『理論』の意味とは？使い方や『論理』『実践』との違いも解説！

『理論』という言葉の意味はなんとなく知っているけど、改めて「理論ってどんな意味？」と聞かれると、答えに詰まってしまうのではないかと思います。

今回はそんな少し難しいイメージのある『理論』という言葉の意味を、いくつか使い方の例を挙げて、また英語での表現なども合わせて紹介していきたいと思います。

『理論』とは「個々ばらばらの事柄を法則的・統一的に説明するために、また認識を発展させるために、筋道をつけて組み立てたもの」という意味として辞書には載っています。

これに少し説明を加えると、世の中に溢れている「物事」が複雑化していて理解するのが大変なので、『理論』によって「意味のある情報をきれいにまとめて、その関係性をわかりやすく表現する」というものです。順って、『理論』とは「物事を理解するための道具」のひとつであるという考え方です。

『理論』とは「物事を理解するための道具」という意味を持っていることがわかりました。それでは、この『理論』という言葉はどのような使い方をしたら良いのでしょうか。例を4つ挙げて、使い方や意味を紹介していきたいと思います。

『理論』を使った言葉の1つ目は『理論的』です。

『理論的』とは「理としてこうなること（そうならざるを得ないこと）」を意味します。【理】とは「その時点で最も確実な法則」を指します。また【理（＝法則）】とは、例えば「重力や時間などの物理法則」「国家法律のような社会ルール」などのように、基本的に「個人の意志では曲げられないもの」のことを意味します。

【使い方・例】

• この本は論理的な文章で書かれていてとても分かりやすい。
• 彼の言っていることは理論的には納得できるけど、実際にやるには難しいと思う。
• 相対性理論について教授に理論的な説明をしてもらったが、難しすぎて僕には理解できなかった。

『理論』を使った言葉の2つ目は「教育理論」です。

教育現場などでよく耳にする言葉ですね。『教育理論』とは「理論家などの学者が、教育を科学的立場から研究して学問的体系にまとめ上げたもの」を意味します。分かりやすく言うと、『教育理論』とは「教育に対する考えのこと」と言い換えることもできます。

【使い方・例】

• その教師の教育観は現代の教育理論から外れている。
• 学校以外に教育の場を設けようという教育理論を彼は提言したのである。
• 教師のための教育理論はこの本に詳しく書かれている。

『理論』を使った言葉の3つ目は『理論家』です。

『理論家』とは「理論に優れた人や理論を述べることを好む人のこと」を意味します。英語では『理論家』のことをセオリスト（Theorist）とも言いますね。

【使い方・例】

• 彼は教育の理論家で多くの教育学を提唱した人だ。
• 看護が専門職として確立するのに貢献した看護理論家に焦点を当てる。
• ITの理論家が作成したサイトなのに、使いにくいのはどうしてなのか。

『理論』を使った言葉の最後の紹介は『相対性理論』です。

『相対性理論』とは、物理の理論家であるアインシュタインが提唱した「重力理論」を意味します。学校の授業などでは「万有引力の法則」が重力の全てであるかのように書かれていますが、実際には「万有引力の法則」には多くの欠陥があり、その一部を改良したものが『相対性理論』と言われています。そして、現在までで最も「重力理論」を説いてきたものとも言われています。

【使い方・例】

• 彼の相対性理論は宇宙観を一変させた。
• 彼は新しい相対性理論を提案して世の中を驚かせた。
• 彼女が読んでいる教科書は相対性理論の一般的な入門書です。

『理論』という言葉と似た意味を持つ類語や、『理論』と言う言葉とよく一緒に使われている言葉などを意味と合わせていくつか紹介します。

『理論』と『論理』は漢字を逆にしただけなので、見た目も言葉の響きもよく似た言葉で類語と思われがちですが、実は意味が異なります。ここでは、非常によく似た『理論』と『論理』という言葉の意味の違いを紹介していきます。

『論理』とは「論じる（主張する）内容に説得力を持たせる為、説明に理（＝法則）を使う」ということを意味します。

『論理』の理は物理法則などの絶対的な基準ではなく、あくまで「個人的な判断基準」に過ぎません。これは「本人（自分）の中で」筋が通ってさえいれば立派な個人の理になるという意味です。似た意味を持つ言葉には「ジンクス、マイルール、思い込み、偏見、先入観」などといったものが挙がりますが、これらは『倫理』でいう理の類語にあたります。

【使い方・例】

• 彼はよく論理的に主張してくる。

『理論』と一緒によく耳にする言葉に『実践』という言葉があります。この『実践』という言葉は、会話や文章の中でどのような使い方がされているのを耳にしますか？ここでは『理論』と『実践』の意味の違いや使い方を紹介していきます。

『実践』とは「考えを実際に自分で行うこと」を意味します。『実践』と同じ意味を持つ類語には「実行」「実施」などが挙がりますが、いずれも「物事を実際に行う」という意味を持っています。

『理論』と『実践』は切っても切れない関係で、どちらも大切なものです。『理論』だけで『実践』しなければ机上の空論で終わってしまいますが、『理論』や「理念」もなく行き当たりばったりの行動はとても危険です。このようなことから『理論』と『実践』は反対概念として用いられることもあります。

【使い方・例】

• 理論を実践に移す。

『理論』を英語で表現すると、どのように言うことができるでしょう。日本語のカタカナ読みとしても定着している言葉がここには並びます。

英語表現の1つ目は、Theory（読み方：セオリー ）です。

主な意味は「（実際に対する）理論、理屈、仮説、持論、確立された方法」などを言いますので、日本語の『理論』と同じ意味と捉えて良いでしょう。カタカナ読みでも『セオリー』と定着してますね。

【使い方・例】

• This is an important theory.　（意味・訳：これは大切な理論だ。）
• Is his theory correct ?　（意味・訳：彼の理論は正しいですか？）
• His theory comports with the facts.　（意味・訳：彼の理論は事実に適合する。）

英語表現の2つ目は、Logic（読み方：ロジック）です。

主な意味は「論理学、論理、論法、道理、もっともな考え方、「筋を通す」というときに使う「筋」、いやおうを言わさない力」などを言います。『セオリー』と同じく『ロジック』もまた、カタカナ読みとして定着している言葉のひとつで、こちらも日本語の『理論』と同じ意味と捉えて良いでしょう。

【使い方・例】

• Is his logic correct?　（意味・訳：彼の理論は正しいですか？）
• There is logic in this argument.　（意味・訳：この理論は筋が通っている。）
• I cannot follow her logic.　（意味・訳：彼女の理論にはついていけない。）

少し難しいイメージのある『理論』という言葉でしたが、これまで『理論』という言葉について、意味や使い方、似た意味を持つ類語や英語表現なども合わせて解説してきました。

特に漢字の見た目や言葉の響きが似た『理論』と『論理』という言葉は、もしかしたら多くの人が間違えた意味として、もしくは類語として解釈している可能性があります。正しい意味をしっかりと理解して使い方をマスターすれば、日常会話の中でもスマートに使うことができますね。