出産育児一時金を徹底解説!申請方法や受給条件・差額請求のやり方も!
出産育児一時金っていったいどういう制度なのでしょうか。もらえる条件や一時金はいくらもらうことができるのか気になるところです。そんな出産育児一時金について詳しく説明していきます。これから出産を控えている方もそうでない方も知っておいて損はありません。
目次
出産育児一時金って何?出産するとお金がもらえるの?
出産するにあたって金銭的負担が気になるところですが日本には「出産育児一時金」という制度があります。出産育児一時金は家計の負担を軽減するためにできた制度で、もらうための条件やいくらもらうことができるのか気になるところですね。いくらもらえるかなどは出産をする医療機関や出産した妊娠週数でも変わってきたりします。知っていて損はないので出産育児一時金についての申請方法など詳しく学んでいきましょう。
出産育児一時金とは?
出産育児一時金はどこから支払われる?
そもそも出産育児一時金はどこから支払われるかということですが、これは本人が会社に勤めているか、旦那の扶養に入っているのかなどで違ってきます。
本人が会社勤め>>>加入している健康保険組合
旦那の扶養に入っている>>>旦那が加入している健康保険組合
国民健康保険>>>各自治体
このように支払われるところも人によってそれぞれです。
出産育児一時金はいくらもらえる?
出産するにあたって家計の負担を軽減してくれるという嬉しい制度ですがいったいいくらもらうことができるのでしょうか?出産育児一時金は基本的に赤ちゃん一人につき42万円がもらえます。また、赤ちゃんが双子だった場合は42万×2人=84万円がもらえます。つまり、いくらもらえるかはその時出てきた赤ちゃんの人数分42万円がもらえるということです。
直接支払制度と受取代理制度の2つがある
出産費用を助けてくれる出産育児一時金ですが、お金の受け取り方には2つの方法があります。一つ目は、出産する医療機関に代理人となってもらい出産育児一時金の受取りをその医療機関へ委任するという「受取代理制度」という制度。二つ目は出産した医療機関へ健康保険から直接出産育児一時金が支払われるという「直接支払制度」という制度です。受取代理制度も直接支払制度も医療機関への支払いは42万円を超えてしまった分だけ支払うというところは同じなのですが二つの制度の大きな違いは申請方法にあります。この申請方法についても後で詳しく書いていきます。
出産育児一時金の受給条件は?
受給条件①健康保険に加入している
まず一つ目の条件は「健康保険」、または「国民健康保険」に加入していることです。もちろん旦那の扶養に入っていても出産育児一時金は支払われます。
受給条件②妊娠4ヵ月(85日)以上で出産
二つ目の条件は妊娠4ヶ月(85日)以上で出産をすることです。妊娠4か月以上の出産であれば早産や流産、死産や人工妊娠中絶をしてしまっても出産育児一時金を受取ることができます。
受給条件③帝王切開でも受給条件に該当する
先ほど書いた通り二つ目の条件、妊娠4ヶ月以上で出産をした場合なら出産育児一時金を受取ることができます。なので帝王切開だった場合ももちろん受取ることが可能です。帝王切開となると普通分娩よりも費用がかかることが多いので「高額医療費」の手続き方法もチェックしておくことをおすすめします。
産科医療保障制度に未加入の医療機関での出産の場合
ここまで受給条件を見てきましたがもう二つ、いくら一時金をもらうことができるか違ってくる場合があります。一つ目は出産をする医療機関が産科医療保障制度に未加入だった場合、二つ目は妊娠週数22週未満での出産だった場合です。この二つの場合の出産育児一時金はいくらもらえるかですが、40.4万円の支給になります。
産科医療保障制度とは医療機関が加入する制度で、出産した赤ちゃんが重度の脳性麻痺だった場合に経済的負担を速やかに補償する制度です。
出産育児一時金の申請方法は?【直接支払制度の場合】
代理契約合意文書を医療機関へ提出する
出産育児一時金の申請方法ですが、まずはとても簡単に申請できてしまう直接支払制度の申請方法から説明します。出産をする医療機関で直接支払制度に関する代理契約合意文書という申請書を受取り必要事項を全て記入して医療機関の窓口へ提出するだけです。複雑な申請もなく出産を終えて退院時に42万円を超えてしまった分だけを支払えばいいのでとても便利です。今ではこの直接支払制度を選ぶ人が多いですが医療機関によって受取代理制度しかない場合もあります。
分娩費用が42万円以下なら健康保険組合に差額請求をする
出産費用が42万円を超えた場合はその差額分を医療機関へ支払いますが、42万円を超えなかった場合は必要な書類を記入し健康保険組合に提出することで差額分を受取ることができます。手続きをしないと差額分を受取ることはできないので必ず差額申請を忘れることのないようにしましょう。
出産育児一時金の申請方法は?【受取代理制度の場合】
受取代理申請書に医師の証明をもらう
受取代理制度の申請方法はまず保険組合から受取代理申請書をもらいます。次に必要事項を記入したら出産を行う医療機関にも必要事項を記入してもらう必要があります。
出産予定日の2か月以内に健康保険組合に申請する
必要事項が全て書けたらできるだけ出産予定日の2ヶ月以内には保険組合に申請を行いましょう。また、出産育児一時金の申請期限は出産した翌日から2年以内となっているので期限を超えることのないようにしましょう。
分娩費用が42万円以下なら健康保険組合に差額請求をする
直接支払制度のように受取代理制度の場合でも差額分を受取ることができます。受取代理制度の場合は医療機関側が出産費用の請求書、証明書を送付し保険組合が42万円以下だということを確認後、自動的に振込口座に差額分が支給されます。42万円を超えなかった場合は受取代理制度のほうが楽かもしれませんね。
出産育児一時金の差額請求とは?
出産育児一時金の差額請求とは
出産費用が42万円を超えなかった!なんだかもったいないなぁなんて思う人もいるかもしれませんが先ほども書いたように直接支払制度でも受取代理制度でも出産費用が42万円を超えなかった場合は健康保険組合に差額請求をすることで差額分を受取ることができます。
差額請求をしたらいくらもらえるかということですが、きちんと42万円から出産にかかった費用を引いて残った分だけ指定口座に振り込まれます。産科医療保障制度に未加入の医療機関での出産になった場合はもちろん40.4万円から出産にかかった費用を引いて残った分だけです。
差額請求したお金は1~2か月後に振り込まれる
差額請求を申請してからだいたい1~2ヶ月で指定先口座に差額分が振り込まれることが多いようですが保険組合によって振り込まれる時期は早かったり遅かったりします。もし、いつ頃振り込まれるか気になるのであれば保険組合に問い合わせてみるといいでしょう。
内払金支払依頼書と差額申請書の違い
直接支払制度をつかった場合の差額請求の申請方法は2種類ありその違いですが、保険組合から「出産育児一時金支給決定通知書」が家に届くのですがこの通知書が届く前に保険組合に差額請求するのであれば「内払金支払依頼書」、通知書が届いてから保険組合へ差額請求するのであれば「差額申請書」になります。また申請方法により必要書類も変わってくるので詳しくみていきましょう。
出産育児一時金の差額請求の請求方法は?【内払金支払依頼書】
出産費用の領収書などのコピーを用意する
内払金支払依頼書には医療機関などが交付した出産費用の領収書や明細書のコピー、直接支払制度に係る代理契約に関するコピーが必要になります。なので領収書などは大切に保管しておきましょう。
健康保険出産育児一時金内払金支払依頼書を書く
内払金支払依頼書と聞くとなんだか難しいかんじがしますが書くに至って難しいことはありません。名前や生年月日、住所と振込先指定口座などを書き出産した子供の生年月日などを書きます。あとは申請書の証明欄に医師や助産師、または市区町村の出産に関する証明をもらえばOKです。
もし証明が受けられないのであれば、戸籍謄本や戸籍事項記載証明書、登録原票記載事項証明書、出生届受理証明書、母子手帳、住民票などの添付が必要になったりもします。
健康保険の窓口に郵送する
必要事項を全て書いて必要書類を添付したら保険証に記載されてある保険会社に2年以内に申請しましょう。
出産育児一時金の差額請求の請求方法は?【差額申請書】
健康保険出産育児一時金差額申請書を書く
内払金支払依頼書と差額申請書は同じ書類なので先ほど書いたように、名前、生年月日、住所、振込先指定口座、出産した子供の生年月日などの必要事項を記入しましょう。
健康保険の窓口に郵送する
「出産育児一時金支給決定通知書」が届いてからの差額請求では出産費用の領収書や明細書のコピーなどはいりません。申請書の必要事項さえ記入すればOKです。なので差額請求をするなら「出産育児一時金支給決定通知書」が届いてからのほうが手間はかかりません。差額をもらいたいけどあまり複雑な申請はしたくないという方は「出産育児一時金支給決定通知書」が届くのを待ってから差額請求しましょう。通知書は出産してからだいたい3ヶ月くらいで届くみたいです。
出産育児一時金の申請を確実にしよう!
出産育児一時金について少しは分かりましたか?出産前までつわりがあったり、いるものをそろえたりと忙しいとは思いますが出産育児一時金の申請をしっかりしましょう。家計の負担を軽減することができる制度です。また42万円以下だった場合に差額請求をすればそのお金で赤ちゃんに必要なものを買う足しにもなるのでめんどくさがらずに差額請求もきちんと行いましょう。