自分の子供がいじめの加害者なら?親が取るべき正しい行動とは

自分の子供がいじめの加害者になってしまった場合。その後の親の対応が重要になってきます。子供が後悔を背負う人生を送らないために。いじめの加害者にしないために、加害者と被害者の心理、トラブル時の親の対応についてまとめました。

自分の子供がいじめの加害者なら?親が取るべき正しい行動とはのイメージ

目次

  1. 1実際にあったいじめの問題
  2. 2いじめの加害者はどんな子供?心理は?
  3. 3わが子がいじめの加害者の場合
  4. 4わが子がいじめの被害者の場合
  5. 5わが子がいじめに巻き込まれた親の体験談
  6. 6いじめは大きな問題!親子ともにしっかり考えよう

実際にあったいじめの問題

いじめ 加害者

いじめは死に繋がる重犯罪です。にもかかわらず、いじめを原因とした自殺が後を絶ちません。いじめを苦にして自殺した事件をまとめました。

大津市中2いじめ自殺事件

【事件内容】
2011年に滋賀県大津市内中学校の2年生男子生徒が、いじめを苦に飛び降り自殺した事件です。
複数の同級生が体育館で男子生徒の手足を縛って口を粘着テープで塞ぐなどの行為を行ったり、被害者宅を訪れて、自宅から貴金属や財布を盗む等の行為が行われました。被害者の自殺後も加害者らは、被害者の顔写真に穴を空けたり落書きをしたりしていました。事件後の学校と教育委員会の隠蔽行為が発覚したことにより問題視され、大きく報道されました。

いじめ 加害者

【加害者】
事件に関連して学校で5人、教育委員会で2人の処分が行われました。また加害者3人のうち、2人が書類送検となりました(1人は刑事罰の対象とならない13歳であったことから児童相談所に送致)。
加害者とされる同級生3人とその保護者・大津市を相手に、遺族は約7720万円の損害賠償請求を大津地方裁判所に提訴します。大津地裁はいじめの存在を認定し、学校や教委は適切に措置していれば自殺を防げたと判断しました。
これを元に、大津市側の安全配慮義務違反を認めて和解金を支払い、大津市と遺族側との合意が成立しました。しかし、加害者との裁判は分離されて謝罪の言葉もなく、いまだ継続中のようです。

仙台中1いじめ自殺事件

【事件内容】
2014年に仙台市立中学校の1年生男子生徒が、校内でからかいや仲間外れにされるいじめを受けた後に自殺した事件です。
「変態」「寝ぐせがひどい」と悪口を言われたり、消しゴムのかすをぶつけられたりしました。
中学校側は「遺族の強い希望」を理由に、加害者を除く同級生らには「転校した」と事実と異なる説明をしています。この中学校では男子生徒の自殺後も、別の男子生徒に対するいじめが起き、事件後も続いていたことが問題視されています。

いじめ 加害者

【裁判】
遺族は市、そして「加害者」とされる少年たち8人に対して約5500万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしました。
加害者たちは全員いじめを否定して謝罪の言葉もなく、調停は不成立となりました。

桐生市小学生いじめ自殺事件

【事件内容】
群馬県桐生市の小学6年生女児が、同級生たちからの一年以上にもわたる執拗ないじめを苦にして自殺した事件です。
消しゴムのかすを食べさせられたり、プールに突き落とされたり、上履きに「うざい、死ね」と書かれてゴミ箱に捨てられるなどされました。女児は校長先生にいじめを訴えていましたが「気のせいだ」と取り合ってもらえませんでした。また給食時間に一人ぼっちで食べていても、担任は見て見ぬふりをしていたということです。女児は、母親へのプレゼントにするはずだった手編みのマフラーをカーテンレールにかけて首吊り自殺をしました。
自殺後に学校側の、いじめに関するアンケートを消しゴムで消す等の隠蔽行為が問題視されました。
 

いじめ 加害者

【裁判】
女児が自殺したのは、学校でのいじめと校長らの不適切な対応が原因として、遺族は市と県に3200万円の損害賠償を求めました。
前橋地裁は自殺といじめとの因果関係を認め、市と県に450万円の支払いを命じました。

いじめの加害者はどんな子供?心理は?

いじめは心を奪い、その後の人生や命をも奪ってしまう危険な行為です。
また、被害者の人生だけでなく、自分の人生をも奪います。

いじめ 加害者

いじめの加害者になる子供はどんな心理を持ち、どんなトラブルを抱えているのでしょうか。自分のしたことに対しての後悔の念はあるのでしょうか。

どんな子供がいじめをするのか

いじめ 加害者

・わがままで自分中心的な考え方
人の心理を理解できなく、いじめることでしか人とコミュニケーションをとれない子供がいます。相手の気持ちが分からない分、いじめていたことに気付かず、後悔や謝罪をすることもありません。
 
・自己嫌悪感が強い
うまくいかないといらいらしてやつあたりをしてしまい、トラブルを起こしてしまいます。自分に自信がない分、人を羨む気持ちや妬む気持ちが強くなります。

・ストレスをいじめで発散
家庭環境や学校でストレスやトラブルを抱え、それを相談できずにいる場合が多いです。
また、自分が誰かにやられたことを別の人にやり返すという八つ当たりの心理が働いてしまいます。
怒りをおさえることが難しいようです。
 
・家庭環境にトラブルあり
子供というのは、親を見て育ちます。親が大声で怒鳴る・不機嫌・八つ当たりしてくるなど、理不尽な扱いを受けても、子供はその言動が正しいと信じてしまいます。子供に原因を突き詰める前に、家庭環境を振り返ることが大切です。

いじめをする子供の心理とは

いじめをする子供は、心に問題を抱えている場合が多いです。
自分では解決できないトラブルを、自分以外の何かに向けてしまう心理がはたらくようです。「自分は不幸なんだから他人も不幸にさせたい」という感情が存在し、いじめ行為に後悔の気持ちはありません。

いじめ 加害者

また、いじめのきっかけは、理不尽で些細な原因が多いです。
「なんとなく見た目が嫌い」「太っている」
また、「自分の方が優位で勝っている」という優越感により、いじめをしてしまう場合もあります。

わが子がいじめの加害者の場合

いじめ問題のニュースはなくなりません。わが子が被害者になるのを心配するだけでなく、加害者になる場合もあるということを頭に入れなければいけません。
子供が後悔した人生を背負って一生生きていくことがないよう、親の対応が重要になります。

いじめ 加害者

また、善い行いも悪い行いも結局は自分に戻ってくるという、因果応報の考えを常に心に持っていることが大切です。

親はどう対処するのが正しいの?

わが子がいじめの加害者だった場合。夫婦間で話し合って、今後の対処法について相談します。その後に子供を交え、親御さんの考えや思いをしっかり話して伝えます。
 
いじめは、
相手の人生や命をも奪ってしまうということ
責任を負って一生後悔して生きていかなければならないこと
今はネット上で顔写真から個人情報まですべてさらされ、その後の人生に悪影響を与えること


まさに因果応報ですね。そういった現実をきちんと話して理解させることが大事です。いじめはどんな理由があろうとも絶対にいけないことを理解してもらうためです。
 子供が後悔して反省したら、被害者に親子で謝罪しに行きます。
 親の対応としては、冷静さを失って何も事実を確認せずに感情的になって叱りつけることはしてはいけません。一方的な説教をするのではなく、子供の気持ちもしっかり聞くことが大事です。

わが子がいじめの被害者の場合

いじめ 加害者 被害者

加害者は自分より弱い者を狙います。嫌がるようなことをしても反撃せず、おとなしくて優しい子が狙われる可能性が高いです。
いじめを受けた被害者は、トラブルが大きかれ小さかれその後の人生を大きく狂わされてしまいます。
いじめられているのでは?と疑問をもったとき。子供から打ち明けられた時。その後の親の対応が重要になります。

親はどう対処するのが正しいの?

わが子がいじめの被害者だった場合。まずは子供の話をしっかり聞くことが大事です。
また、学校や相談機関に相談をすることを、子供に示してください。

いじめ 加害者

親の対応としては、学校へ両親が揃って直接担任に相談しに行くのがいいでしょう。壊されたもの・怪我の写真・メールのやりとりなど、なにか証拠のようなものがあると学校側も対処しやすいです。
また、いじめの事実確認や加害者の謝罪を求めると、学校側は困惑してしまいます。事実確認や謝罪も大切ですが、なにか対策を取って欲しいと伝えると効果的です。

わが子がいじめに巻き込まれた親の体験談

体験談①
成人した娘が話してくれました。
娘が中学校の頃、部活で全員から仲間外れにされ、嫌がらせを受けていたようです。顧問は滅多に来ない、好き勝手に絵を描いたり喋ってるだけの美術部だったので娘は居づらくて幽霊部員になってしまいました。
ある日、部活で使っていたスケッチブックが滅茶苦茶に破られ捨てられていました。
その後、娘が顧問に相談すると「そんなの知らないわよ、自分でちゃんと管理しないのが悪いんでしょう」と言われたようです。悲しかったけど誰にも言えず、卒業まで我慢したそうです。自分だけじゃなく、親にまで悲しい思いをさせたくなかったから、今の今まで言えなかった、と言っていました。
娘が辛い思いをしていたのに気づけなかった自分に後悔しています。

いじめ 加害者

体験談②
長男が小学校に入学してしばらくしてからの事です。
長男はお人よしで気が弱い子だったせいか、お友達にからかわれたりちょっかいを出されるようになりました。無視されたり、時には机の上に唾を吐かれたりもしたようでした。私が目撃した時は注意するのですが、その時だけ「はーい」と良い返事をするのです。

当初、嫌がらせをされるのは長男にも原因があるのかもしれないと思い、「何かお友達が嫌がる事をしたんじゃないの?」と聞いてみましたが「してない」の一点張りでした。

しかし、長男が酷い事を言われても言い返せずにずっと我慢していたせいか、嫌がらせが続き、子供の事にはあまり口出ししたくなかった私ですが行動に出ました。嫌がらせをする子のママとはほんの少し交流がありましたので、余計に言いたくなかったのですが、それとなく話してみました。一方的にその子を責めるのではなく、「こんな事があったみたいなんだけど、うちの子がもしかして悪い事したのかな?もしそうなら謝罪しないといけないし」とわざと下手に出ました。
するとそのお母さんがその子に確認してくれ、その子は認めてくれたのです。そして翌日「ごめんね」と謝罪してくれました。

いじめ 加害者

体験談③
「うちの息子からいじめを受けている」と、怒鳴り込まれた経験があります。こちらとしてもまったく想像してなかった事でびっくりしました。仲が良かったはずなのに何で?という感じでした。

結果として、うちの子ともう一人で叩いたり蹴ったりしてた様で…。
親の対応としてしたことは、まず何でそんな事したのか?経緯を息子に聞きました。よくよく話を聞けば、その子が約束を破った事に対する報復攻撃だったという事でした。ですからいじめという感覚とは違います。もちろん理由はどうあれ叩いたり蹴ったりする事はダメだとお詫びに伺い、二度とするなと約束もさせました。相手の子も約束を破った事については謝罪してくれました。
もう、3年経ちますがそれ以降は仲良くしてますよ。

私自身いじめや卑怯な行為は許せないたちなので、その時はかなり息子には厳しく言いました。
ただ、理由が理由だけにこの件に関しては子供の気持ちとしては解らなくも無い、とは子供に伝えました。

いじめ 加害者

いじめは大きな問題!親子ともにしっかり考えよう

いじめの加害者にしないためには、いじめがどうして悪いことなのかを教えることが大事です。理解してもらうために、命の大切さや因果応報、いじめ問題についてよく教え導くことが必要です。

いじめ 加害者

いじめ問題は、決して他人事ではありません。
ニュース、新聞などでいじめの問題が取り上げられたときは、“あなたはどう思う?”と、日ごろから互いの意見を話し合い、子供の心理を理解することが大切です。
そして万が一わが子にトラブルが起きた場合は、その後の親の対応が重要になります。

いじめ 加害者

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この記事のライター
小の寺

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