離乳食の味付けはいつから?時期・食べ物別のやり方を徹底解説!
離乳食は赤ちゃんが初めて食べる食事。赤ちゃんが離乳食をあまり食べてくれない事があると、「味付けのせいかな?」と思ってしまうこともありますよね。今回は月齢に合わせた離乳食の味付けをはじめる時期や、赤ちゃんにおすすめの調味料をご紹介したいと思います。
離乳食の味付け時期と量
赤ちゃんが初めて口にする離乳食ですが、大人は味のある食事に慣れているので作るのは難しいと思いがちですよね。
赤ちゃんがあまり離乳食を食べないと、バリエーションが少なかったり味付けが薄すぎるのかな?とも思ってしまいますよね。
離乳食は味付けが必要なく、薄味が良いとされていますが、離乳食に味付けをするタイミングはいつから、また、おすすめの調味料などはあるのでしょうか?
味付けはいつからするの?
離乳食は基本的に味付けの必要はありません。
特に離乳食を開始してまもない初期の頃は、味付けをするよりも素材そのものの味を赤ちゃんに感じてもらう事が大切です。
味付けを無理にして、赤ちゃんにとって濃い味付けをしてしまうことはおすすめできません。
では、いつから味付けをすれば良いのでしょうか?
調味料で離乳食に味付けをするのは中期以降になります。ただ、調味料それぞれ使用していい量が決まっています。
離乳食の代表はお粥やうどん、雑炊ですが、どの時期にどのくらいの調味料を使用していいのか不安になりますよね。
大人と赤ちゃんは全く違うので、調味料はごく少量で薄味で構わないので、いつからどの調味料を使えるのか、味付けが好ましいのか、月齢に合わせた調味料の量を知る事が大切です。
味付けの注意点
乳幼児期に培われた味覚や、食事の嗜好はその後の食習慣にも影響を与えます。
離乳食は味付けをせず、薄味にした方がいいと言われるのには理由があります。
これは何故かというと、赤ちゃんの頃に濃い味付けに慣れてしまうと、大きくなってから濃い味付けのものを好むようになってしまう傾向があるからです。
また、赤ちゃんは肝臓がまだ未熟なので、濃い味付けの離乳食を食べさせると未熟な肝臓に負担がかかる原因になってしまいます。
そのため、離乳食に味付けをする時には風味付け程度のごく薄味を心がけるようにしなければいけないのです。
肝臓の負担も気になりますが、濃い味付けで糖分の摂取量が増えてしまうと、肌を乾燥させる原因になります。乳児期に甘い物を食べ過ぎると、赤ちゃん本来の潤いある肌が失われ、ガサガサ肌になってしまうのです。
特に乾燥しやすい秋冬シーズンは、乳児湿疹でつらい思いをする赤ちゃんが増えます。乾燥によるかゆみが原因で、夜泣きやぐずりに繋がりやすくなるのです。
赤ちゃんを喜ばせたくて甘すぎる味付けをしてしまい、こういった乾燥の原因になってしまうと本末転倒ですよね。
こういった事から味付けは薄味を心がけないといけないのです。
離乳食の時期に合わせた味付け方法
基本的に必要のない味付けですが、少量で薄味を心がければ離乳食のバリエーションが増えるのでおすすめです。
離乳食に使用できる調味料は、離乳食を食べる月齢や進度によって調味料の種類や量が異なります。離乳食に代表的な食材はお粥、雑炊、うどん、野菜スティックですよね。そのような食材にいつからどのような調味料を使えるのか、時期ごとにおすすめの調味料と量をご紹介したいと思います。
離乳食初期からの調味料(5~6ヶ月)ゴックン期
離乳食を始めたばかり、初期の1ヶ月は調味料の使用は好ましくありません。
まずは素材そのものの味を感じられるように、味付けをしないものを作りましょう。
離乳食初期に食べられる野菜のすりつぶしなども問題なく食べられるようになってきたら、
◎トマトピューレ(5~6倍に薄める)
◎昆布だし、野菜だし(どちらも薄める)
◎ベビーフードのコンソメやだしの素、中華スープの素(どちらもメーカーの表記に従う)
などの調味料で風味付け程度に味付けをしてみましょう。
特に昆布や野菜だしはうどんや雑炊、お粥にとてもおすすめです。
雑炊などは一度に作り、小分けして冷凍しておくと便利ですよね。
離乳食初期は、アレルギーの有無の確認や、離乳食中期以降に食べる事が出来る食材を増やすためにも赤ちゃんにとって大切な時期です。
特にパパやママに食物アレルギーがある場合、新しい食材を与える時は慎重に進める必要があります。
離乳食初期はミルクで十分に栄養を補う事が出来るので、無理に味付けはせず、「少しだけでも食べる事ができた!」という経験や達成感を味わう事によって味覚形成を促すことに専念しましょう。何も食べきる事が目標ではありません。
また、一口食べて吐き出してしまうからといって、この食材が嫌いで食べないんだ、と決めつけないようにしましょう。
赤ちゃんの嗜好は変わっていきます。しばらく日にちを空けたり、食材の大きさや食感を変えるなどの工夫をすると、以前食べなかったのに急にペロリと食べてしまう事もあるのです。
離乳食中期からの調味料(7~8ヶ月)モグモグ期
離乳食を始めて2ヶ月が過ぎた頃、上手に離乳食をゴックンと飲み込めるようになってきたらいよいよ離乳食中期です。
初期に比べると中期の後半からは使用出来る調味料の種類が増えます。
ただし、赤ちゃんの発達には個人差があります。負担の事も考えると調味料を使用しての味付けは出来る事なら使わず、食材そのものの味のまま食べてもらう事が一番良いのです。
調味料を使用する場合は、量や濃さに注意し、できる限りの薄味を心がけましょう。
離乳食中期から使用できるおすすめの調味料です。
◎バター(1回1gまで)
バターは、離乳食中期ぐらいから使用できる調味料の一つです。無塩バターを選ぶようにしましょう。
量は小さじ4分の1程度で大丈夫。風味付け程度にしておきましょう。
◎砂糖(1回2~2,5gまで)
砂糖も離乳食中期から使用できる調味料の一つです。こちらの調味料で味付けをする際も、風味付け程度で少量にしておきましょう。
果物や野菜にも「糖質」「糖分」という形で砂糖の成分が入っているので、離乳食を食べると自然と摂取しているのです。
ただし、身体にいいと思われがちな黒砂糖は乳児には与えてはいけないとされる「ボツリヌス菌」が混入している可能性があるので、1歳までは与えないようにしましょう。
◎塩(1回0.1gまで)
できる限り使用しないようにしましょう。
◎かつおだし
鰹節からとっただしを薄めて使用しましょう。
◎オリーブオイル
バターなどの乳脂肪になれてから少量ずつ試しましょう。
離乳食後期からの調味料(9~11ヶ月)カミカミ期
次に、離乳食後期から使う事が出来る調味料をご紹介します。
後期になってくると使用できる調味料が増えてくるので、味付けのバリエーションも増えてきます。
後期になると離乳食の回数が1日3回になり、野菜スティック、肉や魚など食べる事ができる食材も増え、1日に必要な栄養の半分以上をミルクではなく離乳食から摂取するようになります。
様々な種類の調味料が使えるようになる時期なので、味のバリエーションが増えてついつい濃い味付けの物を食べさせがちですが、それはやはり離乳食。後期になっても赤ちゃんの健康を考えて薄味を心がけることが大切です。
この頃は赤ちゃんが自分自身の手で食べる事に興味が出始める時期でもあります。赤ちゃんが手で掴みやすく食べやすい野菜スティックなどのメニューを用意してあげると、喜んで食べる事も多いですよ。
そして、ひとつの料理に複数の涼味量を混ぜて使用する事はせず、どれかひとつだけの味付けにして薄味を心がけましょう。
では、離乳食後期から使う事が出来る調味料です。
◎醤油(小さじ1/3まで)
離乳食後期頃から数滴ほど使用出来る調味料です。ただし醤油は塩分が強めなので、風味付け程度の使用にしましょう。
◎味噌(2~4倍に薄める)
味噌も離乳食後期から少量の使用ができます。ただし、出汁入りの味噌だと塩分が強すぎるので避けるようにした方が良いです。
お味噌汁を離乳食で与える場合、大人のお味噌汁の上澄みを4倍程度薄めてあげるといいでしょう。
◎食用油(1回1gまで)
ラードなどの動物性油ではなく、植物性のサラダ油やオリーブオイルがおすすめです。
離乳食完了期からの調味料(12~18ヶ月)パクパク期
1日3回の離乳食のリズムも整ってくる離乳食完了期。活動に必要なエネルギーや栄養の80%を離乳食から得られるようになるのが理想です。
しかしまだ一度に沢山の量を食べる事が出来ない赤ちゃんは、3回の食事とは別に午前と午後に2回果物などの軽食と牛乳などのおやつを与え、こまめに必要な栄養をとらせてあげると良いでしょう。
食べる事が出来る食材も増え、大人の料理から取り分けて食べさせる事も出来るようになる離乳食完了期。しかし赤ちゃんの健康も考えて味付けが濃いものは控えるようにしましょう。味付けをする前の薄味の時に赤ちゃんのぶんだけ取り分けて、別で味付けをするのがおすすめです。
完了期は手ではなく、自分でスプーンやフォークで使い食べる事に興味を持ち始める時期でもあります。
テーブルや服を汚してしまったり、遊んでしまったりして食べるのに時間がかかることも多いですが、温かく見守る事が大切です。
離乳食完了期に使用できる調味料です。
◎マヨネーズ(ごく少量)
卵アレルギーに注意しましょう。マヨネーズも初めは加熱して与えましょう。
◎はちみつ(ごく少量)
必ず1歳を過ぎてから与えましょう!
◎ケチャップ(1回3gまで)
できればトマトピューレなどが好ましいですが、ごく薄くして与えましょう。
食べ物別!おすすめの味付け方法
ここまで様々なおすすめ調味料をご紹介してきましたが、実際に離乳食にいつからどのように調味料を使えば良いのか、悩む方も多いと思います。
ここからは食材ごとにおすすめの調味料と味付けをご紹介するので、是非参考にしてみてくださいね。
うどんの味付けは?
うどんは離乳食初期から食べる事ができます。柔らかくうどんを茹で、時期にあった形状や長さにしてから与えましょう。
初期はうどんを裏ごしやすりつぶして。中期は0.3~0.5cm、後期は1~2cmの長さが丁度良いです。
うどんの味付けは調味料ではなく、にんじんやほうれん草をみじん切りにして片栗粉でとろみをつけるなどしても食べやすく良いですね。
お粥・雑炊の味付けは?
お粥・雑炊は色々なバリエーションが出来るとてもおすすめの食材です。
かぼちゃやほうれん草をそれぞれレンジでチンしてすりつぶし、お粥に混ぜるだけで立派な味付けです。
また、お粥・雑炊は水ではなく豆乳を使って炊けばタンパク質も採れるので栄養面でも良いでしょう。
お粥・雑炊も一度に炊いてしまい、一食ずつ小分けにして冷凍しておくと便利で良いですね。
野菜スティックの味付けは?
手づかみレシピの定番と言えば野菜スティック。茹でるだけの野菜なのでベタベタに汚れる心配も少なく栄養面でもどんどん取り入れたいのが野菜スティックですよね。
野菜スティックは、人参、大根、かぼちゃ、ジャガイモ、サツマイモ、アスパラなどの形が残る食材であれば何でも大丈夫です。
初期は野菜スティックではなくすりつぶして与えるのがおすすめです。
後期はバナナくらいの固さになるように加熱しましょう。
納豆の味付けは?
離乳食で納豆はいいの?いつから?と思われがちですが、栄養豊富で離乳食におすすめとされる食材です。
納豆をあげていいのは中期から。まずはじめは加熱し、細かく刻んだものを少量からはじめましょう。
添付されているタレは使わず、納豆は特に味付けをする必要がない食材です。
煮物・野菜炒めの味付けは?
「大人のご飯から取り分けて薄味に」と良く言われる離乳食ですが、実際に作る時はどうすればいいのか考えがちですよね。
煮物や野菜炒めは特に大人の物を取り分ける事が多いはずです。
コツとしては、できあがったものから取り分けて薄めるのではなく、まず全体を赤ちゃん用に味付けをして整え、その段階で取り出し、最後に大人向けの味付けにするのです。
味付けはできるだけ薄味で。煮物はだしで風味付けで十分です。
離乳食を食べやすくするおすすめの味付け方法は?
今まで問題なく食べていたのに急に食べなくなったり、なかなか離乳食の食べる量が増えないと味付けに問題があるのでは?と思いがちですよね。
早い段階で濃い味付けをするのは赤ちゃんにとって良くありません。
味付けをしなくても離乳食を食べてくれる方法がいくつかあるので何点かご紹介します。是非参考にして試してみてください。
だしや野菜スープを使用する
昆布や鰹のだしで食材を煮ると、調味料を使わず味に変化をつける事ができるのでおすすめです。
だしは面倒だと思いがちですが、一度に沢山作って製氷皿などで小分けにして冷凍しておくと便利ですよ。
スーパーで売られている大人用のだしの素はNGです。
とろみをつけて食べやすくする
赤ちゃんはパサパサした食感が食べにくいのか好まない傾向です。片栗粉やヨーグルトなどでとろみを少しつけると食べやすくなるので、是非試してみましょう。
海苔やきな粉で味付けする
離乳食の味付けは調味料以外の物でも大丈夫。海苔やきな粉は栄養価も高いので離乳食の味付けにとてもおすすめの食材です。
海苔は塩や醤油の代わりとして。きな粉は砂糖の代わりとして使用すると食べやすくおいしいでしょう。ただし、海苔は味付け海苔ではなく焼き海苔を使用してください。
調味料を使って味付けのバリエーションを増やそう!
いかがでしたか?基本的に離乳食に調味料は必要ないとされていますが、味付けを少しするだけで離乳食のバリエーションが増えて良いですよね。
どのように使うのか、量はどのくらいなのか悩む事もあると思いますが、ご紹介したように調味料は「風味付け」程度を意識して、ごく少量を使用すればいいでしょう。
離乳食のバリエーションを増やす事で、赤ちゃんもより喜んで食べてくれるかもしれません。使える調味料やメニューを工夫して、離乳食作りを楽しみましょう!