モモ(桃)の花言葉や由来を紹介!ひな祭りで飾るのはどうして?
桃は古来より日本人に愛されてきた花で、女の子の名付けやひな祭りなどに使われてきました。私たちの身近にある桃ですが、その歴史や花言葉など知らないことは多いと思います。長い歴史のある桃について、花言葉やひな祭りで飾られる理由などを詳しくご紹介していきます。
目次
モモ(桃)の花について知ろう!
ひな祭りで飾られる桃は、ピンクや白い花を咲かせるとても可愛い花ですよね。日本人に愛され名付けにも多く使われてきた桃ですが、桃の花がどのような花かご存じですか?桜と同じ時期に咲くので、桜や梅との違いが分からない方もいると思います。春の外出がもっと楽しくなるように、これから桃についてご紹介していきます。
モモ(桃)の特徴
モモはバラ科モモ属の落葉中高木で、木の高さは2m~7mほどまで育ちます。花はとても可愛らしく、白や桃色、濃い紅色で、花の大きさは3~4㎝程です。モモは植え付けた翌年から楽しむことができ、数年で多くの実を付けます。実は種類によりますが、6月上旬~9月上旬頃まで楽しめます。栽培は難しく、病害虫が多く手間や技術が必要です。
モモ(桃)の開花時期はいつ?
モモの開花時期は3月~4月で、桜と同じ時期に咲きます。桃と桜、梅などの違いが分からない方もいると思いますが、違いとして、桜は花柄が長いのに対して桃は花柄が短く、葉と同時に花が出てきます。花びらの先がとがっているのが桃で、割れているのが桜、丸いのが梅です。種類により違いがあるので、必ずしも当てはまるものではありませんが、ぜひ参考にしてみてください。
モモ(桃)の種類
モモの木には園芸用として花を楽しむ花桃という種類と、実を楽しむ実桃と種類が分かれます。花桃の実は小さく、食べることはできません。花桃の種類としては、切り花用としてよく見かける矢口、白い花の代表的な品種の関白など数種類あります。実桃は花桃より種類が多いのですが、白鳳系、白桃系、黄金桃系の三種類に分けることができます。代表的な品種としては、清水白桃、白鳳、黄金桃、あかつきなどがあります。
モモ(桃)の名前の由来は?
モモの名前の由来には諸説ありますが、モモはたくさんの実を付けることから「百(もも)」の漢字を当てられて、それを由来としているというものや、モモの実の赤さから「燃実(もえみ)」と呼ばれ、それが転じて桃と呼ばれるようになったとも言われています。
モモの誕生花はいつ?
モモの誕生花はひな祭りの3月3日、4月12日、白いモモは3月5日です。誕生花とは365日すべてに割り当てられたもので、誕生花の概念や起源、誰が決めたのかなどは国や地域によって違いがあります。あなたの誕生花はどの花ですか?
モモの花言葉と由来を3つ紹介!
桃の花言葉をご存じですか?桃の花言葉は「天下無敵」「あなたのとりこ」「気立てのよさ」です。花言葉には由来があるのですが、なぜこのような花言葉が付けられることになったのか、その由来をご紹介していきます。
花言葉「天下無敵」
1つ目の花言葉である「天下無敵」は、中国の言い伝えや日本の「古事記」などを由来にして付けられています。中国では桃には様々な邪気を払う力があるとされ、不老長寿の薬としても使われていたため縁起物として桃を食べる習慣がありました。
また、8世紀頃編纂された日本の神話や伝説が記された「古事記」では、イザナミノミコトを追って黄泉の国へ行ったイザナギノミコトが、黄泉醜女(よもつしこめ)たちから逃げるときに桃を投げると、黄泉醜女たちが逃げていったと記されています。有名な「桃太郎」という昔話では、桃から生まれた桃太郎が鬼を退治しました。
まさに桃は「天下無敵」ですね。桃が邪気を払うというこれらの伝説や言い伝えを由来として、桃の花言葉は「天下無敵」となりました。可憐で可愛らしい見た目にもかかわらず、「天下無敵」という花言葉をもつモモは、なんだかかっこいいですね。
花言葉「あなたのとりこ」
桃の花言葉「あなたのとりこ」は、桃が女性のシンボルとして捉えられていたことが関係しています。桃はたくさんの実を付けることから、多産を意味しており縁起がいいものとされています。その桃のイメージから女性の象徴となり、可憐で美しい「あなたのとりこ」という花言葉がつけられました。
花言葉「気立てのよさ」
桃の花言葉「気立てのよさ」の由来は、桃の花が枝に沿うように咲く様子から付けられました。桜とは違い花柄が短いので、花が枝に付いているように見えます。その姿は「自立した女性」を連想させ、このことから「気立てのよさ」という花言葉がつけられました。
白いモモの花言葉は?
白い桃の花には「天下無敵」「あなたのとりこ」「気立てのよさ」という花言葉とは別に、「純真」「人柄の良さ」という花言葉があります。小さく、可愛らしい花の様子からこのような花言葉になったのでしょう。ちなみに、白い桃の花は3月5日の誕生花となっています。
英語でのモモの花言葉を紹介!
桃は日本だけでなく海外にもあります。英語で桃を何というかご存じですか?英語では桃は「peach」、桃の花は「Peach blossom」と呼ばれています。そして、もちろん花言葉もあります。英語で「I am your captive(私はあなたのとりこ)」「unequaled qualities(比類なき素質)」という花言葉です。
「私はあなたのとりこ」は日本のものと同じですね。「比類なき素質」も「天下無敵」と似たような意味合いの花言葉です。人が花から受けるイメージは、どの国でも変わらないのかもしれませんね。
ちなみに、英語では「peach」に「素敵な人」という意味もあるようです。日本や中国では桃は女性的なイメージがありますが、英語では男性にも使います。また、誰かに感謝するときにも英語で「You are a peach!」ということもあります。みずみずしく、甘い桃にはポジティブな意味合いが英語ではあるようです。
韓国でのモモの花言葉を紹介!
韓国語で桃は「ポクッスンア」と言います。韓国での桃の花言葉は「愛の奴隷」や「希望」、「あなたのとりこ」です。韓国の花言葉も日本のものと似ていますね。
韓国でも桃には幽霊や鬼を払える力があると信じられています。なので、韓国では故人の命日の日に色々な果物を供える習わしがありますが、桃はお供えしません。幽霊を払える力がある桃をお供えしてしまったら、ご先祖様が来られなくなるからです。ご先祖様を大切にする心は、韓国も日本も変わらないですね。ちなみに、同じような理由から韓国では庭にも桃の木を植えないようです。
モモの花をひな祭りで飾るのはどうして?
ひな祭りと言えばモモのイメージがありますよね。では、なぜひな祭りにモモを飾るようになったのかご存じですか?それは、桃の邪気を払う神聖な木であるという考えからです。ひな祭りの起源は、平安中期に行われていた「上巳の節句」と言われています。
その時代、無病息災を願う「上巳の節句」を三月の初めの巳の日に行っていました。それが後に、子どもを災いから守るための行事になっていったのです。旧暦の「上巳の節句」の時期は新暦の4月上旬にあたるため桃が開花する時期でもあり、桃には邪気を払う力があると信じられていたため、この節句に使われるようになりました。そのことからひな祭りには桃の木を飾り、「桃の節句」と呼ばれるようになったのです。
モモは女の子の名付けにも人気!
名付けというのは人生に関わる重要なことなので、悩まれる方が多いと思いますが、「もも」は女の子の名付けにも人気ですよね。「もも」という音の響きは、柔らかくて優しい印象を受け、女の子の名付けにはぴったりと言えます。
また、桃は生命にあふれた春に咲きエネルギーに満ちていて、その姿は愛らしく誰からも愛される花です。そして、桃の花言葉である「気立てのよさ」は、素敵な女性の重要な要素です。名付けというのは親の我が子への思いが込められるものですが、このようなイメージや花言葉がある桃が名付けに人気なのも納得できますね。
中国にもモモの風習があるの?
日本に桃を伝えたのは中国と言われています。日本よりも中国の方が桃に関する伝説や風習は多く、現在でも誕生日やお祝いの際には縁起のいい桃まんじゅうを食べるそうです。中国では桃は延命長寿の木とされ、桃の汁を飲むと神仙になれると信じられていました。桃に関する伝説としては、「西王母」や「桃花源記」など多数存在します。
【番外編】モモの後にモモを植えるとよくない?
モモの後にモモを植えると、うまく育たなくなる現象が起こります。これを「連作障害」による「いや地現象」といいます。同じ場所で同じ植物を植え続けると、その植物を好む病害虫が増殖したり、必要な栄養素が枯渇してしまうなどの原因からこのようなことがおこるようです。
モモには古い歴史がある!
桃の歴史はとても古く、原産地である中国では2500年前から栽培されていました。また、日本でも縄文時代後期や弥生時代の遺跡から桃の種が見つかっています。平安時代や鎌倉時代には食べられていたようですが、現在のように甘さはあまりなかったため、主に花の観賞や薬用を目的として親しまれてきました。
邪気を払う力があると信じられ、現在も続くひな祭りにも使われるなどとても古い歴史を持っています。春の時期に外を歩くときには、ぜひ桃の木を探してみてくださいね。