100均で買えるセルクルの種類は？上手な使い方と代用品の作り方も

きれいに円柱に型抜かれた、サーモンとクリームチーズのミルフィーユ仕立てに、スポンジやコンフィチュールを層にしたフランボワーズのムースケーキ。料理好きの方であれば、フレンチのコースで出てくるようなこんな気の利いた一皿を「お家でも作ってみたい！」なんて一度は思ったことがあるでしょう。

そんな少し憧れ感のある、型抜き系の料理ですが、実は意外や意外、ダイソーなどで売っている「セルクル」があれば、誰でも簡単に本格フレンチのような一皿をつくることができるのです。

と、ここで「え、セルクルって何？」とぽかんとされている方、それはきっとあなただけではないはずです。まだまだ認知度が低い、料理通界隈で使われている魔法の道具「セルクル」とはどんなものか、はじめにご紹介しましょう。

生クリームをシェイクするだけで簡単に泡立てられるホイッパーから、面倒な栗の皮もつるっとむける専用カッターまで、私たちの身近にあるちょっとした不便や面倒ごとを解決するグッズを揃えているのが、ダイソーをはじめとする100均です。

「そうそう、こういうものが欲しかったの！」ダイソーなどの店内を見て回れば、そんな“痒いところに手が届く”商品が次々と目に飛び込んできますが、あなたが調理・製菓グッズ目当てであれば、きっとある「銀の型」に目が留まることでしょう。

一瞬、「ホールケーキを焼くための型かな？」とも思える見た目なものの、よく見ると底がなく、大きさもケーキ型よりも一回り小さい…そんな商品と出会ったのなら、それがずばり「セルクル」です。

ダイソーでは「セルクル型サークル」や「セルクルリング」と呼ばれて、用途に応じて大小2サイズから選ぶことができるこの商品、パッケージにも記載されている通り、ババロアやムースの成型用に、またスポンジケーキを丸く型抜きしたいときに活躍してくれる一品です。

パントリーの片隅で星やハートの可愛らしい型抜きが目に入ると、「いかにもお菓子づくりが上手そう！」なんて印象を持つものですが、セルクルも同様、お菓子づくりに目覚めてくると手にしたくなるアイテムのひとつでしょう。

「お子さんの誕生日にホールケーキを焼いてあげたい！」「せっかくだから、スポンジケーキから挑戦してみようかな」セルクルの出番となるのは、そんな場面です。

「固まる前の生地を流し込むなら、底のあるケーキ型の方が向いているんじゃない？」と思う方も多いでしょうが、セルクルの下にオーブンシートなどを敷くことで、ふわふわのスポンジも、チーズケーキの生地もきれいに焼くことができるのです。

底がなく最小限のパーツでできているからこそ、他のものと組み合わせれば幅広い使い方ができる、それこそがセルクルを使う醍醐味と言えるでしょう。

タルト生地の上に、純白のレアチーズ、最上階にはぱっと鮮やかなベリームースが…ホテルやカフェを訪れて、そんな何層にも重ねられた手の込んだスイーツが出てくると、気分も上がり、思わずスマホのカメラを向けてしまうものです。

こうした、もうそれだけで絵になるムースケーキ、「手作りをするのは、一部のお菓子作り上級者だけ…」なんて思いがちですが、実はダイソーなどのセルクルがあれば、意外と簡単に完成度高く作ることができるのです。

直径6cmのものなど、小ぶりなサイズも手に入るダイソーなどのセルクルは、ムースやババロアを好みの大きさに冷やし固める、そんな使い方でこそ本領を発揮します。

セルクルにムースやババロアを流し込むときには、底にラップを張って、輪ゴムで留める使い方が手軽です。はじめて挑戦するときは、まずはムースやババロアなどを一種類だけ、型で固めるところからスタートしてみましょう。

そんな、手作りスイーツのクオリティを格上げしてくれる魔法の型、セルクルは、甘いものだけでなく、おかず系メニューでの使い方もおススメです。

たとえば、ダイソーなどの小さ目の型に、サーモンやアボカド、クリームチーズなどをぎゅっと詰めていけば、フレンチコースで出てくるような、おしゃれなオードブルがあっという間に完成します。

「ステイホームで最近外食も減って寂しいな…」「たまには両親を招いて、ちょっとしたおもてなしをしたいな」なんて思いが巡ったそんなとき、ダイソーの型と、彩の良い食材を少し揃えて、テーブルに華を添える型抜き料理にトライしてみてはいかがでしょうか。

お家で過ごす時間に一層目が向けられるようになった今、「一食、一食のごはんを大切にするようになった」という声も多く、SNSでは、この機会に新しいレシピに挑戦したり、ごはんの盛り付けや食器にちょっぴり凝り始めたなんて方の投稿も見られるようになりました。

中でもひと際、目に留まるのが、ダイソーなどの100均で買えるセルクルを使ったレシピの数々。「#セルクルサラダ」「#セルクルケーキ」なんてタグ付けされた投稿を見ると、おもてなしにも喜ばれそうなフォトジェニックなアイディアが何百件も寄せられています。

そんな、一目見れば、あなたもきっと使いたくなるセルクル、ここではその人気の理由をご紹介しましょう。
 

ホームセンターのキッチン用品コーナーをのぞいてみると、大なり小なりひとつ1000円程度はするセルクルですが、ダイソーなどの100均でも、同様の商品を種類豊富に取り揃えています。

オールマイティに使えるサイズ違いの丸型をはじめ、ハートやスターのかたちなど、お子様も喜びそうなそのラインナップに、料理好き・お菓子作り好きなら、きっと「これで、こんな使い方したいな！」なんて、料創作意欲をくすぐられてしまうことでしょう。

中には動物型のセルクルもあり、SNSでも「100均のセルクルで、猫パンを作りました！」なんてキュート使い方を紹介する投稿が話題を集めました。

セルクルの王道の使い方といえば、やっぱりお菓子作りのシーンでしょう。ケーキやムースはもちろん、
近頃のレシピ動画サイトでは、大きさのちがうセルクルを合わせ使いし、切ったときに断面が市松模様になるようなスイーツまで紹介され、もはや芸術の域とも言えるその美しいルックスは、多くの視聴者の注目を集めています。

そんなセルクルのいいところといえば、やっぱり手軽さです。一見、ハードルが高そうに見える、こうしたSNS映えするお菓子も、セルクルを使えば意外と失敗なしにできるとあって、料理ビギナーの方や、「お子さんと一緒にお菓子づくりを楽しみたい」というパパ・ママの間でも、続々とユーザーが増えています。

もちろんダイソーなどのセルクルは、お菓子作りだけでなく、冒頭でご紹介したようなちょっとしたオードブルの盛り付けなど、おかず料理の仕上げにも役立ちます。

円柱型に料理を盛りつけたいというときはもちろん、中には、目玉焼きをセルクルで綺麗に丸く焼いて、プロ並みのハンバーガーを手作りしているというツワモノまで現れ、その使い方もどんどん広がりを見せています。

SNS映えを意識したい方はもちろん、「盛り付けを工夫して、もっと家族と食卓を囲む時間を楽しみたい！」なんて方もぜひ、100均のセルクルをキッチンツールとしてプラスしてみてはいかがでしょうか。

そんな、ひとつあるだけで、料理やお菓子作りの仕上がりをぐっと底上げしてくれる100均のセルクル、「ちょっといいかも…」なんて気になってきた方のために、実際にお店で買えるラインナップをご紹介します。まずは、安定の品揃えで支持されているダイソーの手堅いセルクルからお届けしましょう。

直径6㎝、高さ5cmの小ぶりな大きさで、ちょっとしたタルトを焼きたいときや、おかずの一品をフレンチ風に盛りつけたい、そんな使い方をしたいときに、ちょうどいいセルクルです。

セルクルリングの深さはそのままで、直径が10.6cmバージョンの大き目セルクルです。4号サイズのケーキよりも少し小さい程度なので、「2人くらいで食べるホールケーキをつくりたい！」なんてシーンで重宝します。

お子さんも大喜び間違いなしの、お星さま型のホットケーキ。そんな3時のおやつを叶えてくれるのが、ダイソーのセルクル型（スター）です。直径10cm、深さ5㎝で、オムライスなどごはんものの型にする使い方も人気です。

続いては、100均の中でも、女性向けのハイセンスなアイテムが豊富で人気のセリアから、こだわりセルクル３選のご紹介です。ダイソー派、それともセリア派か、使い方に応じて、あなたにぴったりなセルクルを探してみましょう。

セリアも基本のセルクルは直径6cm・高さ5cmで、ダイソーの小さいセルクルと同じサイズです。オーブンは対応していますが、食器洗い機や電子レンジにはかけられないので、購入前に使い方を確認すると安心です。

大中小3種類のセルクルがセットになったお得なセット。直径は大きいものから順に、直径6.5cm、5cm、3.4cm、高さは約2cmで、クッキーの型抜きや、ドーナッツ作りにおすすめです。

先ほどのセルクル3点セット、実は丸以外にも、ちょっと遊び心のあるデザインも用意されています。特にこちらの星とハートの2種セットは、クッキーなどの焼き菓子作りに呼び声の高い商品です。

そんな、店舗によって、さまざまなサイズやデザインを展開しているセルクル。ここでは「どれも気になるけれど、用途が決まらないと選びにくい…」という方のために、100均のセルクルを買ったら試してみたい、とっておきの使い方をご紹介しましょう。

クリスマスや家族の誕生日が近づいて、「そうだ、思い切って今年はケーキを焼いてみようかな」なんて考えから、100均の製菓用品コーナーに引き寄せられるという方も多いでしょう。定番のスポンジケーキはもちろん、ムースケーキやタルト、変化球ではゼリーケーキ作りにも使えるのが、セルクルの嬉しいところです。

まずここでは、はじめての方でもつくりやすいレアチーズケーキの作り方をご紹介しましょう。通常のレシピで使うゼラチンの代わりに、マシュマロでケーキを固めるこのレシピ、分量は直径10cm程度のセルクルを使う際の目安になります。

1. 市販のビスケットを5,6枚程度ポリ袋に入れて、めん棒などで砕き、溶かしバター20gと混ぜます。
2. セルクルの底にクッキングシートを敷き、1.を敷き詰めていきます。
3. クリームチーズ100gを600Wで30秒ほど温め、なめらかになるまで混ぜます。
4. さらに3.へ、プレーンヨーグルト100gを加え、よく混ぜます。
5. レンジにかけて溶かしたマシュマロ90gを4へ加え、マシュマロの形がなくなるまで混ぜます。
6. 最後に5.を2.で用意したビスケット生地の上へ流し込み、冷蔵庫で4時間程度冷やせばできあがりです。

続いて、今100均のセルクルを手にした人が、次々と試している、定番パーティーメニュー「押し寿司」をご紹介しましょう。大き目のセルクルでケーキ型にするのも良し、小さいセルクルに詰めて、カップ寿司のように一人分ずつ盛り付けするのもおススメです。下記でご紹介する具材や積み重ね方は、あくまでも一例です。ぜひお好みのトッピングで、あなたらしいお寿司をお楽しみください。

1. セルクルに酢飯を詰めます。
2. 1.の上にお好みのお刺身や、錦糸卵、大葉などを重ね、さらに酢飯を詰めていきます。
3. その後も、酢飯と具材を交互に重ねていき、最後に桜でんぶやいくらを散らせばできあがりです。
    

続いては、普段のおかずとしても、ぱぱっと作れると便利なプチキッシュの作り方です。どどーんと大きなパイ皿で焼くキッシュは、おもてなしには盛り上がるものの、平日の夜ごはんにもっとカジュアルに楽しみたいということもあるでしょう。そこで今回は、小さなセルクルと、パイシートの代わりに餃子の皮でつくる簡単キッシュのレシピをお届けします。

1. オリーブオイルを熱したフライパンに、ほうれん草1/6束、玉ねぎ1/4個、ベーコン2枚を入れて炒めます。
2. 1.にバター小さじ1/2と塩こしょう少々を加えます。
3. 卵1/2個、生クリーム25ml、牛乳25mlをボウルに入れ、よく混ぜます。
4. セルクルの底にオーブンシートを敷き、餃子の皮を詰め、2.を入れます。
5.  4.にピザ用チーズを入れ、3.を入れます。
6. 最後にオーブンで10分程度加熱すればできあがりです。

続いては、ヘルシーなお野菜をもっと可愛く、もっと華やかに楽しむためのアイディア、SNSでも投稿の多い「#セルクルサラダ」のレシピをご紹介しましょう。レシピは直径6cmのセルクルの場合の分量。マッシュポテトを土台にすることで、全体が安定し、キレイに成型することができます。

1. 皮をむいたじゃがいも1個を600Wの電子レンジで5分加熱し、マッシャーなどでつぶします。
2. 1.にバター10g、牛乳大さじ3と加えて混ぜ合わせます。
3. アボカド1個を1cm角に切り、レモン汁小さじ1、マヨネーズ大さじ1、塩こしょう少々と和えておきます。
4. 刺身用のサーモン100gを1cm角に切り、みじん切りにした玉ねぎ、オリーブオイル大さじ1/2、塩小さじ1/4と和えます。
5. お皿の上にセルクルを置き、2.のマッシュポテト、3.のアボカドのタルタル、4.のサーモンのマリネの順に詰めていきます。最後にセルクルをそっと抜けばできあがりです。

ヘルシーなお野菜料理の後は、メインディッシュに作りたい「ミートローフ」のご紹介です。パウンド型で焼くと、どうしても多めにできてしまい、普段の食事にはちょっとtoo muchなこともありますよね。セルクルなら少量からできるので、冷蔵庫に半端な量のお肉が余っているときや、お弁当のおかずに入れたいようなときにもおすすめです。レシピでは、直径6cmのセルクルで、2人分つくる際の分量をご紹介します。

1. ボウルに、合いびき肉100g、みじん切りにした玉ねぎ1/4個、卵1/2個、塩こしょう少々、すりおろしにんにく小さじ1/2、ナツメグ小さじ1/3を入れ、よく捏ねます。
2. 底にオーブンシートを敷いたセルクルに、1.を詰めます。お好みでミックスベジタブルなどを入れても、彩良く仕上がります。
3. 200℃に熱したオーブンで、30分ほど焼けばできあがりです。ケチャップとウスターソースを和えたものなど、お好みのソースでお楽しみください。

最後におまけとして、ちょっと変化球な、セルクルを使った「松風焼き」のレシピをご紹介しましょう。

年に一度、お正月のおせち料理の一品として、松風焼きを作るご家庭もあるかと思いますが、セルクルを使えば、少量から気軽に作れるので、もっと身近な料理に感じられるはずです。目上の方をお招きする際など、「たまには和食でおもてなしをしたい！」なんてときにもおすすめです。

1. ボウルに、鶏ひき肉100g、みじん切りにした長ネギ5cm、卵1/2個、パン粉10gを入れます。
2. 1.に赤みそ小さじ2、砂糖小さじ2、みりん小さじ1、料理酒小さじ1を入れて、粘りが出るまでよく混ぜます。
3. オーブンシートを底に敷いたセルクルに、2.を詰め、白いりごまをまんべんなく散らします。
4. 180℃に余熱したオーブンで20分程焼けばできあがりです。
    

ここまでご紹介したように、前菜やサラダ、メインのお肉料理から食後のデザートまで、あらゆるレシピで大活躍してくれる100均のセルクルに、「さっそく使ってみたい！」と心を奪われた方も多いでしょう。

でも、中には「お店へ行ったら、たまたまセルクルが売り切れていた…」という方や「週末のパーティーに使いたいけど、それまでに買いにいけなさそう」なんて方もいるかもしれません。

そこで最後に、セルクルが手元になく、肩を落としている方のために、100均で揃う便利な代用品をご紹介しましょう。

一つ目は、しっかりとした素材で、具材を成型しやすい牛乳パックです。

作り方はとっても簡単。飲み終わった牛乳パックのどこか一面を切り取り、口の部分をホッチキスで留めて型の形に整えれば完成です。牛乳パックからセルクルを作る場合は、基本的に四角いパウンド型が向いています。牛乳パックは、洗ってよく乾かしてから使うようにしましょう。

画用紙などの厚紙も、セルクルとして代用することができます。ただし厚紙の場合、強度は期待できないため、ホチキスで留めて形を整えたあと、最後にアルミホイルを外側から巻いて使うのがおすすめです。「クッキーを焼こうと思ったら、セルクルの数が足りない！」なんてとき、即席セルクルとして頼りになる方法です。

最後は、ゼリーやババロアを固めるときに使える、クリアファイルでの代用術です。クリアファイルは素材の性質上、オーブンやレンジには残念ながらかけられませんが、冷蔵庫に入れて固まらせる目的であれば、十分役立ちます。厚紙と同様、好みの大きさや形にカットし、ホチキスで留めてセルクルを自作しましょう。

料理とは不思議なもので、盛り付けひとつで、食べるときの感動が何倍にも大きくなるもの。だからこそ、家族や大切な人と一緒に囲むテーブルには、みんなのワクワクをそそる、とっておきの一皿、一皿を並べたいものですよね。

100均のセルクルは、そんな「お家ごはんを楽しみたい！」すべての人の力になってくれる、魔法の道具です。ぜひあなたも、普段のお食事やお菓子づくりにセルクルを取り入れて、フォトジェニックな感動が生まれるお家ごはんを演出してみてはいかがでしょうか。