子供のお小遣いの相場はいくら?金銭感覚を学ばせる渡し方・注意点も!
子供のお小遣い、皆さんはどのような方法で与えていますか?早いうちからお金の大切さを学ばせたいからと、幼児期から与えている家庭もあれば、高校生になった子供のお小遣いの金額に悩む家庭もあります。今回は、子供にお小遣いを与えるメリット・デメリットを詳しく解説します。
目次
子供にお小遣いはいくらあげるべきなの?
子供が3〜4歳になると、スーパーや駄菓子屋でお菓子を買いたがったりガチャガチャをしたがったりするようになることも多いのではないでしょうか。それらを見兼ねて幼児期からお小遣いをあげているという家庭も最近は少なくありません。また、中学生や高校生へ与えるお小遣いの平均はいくらくらいが妥当なのでしょうか。早速見ていきましょう。
子供へのお小遣いはいつから?金額相場は?
子供へお小遣いをあげる時期は小学生からという家庭が最も多く、小学校低学年〜高学年まで100円×学年(年齢)であげるのが平均的な金額のようです。この他にお手伝い等で10円〜100円もらえる歩合制を取り入れている家庭もあり、結果1,000円前後の平均額をあげていることになります。また、中学生の平均額は2,500円前後、高校生の平均額は5,000円前後です。
ただし、お小遣いをあげる時期については他の家庭に振り回されないようにしてください。近頃は未就学時期からお小遣い制を導入している家庭も多くありますが、大切なのはお金の使い方を学ばせられるかどうかです。一般的な平均額に合わせてお小遣いをあげる前に、家庭内でしっかりと話し合いをしましょう。文字が書けて計算ができるようになったらお小遣い帳を与えてみるのもいいかもしれませんね。
子供にお小遣いをあげる4つのメリット!
お金の大切さを学ぶ
ガチャガチャやお菓子、おもちゃ等、子供はその時目に付いた物を欲しがることがありますよね。そんな時、買ってもらえるまでその場を動かなかったり、床に寝っ転がって駄々をこねたりといった光景を目にすることもあります。こうした子供の行動は、お金を出せば物が手に入ることは理解していますが、お金の発生源が分からず制限なく出てくると思い込んでいる可能性もあります。
そこでお小遣いを与えて自分でやりくりさせると、我慢することができるようになってお金が大切な物だと認識するようになるのです。高校生にもなるとお金の発生源が明確に分かるので、お金の大切さを学ぶと共に両親への感謝の気持ちが大きくなることでしょう。
金銭感覚を養うことができる
親に買ってもらっていた物というのは、金額を把握していないことがほとんどです。それが自分のお小遣いの中から購入しようとなると、持っているお金で足りるのか値段を見て計算しなければなりません。食べたいから買って欲しいと駄々をこねていたお菓子が150円もしたり、当たり前のように食べていたパンが200円もすることに驚きます。それとともに、品物の価値や平均額が自然と分かるようになるのです。
自主性や計画性が育つ
子供にお小遣いを与えると、自主性や計画性を育むこともできます。1ヶ月分のお小遣いを初日に使い込んでしまっては、月末に使えるお金は当然少なくなりますよね。こうした体験を身を以て知ることでやりくりが上手になり、先を見通す力が備えられます。
また、「来月のお祭りのために今月のお小遣いの半分は手をつけないでおこう」「夏休みにレジャー施設に出かけるから、今のうちから貯金しておこう」等のように、お金を貯める力をつけることもできます。こうした自主性と計画性を子供の頃から養っておくことは、将来親元を離れた時の金銭管理能力にも繋げることができるのです。
失敗しても経験を積むことができる
お小遣いをもらうようになると、お金の使い方で失敗することもたくさんあるのです。例えば、本当に欲しいのかどうか悩みながらも手元にお金があったから買ってしまい、帰ってきてから後悔することもあります。値段を見るのを忘れてレジに行ってしまい、お金が足りずに返すことになることだってあります。しかし、こうした苦い経験を子供のうちにしておくことで、将来お金の使い方で失敗することが少なくなるのです。
子供にお小遣いを定額制であげるメリット・デメリットとは?
子供にお小遣いを定額制であげるメリット
子供にお小遣いを定額制であげるメリットは、金銭感覚を養うことにダイレクトに繋げられることです。1ヶ月分のお小遣いの「金額」と「いつもらえるのか」を把握することで、お小遣いを使う計画を立てやすくなります。数ヶ月先で多めにお金を使いたい月があれば、やりくりして貯金をすることもできるのです。定額制のお小遣い制度は金銭感覚の失敗も成功も学び、将来自分の給料管理に役立てることができます。同時にお小遣い帳をつけるようにすれば、将来家計簿をつける時にスムーズに始めることができるでしょう。
子供にお小遣いを定額制であげるデメリット
お小遣いを定額制であげるデメリットは、お金は親がくれる物という認識を与えてしまうことです。定額制でお小遣いを与える時はお金の使い方を教えるだけでなく、どこからどこまでを親が買うのかというのも重要視しましょう。ただし、それは子供が買うと言った・言わないと親子喧嘩に発展するデメリットもあるので注意してください。お小遣いをあげるタイミングでお小遣い帳を与えて、親と子供がそれぞれ購入する品物の範囲をお小遣い帳にメモしておくといいですね。
子供にお小遣いを変動制であげるメリット・デメリットとは?
子供にお小遣いを変動制であげるメリット
変動制のお小遣いというのは、掃除のお手伝いをしてくれたら50円、洗濯のお手伝いをしてくれたら80円、テストでいい点を取ったら100円等、条件をクリアしたらお小遣いがもらえるという方式です。金額は条件によって様々で、働くことで報酬が得られることを学ぶきっかけにもなります。また、簡単にお金を手に入れることができないということも理解してくれるでしょう。変動制のお小遣いを上手に与えることができると、お金がいかに大切かを学び我慢することもできるようになります。
子供にお小遣いを変動制であげるデメリット
一方で、お手伝いをするのが報酬目的というように考えるデメリットもあるので注意しましょう。テーブルを拭く等の小さなお手伝いでも、お願いすると「10円くれるなら」や「いくらくれるの?」といった返答をされてしまうこともあるのです。また、お金をくれないのならお手伝いも勉強もしないといった態度をとる子供もいます。これらのデメリットを避けるためにも、自分の子供の性格をきちんと考えたお小遣い制度を導入するよう注意してください。
お小遣い変動制のデメリットの打開策は?
定額制のお小遣いは毎月勝手にお金が入ると感じるデメリットがあり、変動制のお小遣いは条件がなければお手伝いをしてくれなくなってしまうデメリットがあります。この2つのデメリットをプラスに変えるためには、定額制と変動制を組み合わせたお小遣い制度を導入するのです。定額制のお小遣いはあらかじめ少なめに設定し、お手伝いの対価として報酬分を与えます。
この時、「はい、お金」と渡すのではなく「ありがとう、お手伝いしてくれたおかげで助かったよ!」と感謝の気持ちを伝えることを忘れずに行うよう注意してください。こうすることで、お手伝いをしたこととお金をもらうこと、両方の大切さを学ぶことができますよ。
子供に金銭感覚を学ばせるお小遣いの渡し方5選!
お小遣いの金額を決める
子供に金銭感覚を身につけさせるお小遣いの渡し方において、お小遣いの金額をいくらにするのかを決めるのもポイントです。小学生の平均は学年×100円や年齢×100円ですが、それだと中学生・高校生の頃に少なく感じることもあるでしょう。また、家庭の方針や周りの環境によってもお金の使い方は変わってくるので、どれくらいの金額が平均であるかどうかは一概には言えません。お小遣いの金額を決める時は他所の家や平均額をあてにせず、子供が自分で管理できる範囲内の金額を考慮しましょう。
お小遣いの使い道のルールを決める
お小遣いをあげる時は、お小遣いで購入する品物の範囲をあらかじめ決めておきましょう。お小遣いを渡しているのにも関わらずほとんどの物を親が購入してしまえば、子供がお金に困ることはありません。それどころか、金銭感覚が身につかずゲームセンター等の遊びに使って終わり、といったこともあるので注意しましょう。
例えばですが、小学生のうちは学校で使う最低限の文房具は親が購入し、可愛い鉛筆や消しゴム等の子供が趣味で集めたい文房具はお小遣いから出す、というようにルールを決めます。また、高校生になったら親が購入する分のお金を持たせて自分で購入させるのもいいですね。親子でしっかりと話し合い、決めたルールが一方通行にならないよう注意しましょう。
子供にお小遣い帳をつける習慣づけをする
初めて自分で自由に使えるお金を手にするのですから、お金の使い方に無駄が多くなるのは仕方のないことです。しかし、どの商品が無駄遣いかそうじゃないのかは親ではなく子供自身が感じて決めることなので、親が安易に「無駄遣いだよ」と口出ししてはいけません。その代わり、お小遣い帳をつける習慣を作ってあげましょう。お小遣い帳に書き込むのが習慣になったら1人で管理させ、お小遣いをあげる時に前月のお小遣い帳を一緒に振り返ってみると無駄遣いに気付くことができます。
高校生にもなるとお小遣い帳をつけなくてもお金を管理することができることと思いますが、将来親元を離れた時のことを考えたらお小遣い帳の習慣は続けたほうがいいでしょう。お小遣い帳が面倒に感じる高校生には、お小遣い帳アプリで管理させるのもおすすめです。
【小さな子供向け】お小遣いを小銭であげる
小さな子供がお小遣いを使って購入する物といえば、小銭で購入できるようなお菓子やガチャガチャがほとんどです。そのため、500円玉を渡すのではなく100円玉を5枚、そのうちの1枚は50円玉が2枚、もう1枚は10円玉を10枚というように、小銭を渡しましょう。10円の商品に対して100円玉を出すとお釣りは90円と減るのですが、小銭が5枚になってお金が増えたと認識する子供もいます。まだ上手に計算ができない子供には小銭を渡すことで、お金の減り具合が目で見て分かるようになりますよ。
【小さな子供向け】週単位、1日単位でお小遣いをあげる
お金の大切さがまだ分かっていない子供は、手元にあればあるだけ使ってしまう可能性もあります。あげたお金が一瞬でなくなって次のお小遣いは1ヶ月先では、我慢できずにプラスのお小遣いを要求することになりかねません。お金の使い方に慣れないうちは、1日単位で少額ずつお小遣いを渡してみましょう。少しずつ我慢が効くようになったら週単位に延ばし、欲しい商品の優先順位をつけながらお金を貯められるようになったら1ヶ月ずつお小遣いをあげるようにしてみてください。
子供にお小遣いをあげる際の4つの注意点!
お小遣いの前借りは認めない
子供にお小遣いをあげる時は、前借りを認めないよう注意しましょう。1度でも許してしまうと手元にお金がなくなっても親がなんとかしてくれると考えるようになり、今後も我慢することなくお金で親を頼る可能性が高まります。
可哀想に思えても、お金の大切さを学ばせるチャンスだと捉えて次回のお小遣い日まで渡さないよう注意してください。高校生にもなれば欲しい物を購入するために貯金ができるようになりますが、小さな子供はそれができません。欲しい物があったら毎月いくらずつ貯金していく、といった提案を出す等して、失敗を活かしてあげましょう。
年功序列のお小遣いアップはNG
学年が上がったり、中学生から高校生になったりした時にお小遣いが自然とアップするのは普通のことのように思えます。しかし、こうした年功序列のお小遣いアップをすると、努力や苦労をせずに入ってくるお金が上がると考える子供も多くいます。
お小遣いをアップして欲しいのなら、「◯◯のお手伝いを頑張るのでお小遣いをあげて欲しい」「高校生になったから今より遅い時間まで部活動に打ち込める。そのためには△△が必要なのでお小遣いをあげてください」というように親にプレゼンテーションをするよう勧めてください。お金の大切さを学ぶだけでなく、交渉能力を育むこともできるのです。
子供のお小遣いの使い道に口を出さない
子供にあげたお小遣いはその時点で子供が自分に使うため、いわば他人のお金というように構えましょう。どんな風にやりくりをするのか、何を購入するのかは子供に任せてみてください。最初はざっくりとしか使い道を考えることができないかもしれませんが、無駄遣いを後悔していくうちに上手にお金を使えるようになります。
もしも子供が買い物で悩んでいた時は、アドバイスをするようにしましょう。欲しい商品の金額がお小遣いでは足りない時、お小遣いをプラスするのではなくどのようにして貯金していくかを一緒に考えてあげてください。
お金を与えすぎない
お小遣いをあげる時は、お金を与えすぎないように注意しましょう。お金はもらえる物という認識が強くなり、金銭感覚が身につきません。お金がなくなったら人を頼ればいいといった考えになってもおかしくはないのです。また、祖父母が孫に会うたびお金を与えることも多くありますが、そのお金の使い道をどうするのかあらかじめ決めておきましょう。お札なら小銭にして、半分は貯金箱に入れてもう半分はお小遣いにするのもいいですね。日頃から欲しい物をメモしておいて、その商品に充てるのもおすすめです。
子供がお小遣いアップを要求してきた時の対処法は?
子供がお小遣いアップを要求してきた時は、年功序列のお小遣いアップと同様に具体的な理由を聞き出すようにしてください。理由が曖昧な時は掘り下げて聞き出さないと、でっち上げでお小遣いを多くもらおうとする可能性もあります。なぜお小遣いをアップしなければならないのか、やりくりして間に合わないのか、しっかりと話し合うようにしましょう。そして、お小遣いをアップする時も見送る時も、理由を説明してあげることで子供も納得することができます。
【番外編①】お小遣いをあげない家庭が急増中!その理由とは?
お小遣いの平均額やあげる際の注意点が気になる一方で、お小遣い自体をあげない家庭も急増しています。それは、子供同士のトラブルを避けるためでもあるようです。例えばお小遣いをもらっている子供ともらっていない子供が一緒に駄菓子屋に行き、駄菓子をご馳走する等の行動をすることがあります。その時はよくても、後々のトラブルになり兼ねないので、お小遣いをあげていないのです。
また、高校生にもなるとお昼休みや部活帰りに買い食いすることも多くなりますよね。そうすると毎月のお小遣いだけでは足りなくなるので、毎日買い食い分の金額を渡したり必要な物があったらその都度お金を渡したりする家庭が多くなっています。
【番外編②】お年玉等の臨時収入はどうしたらいいの?
お年玉等の臨時収入は、各家庭によって使い道は様々です。高額なお年玉は親が全て貯金するといった家庭が多い中、近年ではもらったお年玉の全額を12ヶ月分で割って出した平均額を毎月のお小遣いとして渡す家庭も増えてきました。臨時収入の使い道は各家庭それぞれなので、まずは親子で話し合ってみましょう。
子供にお小遣いをあげる前にお金についてしっかり親子で話し合おう!
一言にお小遣いといっても渡し方を意識するだけで、お金の大切さや将来の家計管理、交渉能力等、様々な能力を養うことができます。お金のやりくりも働くことの大切さも学ばせたいのであれば、定額制とお手伝い等で稼ぐ変動制の2つを取り入れてみてください。お金の使い方は学校で学ぶことはできません。せっかくの機会ですから、子供にただお小遣いを渡すのではなく、金銭感覚が身につくようにサポートしてあげましょう。