【ひな祭り】ひな人形の基本的な飾り方!並べ方に決まりはあるの?
ひな祭りの時期になると、ひな祭りの準備として、まずはひな壇飾りから始まります。ひな祭りは年に1度の大切なイベントです。我が子の為にお雛様を綺麗に飾りつけたいですよね。ですが、お雛様はどっちだったかな?と迷うことはありませんか?雛人形の正しい飾り方を紹介します。
目次
ひな人形の飾り方を覚えよう!
桃の節句として迎えるひな祭り。かわいい娘の健やかな健康を祈りながら飾りつける「ひな人形」。年に一度の大切なイベント「ひな祭り」では、まずはひな壇飾りから準備が始まりますね。せっかくひな人形を綺麗に飾るのですから、正しい並べ方で飾りたいものです。ひな人形やひな道具には一般敵な飾り方、並べ方があります。これから迎えるひな祭りに備えて正しい飾り方を覚えましょう。
ひな人形の飾り方に決まりはあるの?
ひな祭りの代名詞ともいえる「ひな人形」。ひな人形の飾り方に決まりはあるのでしょうか?ひな人形は「平飾り」「段飾り」とありますが、段飾りの時は飾る人形や道具も多いので注意が必要です。
関東と関西では置き方が逆になる
ひな祭りは平安時代から続く桃の節句です。ひな祭りに欠かせないひな壇飾りですが、地域によっては置き方が逆になることもあります。ひな人形の置き方には、関東と関西(主に京都)では置き方が逆になります。関東では、向かって左側が男雛(お内裏様)、右側が女雛(お雛様)となります。京都や関西の一部では向かって右側が男雛(お内裏様)、左側が女雛(お雛様)という関東とは逆の位置になります。
明治時代までの日本には、「左方上位(左側の方が位が高い)」という伝統的な考え方がありました。京都と関西の一部では、そのしきたりに従ってひな人形を並べています。しかし、明治以降、日本も西洋のルールを取り入れてくると右側に立つというのが皇室の伝統になり、関東ではひな人形の並べ方も同じ西洋のルールが取り入れられたのです。
つまり関東では明治以降の今現在の並べ方、京都と関西の一部では昔からの並べ方を行っているので全く逆の並べ方なのです。つまり並べ方が逆だからといってどちらが間違いというわけではありません。「必ずこう並べなければはならない」という特別な決まりはありませんので、標準的な飾り方を間違えなければ自由に飾って良いでしょう。
最上段から並べるのがおすすめ
ひな人形の飾り方、並べ方については、年に一度の事なので迷ってしまうこともありますよね。特に段数の多いひな人形を並べる時は並び順など悩んでしまうこともあると思います。一番大切なのは飾る順番です。段数が多いひな人形は、まずは最上段から並べるのをおすすめします。
なぜかというと、飾っている途中でもしもひな人形や雛飾りを落としてしまった場合に、下に人形があるとぶつかって傷つけてしまう可能性があるためです。大切なひな祭りを彩る「ひな人形」ですから大切に飾りつけたいですね。
【ひな人形の飾り方①最上段】お内裏様とお雛様の並べ方
ひな祭りのお祝いに欠かせない「ひな人形」のメインとなる最上段、お内裏様とお雛様の並べ方です。男雛(お内裏様)と女雛(お雛様)の並べ方は、「関東と関西では置き方が逆になる」でも紹介しましたが、関東は向かって左側は男雛(お内裏様)、右側が女雛(お雛様)となります。京都や関西の一部ではその逆となり、右側が男雛(お内裏様)、左側が女雛(お雛様)を飾ります。
主役の二人の後ろには金屏風を立て、両脇に雪洞(ぼんぼり)を置きます。二人の間にはお神酒を載せた三方を飾ります。
【ひな人形の飾り方②二段目】三人官女の並べ方
二段目は三人官女です。三人官女の並び方は、向かって右から長柄銚子・ながえのちょうし(両手を握っている)、中央が三方(座っている)、左側が加銚子・くわえのちょうし(右手を握って左手を開いてる)となります。三人官女の左右の官女は外側の足を前に出しています。そして三人官女の中央に高坏(たかつき)と桜餅を飾ります。
ひな祭りの歌でも歌われている三人官女は、どんなひな人形なのでしょうか。三人官女は男雛(お内裏様)に仕えてお世話する侍女の三人官女です。お行儀や和歌、漢文のたしなみがあります。左右の官女がもつ銚子は今でも結婚式の三々九度で使われるものです。
【ひな人形の飾り方③三段目】五人囃子の並べ方
三段目は五人囃子です。五人囃子の並べ方は右側から謡い(うたい)、横笛(よこぶえ)、小包(こづつみ)、大鼓(おおづつみ)、太鼓(たいこ)の順番です。五人囃子を飾る時は「左へ行くほど音の大きい楽器になっていゆく」と覚えると並べやすいでしょう。
五人囃子が並んでいる段には、関東では能楽の地謡と囃子方(はやしかた)を飾りますが、関西では雅楽の楽士を飾る場合もあります。五人囃子は子どものようにあどけない顔に作られていて、元気な子に育つようにと応援する可愛らしい音楽隊です。ひな祭りの歌でも「五人囃子の笛太鼓」と歌われていますね。五人囃子はお内裏様とお雛様の結婚を祝福する祭り囃子を演奏する、選りすぐりの美少年や秀才たちが集ったグループなのです。
【ひな人形の飾り方④四段目】左大臣と右大臣の並べ方
四段目は左大臣と右大臣です。この二人は随身(ずいじん)と呼ばれます。随身とは御所の警護の武人を指しますが、ひな祭りのひな壇飾りでは、男雛(お内裏様)の付き人として行動を共にします。左大臣は老人、右大臣は若者の見た目なので、どちらが左大臣か右大臣かはすぐわかります。
2人の随身を並べる時は段の両端に並べ、向かって右側が左大臣、左側が右大臣になります。2人の中央には御膳と菱台を飾ります。
【ひな人形の飾り方⑤五段目】仕丁(しちょう)の並べ方
五段目には仕丁(しちょう)の三人を並べます。泣き、笑い、怒りという三つの表情で作られていることが多いので、「三人上戸(さんにんじょうご)」とも呼ばれます。仕丁は御所の雑用を司る者たちで、持ち物は向かって左から台笠(だいがざ)、沓台(くつだい)、立傘(たてがさ)となります。
ただし、どの人形が何を持つかは特に決まっていませんが、一般的には、怒りが台笠、泣きが沓台、笑いが立笠が多いです。そして仕丁の左右には「桜橘」を飾ります。向かって左側に橘の木、右側に桜の木を飾りましょう。
【ひな人形の飾り方⑥六段目・七段目】お道具の並べ方
ひな祭りを楽しませてくれるひな壇飾りですが、五段目までのひな人形が一般的という家庭も多いとでしょう。ですが、中には七段目まである家庭もあるかと思います。六段目、七段目にはお道具を並べるとされていますが、並べ方には特に決まりはありません。一般敵な並べ方を紹介します。
六段目の並べ方
六段目には雛道具が置かれます。雛道具は嫁入り道具になぞらえた物と言われています。箪笥、長持、挟箱、鏡台、針箱、火鉢、衣装袋、茶の湯道具などを並べます。
七段目の並べ方
七段目は中央に重箱を置き、左右に御駕篭(おかご)と御所車(ごしょぐるま)を飾ります。しっかりとした決まりはありませんが、通常は向かって左に御駕篭、右に御所車が置かれます。
七段目まですべて飾り付けを終えて、初めてひな祭りを迎える準備ができますね。ひな祭りは当日のお祝いもとても大事ですが、ひな祭り当日を迎えるまでの準備がスムーズに出来ると、大人も子どもも気持ちがウキウキしますよね。素敵なひな祭りを迎えるためも大切なひな壇飾り。正しく飾り付けてひな祭りを華やかにしましょう。
ひな人形を飾る場所や時期は?
二月三日の節分が終わると、特に女の子のお子さんをもつ親御さんはひな祭りを意識し始めるのではないでしょうか。メディアや雑誌なども、節分が終わるとひな人形の特集が増え、ひな祭りを感じさせてくれます。ひな祭りの日までに飾りつけるひな壇に関し、実際にひな人形を飾る時期や場所などは決められているのでしょうか?
ひな人形を飾る時期としまう時期
ひな祭りの準備は当日だけでは間に合いません。素敵なひな祭りを迎えるためにはいつ頃からひな人形を飾るのが良いのでしょうか。そしてひな祭りが終わったあと、ひな人形をしまう時期はいつが良いのでしょうか?
ひな人形を飾る時期
ひな人形を飾りつけるとき、ひな祭り当日にひな壇飾りをする家庭は少ないでしょう。ひな壇飾りを出すときは、ひな祭り当日よりも少し前に飾り付けますね。それではいつ頃ひな人形を飾るのがいいのでしょう。
ひな人形を飾る時期は、立春(二月四日)頃から二月中旬にかけて、あるいは遅くてもひな祭り当日の一週間前までには飾っておきましょう。中でも大安の日に飾りつけをすると縁起が良いと言われています。また、冬から本格的な春へと変わる節目とされる雨水の日(二月十九日頃)も良いと言われています。この日にひな人形を飾ると、良縁に恵まれるという言い伝えがあるためです。
ひな人形をしまう時期
ひな祭りが終わると待っているのは、ひな人形をしまう作業ですね。ひな人形をしまうのが遅れると婚期が遅れる。とよく聞きますが、これはただの迷信です。この迷信は「片付けがちゃんと出来ないようでは、きちんとした女性になれず、お嫁にいけないですよ」としつけの意味を込めての言い伝えなのです。女の子のためのひな祭りは、お祝いごとだけでなく、準備や片づけも含めて情操教育という事なのです。
ひな人形をしまう時期に関しては、実は決まった日にちはありません。ひな人形をしまう時は、「いつまでに」よりも大切なことがあります。それはよく晴れた湿気のない日に片付けることです。ひな人形に使用している生地は湿気に弱く、湿気の多い日にしまってしまうと、人形に湿気を残したまましまうことになってしまい、次のひな祭りの準備で出してみるとカビやシミが発生してしまうという結末になりかねません。ひな人形をしまう時は、天候と相談しながら湿気のない日を選びましょう。
ひな人形を飾る場所
ひな人形は、ここに飾らないといけないという決まりはありませんが、一般的には東向きか南向きが良いと言われています。ですが方角よりも、和室や床の間がある場合はそこに飾るのが一番良いでしょう。昔の日本家屋と違い、最近の住宅事情を考えるとひな人形を飾る場所を考えてしまうこともありますよね。和室や床の間がない場合は、家族が一番長い時間を過ごすリビングに飾るのがおすすめです。そして以下のことに注意して飾りましょう。
直射日光が当たるところは避ける
直射日光がひな人形に当たってしまうと変色の原因になります。ひな祭りまで長く飾りつける場合は遮光カーテンで光を遮ったり、人形の向きを調整しましょう。
エアコンの風が直接当たるところは避ける
ひな祭りの時期はもう春の声が聞こえてくるとはいえ、まだまだ朝晩の寒さが厳しい季節です。暖房の風が当たってしまうと、人形が痛んでしまいます。人形に風が当たらないように配慮しましょう。
高温多湿の場所を避ける
高温になったり、湿気が多い場所はカビが生える原因となります。ひな人形は湿気にとても弱い人形です。特に玄関は意外と湿気が溜まる場所なので、避けたほうがいいでしょう。
ひな人形を飾る時の注意点
ひな祭りの準備をするときは気持ちもウキウキして楽しいですよね。ですが、ひな人形を飾り付けるときは気を付けなければいけないことがあります。飾りつけの際は、人形の顔を触らないように、優しく扱いましょう。特に冠がある人形を飾るときは、紙を顔にかけて被せるなどの工夫をしましょう。それでも汚れてしまった場合は、綿棒を湿らし、水気をしっかりとってから優しく擦って取り除きます。大事に飾りつけをして、ひな祭りを迎えましょう。
ひな人形のお供え物の意味6選!
ひな祭りの準備には、ひな人形を飾りつけるだけでなく、ひな人形と一緒にひな壇に飾りつけるお供えものも準備しないといけませんね。ひな人形のお供えものにも意味があることをご存知でしたか?ここではお供え物の意味を紹介します。
①桃の花の意味
ひな祭りの歌にも歌われる桃の花。桃には魔除けや長寿という意味があります。
②菱餅の意味
菱餅は三種類の色から出来ています。それぞれの色に意味があり、「ピンク=魔除け」「白=清浄、純潔」「緑=健康、長寿」となります。そしてそれぞれの色の餅には練りこまれている物があり、「ピンク(くちなし)=解毒作用がある」「白(ひしの実)=血圧を下げる作用のある」「緑(よもぎ)=造血作用がある」といった意味があります。
ひな祭りは我が子の健やかな健康を祈りながら祝うお祭りです。お供えものにも健康を願った意味が込められています。
③白酒の意味
中国では、ひな祭りには長寿を願い、魔除けの意味をもつ桃の花をうかべた桃花酒を飲む習慣がありました。日本でも桃花酒が飲まれていたのですが、江戸時代になると白酒が大流行します。桃の花と白酒で「紅白」となり、めでたいことからひな祭りの定番となりました。
④ひなあられの意味
ひな祭りといえば、色とりどりのお菓子が可愛いと子供達が喜ぶのがひなあられですよね。ひなあられにも意味があります。「ピンク、緑・黄・白」の四色は四季を意味していて、健やかに過ごせますようにという願いが込められています。
⑤ちらし寿司の意味
ひな祭りで振舞われる食事といえば、ちらし寿司が代表的でしょう。ちらし寿司自体に意味は込められていないのですが、ちらし寿司の中に入っている具にお祝いの膳にふさわしい意味が込められています。
「海老=長寿」(海老の赤には魔除けの意味も)「れんこん=見通しがきく」「豆=健康でマメに働く」「菜の花=春らしさの演出」です。そして、「寿(ことぶき)を司(つかさどる」ということで「寿司」自体にもお祝いの席で食べる縁起がいいものという意味があると言われています。
⑥はまぐりのお吸い物の意味
ひな祭りのお祝いの席では、ちらし寿司と一緒にはまぐりのお吸い物が出されることが多いですよね。「はまぐり」は対になっている貝殻でなければぴったりと合うことはありません。このことから、「ひとりの人と生涯連れ添う」という願いをこめて、ひな祭りに食べられるようになりました。
ひな人形を上手に飾ってひな祭りを迎えよう!
ひな祭りを迎えるにあたって、ひな人形の正しい飾り方や意味を紹介してきましたが、いかがでしたか?ひな祭りは「子供のすこやかなる成長を願う」お祝いごとです。ひな人形の並べ方や飾り方はもちろんとても大切なことですが、あまり決まりごとに固執せず、まずは子どもの健康をお祝いする事がなにより一番大切な事です。ひな人形を上手に飾り付けて素敵なひな祭りをお過ごしくださいね。