ひな祭りの食べ物の意味や由来!縁起物を徹底解説!
女の子にとっての特別な行事「ひな祭り」。ひな祭りの食べ物には、春の訪れを伝える旬の食材を用いた、古くから伝わる伝統的なお祝いの料理がたくさんあります。女の子を祝う、桃の節句に用意する食べ物に込められた意味や由来を詳しく解説していきます。
目次
ひな祭りの食べ物に込められた意味とは?
女の子を祝う桃の節句、ひな祭りには「女の子の健やかな成長と幸せを願う」という意味が込められています。そのひな祭りを祝うために、ひな祭りの食べ物には縁起の良い食べ物が用意されるようになりました。ひな祭りには縁起物の食べ物をしっかり用意しておくことで、その意味合いを強く体現することが出来るということになります。
ひな祭りの食べ物の基本の意味2選!
①旬のもの、初ものを食べる
ひな祭りの食べ物の「旬のもの」とは魚介類・野菜などの味のよい食べ頃の時期のことを言い「初もの」とはその季節の最初にとれた野菜・果物・穀物・魚など、のことを言います。昔から「初ものは縁起がいい」「初ものを食べれば七十五日長生きできる」といわれてきました。
現在日本では、多くの食材が季節に左右されない方法で栽培可能になっているため一年中食べることができる食材・食べ物も多いですが「節句」には旬のもの、初ものを取り入れ、その意味を子供たちに伝えていくことも大切です。
②邪気を払う縁起物を食べる
ひな祭りの食べ物で、ひな祭りに食べる意味がある縁起物の食べ物。節句に食べる縁起物とはよい事があるようにと祝い、祈るために用意される食べ物です。ひな祭りの食べ物で縁起物とされる食べ物を体内に取り入れることで邪気を払い落とす意味があります。
ひな祭りの食べ物・飲み物の縁起物10選!
ひな祭りの食べ物・飲み物の縁起物とはどんな料理があるのでしょうか。定番メニューから、地域によって違う食べ物もあるようです。10選紹介いたします。
①はまぐりの吸い物
ひな祭りの食べ物のひとつ、はまぐりの吸い物はひな祭りに欠かせない伝統的な料理です。はまぐりは女性の幸せを象徴するものとされ、縁起物としてひな祭りの定番の食べ物になったようです。
②さざえのつぼ焼き
ひな祭りの食べ物のひとつ、さざえのつぼ焼きは関東地方でひな祭りに縁起のよい料理として用意する習慣があります。また、さざえの旬を迎える時期は3月~5月で、3月のさざえは初ものになります。さざえの起源は縄文時代早期にまでさかのぼり、古来より食べ物として親しまれてきたようです。
③桜鯛の塩焼き
ひな祭りの食べ物のひとつ、桜鯛の塩焼き。桜鯛は12月上旬から3月の終わりにかけて旬を迎えます。産卵期である春に、桜の花びらのような斑点模様があしらわれる美しい真鯛のことを「桜鯛」と言います。旬の桜鯛を食べるには、塩焼きにすることで本来の旨味を味わうことができます。
④カレイの煮つけ
お祝いの食べ物で定番のお魚といえば鯛ですが、カレイも縁起物です。カレイは種類が多く、ひな祭りの時期に旬を迎えるのが「マコガレイ」です。ひな祭りの食べ物のひとつ、カレイの煮つけは地域によってですが、ひな祭りに食べる縁起物として食べられています。
⑤菱餅
ひな祭りの食べ物といえば菱餅です。3色の餅を菱形に切って重ねたもので、緑色の餅にはよもぎ、白色の餅にはひしの実、ピンク色の餅にはくちなしがそれぞれ利用されています。よもぎには増血作用、ひしの実は血圧を下げる効果、くちなしには解毒作用があると言われます。3色の華やかな色合いは女の子を祝う、桃の節句にふさわしい食べ物です。
⑥桜餅
ひな祭りの食べ物、桜餅は桜にちなんだ和菓子で桜の葉で餅菓子を包んだものです。春を呼ぶお菓子として広く知られ、桜餅は春の季語でもあります。
関東風の長命寺と関西風の道明寺の2種類の桜餅があり、関東風は小麦粉などの生地を焼いた皮で餡を巻いたクレープ状のお餅です。関西風は道明寺粉で皮を作り餡を包んだまんじゅう状のお餅で、道明寺粉のつぶした食感が特徴です。出身地により馴染みの桜餅が違うようです。
⑦ちらし寿司
ひな祭りの食べ物の定番メニューちらし寿司。華やかな彩りが春にふさわしく、女の子を祝う、桃の節句にぴったりな料理です。ちらし寿司は必ずといっていいほど、ひな祭りには用意される食べ物です。
⑧手まり寿司
ひな祭りの食べ物で、手まり寿司は最近人気の料理です。手まり寿司は小さく丸く握った酢飯に具材を乗せるだけなので簡単に作れ、子供に人気の食べ物です。
⑨白酒・甘酒
白酒・甘酒はひな祭りの縁起物の飲み物として、欠かせない飲み物です。本来は、桃の花びらを浮かせた「桃花酒」が、ひな祭りの飲み物として飲まれていました。白酒はみりんに蒸した米や麹を混ぜて1カ月ほど熟成させて作られ、アルコール度数が10%前後ある飲み物です。甘酒は米麹から作られるアルコールの入っていない飲み物です。(酒粕を原料にしている場合はアルコール分を含みます)ひな祭りに子供と一緒にお祝いするときの飲み物は、白酒ではなく甘酒を代用することも多くなっています。
⑩ひなあられ
ひなあられはひな祭りの食べ物の代表的な和菓子のひとつで、餅に砂糖を絡めて炒って作られています。関東風のひなあられは米を爆(は)ぜてつくるポン菓子を甘く味付けしたもので、関西風は直径1センチ程度の丸い形で味はしょう油や塩味の食べ物です。
ひな祭りの食べ物の意味&由来①ひな祭りの料理編
はまぐりの吸い物
はまぐりの貝殻は、対になる貝殻でなければぴったりと合わないという特徴があります。このことから、はまぐりは夫婦円満を表し、幸せな家庭を築けるようにという願いが込められひな祭りに、はまぐりの吸い物が食べられるようになりました。
さざえのつぼ焼き
ひな祭りの食べ物、さざえのつぼ焼き。3月のさざえは初ものになり縁起がよいとされています。また、巻き貝には願い事が叶うといういわれがあり、女の子の幸せと健康を祈願する意味で食べられるようになったと言われています。
桜鯛の塩焼き
鯛と「目出度い(めでたい)」をかけて縁起の良い語呂合わせということから、おめでたい行事には鯛を用いるようになりました。冬から春にかけて旬をむかえる鯛は見た目も桜の花びらのように美しい色合いのため桜鯛と呼ばれ、ひな祭りの縁起物の食べ物として料理されるようになりました。
カレイの煮つけ
カレイ=家例と書いて、家に代々伝わるしきたりという意味に繋がります。冬のカレイの雌は子持ち(卵がある)で子宝、子孫繁栄の縁起物を意味します。
ひな祭りの食べ物の意味&由来②菱餅・桜餅編
菱餅の意味&由来
ひな祭りの食べ物である菱餅。昔の菱餅は「菱」という植物の「菱の実」を使って作っていたそうで生命力の強い「菱」にちなんで子孫繁栄を意味し、縁起の良い食べ物とされてきたようです。
現在の菱餅は3色で、緑は「長寿・健康」白は「清浄・純白」ピンクは「魔除け・桃の花」で、その3色が春を表現しているという由来があります。クチナシ、ヨモギが色付けのために用いられていますがどちらも邪気を払うと言われてきた植物であり、菱餅の形も心臓を表しているとされています。
桜餅の意味&由来
ひな祭りの食べ物として定着している桜餅ですが食べる意味は存在しなく、由来もあいまいであります。それでも、見た目のピンク色と桜の葉が女の子のお祝い、桃の節句にふさわしいということで戦後、人気となった食べ物です。
ひな祭りの食べ物の意味&由来③ちらし寿司・手まり寿司編
ちらし寿司の意味&由来
ひな祭りの食べ物のちらし寿司自体には縁起物という意味はないのですが、使われている材料にそれぞれ縁起の良い意味があるのです。蓮根は見通しがよい、えびは長生き、豆はまめに働く、寿司は「寿(お祝い)を司る」という縁起物の意味があります。
手まり寿司の意味&由来
ちらし寿司自体に縁起物という意味がないというのと同じで、手まり寿司自体にもひな祭りの食べ物としての意味や由来はないようです。寿司は「寿」の名が付く通り縁起物の意味があるので、具材にそれぞれ意味のあるものを使い子供が食べやすい料理で、見た目も華やかで桃の節句にはぴったりの食べ物です。
ひな祭りの飲み物の意味&由来④白酒・甘酒編
「ひな祭りの食べ物・飲み物の縁起物10選」でも記しましたがひな祭りの飲み物である白酒は本来は桃の花びらを浮かせた「桃花酒」だったと言われます。桃は百歳(ももとせ)にも通じるので縁起物とされた由来があり、そのお酒を飲むことで長寿を願うという意味が込められています。
ひな祭りの食べ物の意味&由来⑤ひなあられ編
ひな祭りの食べ物ひなあられは、材料にでんぷんが多く健康に良いということで、娘の健康を祈願するという意味が込められています。更に四季を表す4色の色があることから一年をとおして娘の幸せを祈るという意味があります。
また、菱餅を外で食べやすくするために砕いて作ったのがひなあられであるという説もあり3色のひなあられもあるようです。菱餅を外で食べやすくしたのにも理由があり、昔、ひな人形に外の景色を見せる「ひなの国見せ」という風習があり、そのためにひなあられが作られたことが由来ともなっています。
ひな祭りには縁起物を食べて女の子の成長を祝おう!
ひな祭りには子供たちを囲んで、子供たちの末永い健康と幸せを願って、ひな祭りの食べ物・飲み物をきちんと用意することで、ひな祭り本来の「娘の健康を祈る」という意味を全うしましょう。