七五三の着物はどう準備したらいい?3歳・7歳の着物の選び方!
「失敗しない七五三の着物(3歳・7歳女の子)の準備と着付けのコツ」を写真館で働いた経験を持つ筆者がお手伝いします!七五三を迎える3歳と7歳の娘たちに自分で着物を準備して思い出に残る七五三をお祝いしたいと願うママたちを応援します!
目次
七五三の着物は女の子の年齢別に違うの?
小さな背中に肩上げがされた真新しい着物、七五三の季節に着物を着て神社にお参りする女の子は、誰もが目を細めてしまうほど可愛らしいものです。七五三を目前に着物にしようか、はたまた洋服にしようか、悩んでいるママたちも多いのではないでしょうか。
七五三の中で女の子のお祝いといえば3歳と7歳ですね。今回は七五三の着物に注目して着物の選び方や着付けのコツをご紹介しましょう!
着物のサイズ
本来は着物にもさまざまなサイズがあるのですが、現在は限られた時にしか着物を着ることがないため耳にするサイズも限定されつつあります。
■一つ身
お宮参りの時の「産着」は背中に縫い目のない「一つ身」という裁ち方の着物です。反物の幅いっぱいで後ろ身頃を取るために背中に縫い目がありません。だいたい2歳くらいまで着ることができます。
■三つ身
七五三の3歳の子にちょうどいいくらいの着物です。後ろの背中心に縫い目がある着物で背の高さにもよりますが、だいたい2歳から4歳くらいまで着ることができます。
■四つ身(大四つ身)
七五三の7歳の子が着ることができるサイズの着物です。7歳から9歳くらいが着ることのできるサイズです。柄も成人式の着物のように華やかなものが多く、振袖のミニチュア版といった感じの着物です。
仕立て上がり販売されているものにはおおむね◯歳用と表記されていますので参考にしましょう。多少サイズの違いがあっても肩上げや腰上げ(おはしょり)で調節できるので大丈夫なのですが、袖(そで)の振りの長さには注意しましょう。着物においては上げをすることは良いことなのですが、袖に上げをすると色柄に障ってしまうため、引きずらない長さのものを選びましょう。
3歳の着物は被布が決め手!
七五三の3歳には「被布」といった綿入りのベストのようなものを着ることが多くなりました。本来は3歳にも帯を締めていたのですが、慣れていないため子供によっては嫌がってしまったり、じっとできなくて帯が結びづらいといったことから、帯よりも簡単に着付けられる「被布」が主流になりつつあります。
「被布」を着ると着物の半分ほどの色柄が被布で隠れてしまいます。そのため「被布」の色やデザインも重要になってきます。着物に柄が多い場合には被布はシンプルなものを選ぶなど色柄の対比を楽しみましょう。
また、後から被布を買い足すといった場合には着物との色柄のバランスを合わせることはもとより、正絹の着物には正絹の被布を、といった具合に布の素材も揃えておきましょう。
ところで皆さんは産着の袖を縫って紐を付け替えれば、3歳の着物として着ることができるのを知っていましたか?
赤ちゃんのお宮参りに着る産着(一つ身)は、少し手を加えれば3歳で着ることができます。産着は袖口側が縫われておらず袂にカーブが付いていないのに対して、3歳の着物の袖は前側が閉じられていて袂に丸いカーブがつけられています。
女の子の産着をあつらえた方は、縫い直してもらって思い出に残る3歳の着物にしてみませんか?また3歳の着物にすることを考えながら産着の色柄を決めるのも素敵ですね。
7歳の着物は帯を結ぼう!
7歳は3歳と違い帯を締めましょう。帯を結ぶことで大人へと近づいていく成長の証の儀式だからです。本来は大人と同じように子供用の袋帯を使って帯結びをするのですが、最近は形作られた帯を固定するタイプの「作り帯」といったものもあります。
しかし7歳ともなると、大人と同じ帯結びの着付けにも耐えられる体力と集中力が身についています。せっかくでしたら「作り帯」ではない帯結びを体験させてあげるのもいいですね。意外と成人の着付けよりも7歳の子の方が我慢強く立っていてくれるのに驚きます。
七五三の着物で準備するもの
着物をレンタルしたり自分で準備する時にはどのようなものが必要になるのでしょうか。レンタルの場合はセットで貸し出されますし、肩上げ・腰上げ・半襟つけを別途料金でしてくれるところもありますので確認してみましょう。
自分の子供の頃の着物を使ったり親類の人から借りる場合には表を参考にひとつずつチェックし、事前準備をしておきましょう。
3歳・7歳共通 事前準備 [肩上げ]
七五三のお祝いの着物にはどの年齢の着物にも肩上げをしてあげましょう。肩上げにはサイズを調整する役割とともに、「これからも大きくなるように」と子供の成長をねがう意味が込められています。肩上げなしで着れそうな着物も数ミリでもいいので肩上げをしてお祝いの気持ちを込めてあげましょう。
着物に肩上げをした場合、襦袢も忘れずに肩上げをしておきましょう。袖の長さが変わってしまうため、襦袢が袖口から出てしまいます。最近のレンタル着物の襦袢には袖がついていないタイプのものがありますが、その場合は襦袢の肩上げは必要ありません。
3歳・7歳共通 事前準備 [半襟つけ]
動画は大人用の半衿の付け方ですので無地ですが、女の子の着物には白色柄つきの刺繍半襟がかわいいですね。半襟は洗濯できるように正絹よりもポリエステル製がおすすめです。
伊達襟は七五三着物の場合、着物に縫い付けられている場合が多いのですが、ついていないタイプのものは大人用の色柄つき半衿でも代用することができます。ただし大人用の伊達襟は幅が広く、動いているうちに出てきてしまうので使わない方が無難でしょう。
3歳の被布姿で準備するもの
着 物 | 小 物 | あると便利なもの |
3歳用着物 | 足袋 | 着物クリップ |
被布 | 草履 | タオル2.3枚 |
襦袢(半襟付き) | 巾着 | サージカルテープ |
髪飾り | ヘアピン | |
腰紐2.3本 |
*足袋と草履はサイズを確認し、草履は当日までに鼻緒をのばしておきましょう。
*3歳でも帯をしめる場合には7歳の準備表の帯の欄に書かれてあるものが必要です。
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商品の購入はこちら小さなお子さんは動きが激しく、裾を踏んでしまう心配があるため3歳の子は腰上げをしておくと便利です。裾をくるぶしくらいに合わせて余ったところを事前に上げておくと当日の着付けがスムーズに進み安心です。
3歳は肩上げも腰上げも被布で隠れてしまいます。チャレンジしてみたけどできなかったという人には裏技として小さな安全ピンで数カ所止めるという荒技があります。しかし、どうしても着物に穴があいてしまいますのでご自分の着物の場合のみ了承の上でおこなってください。正絹の着物はデリケートなので特にご注意ください。
7歳の着物で準備するもの
着 物 | 帯 | 小 物 | あると便利なもの |
7歳用着物 | 帯(作り帯か子供用帯) | 足袋 | 着物クリップ |
襦袢(半襟付き) | 帯揚げ | 腰紐3.4本 | タオル2.3枚 |
帯締め | 伊達締め | サージカルテープ | |
帯板1枚(結び帯は2枚) | 草履 | ヘアピン | |
しごき | バック | ||
帯枕(作り帯は不要) | 扇子 | ||
三重ひも(作り帯は不要) | 箱せこ | ||
びら簪 (箱せこ飾り) |
|||
髪飾り |
*足袋と草履はサイズを確認し、草履は当日までに鼻緒をのばしておきましょう。
7歳の着付けは帯を除けば大人の着付けと同じです。着崩れを防ぐには線でしめる腰紐に加えて面でしめる伊達締めがあると楽にしっかりと止めることができます。なければ大人用でも使えますので特別に子供用を購入する必要はありません。
七五三の着物の着付け方を動画でチェック!
自分の手で子供たちに着物を着付けてあげたい!というママのために着付け手順とちょっとしたコツをお伝えします。レンタルセットや着付けセットに入っているもの以外にタオル・サージカルテープ・着物クリップ・ヘアピンを用意しましょう。
大人の着付けも同じですが、補正というのは子供にも必要です。着崩れをふせぎ、紐が肌に当たらないようにすることで違和感や痛みを和らげてくれます。
着付けた後に襟元からシャツが見えないように、下着は丸首のシャツは避け、U首やタンクトップ型のシャツにしましょう。
3歳の被布の着付け
3歳の着付けの場合の注意点はとにかく手早くすることです。この年頃のお子さんは体力や集中力が十分でないためジッとしていることがむつかしい場合があります。そんな時には1話完結型の10分ほどの動画を見せながらヘアセットや着付けを行ないましょう。意外とすんなり着付けさせてくれます。
着付け後はきっちりしていたのに参拝途中に着崩れてきた。なんてこともありますよね。中でも着崩れやすいのは襟元です。襦袢を着付けた時に見えない場所に新しいヘアピンを差し込んでおくと襟元がゆるむのを防いでくれます。ただし新品のヘアピンでないとサビがついてしまいますのでご注意ください。
7歳の着物の着付け
7歳の着付けでの注意点はお尻の上の補正をしっかりとすることです。7歳の女の子は腰回りが細いことが多く、特にお尻の上の部分がひっこんでいます。ここにシワがよりやすくなるため、しっかりと補正してシワを伸ばしながら着付けていきましょう。
子供用の帯板や帯枕が手に入らない時には身近にあるもので代用しましょう。帯板は厚紙を帯の幅に合わせて帯板の形に切って代用することができますし、帯枕はプチプチの梱包材を帯枕の大きさにたたんで、着物のひもをつけると代用することができます。
「しごき」が手に入らなかったり扱いづらい場合には大人用のちりめん素材の帯揚げを使いましょう。この場合には1巻きでリボンにくくるとスッキリとした後ろ姿になります。また大人用の伊達襟を使うと色柄付きのものも多いため、花嫁さんの抱え帯のように着付けることができます。
お子さんの着付けに限らず成人式の着付けにも活用できるのですが、メガネクリップやバチクリップのような小さなクリップを2つ持っておいて着付けの最後に振袖の根元の脇の下の部分をクリップでとめておきましょう。着物の生地が傷まないようギザギザしたクリップは避けましょう。
そうすることで袖の部分から襦袢が出るのを防ぐことができます。また、車に乗る際などには袖を半分に折ってクリップでとめると着物をタイヤで汚してしまうのを防ぐこともできます。写真の撮影の際には忘れずにとりましょうね。
七五三の着物の選び方
着物の表生地の素材は大きく二つに分けられます。昔ながらの「正絹(しょうけん)」と呼ばれる最高級の絹織物と現代の「ポリエステル製」の便利な着物です。最近はポリエステルの品質もよくなり、質の良いものは写真で見ただけでは見分けがつきません。
「正絹」は手触りが滑らかで独特の光沢があり、管理をしっかりとすれば次世代まで受け継ぐことが可能です。「ポリエステル製」は色柄の発色が鮮やかで管理も比較的簡単で「正絹」に比べると安価です。
ここ数年、大人の着物もアンティーク着物が流行っていて「正絹」の人気が高くなりました。二つを並べると「正絹」と「ポリエステル」の差は歴然です。ベストは「正絹」ですが、管理や利用回数も考えながら着物の素材を決めましょう。
ポリエステル素材は正絹に比べると滑りやすく着崩れしやすいといった欠点を持っています。特に作り帯はポリエステルの場合が多く、ずれてしまうことがあります。移動の際には注意してあげましょう。簡単な直し方を動画で確認したり、着付け担当の人に聞いておくと安心ですね。
色で選ぼう
赤はいつの時代にも女の子に人気の定番色です。最近の傾向としては水色などのパステルカラーに加えアンティークな紫や濃紺・萌黄色などの伝統色が加えられてきています。
スポーツを頑張っている7歳の女の子は、時期によって日焼けしていることも多くあります。そんな時にはパステルカラーよりは赤や緑などはっきりとした色柄の方が肌の色に馴染みます。色白な女の子はパステルカラーを選んで少し濃いめの伊達襟で引き締めると顔まわりが引き立ちますよ。
柄で選ぼう
少し前までは小さな柄が一面に描かれているものやリボンやレースをあしらったものが多かったのですが、近年は大きめのはっきりとしたレトロな古典柄が多くなってきています。様々な色柄のものがありますので、選ぶ時には違ったタイプのものをあててみて、どちらが似合うか確認してみましょう。
最後には子供
過去の経験で痛感したことは、大人がいいと思う着物が必ずしも子供の好みと一致するとは限らないということです。
ある7歳の女の子は、着物の打ち合わせの時、瞬時に黒地の正絹の着物を選びました。その着物は質は良いのですが色柄がおとなしい着物だったため、大人たちは別の赤の着物を進めました。
しかし、子供は一度決めると揺らぎません。結果その子は長時間の撮影にもかかわらず、自分の選んだ着物で誇らしげに写真におさまっていました。七五三は本来、子供のための儀式ですから子供が望むことが一番ですね。
七五三がどんなお祝いなのかもチェックしておこう!
七五三とはそもそもどんなお祝いなのでしょう。じつは、それぞれに違った時代の儀式が集まって現在の七五三としてお祝いされているのです。
3歳は「髪置きの儀」 3歳までは剃っていた頭髪を伸ばし始めることを祝う儀式
5歳は「袴着の儀」 男の子がはじめて袴を身につけることを祝う儀式
7歳は「帯解きの儀」 大人と同じように帯を結べるようになったことを祝う儀式
昔は子供の頃に命を落としてしまうことが多かったため、それまで無事に成長できたお礼と、先の健康と成長を祈願して儀式を行なっていました。これが七五三になったといわれています。
かわいい着物で子供を輝かせよう!
子供の成長は親にとっても嬉しく誇らしいものです。しかし中には着物を嫌がってしまう子もいます。他の子はできているのにうちの子は...と残念に思うことはありません。その時に無理強いをしてしまうと着物に対するイメージが嫌なものになってしまうことがあります。
一番大切なのは子供達が笑顔で七五三を迎えられることです。成長した時に思い出に残る七五三が迎えられといいですね。