールが出来なくなる
感情をコントロールする前頭前野は睡眠時間の不足に弱いので、睡眠不足が続くと感情のコントロールが出来なくなります。普段は流すことが出来るような事柄にイライラしたり怒りやすくなったりするのです。
【影響③】集中力が無くなり学力が低下する
睡眠時間が短いといつも眠い状態にあって集中力に欠け、勉強に身が入らずに学力が低下するという結果をもたらします。がむしゃらに知識を詰め込むばかりでなく、脳をしっかりと休ませることも大切です。記憶の固定には質の良い睡眠が重要とされているからです。
自宅で出来る子供の睡眠を改善する8つの方法
睡眠不足が子供にとって悪影響を及ぼすのならどうにかして改善してやりたいのが親心でしょう。自宅で出来る子供の睡眠を改善する方法をご紹介します。
①親の生活リズムを見直す
仕事の形態も多様化して難しいことではありますが、親の生活リズムを見直すことが大事です。子供が小さいうちはまだまだ親掛りですので、まず親が早く寝るようにしましょう。大人といえども睡眠不足は体によくありません。朝でも出来る家事は後回しにして一緒に寝てしまうのです。
②早起きをして生活リズムを戻す
体内時計は人それぞれですが24時間より長い子供は夜更かしの方に生活リズムが簡単にずれていってしまいます。どうしても子供が早く寝てくれないという時は、まず早く起こすようにしましょう。早起きして活動を始めると早く眠くなり、良い生活リズムが出来てきます。「早寝早起き」というより「早起き早寝」なのです。
③朝日をしっかり浴びて起きる
朝の強い光を浴びると体内時計が朝型にシフトするので、朝日をしっかり浴びて起きるようにしましょう。最初は多少無理をしてでも早起きして朝日を浴びることでだんだん寝つきもよくなってきます。
④昼間はしっかりと身体を動かす
昼間のうちにしっかりと身体を動かして遊び疲れた状態までにしておくと夜はすんなり入眠出来るようになります。親も一緒に動いて子供の体力に付き合うのは大変ですが、子供の睡眠のために頑張りましょう。
⑤お昼寝する場合は15時までに切り上げる
子供が遊び疲れてお昼寝をする場合でも、短い時間にして15時までには切り上げるようにしましょう。夕方に近くなると副交感神経の働きが高まり夜に眠るための準備を始めるので、この時間に眠ってしまうと夜に眠れなくなってしまいます。
⑥入眠の儀式を習慣化する
毎日眠りにつくまでに行うことを習慣化しておくと、その儀式を行うことにより自然と入眠が促されるようになるので積極的に行いましょう。入眠儀式といっても大掛かりなものでなくて構いません。子守唄を歌ったり絵本を読み聞かせたりといった簡単なものでも毎日続けることが大切です。
⑦寝室を暗くして寝る
寝室を暗くすると子供にとって昼と夜の区切りが明確になります。暗い時は眠るものだと習慣化づけておくと、仮に夜中に目が覚めてもまだ眠る時間だとわかりまたすんなり寝入ることが出来ます。
⑧寝室でスマホは使わない
スマートフォンから出る光は脳を覚醒させて眠りの質も悪化してしまうので、寝室では使わないようにしましょう。近くにあるとつい見てしまうという人は寝室に持ち込まないことが必要です。
子供の睡眠が改善されない時は睡眠障害を疑おう
いろいろ手を尽くしても子供の睡眠が改善されない時は睡眠障害の疑いを視野に入れることが必要かもしれません。睡眠障害について詳しく見ていきます。
改善されない場合は睡眠障害の可能性もある
子供の睡眠を改善するために様々な方法を試みても効果が現れない場合は睡眠障害の可能性もあります。まずは子供の症状をよく見極めてみましょう。
子供の睡眠障害の主な症状は?
夜になかなか寝付けなかったり短い睡眠しか取れず夜中に何度も目を覚ましたりといったわかりやすい症状だけでなく、強いいびきをかく・昼間不機嫌でイライラしている・よく頭痛腹痛を訴えるといった症状も睡眠障害の検討材料となります。さらに、夜中に突然大声で叫んだりパニックを起こしたりすることや手足のむずむず感や痛みで眠れない、夜中に歩き回るといった症状も睡眠障害が原因かもしれません。
また、発達障害の二次障害として睡眠障害の症状が現れたり、逆に睡眠障害の症状により発達障害と間違われたりすることもあるので慎重に見極めることが必要になってきます。
睡眠障害は何科を受診すれば良い?
子供が睡眠障害かもれないという疑いを持った時は病院を受診して専門家の意見を仰ぎましょう。睡眠障害を専門としている病院や睡眠外来のある病院が近くにない場合は心療内科や精神科などのある病院を受診することになります。まずは病院に連絡して対応可能かどうか問い合わせてみましょう。
睡眠環境を整えて子供に良質な睡眠を取らせよう
睡眠時間が短いと免疫力が低下したり集中力がなくなって学力が低下したりしてしまいます。仕事や家事との折り合いをつけるのはかなり大変なことですが頑張って睡眠環境を整えて、子供にはしっかり睡眠を取らせましょう。子供の睡眠不足の解消は一緒にお父さんお母さんの睡眠不足を解消するチャンスでもあります。時には病院の専門家の手も借りながら無理せず良質な睡眠を手に入れましょう!