「予防線を張る」の意味や使い方とは？予防線を張る男女の心理も！

「予防線を張る」には2つの意味があります。1つめは敵の攻撃などに備えてあらかじめ警戒、監視などをする手段という意味で、2つめはあとで失敗したり非難されたりしないように前もってうっておく手段という意味です。「予防線」というのはもともと戦術を意味しています。警戒や監視のためにあらかじめ手配しておく区域のことを指し、それを設けることを「予防線を張る」と言いました。転じて人対人にも使用するようになったのです。

「予防線を張る」の使い方の例はこちらです。「相手に期待しすぎないように予防線を張った。」「予防線を張って相手が誤解しないように言葉を付け加えた。」「予防線を張っておかなかったことを後悔した。」など、自分を守るためや相手を傷つけないように予防線を張るなどの自分や誰かを守るために使う使い方が非常に多くなります。また、心や体裁、立場などを守る使い方が主で、病気や怪我から体を守る使い方はあまりありませんでした。

「予防線を張る」の意味は自分をガードしたり、相手を守る意味を持ちますが、それに似た類語はいくつかあります。そのうちの「予防線を張る」に最も近い類語を3つを紹介します。

「布石を打つ」は囲碁から来ている言葉です。囲碁での意味は、序盤で局面を見据えてあらかじめ石を打つことになります。それが転じて、将来を見越してあらかじめ手段を講じておくことを指すようになりました。使い方は、「勝利のための布石を打つ」「合格のための布石を打つ」などです。

「対策を打っておく」の意味は「予防線を張る」とほとんど同じで、前もって対策を講じておくことを指します。使い方は「間違いの無いよう対策を打っておく」「何かあっても対応できるよう対策を打っておく」などです。使い方も「予防線を張る」とほぼ同様です。

「予防する」は「予防線を張る」とほとんど同じ意味で、悪い事態の起こらないよう前もって防ぐことです。「予防線を張る」より「予防する」方がより直接的な印象ですが、使い方は「虫歯にならないよう予防する」「太らないよう予防する」「インフルエンザが流行らないよう予防する」などになります。どちらかというと体を病気や怪我から守る使い方が多いですね。

「予防線を張る」の英語表記は"take precaution against"となります。"take precaution"は「予防措置を取る」という英語表現です。"against"は「～に対して」という意味を持つので、「～に対して予防措置を取る」となります。ほかに"to take precaution"、"to set a guard against attack"なども「予防線を張る」と同じ意味です。

では「予防線を張る」男性の心理について見ていきましょう。男性が予防線を張っている時にはどんな心理が働き、友達同士なら何を守ろうとしているのか、恋愛としてならどんな意味が込められているかなどを説明します。

男性が予防線を張る場合、プライドを守りたいという心理が働いている場合があります。特に男同士の友達だとそのような心理が働き、例えば恋愛の話で盛り上がったときに相手が恋愛経験が豊富であると、経験が乏しかったりする自分のプライドを守るために予防線を張るのです。相手が仕事で自分よりも優れている場合も同じく、自分が傷つかないよう、相手にばれて惨めな思いをしないようにしたいという心理が働きます。

男性が恋愛において予防線を張る場合、好みの女性に近づきたい、お近づきになりたいという心理が働いています。特に彼女や妻がいるにもかかわらず、他の女性に興味を持ち肉体関係を結びたいという心理が働いている時に予防線を張りやすいです。特別な女性がいる男性ほど予防線を張り、結婚指輪を外すなどして巧みにその存在を隠し、好みの女性に近づこうとする傾向があります。

では次に女性が予防線を張る場合はどんな心理が働いているのか説明します。女性が予防線を張る時、友達同士ならどんな意味を持つのか、恋愛においてはどのような心理が働いているのか、男性と女性との違いなどを紹介していきます。

女性が予防線を張る心理として、相手と関わりたくない、興味が無いという意味があります。特に恋愛において多く働き、彼氏や夫のいる女性が自分の身を守るために予防線を張ることが多いです。男性は浮気がばれないよう彼女や妻に予防線を張り、女性は男性に浮気されないように予防線を張るという違いがあります。そのため、浮気と思われそうな行動すら女性は自分からはしようとはせず、他の男性を拒否するように予防線を張るのです。

女性の予防線を張る心理として、相手よりも優位に立つために見栄を張って予防線を張ることがあります。これは女同士の友達同士で多く見られ、一人の男性を取り合っている女性同士や友達同士の見栄の張り合いなどで使うことが多いです。男性のプライドを守る心理に似ていますが、どちらかというと相手を蹴落とす心理が働いているため若干違います。男性を勝ち取りたい、もしくは仕事で相手よりも認められ優位に立ちたいなど自分に注目してほしいと言う心理が働き予防線を張ったりします。

恋愛において、相手をやんわりと拒否したいときに使える方法が「予防線を張る」言葉や行動です。男性でも女性でも共通して恋愛ではっきりと拒絶してしまうことが出来ない場合が出てきます。相手を傷つけずに断りたい、好意は感じるが好きな人が別にいることをそれとなく伝えたい時などに使える方法が「予防線を張る」です。

例えば、相手に恋人の存在をほのめかして予防線を張り、距離を置くことも出来ますし、自分の好みの異性をそれとなく言葉に出して予防線を張るという方法もあります。相手に「好き」とはっきり言われる前に行動することで、厄介な恋愛沙汰になることを予防する効果が期待できます。

恋愛で予防線を張りたいときに具体的にどのように行動すればさらに効果が倍増するのかを紹介します。男性は周りの女性が自分をどう思っているかということにあまり興味がない傾向があり、対して女性は男性と違って、恋愛対象に思っていない男性に対し、しっかりと予防線を張りたい人が多くなります。ですが、ここでは女性でも男性でも使える予防線を張る方法を紹介するので、興味がある方は実践してみてください。

誰かに嫌われる、というのはあまり気が進まないかも知れません。しかし､恋愛で相手と距離を取りたい場合、あえて軽く嫌われるような行動を取ることが良いときもあります。明らかに敵意を持って嫌われようとすると、他の人間関係にも悪影響が出てしまうかも知れません。あくまでも軽く、相手を傷つけないようにです。

方法としては、好意を持たれるような行動と逆のことをします。例えば、相手が何かしてくれたときに普通なら「ありがとう、嬉しい」程度ですが、あえて相手が喜ばない言葉を選択します。「元彼も似たようなことをしてくれて嬉しかったんです。」、「彼女も上手だけど、あなたも上手ですね」など、相手のことを恋愛対象として見ていないことをさりげなく伝えましょう。相手が「ちょっと脈がないかも」と思えばそのまま距離を取ることができるでしょう。

相手が自分の好みの異性を尋ねてきたらしめたものです。予防線を張る方法をここで使うことができます。使い方は、「理想のタイプは？」などと質問されたら、相手と真逆のタイプを答えましょう。相手が背が高ければ「背が低い人」、細身の人なら「ふくよかな人」「筋肉質な人」などです。

性格や仕事内容、学生なら学部などで真逆なものを選択します。そうすることで相手が自分に期待することがなくなり、距離を取ることができるでしょう。男性が女性に対して使う場合も同様で、真逆のタイプを言うことで女性はある程度察し、身を引きます。

連絡を取り合う場合に、相手から好かれたい場合は連絡のやりとりを積極的にし、返事が来たら即返信！みたいなやりとりがあります。しかし、予防線を張りたい場合は逆です。綿密なやりとりをすれば相手は期待します。

ここはあえて自分からは特に連絡を取らず、受け身になり、さらに相手から連絡が来てもある程度時間をおいてから返信するようにしましょう。なかなか返事が返ってこなければ相手も自分に興味が無いことを感じ、距離を取るようになります。

二人きりになることは避けましょう。なぜなら、女性でも男性でも自分と二人きりになると言うことは相手も自分に気があり、チャンスがある、と期待してしまうからです。徹底的に二人きりを避け、例えば「一緒に出かけない？」「ちょっと二人で話したいことがあるんだけど」などの誘いがあっても「時間がとれなくて」「今ちょっと忙しくて」など断ったり、「友達も一緒でもいい？」と提案したりします。

男性でも女性でも同様に使える方法で、とにかく二人きりになることを避けることで相手が距離をとるようになるでしょう。

「誰か紹介して」と相手に頼むということは、完全に「あなたには恋愛感情がありません」と暗に言っていることになります。男性でも女性でも、相手と距離を取りたい場合に使える方法で、直接「興味がない」と言っているわけではないので角も立たないですし、やんわりと「あなたに好意がない」ことを伝えることができるでしょう。

次に紹介するのは、浮気をしている場合に予防線を張る方法です。浮気をするのは「悪いこと」という自覚が言葉にしなくても心のどこかに誰しもあります。浮気をしている男性、または女性はその事実に気づかれないように試行錯誤し、ばれないように予防方法を考えています。

相手がこのような予防線を張っていれば浮気をしているのではないか、自分が浮気相手ではないのか、と疑うことが可能です。

浮気の場合、相手が浮気でも自分は本気で付き合っている場合があります。そんなとき、相手が言うのが「この関係は二人だけの秘密にしよう」「周りにばれると恥ずかしいから内緒にして」など関係を隠す言葉です。二人だけの恋愛にしようとしている人は浮気をしているから予防線を張っているのでは、と疑うことが出来ます。

現代は携帯が連絡方法として最も一般的です。メールや電話の履歴から浮気がばれたり、SNSからばれることもあります。浮気をしている人は証拠が残らないように徹底しています。写真を拒否したり、携帯を2台持っていたり、SNSをしていることを隠しているなどの素振りがあれば自分が浮気相手かも、彼氏、または彼女が浮気をしているかも、と疑うことが可能です。

携帯を2台持っていて写真やSNSに興味がないなんて矛盾していますので、あからさまですから、明らかな証拠になるでしょう。

二人だけで過ごすときはいちゃいちゃしてべったりしていても、外出したり、学校や職場ではいつも通り普通に接している場合は相手が浮気の予防線を張っている可能性があります。職場や学校に彼女や彼氏がいてばれないようにしていたり、もしくはデートをしている様子を目撃されないようにしているのです。

外で腕を組んだり手を繋いだりすることを拒否したり、ベタベタするのを嫌がる場合は浮気の予防線を張っていると疑いましょう。

相手が明らかに予防線を張る行動をし、距離を取ろうとしていると感じた場合の対処法です。予防線を張ると言うことは自分に興味がなく、好意がない、恋愛対象ではない、ということになります。明らかに脈はないでしょう。しかし、人の心は変わりゆくものです。しつこくすれば嫌われてしまいますが、地道に友達からでもいいので自分は好意を持っていることを伝えましょう。

予防線を張る行動をされたり、言葉をかけられても、いつかはそれが解け、距離が近づくこともあります。あきらめずにゆっくり、じっくりと距離を縮めましょう。

予防線を張ることは、相手との距離感を保ったり自分でその距離感をコントロールするのに非常に有効です。相手から予防線を張られたときの心理を知っておけば対策も立てられますし、自分が距離を取りたいときに予防線を張る方法を使えば効果を確認することができます。よく知って良質な人間関係を保ちましょう。