2018年06月27日公開
2019年11月17日更新
アールヌーボーを徹底解説!アールデコとの違いとは?
お部屋のインテリアはアンティークに?モダンに?と考えたとき、かならず出てくるキーワードがアールヌーボーです。聞いたことはあるけれど、一体なんのこと?どんなものがあるの?といった基本から、アールヌーボーの魅力までわかりやすくお答えします。
目次
アールヌーボーとは?
インテリアに興味のある人もそうでない人も、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。筆者も、以前は「アールヌーボーって聞いたことはあるけれど、歴史的に価値のある物の名前かな?」くらいの知識でした。
なぜアールヌーボーについて興味を持ったかといえば、趣味でアンティーク雑貨を探していた時期があったからです。インテリアに興味がある人も、そうでない人も、知るとハマる「アールヌーボーの世界」についてご紹介しましょう!
アールヌーボーとは
まずはアールヌーボーについて詳しく見ていきましょう。歴史や美術の授業に出てくる単語がちらほら見えますが、嫌にならずに最後までお付き合いくださいね!
言葉の意味を見てみよう!
アールヌーボー(Art Nouveau)は「新しい芸術」という意味のフランス語です。これでは少しわかりづらいので、「新しい芸術のスタイル」と考えればいいと思います。いつの時代も、アーティストたちは新しく独創的なものを求めています。そんな中で生まれたアールヌーボーは、今までの芸術のスタイルとは違った当時の革新的な芸術の形だったのです。
いつの時代のこと?
アールヌーボーは19世紀末から20世紀はじめにヨーロッパで流行した芸術スタイルです。
この頃の日本は明治時代となり西洋の文化が取り入れられ、かわりに日本の文化がヨーロッパに知られることとなりました。以前、アールヌーボーをお宝のひとつだと思っていた筆者は「お宝といえばやっぱり昔の古い時代のものでしょ!」と思っていました。意外と新しい時代のものだったことに驚きました。
アールヌーボーの新しいスタイルってどんなスタイル?
産業革命の時代に機械化が進み、均一化された質の良くない品物が大量生産され、世に出回りました。それでは培ってきた職人技が生かされず、生活が味気ないものになってしまう、と考えた人々によって起こった「生活に工芸品や美術を取り入れ、豊かな生活を送ろう」という「アーツ・アンド・クラフツ運動」から生まれた新しいスタイルです。
今でいう「丁寧な暮らし」に少し意味合いが似ているかもしれませんね。
アールヌーボーって具体的にどんなもの?
アールヌーボーのデザインは、自由で優美な曲線の模様が多く、動植物や昆虫の模様がデザインとして取り入れられ、しかも木や石といった従来の素材から鉄やガラスといった新しい素材を使って生み出されました。
アールヌーボーのデザインはそれまでの画家や彫刻家の作り出す絵画や美術品だけでなく、グラフィックや建築物、家具や食器といった工芸品や生活用品にも取り入れられ、人々の暮らしの中に息づいていったのです。
アールデコとの違いは
「アールヌーボー」によく似た言葉に「アールデコ」という言葉があります。同じような言葉でも内容はまったく違います。その違いについてみていきましょう。
■ 時代が違う
アールヌーボーの次に流行したスタイルがアールデコです。
■ 場所が違う
アールヌーボーが流行したのがヨーロッパだったのに加え、アールデコはアメリカ合衆国でも流行りました。
■ デザインが違う
アールヌーボーが優雅な動植物や昆虫といった植物や生物の模様を生活のデザインとして取り入れたのに対し、アールデコは曲線と直線を用いたスマートな幾何学模様を建物などのデザインとして取り入れたものです。
アールヌーボーの作品はどんなものがあるの?
なんとなくアールヌーボーのことがわかってきたところで、具体的にはどういった作品があり、どんな魅力が人気なのかを見ていきましょう。お宝好きな人なら耳にしたことのある、ガレやミュシャといった名前も出てきますよ!
アールヌーボーの建築や家具
アールヌーボーの特徴でもある花や草の抽象的な模様を外観や内装に取り入れたアールヌーボー様式の建築物がヨーロッパ各地に建てられました。よく知られている建物には、アントニオ・ガウディによる「サグラダ・ファミリア」やヴィクトール・オルタによる「タッセル邸」があげられます。
アールヌーボーの画家と模様と工芸
アールヌーボーの代表的な画家といえばアルフォンス・ミュシャではないでしょうか。挿絵画家をしていたミュシャは女優サラ・ベルナールのポスターを描いたことで脚光を浴びました。革新的なアールヌーボーの時代とマッチした画家たちは伝統的な絵画の枠を超え、グラフィックの世界でも活躍しました。
アールヌーボー期の画家たちの描く絵は、それまでの人物画や宗教画を書いていた画家とは違い、今のイラストレーターやグラフィックデザイナーに近い印象を持ちます。
アールヌーボーの食器やガラス細工
アールヌーボーのデザインには、自然界のものが多くあります。そういったデザインは私たちにも馴染みが深く、取り入れやすいものです。食器やブローチや髪飾りといった装飾品として普段使うものにも取り入れられました。特に有名なのがエミール・ガレのガラス工芸です。
日本におけるアールヌーボー
アールヌーボーに影響を与えたのは実は日本の文化だったという説があります。事実、アールヌーボーのデザインには、日本の浮世絵や彫金、友禅染の着物の図柄と共通するものがあります。自然の草花や動物、昆虫がデザインとして取り入れられているほか、素材も様々な上、生活の中で使われている調度品にも使われているデザインだという点です。
自然界のものはどれも曲線美にあふれています。曲線は女性的で柔らかく、時にユーモラスです。日本は古来から身近な自然を敬い、大切にしてきた文化です。ヨーロッパでの美術は一部の上流階級の人々だけのものでした。庶民の生活の中にも取り入れられていた日本の文化は、アールヌーボー期のヨーロッパの画家や作家たちに影響を与えたのかもしれません。
アールヌーボーの家具とは?
曲線的なデザインが特徴
家具の代表として、イスやチェストがあげられます。流れるような曲線を取り入れたデザインや草花など細かな模様が施された取っ手など、アールヌーボーの特徴が見られます。アールヌーボー以前のロココ調やゴシック調の家具にも見られる古典的なデザインを取り入れつつも、造形や色づかいに独創的なものが多く、新しいものを作りたいというアーティストたちによるデザインへの挑戦を感じることができます。
植物などの有機物をモチーフにしている
アールヌーボーといえば代表的なものがガラス製品です。花や植物をモチーフにしたランプや花瓶、グラスといったガラス製品が一つあると生活に高級感がプラスされます。小さな窓枠にはめ込まれたステンドグラスもいいですね。ガラス製品は光の印象を優しく変えることができますので、インテリアとして取り入れることでリラックスできる空間が演出できます。
鉄を使った繊細なデザイン表現が
アールヌーボー期に新しい素材として建材に取り入れられたのが、アイアンです。自由な曲線のデザインを取り入れた鉄素材の手すりや窓格子など大きなものは建物の外観や内装に取り入れることができます。
6,936円
商品の購入はこちら小さいものではフォトフレームや鏡のフレームなど、雑貨として取り入れるだけでもアンティーク調なインテリアになりますね。シンプルな色合いなのでアールデコ調のお部屋にもよくあいます。
モダンスタイルとの組み合わせも
アールヌーボー期から時代が進み、さらに機能的で現代的な様式に変化していったものがアール・デコです。アール・デコはモダンスタイルのインテリアとして現代でも多く取り入れられています。幾何学的なデザインは洗練されていて都会的な雰囲気です。
4,200円
商品の購入はこちらアールデコ調の幾何学模様の壁紙やラグは何を合わせても他のものを引き立てます。ポイントとしてアール・ヌーボー調の家具やポスターなどを合わせても、重厚になりすぎずスッキリとまとめることができるでしょう。
アールヌーボーに関する体験談や口コミ
■アールヌーボーのデザインは、インテリアとして存在感がありますので、ひとつ取り入れるだけでお部屋の雰囲気が変わります。日本家屋には合わないと思っていましたが、ガラスの工芸品などを取り入れてみると、意外と純和風な家にもマッチし、レトロという言葉がぴったな雰囲気が楽しめます。
■アールヌーボーのデザインは着物との相性がとてもよく、ガラスの埋め込まれた花や昆虫のブローチを髪飾りや帯留めに利用しても違和感がありません。
アールヌーボーの家具でおしゃれなコーディネートをしよう
マリーアントワネットの世界に出てくるゴージャスなロココ調の家具や、イギリスのヴィクトリアン調家具といったアンティーク家具の優美で繊細な模様には職人の技が詰まっています。しかし、それらはとても高価で手に入りにくいため、なかなか手が届かないかもしれません。
15,876円
商品の購入はこちらそんな時はお部屋にひとつ、こだわりのアールヌーボー調のフォトスレームやミラーを取り入れてみてはいかがでしょうか。現代の日本の生活にも取り入れやすい優雅な魅力あふれるインテリアアイテムになりますよ!