スミレの花言葉を色別に紹介！ギリシャ神話と関係してるの？

冬の寒さを忘れさせてくれる小さな「スミレ」は、春を知らせる花です。また、スミレは花言葉も春の「ささやかさ、小さな幸せ」が感じられる素敵な花です。

スミレは温かな気候を好むため、温帯気候の地域を中心に広範囲に分布しています。スミレ科スミレ属であるスミレは、野生種と園芸種のすべてを指して言います。ただし、同じスミレ科スミレ属でも、園芸品種のビオラやパンジーといった花は種類に含みません。

スミレは紫やピンクの色が美しい花です。ですから、食用として味わうこともできます。日本ではワラビやフキノトウといった山菜と同じように天ぷらやお浸しで食されます。また、世界を見るとスペインではスミレの香りや形が愛される「ラ・ヴィオレッタ」というキャンディーが、ウィーンでは王家ご用達の「スミレの砂糖漬け」が有名です。

ただし、全てのスミレが食用ではありません。ニオイスミレやパンジーには怖いと恐れられる毒を持つ花もあります。スミレを食したい場合は、知識を持つ人の指導を仰ぐ、適切に販売されるスミレを使用し、自らの判断で危険を招くことのないようにしましょう。

春の訪れを感じさせるスミレは、3～5月に花を咲かせます。最も美しい花を見せるのが3月とされていることから、春の訪れ、知らせの花のシンボルなのです。美しく咲くスミレは、1週間程度花が持つものもあれば、2週間から1ヶ月ほど花が持つ種類もあります。

スミレの種類は、日本で自生するだけでも40～50種類近くあります。ですから、世界の種類の数には驚きます。その数、なんと450～500種類を超えるといわれています。

スミレは、野山に咲く野生種や人為的に作られた園芸品種の2種類に分けられます。植物は、環境の変化で形や性質が変わるため数が増える可能性があります。また、美しいスミレですから贈り物や園芸としてのニーズが高まれば園芸品種も増える可能性があります。

スミレの名前の由来は、2つの説が有名です。

1つ目の名前の由来は、「日本の植物学の父」、牧野富太郎が名付けたとされる説です。高知県に生まれた牧野は植物学者として有名です。その牧野がスミレを発見した際、スミレの形が「※墨壺、墨入れに似ているな」と感じたことが名前の由来となる説です。

※墨壺：大工道具の一つで、建築材等に印をつける際に使用されます。

2つ目の名前の由来は、「摘まれる」の変形が説とされています。スミレは食用として摘まれる花です。摘まれる花、その言葉が変形したのが名前の由来となったという説です。

美しいスミレには、春の訪れを感じさせる「小さな幸せ」を含む3つの花言葉があります。花言葉を知って、ささやかな贈り物「小さな幸せ」を大切な人に届けましょう。

スミレの花は静かに佇んでいるように咲いていますよね。大和撫子を思わせる、神秘的な様子や落ち着いた雰囲気が、花言葉「謙虚」の由来となりました。

スミレの花は美しいために、多くの詩に詠まれています。なかでも、山部赤人（やまべのあかひと）の詩『万葉集、巻八‐1424』ではスミレの花の中で眠りについてしまった「誠実」な思いが込められています。花言葉「誠実」は素敵な詩が由来につながています。

スミレの花は寒い冬の終わりを告げ、暖かい春を知らせる小さな花です。春というと、パステルカラーで可愛い、切なさをイメージさせる桜がポピュラーです。しかし、ビビッドなスミレは見た人の心に小さな幸せを届けるキュートさを感じさせます。小さな幸せを知らせる、運んでいくスミレの花の様子が、花言葉「小さな幸せ」の由来となりました。

スミレの歴史は、紀元前320年頃まで遡り、人を治癒するハーブとして大切に栽培されていました。ギリシャの国を始めとしての栽培で知られるため、ギリシャやローマの神話との関りを持ちます。ここでは、3つの怖い神話からみる花言葉の由来をご紹介します。

ローマ神話に描かれたエピソードです。美しい女神であるヴィーナスが一変、怖いヴィーナスへと変貌を遂げます。ヴィーナスが生んだ花言葉の由来を見ていきましょう。

美と愛を司るヴィーナスと愛を司るキューピッドが散歩をしていました。途中、二人は数人の乙女に目が留まりました。すると、ヴィーナスが突然キューピッドに尋ねました。「私と彼女たちのどちらが美しいか」という問いでした。美と愛を司るヴィーナスは、自分の美しさに自信があったので、キューピッドは自分が美しいと答えると思ったのです。

しかし、ヴィーナスの思いとは裏腹に、キューピッドは「乙女たちが美しい」と答えてしまったのです。キューピッドの答えに不満を感じたヴィーナスは、怖い顔を示しながら乙女たちのもとに向かい、美人な乙女の顔を殴り続けました。乙女の顔は瞬く間に、紫に腫れ上がり、美人とはほど遠い「怖い、憐れ」な顔となってしまったのです。

キューピッドは自分の欲望が、ヴィーナスを怖い女性に変え、乙女たちの悲劇を生んだと嘆きました。そして、悲しいほどに恐ろしく怖い顔になった引き換えに美しい花であるスミレの花として生きる道を乙女たちに与えたのでした。スミレの花の紫には、乙女たちの「小さな幸せ」を願う、キューピッドの「誠実な愛」が花言葉の由来となりました。

ギリシャ神話に描かれたエピソードです。神話に描かれるイアの神話には、身勝手な神が登場します。2つの悲しく怖いエピソードが生んだ花言葉の由来を見ていきましょう。

太陽を司るアポロンがイアという美女に恋をしました。しかし、イアには結婚を決めた相手がおり、アポロンの求婚を断ってしまいました。イアが自分の物にならないと、憤りで怖い顔を示すアポロンはイアを小さなスミレに変えてしまったのでした。

美女イアは、求婚を迫る怖いアポロンと結婚相手との間で苦悩していました。悩み疲れたイアは、貞潔を司る女神アルテミスに一つの願いをしました。それは、「自分の姿を人間以外に変えてほしい」というものでした。困り果てるイアを見たアルテミスは、願いを聞き入れ、イアの美しさが引き立つスミレの花に変えるのでした。

2つの神話から、アポロンの「魔性や霊的」な怖いイメージ、イアの「誠実」なまでの願いやアルテミスによる「小さな幸せ」の願いが花言葉の由来となりました。

ギリシャ神話に描かれたエピソードです。神話に描かれるイオもまた、わがままな神に振り回されます。悲しく怖い、運命が生んだ花言葉の由来を見ていきましょう。

最も恐れられる神ゼウスは、美しい紫の目を持つ川を司るイオに恋焦がれていました。しかし、ゼウスには妻であるヘラがおり、彼女は大層執念深い女性でした。イオに夢中なゼウスは妻にイオの存在を知られてはならないと、イオの姿を牝牛に変えてしまいました。

けれど、妻は恐ろしく怖い女性であったため、その目を誤魔化すことはできませんでした。なぜならば、ゼウスは牝牛となったイオを夢中になって世話していたからです。怒りを覚えた妻は、怖い呪いで牝牛イオを遠くの空の星へと変えるのでした。

牝牛に変えられたイオは、当然牛なので雑草ばかりを食べていました。粗末な物を食べるイオを憐れに思いゼウスは、美しいイオにふさわしい美しいスミレを咲かせるのでした。

2つのわがままで怖い神話から、ゼウスのイオへの「誠実さ」、また、美しくありながら、牝牛となっても雑草を食べる様子が「謙虚」の花言葉の由来となりました。

スミレ全体の花言葉である「謙虚や誠実、小さな幸せ」に加え、ここでは色別にみる5つの花言葉をご紹介します。愛や元気が感じられるスミレの花言葉に注目です。

紫のスミレは、「貞節・愛・小さな幸せ」の花言葉を持ちます。紫は、古くから高い身分を示す色として尊ばれてきました。遠く手が及ばない相手との恋愛は、相手を慕う気持ちだけでも幸せを感じますよね。紫のスミレは、そんな小さな幸せを見守る花なのです。

青のスミレは、「愛情・注意力」の花言葉を持ちます。青は、青春や青写真といった若い時代や未来に馳せる言葉に用いられる漢字です。青春の恋愛が儚く終わらないように、進む道への不安で注意力が失われないようにと青のスミレはメッセージを送っています。

黄色のスミレは、「村人の幸福・元気・小さな幸せ」の花言葉を持ちます。黄色は、寒さ増す青空に映えるイチョウの葉や金色に広がる小麦畑をイメージさせます。また、銀杏や麦の実りは人々にとっての幸福であり、食すれば体や心を満たす活力となります。気持ちを高めたい方は、元気や幸せを意味する黄色いスミレをデスクや窓際に飾りましょう。

ピンクのスミレは、「希望・愛情・神秘・魔性」の花言葉を持ちます。ピンクは、愛らしい色である反面、濃淡でシャープで怖いやソフトで可愛い印象を与える色です。ピンクのスミレを贈る際は、花言葉のメッセージと共に色の濃淡もチェックするといいですね。

白のスミレは、「ピュア・謙虚・誠実・二人で踊ろう」の花言葉を持ちます。白は心の純粋さや女性を美しく見せるウェディングドレスや白無垢に用いられる色です。心を美しく見せる白のスミレは、美しい印象で素敵な出会いを引き酔せる花言葉を持ちます。

スミレ全体の花言葉「謙虚や誠実、小さな幸せ」に加え、種類別の花言葉をチェックしましょう。日本に自生する種類だけでも40～50の数があるスミレなので、全てを紹介しきれません。ですから、ここでは5つの種類に厳選して花言葉をご紹介します。

エイザンスミレの名前を持つスミレは、「お茶目」の花言葉を持ちます。

エイザンスミレは、ピンクや白の花を咲かせます。草丈も10㎝と小柄ですが、ピンクや白の花が咲き終わると急激に成長します。大きいものでは3倍の高さにまで成長します。

また、エイザンスミレの葉は他のスミレとは形が異なります。葉の先端から付け根まで、3つに引き裂いてしまったかのような稲妻型をしているのが特徴的です。

ヒメスミレの名前を持つスミレは、「一途」の花言葉を持ちます。

ヒメスミレは、濃い紫の花を咲かせます。花弁の長さも1㎝、草丈も10㎝と小柄のため、草や他の花に隠れてしまうほどです。この特徴がヒメスミレの名前の由来となりました。

小柄なヒメスミレは、葉の裏側に特徴のある種類です。小さなヒメスミレを見つけたら、葉をひっくり返してみると、紫キャベツさながらの紫色をしていますよ。

ノジスミレの名前を持つスミレは、「小さな幸せ」や「愛」の花言葉を持ちます。

ノジスミレは、青みがかった濃い紫の花を咲かせます。草丈は5～10㎝ほどと小柄です。ノジスミレは葉の形に特徴があります。まず、花が咲く時期では三角形に近い形です。そして、花の咲き終わりでは葉の幅を広げ、丸みを帯びた形へと変化させるのです。

フモトスミレの名前に持つスミレは、「小さな幸せ」の花言葉があります。

フモトスミレは、渋く深みのある紫の花を咲かせます。草丈は3～6㎝ほどと小柄です。フモトスミレは、多くの花が山の麓に見られることが名前の由来となりました。ヒメスミレ同様に、葉の裏が紫色をしているのが特徴です。

ニオイタチツボスミレの名前を持つスミレは、「あなたに似た人」の花言葉があります。

ニオイタチツボスミレは、ルージュのような紅い紫や濃い紫の花を咲かせます。草丈は10～15㎝ほどとこれまでの種類のスミレよりも大きいのが特徴です。ニオイタチツボスミレは、匂いが立つの名前からも知ることができるほどの香りの強い花です。

ニオイタチツボスミレもまた葉に特徴がある種類です。葉の表裏には短い毛が生えており、毛の量は花の咲く時期や咲き終わりによって変化します。

スミレの花をプレゼントするなら、おしゃれな英語で花言葉を記したいですよね。ここでは、スミレの英語花言葉に加え、紫やピンクといった色別の英語花言葉をご紹介します。

英語で表現する花言葉には、謙虚の「modesty」や誠実の「faithfulness」があります。先程、ご紹介した神話に基づく英語花言葉として人々から慕われる花言葉です。

では、続いてスミレの英語花言葉を色別に一覧でご紹介します。
 

スミレの紫、青、黄色、ピンク、白の色別の英語花言葉を知れば、スミレのプレゼントにあなたならではの思いを込められます。また名刺サイズの小さな用紙に、「Language of flower『Candor』（花言葉『誠実さ』）」のように一言記すだけでもおしゃれですね。

美しい名前や花言葉を持つスミレは、海外では理想の女性を表します。世界の三大美女や三大珍味として女性や食材が並ぶように、スミレは三大フラワーの1つなのです。

では、なぜ、スミレを始めとする三大フラワーが理想の女性を指すのでしょうか。

その理由には、聖母マリアの存在があります。スミレを始め、ユリやバラの三大フラワーはどれもマリアへの贈り物となった花でした。マリアは神を生み、守り育てた誠実な母であったことから、マリアに贈られた花々が理想の女性のシンボルとなったのです。

ここでは、スミレ全体の誕生花に加え、色別で知るスミレの誕生花をご紹介します。まずは、スミレ全体の誕生花です。

1月8日、9日、2月21日

次に、色別の誕生花を一覧で紹介します。

紫、青、黄色、ピンク、白の色別の誕生花をチェックすれば、先程紹介した花言葉や英語花言葉と合わせて贈り物にできます。1月から3月のカレンダーをチェックして、大切な友人や恋人、家族にぴったりなスミレの花を贈ってみましょう。

紫やピンクで可愛い、美しい姿のスミレを根腐れさせることなく、育てるポイントを番外編としてご紹介です。スミレに対する誠実さを持って、育てましょう。では始めに、根が張るまでの2つのポイントです。

購入したてのスミレは、生まれたばかりの赤ちゃんと同じで繊細です。ですから、スミレの根が張るまでは気温の変化や天候に合わせ、鉢やポットの位置を変えてあげましょう。

赤ちゃんは喉が乾いたら、泣くといったサインを示しますよね。スミレは音によるサインを示しませんが、根が丈夫に張っているという様子は日々チェックすることができます。根が短く弱々しいうちは、毎日丁寧に水を与えましょう。

スミレの根が力強く土に食い込む様子を見せたら、毎日の水やりは終わりです。根が張ってからの水やりは、土の表面が乾燥しているかを目安に水やりをしましょう。

鉢やポットでスミレを栽培する場合は、リン酸とカリウムが含まれる肥料を選びましょう。まず、リン酸にはスミレの葉やつぼみ、花の発育に必要な栄養が含まれます。一方のカリウムは根や花への栄養に加え、寒さやスミレに付く害虫対策のできる成分です。

紫やピンクで可愛らしいスミレを誕生日やサプライズに贈ってみましょう。スミレは、海外では理想の女性を表す素敵な意味を持ちました。また、「謙虚や誠実、小さな幸せ」といった控え目な美しい花言葉も素敵でした。紫、青、黄色、ピンク、白の色別や種類別の花言葉も参考に、誠実さを示すスミレの贈り物を届けてみましょう。