2018年05月24日公開
2018年05月24日更新
アダルトチルドレンは克服できる?ACの克服方法と体験談まとめ!
アダルトチルドレンという状態をご存知でしょうか?もしかしたらあなたの生きづらさはアダルトチルドレンによるものかもしれません。でもアダルトチルドレンは克服できるんです!今回はそんなアダルトチルドレンについての解説とその克服方法について紹介していきます。
アダルトチルドレン(AC)とは
「子供の時、機能不全家族」という環境で成長した大人
アダルトチルドレンとは幼少期に親との関係の中で、何らかのトラウマを負ったまま育った大人のことをいいます。
そんなアダルトチルドレンを生み出す環境が『機能不全家族』といい、機能不全家族の中では子どもは心理的に安心して育つことができません。
機能不全家族の状態としては、家族の構成員の中に弱い立場のメンバーが存在したりと家族構成員の人権や安全性が守られない状態を指します。
機能不全家族とは?
比較的早くから家族内の問題に批判的な分析をしようとしたのは、フェミニズムの立場からでした。
社会的に女性の立場が低い時代が続き、それは家族内での母親役割にも大きな影響を与えている状況があったのです。
強者として支配者的に振る舞う父親と弱者として従属する母親という構図は、家族内での身体的、心理的暴力に発展するケースが多くありました。
その状態を目撃する子どもは心理的に安定して育つことが難しいといった状況があります。
この問題は過去の問題ではありません。
昔ほど露骨ではないかもしれませんが、現代においても深刻な問題といえます。
現代は暴力よりも心理的な傷を負うような追い詰め方が多いかもしれません。
暴力にせよ心理的虐待にしても、そのような家族の中では、母親は過度に過保護になったり逆に無関心になったりします。
特にしつけとして教え込まれた事柄に関しては、子どもは大人になってもその教えを覚えているものです。
そしてその子どもが大人になり親になったとき、同じしつけを子どもにする可能性が非常に高いです。
こうして、しつけという名で歪んだ価値観の連鎖がおこるのです。
また父親(母親)の存在が極端に薄い場合もあります。
仕事でいつも家にいない、不倫問題が生じている、両親が常に不仲といった状況で、子どもは親にその役割を期待できません。
また家族の中に親として残された母親(父親)は、子どもにその役割を押し付けようとするケースが多くみられます。
例えば父親不在の家庭で母親が「長男として将来は一家の大黒柱としてしっかりしてほしい」と望んだり、母親不在の家庭で父親が「女の子なんだから料理や兄弟の面倒を見てほしい」と望んだりすることがその例として挙げられます。
親と子が恋人関係のような家族や、友達同士かのような家族もあります。
仲が良いのは素晴らしいことですが、親が子に別の意図をもって役割を期待してしまうと、子どもにとっては親としての存在が不在となり機能不全家族となります。
問題が隠される要因『密室性』
機能不全家族を深刻にするのは家族の持つ『密室性』という性質です。
「家族のことは自分たちで解決する」「家族のことを他人に口出しされたくない」といった意識がはたらきます。
また第3者の介入が少なく、どのような状態が健全で、どのような状態が機能不全なのか、家族構成員は気がつけないことが多いのです。
アダルトチルドレンである本人自身も、家族から出るまで「何か変だ」ということに気が付かずに成長していくことになります。
このような状態の家族の中で成長すると、自分自身や他者や自分が生きる世界に対して歪んだ価値観を持つようになります。
アダルトチルドレンの方の多くは大人になってから「あれ?なんだか周りと自分は違うな」「なんだかうまくいかないな」と違和感を感じることから、自分がACであることに気がつくことが多いようです。
ACの特徴
子どもにとって家族とは最初の『社会』となります。
人との関係構築の方法や、人から見た自分自身という価値観、自分の周りの世界が自分にとってどんなものか、女性とは?男性とは?といった性的価値観など、家族の中で様々なことを学びます。
生きていくうえで重要な知識の基礎を家族から得るといっても過言ではありません。
その家族が機能不全であった場合、当然生きていくうえで必要な基礎的な価値観が歪んでしまうことは言うまでもありません。
結果自分を否定的に捉えていたり、不安感を強く感じやすかったり、警戒心が強かったりと無意識的に様々な影響が出ます。
実生活の中では人間関係や仕事などでうまくいかなくなることが多くでてくることになります。
ACは子ども時代に家族の中で、様々なタイプを演じることで家族や親を支えようとします。
家族の不完全な部分を子どもが補おうと無意識に演じるのです。
子ども時代に演じていたタイプが大人になっても残り、それが生きづらさとして感じていくことになります。
ACのタイプ
タイプ1 ヒーロー
いわゆる優等生タイプです。
家族や周囲の期待に一心に応えようとします。
例えば勉強でいい成績をとる、運動を頑張るなどで功績を得るため努力をします。
その功績によって家族に希望をもたらそうとするのです。
家族の中で踏ん張って頑張る存在で、別の言い方では『小さな大人』『小さな保護者』など子どもだけど大人と同じ働きを期待される子どもともとれます。
ACのヒーロータイプの特徴は『完璧主義』というところにあります。
自分の能力以上のことを自分に課して頑張ろうとし、できない自分を責めます。
家族の中では『頼りになる存在』『完璧な人』『頑張り屋さん』として映りますが、当の本人は責任感や予期不安(できなかったらどうしよう?という不安)にいつも押しつぶされそうだったりします。
それでも心配をかけないように、笑顔で強気でいてしまったりするのです。
そうすると「できない」「わからない」「助けて」が言えなくなっていきます。
また上手に甘えられる人や簡単に諦めてしまう(ように見える)人のことが許せなくなったりします。
ACのヒーロータイプが強く影響を受けるのは、親のしつけの中でよく出てくる『禁止』と『ねばならない思考』です。
『禁止』は例えば「絶対に〇〇してはならない」といった考え方で、『ねばらならない思考』は例えば「〇〇は確実にせねばならない」といった考え方です。
親のしつけに強くこの思考があると、そのうち自分自身の行動をこの考え方でコントロールしようとします。
結果的にヒーロータイプになってしまうのですね。
タイプ2 スケープゴート
ACのスケープゴートは別名『生贄(いけにえ)』ともよばれます。
家族の中で自分を犠牲にして耐えることで、家族を機能させようとします。
ACのヒーロータイプは親や家族にとって良いことをすることで認められようとしますが、このスケープゴートは逆で、冤罪だとしても家族の中の悪者役や良くないことを引き受けることでその役割を演じようとします。
あえて自分が悪者となることで、家族の結束を高めようとするのです。
また親の気持ちのはけ口になろうとする傾向も強くあります。
精神的に未成熟な状態の親の場合、子どもに八つ当たりをしたり、不当な仕打ちをしたりといったことが起きます。
そんな親に対して反感を感じながらも、あえてその辛い役割を引き受けるのです。
親のサンドバックにあえてなるようなものですね。
そんな環境の中で育ったACのスケープゴートタイプは、自分の周囲の人間や世界に対して「どうせ自分なんて愛されない」「いつ裏切られるかわからない」といった強い猜疑心(さいぎしん)を抱いています。
また自分自身に対しても「自分が何をしてもうまくいかない」「自分が全て悪い」「自分のせいだ・・」と自己否定感を強く感じる傾向にあります。
そのため周囲の人たちから見たスケープゴートタイプは『かわいそうな人』『哀れな人』といった印象を持たれる場合と、『問題児』『トラブルメーカー』『嫌われ者』といった印象を持たれる場合があります。
また常に罰を受け続けていないと落ち着かないため、自分で自分を傷つける自傷行為や、自暴自棄から依存症などに陥ってしまいがちな傾向も強くあります。
タイプ3 ロストチャイルド
ACのロストチャイルドは別名『ロストワン』ともよばれ、『いない子』『迷子』といった意味があります。
非常に存在感が薄く集団の中でも目立たないタイプといえます。
ACのロストチャイルドタイプはとにかく波風をたてず、静かにしておくことで家族の平和を保とうとしてきたタイプです。
ロストチャイルドは「迷惑をかけてはいけない!」「我慢しなければ!」と徹底的に自分を殺すことで、周囲から注目されないようにします。
そのため、周囲からの注目や波風をたててしまうことを何よりも恐れます。
ACの中でもロストチャイルドタイプは周囲からは『おとなしい子』『目立たない』『印象の薄い』『考えていることがわからない』といった印象を抱かれやすいです。
なぜなら、ロストチャイルドタイプは本当の自分を表に出さずとにかく存在を消し周囲の負担を軽くすることで、存在価値を確立しようとするからです。
存在感の薄さがロストチャイルドタイプの大きな特徴といえます。
しかし最初からロストチャイルドタイプであったわけではなく、生まれ育った家庭環境の中で感情表現や意思表示をしたことを、親や家族から徹底的に抑圧されてきた背景があることが多くあります。
その環境の中で生きていくためには、自分の存在をとにかく消して自分の身を守るしか術がなかったといえます。
ACのロストチャイルドタイプは目立ちこそしませんが、非常に空気を読むのがうまいといった特徴があります。
反面会話などでの感情表現が非常に苦手なところも特徴です。
逆にロストチャイルドタイプは絵や音楽など、言葉ではないもので感情を表現する芸術的センスに長けていることがあります。
ロストチャイルドタイプの人は、とにかく自分のペースで1人で静かにしていることで落ち着く傾向にあります。
アダルトチルドレンの中でもロストチャイルドタイプは今までの背景から「自分のことなんてわかってもらえない」「本当の自分を出すと嫌われる」といった、本当の自分を隠そうとしてしまう苦しみを抱えています。
そのため相手が根気強く「自分が何か表現するまで待ってくれる」という、自分のペースを乱さず合わせてくれるという保証があると安心できます。
タイプ4 ピエロ
ACのピエロタイプは別名『マスコット』ともよばれ、家族の中でおどけもの役をかってでます。
自分の気持ちを後回しにしてでも、いつも笑顔でいたり人を笑わせることで家族の平和を守ろうとするのです。
まさに家族のマスコット的な存在となることで、家族のメンバーの気持ちの平穏を保とうとするわけです。
ACのピエロタイプは家族の中の殺伐として雰囲気や、冷たさといった不安定な空気感に非常に敏感で、常に恐れを抱いています。
大きくなっても周囲の輪や、集団の空気感を常に気にしています。
少しでも不穏な空気を感じ取ると自ら周囲を笑わせることで、いつも明るく平和的な空気感を保とうとします。
そのため周囲は『いい人』『人気者』『面白い人』『愛されキャラ』などといった印象を感じ、マスコット的な存在として認知します。
ACのピエロタイプは一見いつもニコニコしていて、悩み事などなさそうに見えますが、内面では不安や悲しみ、孤独、怒りなど負の感情を溜め込んでいます。
しかしその感情には蓋をして目を背け、ピエロの仮面をかぶることでその役割を担うのです。
タイプ5 ケアティカー
ACのケアティカーは別名『リトルナース』ともよばれます。
『世話をする人』『面倒を見る人』という意味で、家族の中で献身的に家族のサポートに回るタイプです。
献身的で忍耐強いことが特徴的で、反面自己主張が苦手であったり、自分自身には自信がないパターンが多いです。
献身的に誰かの世話を焼くことで自分の存在意義を感じるため、常に世話をする誰かを求め依存する傾向があります。
そのため周囲からは『おせっかいな人』『過干渉な人』といった印象を受けがちです。
ケアティカータイプが親や恋人になると、なんでもしてあげてしまう為相手の自立の機会を奪うことになりがちです。
そして益々ケアティカータイプは世話をやき、その関係性から抜け出せなくなっていきます。
アダルトチルドレンの中でもケアティカータイプは、DVや依存症の問題が家族の中にある場合、その問題を終結させる方向に動くのではなく却って問題を助長させてしまうこともあります。
一見献身的でなんでも言うことを聞いてくれる存在ですが、その背景には自分の存在価値を感じるために身を捧げる相手が必要というケアティカータイプの心理があります。
そのためどんな相手にもとことん尽くしてしまうということになりがちなのです。
アダルトチルドレンの苦しみ
アダルトチルドレンがどのような苦しみを抱えているのか、体験談をまとめました。
不安定な家庭環境と母親との関係からアダルトチルドレンに
私が育った家庭は常に不穏な空気が流れていました。
家族の中で常に誰かと誰かが口論している環境で、家の中は落ち着ける場所ではありませんでした。
特に母親は私に対してしつけとして厳しく当たり、精神的に追い詰められることが多くありました。
完璧主義の母親は少しの失敗でも私を厳しく叱責し、常に私の容姿や能力を卑下し続けました。
今思えば両親の関係も常に悪く、母親はとにかく何かアラを探して、誰かに八つ当たりをしたかったのだと思います。
成人してからも母親の支配は続きました。
あまりにも罵倒され続けた私は自分の外見や能力に対して自信がもてなくなり、一時期は自殺も考えたことがあります。
人の愛情も信じることができず、優しくされても疑ってしまいます。
自分がアダルトチルドレンと気がついたきっかけ
私が自分自身がアダルトチルドレンだと気がついたのは、会社をやめたことからでした。
当時の私は周囲のペースに合わせることが苦手で、人と一緒に仕事をすることが苦痛でした。
また人の些細な行動に「悪口を言われているのではないか?」など過敏になったり、自分には居場所がないという孤独感、「自分には何もできない」という劣等感に苛まれたりしました。
付き合っていた彼氏に依存し、家の中でも不安定な状態が続きました。
「これはおかしい!」と感じ自分で調べたところ、アダルトチルドレンであることがわかりました。
アダルトチルドレンの克服法
自分の状態と過去をしっかり知ろう
アダルトチルドレンを自分で治すことができるのでしょうか。
答えは『努力すれば自分で治すことができる!』です。
アダルトチルドレンを克服するためには、まず自分がどのような状態であるかを認識することが必要です。
強い不安感、怒り、悲しみなどふとした時に様々な感情が発生します。
また他の人はそこまで強く反応しないようなことも、自分だけ強く反応してしまうことがあったりします。
うまく感情がコントロールできないのはどんな時でしょうか。
その時どんなことを考えているでしょうか。
その時の状況、人、出来事が自分を知る手がかりとなります。
そしてそのような思考、感情となるまでには過去、どんな体験があったでしょうか。
アダルトチルドレンにとって、幼少期から当たり前にしてきた行動や思考ですが、それこそが苦しみの根源です。
これらを知ることがアダルトチルドレンを自分で治すための一歩になります。
親との関係を振り返ってみる
アダルトチルドレンとなる要因は親との関係が非常に大きく影響します。
アダルトチルドレンを自分で治す、また克服するためには親との関係を見つめ直すことが重要になります。
子どもにとって親は絶対的な存在です。
その親から受け入れてもらえないという現実は、子どもにとって世界が崩壊することと同じです。
その親と自分の関係性を見つめ直すことでで、アダルトチルドレンを自分で治す手がかりが見えてきます。
また親からのしつけは子どもにとって絶対的な価値観となりがちです。
「〇〇してはいけない」「〇〇すべき」といった考え方がしつけによって植え付けられてしまうのです。
親のいいつけを守ることで必死で親に気に入られようとするのです。
そのしつけの内容が子どもの存在を否定するようなものであると、自分の存在を親から植え付けられた価値観で認識するようになってしまいます。
そのため大人になっても親のしつけの影響を受け続けることになります。
しつけや親のことばによって植え付けられた価値観が、今の自分の価値観に影響を与えていないかを知るためにも親との関係をしっかり認識する必要があります。
アダルトチルドレンを克服するためにも、親との関係を今一度捉え直してみましょう。
ACを治した人の本を読んでみる
アダルトチルドレンは自分で治すことができます。
実際にアダルトチルドレンを自分で治すことに成功した人が書いた本が出版されています。
他の人がどのようなことを実践して、アダルトチルドレンを克服できたのかを体験談から学びましょう。
また本の中にはアダルトチルドレンを克服するために、克服するための方法やワークが載っているものもあります。
ここではアダルトチルドレン克服におすすめの本を紹介します。
自分に気づく心理学
加藤 諦三著 PHP研究所 2006-04
この本には、アダルトチルドレンを自分で治すために、親子関係と現在の自分を振り返るのに役に立つ知識や考え方が書かれています。
アダルトチルドレン克服のためにはまず自分を知ることが必要ですが、振り返るのは辛いことも多いです。
また自分で自分のことを見つめなおすことは、無意識的な部分も多く難しいこともあります。
この本には現在の自分を知るためのヒントが多くあり、克服するために勇気づけられる言葉も多く書かれています。
この本を読んで自分のことを見つめ治し、アダルトチルドレンを克服する作業の手助けになればと思います。
毒になる親
スーザン・フォワード 著 講談社 2001-10-18
アダルトチルドレン関連の本の中では非常に有名な本です。
アダルトチルドレンを克服したい方は読むと非常に勉強になると思います。
アダルトチルドレンを育てる親はどんな親なのか、虐待の種類なのかなどアダルトチルドレンが育つ環境について詳しく説明されています。
そしてタイプによって克服方法や克服のための考え方などがわかりやすく書かれています。
アダルトチルドレンを自分で治すことに成功し、克服するためには、自分がどのタイプのアダルトチルドレンとなるのかを把握する必要があります。
この本を読むと自分のアダルトチルドレンのタイプや原因がよく理解でき、すっきりできるはずです。
赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア: 自分を愛する力を取り戻す〔心理教育〕の本
白川美也子著 アスクヒューマンケア
こちらはトラウマに関する本です。
赤ずきんとオオカミの物語で分かりやすく説明しています。
アダルトチルドレンになった経緯には、家庭環境の中で体験したトラウマ体験がもとになっています。
またこの本ではトラウマによる症状や克服プロセスなども紹介しています。
トラウマについての知識を身につけることで、アダルトチルドレン克服への一歩となります。
子どもを生きればおとなになれる―「インナーアダルト」の育て方
クラウディア・ブラック著 アスクヒューマンケア
この本の著書クラウディア・ブラックはアダルトチルドレン概念の生みの親です。
アダルトチルドレンを克服し、幸せな人生を生きるために必要な力を紹介しています。
この本の中では頑張っていた子ども時代を大切にできる自分を育てて、アダルトチルドレンを克服しよましょうという内容になっています。
子ども時代の痛みを超えて、今の人生をしっかり生きるためにどうしたらいいのかがよく分かる内容の本です。
アダルトチルドレンを克服したい人にとっては力強く、優しさを感じられる本ではないかと思います。
カウンセリングに行く
自分で治すことが難しいと感じた場合は、プロであるカウンセラーの元でカウンセリングを受け、アダルトチルドレンを克服するというのも一つの方法です。
カウンセリングの中で心理カウンセラーにしっかりと話しを聞いてもらい、自分の過去についてしっかり受け入れ、克服へ向けて進んでいきましょう。
またカウンセリングの中でワークなどを行うことで、より早く適切にアダルトチルドレンを克服するプロセスを踏んでいくことが可能です。
カウンセリングの利点は、限られた時間の中で秘密が守れた安全な環境で行われることです。
今も家族と同居している人で、家の中で安心して本を読んだり、書いたりといったことができない人にとってはカウンセリングで克服することはとても有効だと思います。
自分で治すためには、自分で自分の状態を把握する必要があります。
しかしトラウマ体験が深刻なほど、自分自身のことを客観視することは難しくなります。
また少し間違うとフラッシュバックを起こしてパニックになるなどの危険性もあります。
アダルトチルドレン専門のカウンセラーなどもいるため、危険性を感じたら迷わず専門家に頼り、カウンセリングを受けてみましょう。
アダルトチルドレンの克服への道のりも、先導してくれる人がいると少し安心して歩むことができそうですよね。
アダルトチルドレンの克服体験談
アダルトチルドレンを克服できた人の体験を知ることで、アダルトチルドレンを自分で治すヒントなるかもしれません。
他の人がどのようにアダルトチルドレンを克服したのか見てみましょう。
『良い子』であることをやめたことで克服できました
自分がアダルトチルドレンと自覚した後、アダルトチルドレンを克服しようと決めました。
そのためには、まず自分がどうしたら楽なのかを考えました。
結果私を苦しめていたのは、「親を憎んではいけない」という良い子であろうとする思考だと気が付きました。
成人して親と離れても、良い子の思考は中々抜けませんでした。
そこで私は自分に「親を憎んでもいい」ということにしたのです。
そうしただけでいつも感じていた鬱屈として気分が晴れるようになり、親の考え方と自分の意思をしっかり分けて考えられるようになりました。
今の私はアダルトチルドレンを克服できたと思っています。
抑圧されていた感情を解き放つことで克服でき楽になれた
私がアダルトチルドレンを克服するために実践したことは、子ども時代の自分の気持ちを紙に書いて解き放つことです。
時にはノート1ページがひどい言葉で埋まることもありましたが、不思議とすっきりすることに気が付きました。
また自分の中にいる子どもの自分に向けて大人の自分から手紙を書くことで、子ども時代の自分を大人の自分が認めてあげることができます。
このようなことを繰り返すことで、辛かった体験や苦しかったことも受け入れることができ、アダルトチルドレンを克服できました。
カウンセリングに通ってアダルトチルドレンを克服しました
私はアダルトチルドレンをカウンセリングを受けて克服しました。
自分の価値観や体験をカウンセラーの先生に話し、聞いてもらったことで冷静に自分のことを見つめ直し、克服へ向かっていることを実感できました。
カウンセリングを繰り返す中で、今まで自分が抱いていた価値観は親のしつけによって得てきたものであることに気が付きました。
カウンセリングの中でカウンセラーの先生からアダルトチルドレン克服のために、家でもできる思考パターンや克服プログラムなどを教えてもらいました。
カウンセリングに通ったことでアダルトチルドレンについて克服することができ、今は自分の思考や感情をコントロールできるようになりました。
アダルトチルドレンは病気なの?
アダルトチルドレンは病気ではありません。
幼少期からの体験で得てきた価値観からくる精神状態です。
ですので風邪のように薬で治るものではありません。
自分で自分の思考パターンや価値観を修正していくことで克服へと向かっていきます。
アダルトチルドレンが育つ背景には機能不全家族があると説明してきましたが、現代ではどの家庭も多かれ少なかれ機能不全を抱えているものです。
どんな人でも多かれ少なかれアダルトチルドレン的な要素を抱えていたりします。
しかし社会生活の中で困るほどのアダルトチルドレンであれば、やはり克服したほうが幸せに生きていくことができます。
アダルトチルドレンであるということに気が付かず、そのままの価値観や思考パターンを繰り返しているといつかは限界がやってきます。
そしてつらい状態のまま克服できずにいると、二次的にうつ病や依存症などの精神疾患にかかってしまうことになります。
アダルトチルドレンを克服しないと、二次的に精神疾患のリスクが高まるといえるのです。
そうならないためにもアダルトチルドレンであることを自覚したら、克服する方法を考えることが必要となります。
あせらず、ゆっくり克服していこう
長い時間をかけてアダルトチルドレンは形成されます。
そのように時間をかけて作り上げた考え方や価値観は中々かわるものではありません。
時間がかかってしまったり、中々克服できなくても当たり前のことです。
辛ければ辛いほど克服までに時間がかかります。
しかしアダルトチルドレンであるということに気がついて、克服を志した時から今までの自分とは違う自分になっているのです。
残りの人生を幸せに豊かに生きていくために、克服への道を踏み出したことはとても勇気のいることだと思います。
それだけで大きな進歩なのです。
中々成果がでないと感じたり治らないと感じても、自分のせいにせず、ゆっくり克服していきましょう。