北枕で寝ると縁起が悪い？風水での意味・効果・開運方法を紹介！

「北枕で寝るのは縁起が悪い」とされているのは日本だけです。日本以外の多くの国の人々は、東西南北どの方角に頭を向けて寝るかなど考えたこともないでしょう。ではなぜ日本だけで「北枕で寝るのは縁起が悪い」とされているのか知っていますか？

「夜に爪を切ってはいけない」や「敷居を踏んではいけない」と同じように、祖父母や両親からなんとなく伝え聞いて守ってきただけで理由まで説明するのは難しいですね。「北枕」について調べてみましょう。

「北枕」とは、文字通り北に枕を置いて寝ることで、おのずと足は南に向きます。日本では亡くなった方の遺体を「北枕」にする風習があります。これは仏教の祖であるお釈迦様が入滅（生死を超越した境地に入ること、高僧が死ぬこと。）した際の姿勢に頭が北向き、顔が西向き、右脇を下であったことに由来しています。お釈迦様が入滅した寝姿は頭北面西（ずほくめんさい）といわれます。

お釈迦様が入滅した寝姿から、弟子たちは人が亡くなると「北枕」にして安置するようになりました。ではなぜ、お釈迦様は北枕にして亡くなられたのでしょうか？

ひとつは、北に理想の国・極楽浄土があり、南に死の国があると信じられていたからです。実際にインドでは北に頭を向けて寝ることは縁起が良いこととされています。もうひとつは、お釈迦様が亡くなられた場所から北に生まれ故郷があったからです。もともとインドでは自分の生まれ故郷の方角に頭を向けて眠る習慣があるようです。

お釈迦様の入滅の姿勢が日本に伝えられ、日本でも慣習的に亡くなった方のご遺体の頭を北に向ける「北枕」にするようになりました。インドでは、お釈迦様と同じ寝姿にすることで迷わず極楽浄土に行けるようにという願いが込められていましたが、日本では「北枕」=「死」のイメージから縁起が悪いといわれるようになりました。

人の体には生体電流という微弱な電気が流れていて、この生体電流が血液・リンパ・脳・心臓などを動かす大切な働きを担っています。人の体や脳は磁場・磁気の影響をとても受けやすいのです。

地球は大きな磁石のようなもので磁場があり、地球に生じる磁場を地磁気といいます。磁気はS極（北）からN極（南）に流れるため、北半球にある日本では北枕で寝ると頭から足に磁気が流れます。磁場の流れにそうことで血行がよくなり、睡眠中の疲労回復効果が見込めることから「体にいい影響がある」といわれています。

寝るときは、頭寒足熱（ずかんそくねつ）が良いと聞いたことがある人も多いと思います。これは漢方医学の考え方で、頭を冷やし足元を温めることでよく眠れるといわれます。北半球に位置する日本では、地理的に北が寒く南が暖かいので、北枕にすることによって方角的な意味合いで頭寒足熱を実現でき体に良いとされています。

質の良い睡眠がとれて疲労回復もスムーズになると、心身ともにスッキリ調子が良く心に余裕ができて人にも優しく対応できるようになります。いつも機嫌良く穏やかな性格の人は、同じように充実した生活を送る良い人との関係を深めていくことができます。風水的にも北は人間関係の運気を上げる方位です。

寝付きの良くない赤ちゃんに悩んでいるお母さんも多いと思います。とくに夜泣きがひどい赤ちゃんの場合、お母さんは精神的にも肉体的にも疲れが溜まってしまいます。そんなときは、赤ちゃんの枕の位置を変えてみてはいかがでしょうか？北枕の安眠効果でスヤスヤ眠ってくれるかもしれません。風水的には気は北から南に流れるので、赤ちゃんの気が整って安心して眠れる効果も期待できます。

赤ちゃんには健康で、できれば賢い子に育って欲しいというのが親御さんの望みでしょう。赤ちゃんは寝ているあいだに記憶の整理をしています。今日覚えた言葉、遊んだおもちゃ、はじめて見た景色を睡眠中にも学習しています。脳の80％は3歳までに発達を完了するといわれていますので、睡眠が赤ちゃんにどれだけ重要なものか想像できます。風水的には、北枕は気の流れに沿った寝方になるので脳の学習発達にも良いでしょう。

風水では、西と北は金運アップの方角です。西が金運にいいというのは有名で、西に黄色いものを置くと良いと記憶している方もいらっしゃるでしょう。あまりポピュラーではありませんが、実は北も金運に強い方角です。金運は西から呼び込み、北で貯めるというのが風水の基本です。具体的には西に黄色いものを置いて金運を呼び込み、北にお財布や通帳を休ませる場所をつくると良いといわれています。

北枕にすることで、金運を蓄える気を取り入れることができます。入ってきたお金が生きる運用のアイディアが浮かんだり、貯めて増やす金運を手にできます。

意外かもしれませんが、北は恋愛運・愛情運をもつ方角でもあります。また北の恋愛運・愛情運は、西の金運を補助してくれる関係にあります。北枕で充実した恋愛をしているとおのずと金運が上がるという幸せな法則です。もし北枕で恋愛運をアップしたいという希望があるのなら、恋愛運に効く「ピンク」を寝具に取り入れてみるのも良いでしょう。北の方角と相性がいいカラーはクリーム色やベージュ、アイボリーや薄いピンクです。

北は受胎や性行為など「宿す」パワーをもつ方位で、北枕は子宝に恵まれやすいといわれます。なかなか子宝に恵まれないとお悩みの方は、気分転換もかねてベッドの位置を模様替えしてみることをお勧めします。寝室は常に清潔に保ち、子宝に効果的な明るい暖色系の寝具にかえてみましょう。また、寝室の北側にザクロの写真や絵を飾るのも効果的だといわれます。

北の方角は風水では「水」の気を持ち、冷える方角です。北枕で寝ることで頭が冷えて足元が温まるので熟睡することができます。「水」の気を取り入れることで身体や心に溜まった汚れを押し流し、良い運気が効果的に体内に吸収されます。ここでは北枕で寝ることで、「恋愛運・結婚運」と「健康運」をアップする開運方法をご紹介します。

北枕は「愛情」「信頼」「財産」「子宝」という意味を持ち万能とも思える方角です。結婚を見据えたお付き合いのお相手がいる場合、または家族がいる場合には、北枕は良い枕の向きだといえます。

健康面では質の良い睡眠がとれてさらに気の流れが整うことで、メンタルが安定して穏やかになります。対人関係もよりスムーズになりストレスもなく、大切な恋人や家族とも信頼関係で結ばれた落ち着いた関係を築くことができます。

北枕は、陰陽道でいうところの「陰」の気を補充します。「疲れやすい人」「睡眠の時間が短い人」「生活に落ち着きが欲しい人」には適した枕の位置だといえます。北から南に流れる磁気によって気の流れが整い、疲労回復や健康効果が期待できます。

質の良い眠りは、脳の疲れを取り去り問題解決の新たな閃きや思考力のアップも促します。寝ても寝ても疲れが取れにくいと感じる方や、健康に不安のある方には枕の位置を北向きにかえて睡眠中の磁気の流れを整えてみることをおすすめします。

風水では東は、「スタート」「成長」「若さ」「仕事」をあらわします。賑やかで明るくエネルギッシュな方位で、健康運・仕事運・勉強運のアップに適しています。その一方で、落ち着きがなくなり疲れやすくなる傾向があります。

風水で東北は、「成長」「変動」をあらわしています。変化の意味をもつ方位で、引越・転職運アップに関係します。その一方で、イライラや不眠といったマイナス効果がでることがあります。

風水で東南は、「結婚」「恋愛」運気を持ちます。そのほかにも「人間関係」「縁」「信用」など人付き合いに関するの意味をもつ方位で、恋愛運・対人運のアップに効果的です。一人になりたい、いったん落ち着きたい、静かに過ごしたい時期には不向きです。

風水で西は、「収穫」の運気を持ちます。「金運」「商売運」などお金に関するの意味をもつ方位で、ほかには「恋愛運」のアップにも貢献します。西は日の沈む方位で、北と同様に安眠効果が望めますが、落ち着きすぎて老け込むともいわれます。

風水で南は、「才能」「美」の運気を持ちます。「人気運」「直感運」の意味をもつ方位なので、芸能人やアーティスト、クリエイティブ関係の方には良い向きだといえます。ただし北枕の真逆なので磁気の流れが反対になって健康には良いとはいえません。

風水で南西は、「努力」「女性」の運気をあらわします。「家庭運」「結婚運」の意味をもつ方位で、生活の安定や家庭の家庭内の落ち着きを望む方に良い向きです。また努力が実を結ぶ方位でもあります。

風水で北西は、「主人」「地位」をあらわします。「出世運」「くじ運」の意味をもつ方位で、会社での出世や社会的なステイタスを上げたい方には良い向きです。ただしこの方位が乱れると傲慢・独善的とマイナスに働くことがあるので気をつけるべきです。

日本では「北枕」は縁起の悪いものとされてきましたが、北から南に流れる磁気によって健康に良い効果を得られることがわかりました。風水的な考え方からも「北枕」は、恋愛運・結婚運・健康運・金運を安定させることができる、多くの人にとってバランスの良い方位だといえます。

「最近疲れやすい」「仕事も家庭も安定しない」とお悩みの方は、一度「北枕」をお試しになってはいかがでしょうか。