『理性』の意味とは?類語&対義語や使い方・例文も紹介!
「理性」の意味を改めて聞かれると答えに困りませんか?今回は理知や知性、知恵などの類語や対義語、「良心や理性の命令に従う」などの例文を取り上げて、「理性」の意味や使い方を解説します。また「理性」の意味や英語の由来を使い方と合わせて日常的に使える例文も紹介します。
目次
『理性』がある人はどんな人?
「理性」という言葉は、「理性を保つ」「理性を失う」といった使われ方をする言葉です。
・「論理的に物事を思考する能力」
・「善悪・真偽に対して正しい判断力で道徳的な言動をする能力」
「理性」は、上記のような意味で使われます。
「理性」がある人とは、「本能や感情に左右されず、冷静に行動できる人」のことを意味します。今回はその「理性」という言葉の意味を、類語や対義語、英語での表現や由来など、例文を取り上げて解説していきたいと思います。
『理性』とは?
物事の道理を考える能力
「理性」とは、「物事の道理を考える能力のことで、道理にしたがって判断したり行動したりする能力」という意味があります。「理性」とは、対義語にあたる「感性」の意味とは反して、感情や欲求に流されることなく、道理によって物事を判断する能力を意味します。
人間に本来的に備わっているとされる知的能力の一つ
「理性」とは、感情や本能に左右されることなく、理屈や倫理観をもとにして物事を見極める能力を意味します。「理性」は、人間以外の動物にはない、人間に本来的に備わっているとされる知的能力のひとつと言えます。
『理性』の意味の由来は?
「理性」の意味の由来を知っていますか?もともと日本には「理性」という言葉はありませんでした。明治時代に西洋から日本に様々な学問が入ってきた時に、哲学者の西周(にしあまね)が"reason"の訳語として造り出したのが「理性」の意味の由来とされています。
「理性」という言葉は、近代のヨーロッパが由来です。近代以前の中世では、伝統的な宗教や習慣などに支配されている時代だったので、「理性」よりも対義語である「感性」が重視される時代でした。
近代のヨーロッパでは、科学技術が進み、人は論理的な考えを重視するようになりました。科学技術の進歩が多くの人々の生活を豊かにした事で、対義語である「感性」よりも、「理性」こそが人間にとって最も重視すべきものという考えが広まり、このような経緯が由来で「理性」という言葉が広く使われるようになりました。
『理性』の類語3つ紹介!
「理性」の類語には、「知性」「理知」「知恵」などの類語があります。それぞれの意味について紹介します。
知性
「知性」という言葉の意味は、過去の経験やこれまでの経験で知り得た知識などをもとに、物事を判断をする能力を意味します。「理性」は「知性」の類語ですが、物事を筋道だてて考える「理性」の意味とは違って、その人の過去や知識によって考え方が変化する場合があります。「理性」は知恵を意味し、「知性」は知識を意味します。どちらも人の心のはたらきを意味する言葉だといえるでしょう。
理知
「理知」の意味は、「理性」と「知性」の両者の意味を合わせ持った類語です。「理知」の意味は、「理性」と同じ意味で、感情や本能に左右されることなく、物事を見極める能力を意味します。けれど「理知」の場合は、「理性」のように理屈や倫理観をもとにして物事を見極めるだけではありません。
「理知」の意味には、類語である「知性」の意味も含まれていて、経験から得た知恵や知識も合わせて用いる事で物事を見極める意味があります。このように両者の性質や意味を合わせた言葉を「理知的」といいます。
知恵
「知恵」とは、「智慧」という本来は仏教において悟りを導くための精神作用を意味します。「知恵(智慧)」は、仏教真理を正しく理解して、物事を判断する能力のことだけでなく、「学業成就」「書道上達」にご利益があるとされています。また現代では「知恵」は知性や理性をもとに、知恵を使って物事の筋道を計画的に立てること、そして適切に物事に対応する能力のことを意味します。
『理性』の対義語は?
「理性」の対義語は、「感性(かんせい)」です。英語表記では、"sensibility"と表します。感性には、物事を心に深く感じ取る働きを意味します。人間には五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)があります。この五感を使って、物事をどう感じ、どう受け止められるかというの能力を意味します。感性は「感受性」とも言い、感受性は外界からの刺激を自分の感情に結びつけた感情を意味します。
『理性』を英語で言うと?
「理性」を英語で表わすと、"reason(理由)"や"sense(感覚)"などの単語があります。簡単な英語での例文を紹介します。
・Have a lot of sense「理性がある」
・Man is endowed with reason. 「人間には理性というものがある。」
・Have no sense「理性を欠く」
・Man is a rational animal. 「人間は理性の動物である。」
『理性』を使った使い方や例文5選!
「理性」という言葉はどのように使ったら良いでしょうか?例文を挙げて使い方を5選紹介します。
①彼は理性を失ってしまった
「理性がある」とは、感情の動きに左右されず、自分の行為がどんな結果を招くかを前もって推測したり、道理や社会倫理に照らして自分の言動を判断出来る事を意味しますが、冷静に考える事が出来なくなってしまった状態を、例文のように「理性を失ってしまった」と表現します。
英語の例文では、このように表現します。
"He has lost reason."(彼は理性を失ってしまった)
②人間は理性の生き物である
「理性」は感情や衝動を抑える役目を果たしています。「感性」が本能的な心のはたらきを意味するのに対して、「理性」は学習や教育によって身についた知恵や知識を意味します。「理性」は、動物にはない人間特有の能力なのです。
英語の例文では、このように表現します。
"Humans are creatures of reason."(人間は理性の生き物である)
③理性に訴える
ラジオやTVなど耳から入る情報は、感性に訴えかけます。また新聞や広告など目から入る情報は、理性に訴えると言われています。目から入る情報は、人間は一度頭の中で考え理解しますが、耳から入ってきた情報は、感覚的にとらえるため感性に訴えかけられるそうです。
英語の例文では、このように表現します。
"Appeal to reason."(理性に訴える)
④良心や理性の命令に従う
「人は本来善人に生まれついている」という「性善説」の教えである、人には「良心」が元々備わっているという考え方があります。「良心や理性の命令に従う」という例文は、上司などから、会社のためになるが自分の良心に反する手段で仕事を進めるように指示されたものの、自分の良心や理性が不正行為を見逃せない時などに用いる例文です。
英語の例文では、このように表現します。
"Follow orders of conscience and reason."(良心や理性の命令に従う)
⑤君の理性に訴えればわかることだ
武力や暴力に頼らず、争いごとを解決したい時に用いられる例文です。
英語の例文では、このように表現します。
"It is understandable if you appeal to your reason."(君の理性に訴えればわかることだ)
日常的に使える『理性』を使った言葉3選
①理性が飛ぶ
理性とは、感情や欲求に流されることなく、きちんとした自らの考えや判断にのっとって行動する能力を意味します。「理性が飛ぶ」とは、主に恋愛などで、相手のしぐさや行動によって好意的な感情が抑えられなくなった時などに使われます。
②理性を保つ
「理性を保つ」とは、「異常事態が発生したときも、彼は理性を保つ必要があった。」という使い方をします。恐怖や逃げたいという気持ちに惑わされずに、道理や倫理観をもとに判断を迫られるときに使います。
③理性を失う
「理性を失う」とは、「別れ話を切り出され、彼女は理性を失った。」という使い方をします。感情に流されて、物事を判断する能力を失っている状態を意味する言葉です。ストレスがたまると理性を失いやすい心理状態になりますので、ストレスがたまったら適度に発散するようにしましょう。
『理性』の意味を理解して、知識を増やそう!
「理性」という言葉の意味や使い方を「理性」の意味の由来などと合わせて類語や反対語、英語での表現と共に解説してきました。「理性」は、広い意味では「論理の通った思考のあり方」を意味していましたが、日常的に使われる理性は「冷静な判断力」を意味していました。「感性」が重要視されますが、社会生活において理性や良心も重要です。
私たちが社会生活の中で円滑に生活していくには、「理性」は不可欠なものです。でも「理性」だけではこの世界のすべてを理解することはできません。「理性」の意味を理解して、知識を増やせるといいですね。