二重人格者・多重人格者の特徴5選！原因や対処法は？

人は生きていくためにその場にあった行動を取ろうとします。感情や気持ちなどで変化させたり、自分自身でコントロールが出来る場合を「二面性」と言います。そのような性格ではなく、人格そのものが変わってしまい自分自身でもコントロールが出来ない状態のことを「二重人格」と言います。二重人格の状態が重く生活に支障が出る場合は精神疾患が認められることもあります。

例えば一人の男性がいたとして、その男性は職場、家庭、友人、恋人など相手や立場によって性格や話し方が変わります。職場では真面目であまり話さないけれど家庭ではいつも笑顔でよく話す、というように性格を使い分ける人は「二重人格者」「多重人格者」ではありません。一人の性格に多面性がみられるのは円満な生活を送る上でごく普通のことなのです。

わたしたちは普段の生活の中で、多面的な性格をうまくコントロールし、自由に振舞っています。しかし、コントロール能力は人によってさまざまなので、健常者であっても意図していない場面で別の性格が出てしまう場合もありますが、それは二重人格者・多重人格者ではありません。

二重人格者・多重人格者の特徴は普段から自分でコントロールできず、意図していなかった一面が意図しない場所で表に現れてしまいます。二重人格者・多重人格者は連続性があるなど、突然、不適切なタイミングで切り替わってしまうために生活に支障をきたすことがあるのです。

二面性、多面性を使い分けている人と、二重人格者・多重人格者の明確な違いの一つは、それぞれの性格の時に独自のプロフィールを持つことです。多面的な性格を持つ人に名前や性別、年齢や成育歴などを質問してみても、どのような状態においても同じ名前や性別、年齢、成育歴を答えるでしょう。しかし、二重人格者・多重人格者のように別人格を持つ人は表情や性別、年齢、名前、行動、性格までもが変わってしまう特徴を持っています。

他に特徴として、二重人格者・多重人格者の人が別人になっている場合、それぞれの人格が独自に成長していくため、異なる人格であると感じられます。周囲の人はあまりに人格が違うので、演技をしているのではないかと思って疑いますが、決してそうではなく、まったくの別人になってしまっています。

人格が変わってしまっているときに二重人格者・多重人格者本人にその様子を伝えてみると、その時の人格とあまりにかけ離れているので非常に驚きます。それは自分ではなく別人に思えるのです。

暴力的になることがあることも二重人格者・多重人格者の特徴としてあげられます。感情をコントロール出来ないためです。二重人格者・多重人格者は自分を守るために、弱い人格の時に心理的な恐怖やストレスを感じた時、または自分を誇示したいときなどに人格が変わります。

基本的な人格もコントロールできないまま別人になり暴力的な人格になる傾向があるのです。急に怒鳴り散らしたり、物に当たったり、酷いときは動物や関係のない人に手をあげることもあります。

幼いうちに別人格が造られるのは、本心をさらけ出せず、表現を抑え続けていなくてはならない環境で育つことが原因です。そのことが心理的なストレスとなり心が徐々に隔離され、解離して別人のような人格が形成されるのです。

この頃は別人格の芽となる部分が造られているので、表面化することがなく、二重人格と気付かれないままに過ぎてしまいます。二重人格者・多重人格者と分かるときは思春期を過ぎてからと言われています。

外傷体験や虐待を受け、それに対し心理的に不満や怒りを感じても表現できず、感情を心のうちに抑え続けていくことで心理的ストレスがたまることが二重人格者・多重人格者となってしまう原因の一つです。

この環境が慢性的に続くと、本音をもつ人格と人前で振舞う別の人格とに解離されてしまいます。目立った外傷体験だけではなく、トラウマや人間関係のストレスなどさまざまな慢性的ストレスも二重人格者・多重人格者になる原因にもなります。

家庭環境が何らかの理由で大きく変化し、心理的にストレスがかかり、家庭内が安心できる場所でなくなることも二重人格者・多重人格者となる原因の一つです。二重人格者・多重人格者は感情をコントロール出来ないので、環境の変化についていくことがとても困難です。

家庭で親との間に大きく距離がある、病気の家族がいて他の家族が忙しく、ストレスを受けていることに気付いてあげられず、本人も家庭内で本心をさらけ出せない環境になりストレスが慢性的にかかってしまっている状況は、二重人格者・多重人格者となる可能性が高いので注意が必要です。

強いストレスがかかることも二重人格者・多重人格者となる原因と言われています。自分を守ろうとするために別の人格が現れます。心身的外傷が重篤、性的暴力、暴力の中での生活を強いられると、防衛機制が働き無意識的に基本的な人格をしまい込んでしまいます。そうなると今の心理状況から逃れるために別の人格が現れ、二重人格・多重人格となってしまうのです。

生まれつき、極端に感受性が高い、極端に傷つきやすい性格の人も「二重人格者」「多重人格者」の原因と考えられています。人混み、幼稚園または保育園、学校などの場で人一倍心理的ストレスがかかり、それが慢性的になることにより心身の問題を抱えてしまうことになります。子供のころに一人遊びが多く誰かと話している様子であったり、わがままを言わず手がかからない子であると家族は思ってしまい見逃しがちになってしまいます。

心理的なストレスを他者へ表現することが出来ないことが二重人格者・多重人格者となる原因であるため、まずは今一番信頼のできる近い人に相談して、安心できる関係性を築き自分を表現することが重要な対処法です。家族など周囲の人の理解も必要です。安心できる家庭や自己表現の機会を得られる場所を確保しながら自然に経過を見守ってもらえる環境が二重人格者・多重人格者への対処法として重要となります。

二重人格・多重人格は慢性的なストレスが主な原因です。心理的なストレスから解放されないと、いくら治療を行ったところで二重人格は改善せず悪化する一方です。可能な限りストレスを遠ざける生活を送る対処法を取りましょう。二重人格者・多重人格者にとってストレスフリーの生活を送る環境を整えることは急務です。

二重人格者・多重人格者は自分が他の人格になっているときの記憶はありません。日記を書く対処法では、自分の人格数や性格を把握することが出来ます。そして、それぞれの望みを聞き、さまざまな人格とコミュニケーションを取り、それぞれの人格に感謝をしてきちんと認めてあげるのです。自分を知ることにより自分をコントロールできるようになれば、別人格ではなくそれは一つの人格となっていくでしょう。

二重人格者・多重人格者の中にいる怒りの人格や自傷の人格がいつ出てくるかも分かりません。この人格が現れると、対応によっては更に激しくさせてしまうので静かに収まるのを待つしかありません。この人格が現れることを考えたときの対処法として、危険なものは二重人格者・多重人格者の近くに置かないようにしておきましょう。

二重人格者・多重人格者は本人が自分の症状を理解できていない場合もあります。二重人格・多重人格について十分な知識を持っている病院へ行き、積極的に情報を提供してもらい、本人やその家族が二重人格・多重人格の特徴、二重人格・多重人格の原因、二重人格・多重人格の対処法を理解し受け入れることも重要です。

「二重人格者」「多重人格者」でも全てが自分自身なのです。自分と向き合い自分を知り、二重人格・多重人格を個性、特徴と思い認めてあげられることが出来なければ幸せにはなれないのではないでしょうか。さまざまな人格になりながらも生きようとしている自分を褒め、コントロールが出来ず二重人格という極端に別人になってしまうことも自分の特徴であると捉えてあげてください。

そして身近な人や二重人格や多重人格の専門家に相談し、ストレスを極力遠ざける生活環境を整え、二重人格・多重人格になった原因や二重人格・多重人格への対処法の理解を深める。並大抵なことではないですが、一歩前に進めたなら、人生が今よりももっと楽しいものになる助けとなるに違いありません。