授乳中に葛根湯を飲んでも大丈夫?風邪以外にもこんな効果が!

葛根湯はどんな薬?漢方薬で風邪のときに飲むということは知っているけれど、授乳中に服用しても大丈夫?風邪以外にも効果がある授乳中ママの味方、常備薬にもおすすめの葛根湯について、成分や飲むタイミングなど、気になる色々調べてみました。

授乳中に葛根湯を飲んでも大丈夫?風邪以外にもこんな効果が!のイメージ

目次

  1. 1葛根湯ってどんな薬なの?
  2. 2葛根湯の効果
  3. 3葛根湯は飲むタイミングが重要!
  4. 4葛根湯の飲み方
  5. 5母乳に影響しない飲み方は?
  6. 6常備薬としてもっておくと便利な葛根湯
  7. 7出典

葛根湯ってどんな薬なの?

薬屋さんに必ずある風邪薬コーナーに、様々なメーカーの葛根湯があります。漢方薬コーナーにも置いてありますね。葛根湯は、風邪のときに飲む漢方薬として知られています。漢方薬ですが、日本の風邪薬としてとてもメジャーという印象を持ちます。

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近頃は、ドリンクタイプの葛根湯も目にします。一度はお世話になったことがある方も多いのではないでしょうか。

適応

・風邪の初期で寒気があり、肩や首筋のこり、頭痛、鼻水、鼻詰まりなどの症状。
・神経痛。血行障害。筋肉痛。
・初期で慢性化していないもの。

葛根湯は、生薬の成分で風邪の症状に効果がある漢方薬です。『風邪のひきはじめに』『頭痛・発熱に』『筋肉痛・肩こりなどにも』という葛根湯のキャッチコピーをよく目にします。風邪だけでなく、痛みにも効くようですね。

また、葛根湯は各メーカーで、成分比率やその他添加物に違いがあるようです。漢方に詳しい薬屋さんに体調を説明したら、数あるメーカーの葛根湯の中から一つのメーカーの葛根湯を選んでもらったという話を聞いたことがあります。メーカーによって、葛根湯の効果に多少違いもあるようです。

天然素材でできている生薬なので授乳中でも安心

漢方薬である葛根湯は、生薬で作られています。生薬(しょうやく、又は、きぐすり)は、天然に存在する動植物や鉱物を、精製することなく使う薬のことだそうです。

漢方薬である葛根湯は、授乳中に飲んで大丈夫な薬とされています。授乳中のママは、自分が口にするものにとても気を配りますよね。風邪や頭痛の症状が出ても、むやみに市販薬を飲むことができません。そんなとき、漢方薬はとても頼りになる存在です。

葛根湯は、授乳中の多くのママが体験する乳腺炎にも効果があるとされています。
 ・飲むタイミング       
 ・体質に合っているかどうか  

など、気をつける点もありますが、漢方薬である葛根湯は授乳中ママの良き理解者という印象です。気になる方は、母乳外来や助産師さんなどに相談してみてくださいね。

そんな授乳中ママの味方である葛根湯の、気になる服用タイミングや飲み方については後で取り上げますが、まずは、主成分から調べてみました!

葛根(かっこん)

葛根湯の名前にもある『葛根』は、葛=クズの根を乾燥させた生薬。発汗作用や鎮痛作用が期待できるようです。

麻黄(まおう)

地上に出ている茎の部分(地上茎というそうです)を生薬として使用。鼻詰まりに効果のある成分プソイドエフェドリンや、気管支喘息に効果のある成分エフェドリンが含まれていることが、分かっているそうです。

桂皮(けいひ)

桂皮(けいひ)と聞くと「何だろう?」ですが、シナモン(和名:ニッキ)です。体を温める作用で生薬として漢方に利用されているようですが、発汗・発散作用や健胃作用も期待されているようです。

芍薬(しゃくやく)

漢方薬の原材料に、こんなきれいな花が咲くんですね。牡丹の仲間で、根を生薬として利用するそうで、消炎・鎮痛・抗菌・止血・抗けいれん作用があるそうです。

生姜(しょうきょう)

生姜は、生薬では『しょうきょう』、食用では『しょうが』と使い分けて日本では呼ばれているようですが、どちらも同じ生姜です。根茎という部分を食用や生薬として使うそうです。発散作用、健胃作用、鎮吐作用があるとされていますが、大棗との組み合わせで他の生薬の副作用をやわらげる働きで使われることがあるようです。葛根湯では、後者の副作用を和らげる働きに期待されているようですね。

大棗(たいそう)

棗(なつめ)は生薬として、実と種で別の名前があります。実を乾燥したものは大棗(たいそう)、種子は酸棗仁(さんそうにん)というそうです。葛根湯では、実を乾燥した大棗が使われているのですね。強壮作用・鎮静作用が期待されていて、葛根湯では生姜と一緒に使って副作用を抑える働きにも期待されています。

甘草(かんぞう)

根を乾燥させたものを漢方薬に用いるそうです。薬っぽいにおいがあるようですが、エキスには甘みがあり、のどの薬として甘草湯という名前で単一処方されているそうです緩和作用や止渇作用(のどの渇きをとめる作用)があるそうで、各種調薬を緩和・調和する目的で使われることが多く、漢方薬には多用されているようです。いわば、漢方薬の調整役といったところでしょうか。葛根湯でも、この緩和作用で使われているようです。

葛根湯の成分や分量・添加物が気になる方は、メーカーサイトや店頭でパッケージなどの記載を見てみてくださいね。

葛根湯の効果

風邪のひき始めに効果的

葛根湯は風邪のひき始めに飲むことをおすすめします。このタイミングで葛根湯を飲むと、より効果的。どのメーカーも『風邪(感冒)のひき始めに』とあります。というのも、葛根湯は、比較的体力のある(体力が中等度以上)、発汗していない状態の風邪の症状(鼻かぜ・頭痛・肩こりなど)を改善するようです。『発汗を促して、体の熱を下げ、風邪を治してゆく』ということのようです。肩こりや筋肉痛にも効くようなので、「ちょっとだるいな」「肩こりがちょっとつらいな」「微熱があるな」程度のタイミングで、服用してみてください

授乳中の頭痛にも効果的

授乳中の頭痛、とても、つらいですよね。鎮痛剤の多くは、授乳中はおすすめされていません。飲んでも良いと処方されている鎮痛剤もありますが、頭痛の症状が出たときに常備しているとは限りません。

そんな授乳中の急な頭痛にも、葛根湯は効果的です。西洋薬のような即効性は期待できないかもしれませんが、頭痛に対して取る手段があるのとないのとでは、心の持ちようも違ってきます。もしかしたら、風邪の初期症状かもしれませんから、頭痛が…と感じたら、早めのタイミングで飲んでみてください。そして、できれば体を休めてくださいね。

軽い症状のときの乳腺炎に

乳腺炎には、感染性と非感染性があり、非感染性の乳腺炎は、母乳が溜まると起こりうる症状のようです。つまり、母乳をあげているママは誰がなってもおかしくない炎症なのです。そして、乳腺炎は初期の処置が大切なようです。

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乳腺炎の疑いがあるとき、どうしても病院へ行くことができないときは、葛根湯を飲んでみるのも一案です。早いタイミングで飲むことをおすすめします。葛根湯の血行を良くする効果が乳腺炎の初期症状に効果的なようです。葛根湯を飲んで体が暖まったら、乳房マッサージをして搾乳すると、乳腺炎の症状が和らぐことがあるようです。

ただし、感染性乳腺炎や症状の進んでしまった乳腺炎には、効果は期待できません。葛根湯を飲んで効果が現れず、熱が出てしまったときは、病院や母乳外来を受診してみてください。

育児疲れの肩こりに

赤ちゃんはとってもかわいいんです!けれど、慣れない授乳や夜泣きで、授乳中のママもいつもとは違う疲れを感じることも。周囲の理解が得られれば、接骨院やマッサージなどという手もありますが、肩がこったタイミングで、『いつでも、通院できる』という授乳中のママは少ないはず。そんなときにも、葛根湯が一役買ってくれます。

葛根湯は、血行をよくしたり頭痛の痛みなどを緩和する作用があることが分かっています。肩の血の巡りが滞ってなる肩こりにもおすすめです。肩や手の痛み・筋肉痛にも効果があるとありますので、育児の疲れが体に出たときには、おすすめです。授乳のタイミングをはかって、飲んでみてくださいね。

母乳不足にも効果的

葛根湯は、母乳不足にも効果があるようです。乳腺炎などの炎症性疾患に効果があり、肩こりなどを緩和して血行をよくしてくれるので、授乳や赤ちゃんのお世話など慣れないことに疲れを感じている授乳中のママには、3方面へ対処してくれそうな感じで、心強いですね。ただ、葛根湯の内服だけで、母乳が急に出るようになるというわけではありませんので、心配なことや気になることがある場合は、母乳外来や助産師さんに相談してみてくださいね。

葛根湯は飲むタイミングが重要!

葛根湯を飲むタイミングは『風邪のひき始め』です。『少しだるい』『ちょっと頭痛が』『背筋がぞくっと』という風邪っぽい症状に効くとされています。というのも、『体力が中等度以上』で『発汗していない』状態で服用するのが良いようです。

逆に、動けないほどだるくて、ずきずき頭痛がして、熱も上がって…のタイミングでは、せっかくの生薬の効果が発揮できないようです。また、衰弱している状態、汗がたくさん出ている状態または汗かきな体質の方などは、服用をおすすめできないようですから、気をつけてくださいね。

葛根湯の飲み方

漢方薬には、葛根湯以外にも『湯』がつく薬がいくつもあります。この漢方薬の名前にある『湯』なんですが…

:本来は煎じた液を温かいうちに服用するもの。

なのだそうです。水より、ぬるま湯で飲んだ方がより良いようです。

筆者体験談(余談)です

授乳中に『葛根湯を食前にお湯に溶かしてお茶のような感覚で飲んでください』と言われたことがあります。案外、おいしいと感じました。薬の割には『案外』ですので…飲めないほど苦くはない!程度です。『湯にとかして飲むと、葛根湯の効果がより良くなる』ようなことを言われたような覚えがあります。風邪をひくシーズンは寒い時期ですから、暖かい飲み物を飲むと体も温まりますので、筆者的には相乗効果を感じました。

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ただし、『汗かき体質なら、飲まない方が良いかも…』というようなことも言われました。筆者は、第一子の授乳中の寝汗が、中学生の部活の後のような状態で。眠っているだけで大量に汗が出てゆくことにびっくりしました。なので、寝汗がひどい間は、葛根湯を処方された症状(たしか、乳腺炎の初期症状)での服用にとどめました。ですが、飲み方(葛根湯を湯にとかしてお茶のように飲む)にはまって、卒乳後も、風邪の初期症状などのタイミングでお湯に溶かしてマグカップで飲んでいました。

湯にとかして飲む方法、好き嫌いもあると思います。ぬるま湯で飲むことで代用としても、水で飲むより効果は上がるのではないでしょうか。ぜひ、葛根湯を服用するときは、ぬるま湯で飲んでみてください。おすすめです。ただし、メーカーや処方箋によって用法が異なるため、処方箋のある方は処方箋の通りに、また、メーカーの用法の指示に従って服用してくださいね。

母乳に影響しない飲み方は?

生薬でつくられる漢方薬である葛根湯は、授乳中に服用しても大丈夫とされてます。ですが、その成分が母乳にまったく移行しないわけではないようです。そもそも、母乳はママが食べたり飲んだりしているものから作られているわけですから、薬を飲めば母乳にも多少は移行していくことになります。

そこで、母乳に影響しないための飲み方ですが、タイミングをはかれば良いようです。
授乳直前(口にしたものがすぐ母乳に流れ出るわけではないので)
授乳直後(赤ちゃんがお腹いっぱいで、次の授乳まで時間があるので)
葛根湯の成分が母乳にできるだけ移行しないように、授乳中ママの服用は、授乳直前か直後のタイミングが望ましいようです。

葛根湯は生薬から作られている漢方薬ですから、西洋薬より母乳への移行が緩やかだとされています。薬の内服に神経質になるよりも、ママの体調を優先するという選択も。また、『がまんして薬を飲まない選択をするよりも、症状が強く出ているならば飲んだ方が良い』という風潮もあります。授乳中ママは、我が子が成長することに喜びを感じますが、強い責任もあります。だからといって、自分の体調を後回しにはしないでくださいね。

ママも弱音をはいて良いんです。どうしてもできないことはありますから、体調が悪い時は、自分のために通院する選択をしても。『授乳中』が気がかりで常備薬を服用することをためらうときは、病院の先生や助産師さんなどに相談して、授乳中に服用できる薬を処方してもらいましょう。

常備薬としてもっておくと便利な葛根湯

授乳中も服用できる葛根湯ですが、用法・用量に『二歳未満 1/4包』という表示を見つけました。葛根湯は、幼児から大人まで、授乳中も使える漢方薬だと分かります。体質など気をつける点はありますが、風邪の初期症状に内服できて、授乳中ママも幼児も飲むことができる葛根湯、常備薬として備えておくと、とても便利。メーカーによって多少違いもあるようなので、お好み(湯にとかして飲む方は、おおむね味の部分で)や合うメーカーを見つけてみても良いですね。そして、『内服のタイミングは初期』『水ではなく、ぬるま湯で飲む』を実践すると、さらに強い味方になってくれそうです。

出典

1. ツムラ(医療用漢方製剤)
2. 漢方薬師堂
3. 妊娠と薬情報センター | 国立成育医療研究センター
 

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