2018年10月30日公開
2018年10月30日更新
クリスマスローズの育て方!種まき〜植え替え・株分けのやり方まで!
冬の貴婦人クリスマスローズ。鉢植えも地植えもOKで冬の庭の素敵なポイントに。種まきをして育てる方法や、植え替えや株分けなどの育て方も。ポイントを押さえれば初心者にもOKなクリスマスローズの種類や育て方や選び方、植え替え方法、種まきや株分けなどまとめました。
目次
クリスマスローズの種類は?どこで買えるの?
寒い季節に可憐に咲くクリスマスローズ。個性ある花の雰囲気、多様な種類・花の色などで、庭木を考える時などに一度は良いな!と感じたことのある植物ではないでしょうか。
実は、海外ではヘレボルス(学名: Helleborus)というのだとか。キンポウゲ科に属するヘレボルスの中でも、クリスマスの時期に咲くヘレボルス・ニゲルだけを指した呼称がクリスマスローズなのですが、日本では、ヘレボルス=クリスマスローズで定着しているようです。
クリスマスローズの花は「花」ではない!?
クリスマスローズの「花」の部分、実は、植物学上「花」ではなく「萼片」という部分なんだそう。なので、一般的な花よりも鑑賞期間が長く庭木におすすめ。花が長いと初心者でも楽しめます。花(=萼片)の色は、紫やピンク・白など種類によって様々あり、花をたくさん咲かせる多年草のクリスマスローズが花開くと冬の庭が華やかになります。
クリスマスローズは凍っても平気
クリスマスローズは、生命力が高く、凍っても平気というくらい寒さに強い植物なので育て方さえ押さえれば、冬の庭の素敵なアクセントになってくれます。1年中葉っぱをつける常緑のクリスマスローズは、観葉植物として鉢植えにも、庭のグランドカバーにも最適です。
クリスマスローズの自生地
・ヘレボルス・アルグティフォリウス:フランスコルシカ島、イタリアサルデーニャ島。
・コダチクリスマスローズ(キダチフユボタン):イギリス、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア
・クリスマスローズ(フユボタン):イタリア、スロベニア、オーストリア、スイス、クロアチア、ドイツ
・ハルザキクリスマスローズ(ヒメフユボタン):トルコ、グルジア、ウクライナ 他
・ヘルボルス・チベタナス:中国の四川省・甘粛省・湖北省・陝西省
などなど、クリスマスローズの自生地や種類・花の色は多種多様で世界中に自生しているようです。選び方・育て方を間違えなければ、世界中で生育可能ということですね。
クリスマスローズの大まかな種類
クリスマスローズには大きく2種類あります。
・有茎種
・無茎種
他にも、交雑種や八重咲きの品種などもあります。いわゆるクリスマスローズは中間種。この種類の違いなんですが、後でふれますが、育て方に少し違いがあります。
次の写真は有茎種のヘレボルス・アルグティフォリウス。
有茎種は、長くしっかりした茎があります。育て方は、長い茎が折れないようにするのがポイントのようです。
次の写真が、ヘレボルス・オリエンタリスという無茎種です。にょきっと土から出た短めの茎に花のみついていて葉がない感じです。育て方のポイントは、後でも述べますが、根元の高温多湿をさけるための剪定です。
有茎種・無茎種どちらが良いかな?と選び方に迷う方は、花の色なども選ぶことができるので、実物を見てみることもおすすめです。
クリスマスローズは通販でも
お近くのホームセンターやフラワーショップなどでも見かけるクリスマスローズですが、通販サイトなどでも販売されています。選び方は、気になる花の色や生育した感じなどが参考になります。園芸専門店などなら、Q&Aで育て方が掲載されていたり、実際の育て方のレビューが口コミに掲載されていたりするのも、育て方の参考になるので便利です。
そんな初心者でも挑戦できるクリスマスローズの育て方や選び方、植え替え方法、種まきや株分けなど、ご紹介します。興味のある方は、簡単にまとめていますので、ご参照ください。
クリスマスローズを育てる前にチェック!基礎知識を知ろう!
地植えにも鉢植えにも向くクリスマスローズは、育て方のポイントを押さえると、とても育てやすい植物です。一番のポイントは「夏」。寒さに強いクリスマスローズですが、高温多湿は苦手。
庭植(地植え)の育て方・注意点
地植えの際の育て方のポイントは場所!
・水はけが良い(多湿が苦手)
・風通しが良い(高温が苦手)
・冬場は日当たりが良い
・夏場は日陰
この4点が育て方・場所の選び方のポイント。
難しいなぁと思った方は、地植えの場所の選び方を「落葉樹の根元近くで育てる」にすると簡単です。遮光の屋根やパラソル・ネットで被うなどして、夏場の日光を調節するという方法も。
鉢植えの育て方・注意点(初心者におすすめ!)
鉢植えの際の育て方のポイントは、
・専用の土(又は「赤玉土5:腐葉土3:バーミキュライト2」など緩効性肥料を混ぜ込む)
・1鉢に1株
・暖房している部屋に置かない
・霜に当てない
・開花時期(冬)は、日当たりの良い場所へ
夏の高温多湿、西日・直射日光などの、クリスマスローズの育て方のタブーも、鉢植えならば移動しやすいため調節可能。クリスマスローズ初心者には鉢植えでの育て方もおすすめです。
鉢植えで育てるのに最適な植木鉢は?
クリスマスローズは、育て方次第では時間をかければ大株にも育つ植物。姿は可憐で凛としていて、華美すぎない大人で素朴な味わいもあります。群生している姿も素敵なのでボックスやコンテナも良いのですが、1株の植木鉢には素焼きのものも素敵です。
1株植え用の素敵なクリスマスローズが手に入ったら、少し大きめのアンティークな感じや大人っぽい雰囲気の鉢に植えると、より素敵なインテリアにもなるでしょう。ぜひ、クリスマスローズに似合いの鉢も物色してみてくださいね。お部屋の上品なポイントになってくれます。
クリスマスローズには毒性が!必ず手袋をしよう
クリスマスローズには毒があります!取り扱いには、十分にご注意ください。クリスマスローズの毒性を回避する方法は、長そで・ゴム手袋で作業をすること!
クリスマスローズの毒性による症状などは、
・トゲ状の葉が皮膚にあたり雑菌が入る
・原種や有茎種の液汁によって水疱ができる
・草全体に心臓毒などの成分を含有(摂取してはいけない)
など、皮膚炎だけではない症状が出る恐れもあります。必ず、長そで・ゴム手袋で作業を行い、絶対に口にしてはいけない、ということを育て方のポイントの1つとして覚えておきましょう。
【初心者必見!】クリスマスローズの基本の育て方は?
クリスマスローズの選び方
クリスマスローズは小苗から開花株まで販売されています。花を直接見て選びたいならば、開花株がある12~4月頃がおすすめです。
健康な株を手に入れる選び方は、
・花柄や葉柄がしっかりしている
・すっと立ち上がっている
・葉が縮れていない
・黒い斑点があるなど病気っぽいものはさける
選び方に気を付けて、元気なクリスマスローズをゲットしましょう!
クリスマスローズの鉢植えの方法
クリスマスローズを鉢植えから育てる育て方ならば、初心者には開花株がおすすめです。一般的に鉢植えで売られているクリスマスローズは、2~3年生。中でも、初心者でも育てやすい4.5~5号鉢程度のものを選ぶと失敗が少なく、比較的楽にお世話ができます。育て方も、日光と水やりのポイントを押さえれば、最初の1年は失敗がないと思われます。
クリスマスローズの基本の育て方
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷり与えましょう。新葉が出る春は、水切れさせないように注意が必要です。高温多湿が苦手なクリスマスローズ。夏は休眠しているので、乾燥気味にするのが育て方のポイント。鉢の下にポットフィートを置くのもおすすめです。
新芽時期(春):土表面が乾いたらたっぷり
夏期:夏は乾燥気味に
肥料
植え替えの際は、緩効性肥料を混ぜ込みます。面倒な方は、クリスマスローズ用の土がありますので、そちらがおすすめです。自分で肥料など配合した土を使う場合は、化成肥料を少し混ぜたあと1週間以上寝かせてから植えつけると良いようです。
開花時期(冬):置き型肥料や液体肥料(花つきが良くなる)
夏期:残った置き型肥料は取り除く(病気の原因になる)
慣れてきたら自分好みのクリスマスローズを作ってみよう
クリスマスローズは交雑しやすいんです。好みのクリスマスローズが何種類かあるならば、近くで何種類か植え替えてみる育て方もアリですね。新しいクリスマスローズが、あなたのお庭で生まれるかもしれません。自分の手で花粉親と種親の2種類のクリスマスローズを用意して、受粉させるという育て方もあります。どんな色の花が咲くのか楽しみですね。
【クリスマスローズを長く楽しむために】植え替え・株分けをしよう
植え替えや株分けをする理由は?
3~5年に1回は植え替えた方が良いクリスマスローズ。同じ鉢のまま4年ほど育てると、8~10号鉢ほどの大株になります。クリスマスローズは高温多湿が苦手なので、根が回りすぎてもダメな植物。古株になると成長がにぶくなり、根腐れの心配がありますので、株分けすることも育て方のポイントです。
初心者に株分けは難しい…のですが、株分けするまでは何年もかかります。最初の数年は鑑賞、その後、大き目の鉢に植え替え、その後でどうしようか?という育て方です。ですから、初心者が鉢植えを買ってから株分けまでの猶予は、短く見積もっても6~8年ほどある計算です。まだまだ先、という感じですね。
植え替え・株分けのやり方
植え替え
クリスマスローズは根腐れを起こしやすいので、根がまわってきたかなぁという数年おきに植え替えすることが育て方のポイントです。そのままにしておくと、最悪の場合は枯れてしまいます。元気がないなと感じたら、植え替えをしてみてください。鉢の選び方も大切。大きすぎてもダメなので、植え替える鉢の大きさは元の鉢より2回りほど大きな鉢が良いでしょう。
・鉢底から根が出てくる
・鉢よりクリスマスローズの方が大きく感じる
・花や新芽が、前年より小さめに
・黄色く枯れている感じがある
・水が鉢底まで流れる時間が長い
こんなサインがあったら、植え替えを考えてみてください。
株分け
鉢だけではなく、地植えの場合も株分けすることをおすすめします。元気で成長しているならば、地植えの場合も鉢植えの場合もそのままで大丈夫です。クリスマスローズの様子で判断してください。
株分けの方法は、「株分けして増やそう」をご参照ください。
初心者に多い失敗に注意!
・植え替えの際の鉢のサイズは2回り程度大きめに
大きすぎてはいけません!
・夏は日陰の育て方
西日や高温が苦手で、葉が焼けることも。夏は日陰ぎみに。
・夏の水やりは乾燥気味に
夏は休眠期。あまり水をやりすぎると、根腐れが心配。乾燥気味に。
【クリスマスローズの育て方】手入れのポイントは?
水はけの良い専用土を選ぼう
クリスマスローズには専用の土がありますので、そちらを使うと育て方も楽です。地植えの際も、水はけが育て方のポイントになるので、専用の土を使うと良いです。前述のとおり、緩効性肥料を混ぜ込んで自作の土でも生育可能ですが、土を作った時は、1週間ほど寝かせた後に、植え替えをしてみてください。
有茎種と無茎種の違いに注意しよう
有茎種
茎が長めにすっと立ち上がり、葉がついて、その先端に花が咲くタイプが有茎種です。育て方のポイントは、背が高いため強風などで倒れてしまわないように支柱で支えること。花が終わったら、茎の付け根から茎を切ることが、有茎種の育て方のポイントです。
無茎種
無茎種は、地面から葉と花が別々に立ち上がるタイプ。スイセンなどと生え方の感じが似ています。それほど茎が長くないので支柱は必要ありません。根元まで日光が当たるように、11月~1月頃、葉を全て付け根(地面の近く)から切ることが、無茎種の育て方のポイントです。
生育サイクルを把握しよう
クリスマスローズは、夏はお休み中。水やり・日当たり・肥料など簡単な育て方の違いが下記の表になります。育て方のヒントにしてください。
期間 | 主なお世話 | |
生育期間 | 秋~春 | 土表が乾くと水をたっぷり・日に当てる・肥料 |
半休眠期 | 梅雨~初秋 | 乾燥ぎみ・風通しの良い日陰・残った肥料は削除 |
花が終わったら剪定しよう
クリスマスローズは、そのままでも形が整っているので、見た目を整えるための剪定は不必要です。株を長持ちさせて、株を元気な状態にするために剪定をします。
・花が終わったら根元から切り取る
この1手間で、株の生育が進みます。育て方・増やし方として、種まきからやってみたい方で種を取りたい時は、花を残しておきましょう。
【クリスマスローズの育て方】害虫や病気を見つけた時は?
どんな植物を育てる時にも注意したいのが病害虫。育て方のポイントです。見つけたら駆除したいですね。
注意すべき病気:ベト病・黒斑細菌病
害虫:ヨトウムシ・ハダニ・アブラムシ・ナメクジ
病害虫ともに、見つけたら駆除・殺虫剤・殺菌剤などをします。頻発するようなら、葉が込み合って高温多湿などが原因のこともあるので、古い葉や枝を切り落として様子を見ましょう。
クリスマスローズを増やそう
種を回収して増やそう
種まきで増やす方法もあります。育て方で種まきを選ぶなら市販のクリスマスローズの種もありますが、クリスマスローズから種を採取することもできます。
種まき用の種を採取するためには、花が終わった後の剪定をせず、クリスマスローズが枯れるのを待ちます。4月頃、枯れた花に茶こしやお茶パックなどをかぶせておき、5~6月に枯れた花をふると袋に小さな種が落ちてきます。
種まきの方法
クリスマスローズの種まきの時期は、5~6月か、9月下旬~10月が種まきの適期です。ですが、種まき用の種を保存した後で種まきをするのは初心者には難しいようなので、とり蒔きという種まきの方法をご紹介します。方法は、親株根元の土に、種まきをするだけ。この方法だと、成長の過程で、植え替えが必須ですが、保存した種を種まきするより、発芽率が高いようです。
株分けして増やそう
株分けには時期がありますので、いつでも良いというわけではありません。鉢植えなら根詰まりを起こしている時、地植えなら50〜60cm間隔で植えた株の間が詰まってきた時です。いずれの場合も、株分けをした方が生育が良くなるので、育て方のポイントでもあります。株が詰まってきたら、育て方として株分けがおすすめということです。
・10〜1月頃、掘り起こす
・苗と同じ土または植木鉢を用意
・根についた土をきれいに払い落とす
・土が固くなっていたら棒やドライバーなどでほぐす
・きれいなナイフやハサミで根を切り分ける
・切り分けた根を植える
根をなるべく傷つけないように、丁寧に取り扱い、清潔な刃物で切り分けるのが、育て方の中で株分けの際のポイントです。
葉挿し・茎挿しで増やそう
葉挿しや茎挿しとは、切り取った茎を直接土に植えて増やす方法です。作業は株分けと比べると楽ですが、成功率が低いので、確実に増やしたい方は、株分けをおすすめします。折れてしまった茎を見つけたら、やってみるというのも。
・9月末~10月(気温20度前後)
・3~4号の育苗ポットを用意する
・赤玉土5:バーミキュライト2:鹿沼土2の土を鉢に入れる
・葉の茎を元茎からはがし取るようにして取る
・6~7cmほど土の中へ斜めに差し込む
・半分の葉っぱを切り取る
・数ヶ月後に、葉の先が伸び、根が少しずつ生長する
・根が育ったら育苗ポットや小さな鉢に植え替える
【クリスマスローズの育て方】慣れてきたら地植えをしてみよう
鉢植えに慣れてきたら、庭のほど良い場所を探して、地植えににも挑戦してみてはいかがでしょうか。場所の選び方は、夏は日陰になる場所、冬は陽が当たる場所です。場所選びがうまくいけば、地植え成功間違いありません。病害虫など気になることはありますが、寒さに強いクリスマスローズは、比較的安心して地植えに挑戦できる植物です。いくつかの種類を選んで植えると、オリジナルのクリスマスローズが花開くことがあるかもしれません。
冬の貴婦人、クリスマスローズを育てよう!
クリスマスローズは冬の貴婦人と言われるほど、寒い季節に可憐な花を咲かせてくれます。冬の庭に色とりどりの花を咲かせてくれるクリスマスローズ。花の色を選べば、冬の庭が華やかになります。選び方は、お好みの花の色や形、花の開花時期などで選んでみてください。まずは、お好みのクリスマスローズの鉢植えを見つけてみてくださいね。