初めてでもOK!ドローンを自作で作る方法まとめ
あなたはドローンを操縦したことがありますか? 既製品のドローンでも楽しいですが、どうせなら自作もしてみましょう! そこでこの記事ではドローンを自作するにあたり、必要になるパーツやアイデア、おすすめ自作キットなどをご紹介していきます。
目次
- 1既製品パーツを組み合わせれば自作ドローンも夢じゃない!
- 2自作する前に知っておきたいドローンの飛ぶ原理
- 3ドローンはプロペラの数に応じた呼び名がある
- 4自作ドローンに必要なパーツ
- 5ドローンを自作するのにかかる費用は?
- 6Arduinoを使ったモーターの回転数制御について
- 7自作ドローンの作り方の例
- 8ドローンの自作フレームの作り方①:レゴブロック
- 9ドローンの自作フレームの作り方②:3Dプリンター
- 10ドローンの自作フレームの作り方③:厚紙
- 11初心者でも楽しめるドローン自作キット:DJI F450 ARFキット
- 12シンプルなレーシングドローンの自作キット:ARRIS FPV250
- 13Arduinoの学習に最適なドローン自作キット:CoDrone
- 14Arduinoベースのドローン自作キット:SunFounder RC Drone
- 15最後に
既製品パーツを組み合わせれば自作ドローンも夢じゃない!
出典: https://sakidori.co
「気に入ったドローンが見つからない・・・」
「ドローンを自作してみたい!」
このように思われる方も意外と多いのではないでしょうか?
そこでドローンの自作の仕方や費用、必要なパーツなどをご紹介します。
ドローンの組み立てや設計がよくわからないという人でも、組み立て方や自作キットなどもご紹介しますのでぜひチャレンジしてみましょう。
またドローンは電子制御しているので、Arduinoなどのプログラミング学習の場としても最適です。
Arduinoに興味がある方もこれを機にドローンの自作に挑戦してみてはいかがでしょう?
自作する前に知っておきたいドローンの飛ぶ原理
出典: http://nippon.zaidan.info
ドローンは別名「マルチコプター」とも呼ばれており、その名の通り複数のプロペラで飛ぶ無人の小型ヘリコプターのようなものです。
ドローンはヘリコプターと同様に、小型のプロペラを回転させて扇風機のように下方へ風を送ることで上昇します。
少し専門的なことを言うと、プロペラの断面を工夫して設計することでプロペラの上下で空気の流れる速さを変えています。
こうすることで圧力差を生じさせて、低圧側(空気の速度が速い)に力(揚力)が働きます。
この揚力によってもドローンは上昇します。
出典: https://drone.beinto.xyz
また、空中に浮いた状態ですべてのプロペラが同じ向きに回転すると、作用反作用によりドローンはプロペラとは逆回りに回転してしまいます。
実際、ヘリコプターはこの作用反作用による回転を防ぐためにテールローターを装備しています。
ドローンでは時計回りのプロペラと反時計回りのプロペラを交互に配置することで対処しています。
そのため、ドローンのプロペラの数は偶数であることが多いです。
ドローンはプロペラの数に応じた呼び名がある
出典: http://www.rcmodel-jp.com
ドローンは別名マルチコプターとも呼ばれており、プロペラの枚数が複数あり、無人で小型であればドローンと呼ばれています。
実は、このプロペラの枚数によって異なる呼び名があります。
・トライコプター(3枚)
・クアッドコプター(4枚)
・ヘキサコプター(6枚)
・オクトコプター(8枚)
というようになっています。
先ほど述べた通り、トライコプターのようにプロペラが奇数枚だと作用反作用によりドローンが回転してしまうのですが、画像のように上下に2枚のプロペラを付けることで合計6枚になり、回転を防ぐように設計されています。
出典: http://air-camera.blog.so-net.ne.jp
自作ドローンに必要なパーツ
フレーム
出典: https://drone.beinto.xyz
ドローンの自作に必要なパーツ1個目はフレームです。
これにモーターやプロペラなどのドローンとして飛ばすためのパーツを組み込んでいきます。
フレームは見た目、性能共に重要なパーツです。
材質や大きさによりドローンの重量が大きく変わってきます。
軽く小型なドローンは軽快に動き、速度も上がります。
もちろん軽くなるとともに費用も上がりますので注意してください。
フレームの価格はサイズにもよりますが、大体1万円以内に収まります。
モーター
出典: http://www.gforce-hobby.jp
ドローンの自作に必要なパーツ2個目はモーターです。
プロペラを回すために使います。
ドローンに使われるモーターはミニ四駆などに使われているモーターとは構造が異なりますので注意してください。
Amazonなどでも入手可能ですが、Aliexpressの方が種類が豊富ですのでモーターに限らずドローンのパーツはAliexpressで探すことをおすすめします。
ドローン用のモーターの価格は大体2,000円から10,000円くらいです。
プロペラ
出典: https://www.amazon.co.jp
ドローンの自作に必要なパーツ3個目はプロペラです。
ドローンの飛ぶ原理をご説明する際にも触れましたが、空気を下方に送る時の反動や揚力が生じる部品がプロペラです。
モーターの回転数が高い場合は長さの短いプロペラを、モーターのトルクが高い場合は長いプロペラを選びましょう。
価格は大体数千円といったところです。
ESC(Electronic Speed Controller)
出典: https://www.rchobby-jp.com
ドローンの自作に必要なパーツ4個目はESCです。
FCから送られる制御信号をもとにモーターへかける電圧を調整します。
モーター1個につきESCが1個必要になります。
ESCには電流容量があり、例えば画像のように15Aと書かれていた場合は最大で15Aの電流を流すことができます。
そのため15Aよりも少ない電流で動くモーターを選ぶ必要があります。
仮に15A以上の電流を流すとESCが壊れるので注意してください。
ESCの価格は大体1,000円未満です。
FC(Flight Controller)
出典: http://dekunobuu.hatenablog.com
ドローンの自作に必要なパーツ5個目はFCです。
FCはいわばドローンの頭脳にあたる重要なパーツです。
プロポ送信機(ラジコンのコントローラー)からの信号を元に、各ESCにモーターの回転数を調整するための信号を送ります。
FCに搭載されているCPUや機能の違いにより価格が大きく異なり、大体3,000円~20,000円程度になります。
送信機/受信機
出典: https://www.amazon.co.jp
ドローンの自作に必要なパーツ6個目は送信機と受信機です。
送信機とは、いわゆるラジコンのコントローラーのことです。
通常はプロポ送信機と呼ばれます。
このプロポ送信機を操作することでドローンの挙動を制御します。
価格はフタバの「T-FHSS AIRモデル ヘリ用T / Rセット」の場合、送信機と受信機のセットで約27,000円となっています。
出典: https://www.amazon.co.jp
こちらがドローンに搭載する受信機です。
バッテリー
出典: https://drone.beinto.xyz
ドローンの自作に必要なパーツ7個目はバッテリーです。
ドローンの飛行時間を長くするためにはより大容量のバッテリーを選ぶ必要があります。
ですがその代わりバッテリーの重量が増え、バッテリー消費が増えたり、ドローンの動作が重くなったりしますので注意してください。
価格は大体2,000円~5,000円程度です。
FPV(First Person View)カメラ
出典: http://www.robotshop.com
ドローンの自作に必要なパーツ8個目はFPVカメラです。
直接目で見える範囲でドローンを飛ばす場合は必要ありませんが、視界の悪い場所や空撮を目的とする場合は必要になります。
また、1人称視点で操縦したい方は必須です。
FPVカメラは小型で価格も安いものでは2,000円程度ですね。
出典: http://www.robotshop.com
こちらはFPVカメラの映像を見るためのヘッドマウントディスプレイになります。
価格は大体7,000円以上ですね。
PDB(Power Distribution Board)
出典: https://hobbyking.com
ドローンの自作に必要なパーツ9個目はPDBです。
PDBはその名の通り、バッテリーからの電力を分配するためのパーツです。
必ずしも必要なパーツではないのですが、FCやESCの動作電圧が異なることがあるので装着することをおすすめします。
メンテナンス性などを考慮してもあった方が良いです。
価格は数千円といったところです。
BEC(Battery Eliminator Circuitry)電源
出典: https://ja.aliexpress.com
ドローンの自作に必要なパーツ10個目はBEC電源です。
先ほどご紹介したPDBに変圧機能がない場合に必要になります。
つまりBECは変圧器です。
価格は100円~1000円程度です。
バッテリー接続端子
出典: https://go-gadgetgadget.blogspot.jp
ドローンの自作に必要なパーツ11個目はバッテリー接続端子です。
必要というよりは、端子の形状に種類があるので、端子が合わない場合は用意しましょう。
価格は種類によりますが、数百円くらいでしょう。
各パーツの位置関係
出典: https://drone.beinto.xyz
こちらの画像は今までご紹介したパーツの構成例になります。
ちなみにUBECとはBECの改良型という意味です。
プロポ送信機からの信号がドローンの受信機を通してFCに送られます。
この信号を元に各ESCへモーターの回転数を変える信号を出し、ESCがモーターにかかる電圧を調整します。
バッテリーはFCとセットで配置されている電源分配盤(PDB)に接続し、PDBから各ESC、UBECを通して受信機への電力供給をしています。
ドローンを自作するのにかかる費用は?
出典: http://gigazine.net
ドローンを自作するのに必要なパーツをご紹介しましたが、では一体ドローンを完成させるまでにどれくらいの費用がかかるのでしょうか?
ではその費用の一例を見てみましょう。
・ドローン本体の費用:約24,000円
・プロポ(送信機と受信機)費用:約27,000円
・バッテリー関連の費用:約10,000円
・道具・工具・消耗品費用:約10,000円
・その他費用:約2万円
工具やその他費用などを除けばおよそ6万円でドローンが作れます。
もちろん選ぶパーツによって、費用はこれよりも安くなったり高くなったりもします。
ちなみにその他費用の中にはドローン保険や無線免許の受験料、各種申請費用なども含まれています。
Arduinoを使ったモーターの回転数制御について
出典: http://meiya.jp
ドローンはArduinoを用いて制御することができます。
Arduinoの接続の仕方はプロポ受信機のところをArduinoに変えればモーターの回転数を制御できます。
ですがこの方法ではわざわざArduinoを使う意味があまりありません。
だからと言って本格的にドローンをArduinoで制御しようとするのはとてつもなくハードルが高く、現実的ではありません。
Arduino初心者のための学習でしたらこれもありだとは思います。
ドローンの組み立てキットの中にはArduinoを用いたものもあるので、このような組み立てキットを利用することをおすすめします。
自作ドローンの作り方の例
出典: https://drone.beinto.xyz
では、実際の自作ドローンの作り方をご説明します。
まずフレーム上にどのようにパーツを配置するか、組み立て前にきちんと設計しておきましょう。
ある程度大きなフレームならさほど問題ないかもしれませんが、小型なフレームの場合は工夫して配置しないとパーツがうまく配置できなくなることもありえますので事前にしっかり設計をしましょう。
どこに配置するか設計したら、実際にパーツを配置していきましょう。
順番としては
1,モーターとESCをはんだで接続
2,PDBを設置してESCとバッテリーコネクタを接続
3,プロも受信機やFCを配置
4,カメラやビデオ送信機、LEDなどの配置
となります。
配線の長さは僅かに余裕があるくらいにしておきましょう。
配置設計の注意点としては、バッテリーの位置(重心の位置)やパーツ同士の接触などに気をつけましょう。
ドローンの自作フレームの作り方①:レゴブロック
出典: http://japanese.engadget.com
「どうせ自作するならフレームも作りたい!」
そんな方のためにオリジナルフレームの作り方をご紹介します。
まず1つ目の作り方はレゴブロックを用いた作り方です。
レゴブロックを用いる利点は、自由に形を変えられることと、墜落しても分解するだけでブロックや電子機器が破損しない限りは簡単に修復可能という点です。
小型なドローンを作るにはおすすめの方法です。
ただし自由にフレームを設計できる代わりに、姿勢制御にはかなり苦戦を強いられるようです。
出典: http://japanese.engadget.com
レゴでドローンを組み立てるための「Flybrix」というキットがありますので、レゴでドローンのフレームを設計したいという方はFlybrixを購入してみてはどうでしょうか?
スターターキットで139ドルとなっています。
ドローンの自作フレームの作り方②:3Dプリンター
出典: https://irorio.jp
ドローンのオリジナルフレームの作り方2つ目は3Dプリンターを使った作り方です。
レゴブロックよりも精密なフレームを作ることができます。
ただし、欠点としては3Dプリンターが効果であることとPC上のCADやモデリングソフトでフレームを設計する必要があることです。
出典: https://www.amazon.com
ドローンの組み立てキットの中には、3Dプリンターでフレームを作ること前提の組み立てキットがあります。
「Robo3D Quadcopter 3D Drone Kit」という組み立てキットです。
3Dプリンターでフレームを設計してみたい方はこのような組み立てキットを購入してみてはどうでしょうか?
価格はおよそ100ドルです。
ドローンの自作フレームの作り方③:厚紙
出典: https://www.amazon.com
ドローンのオリジナルフレームの作り方3つ目は厚紙を使った作り方です。
意外かもしれませんが、「Kitables Paper Drone Kit」という厚紙で作る組み立てキットが実際にあるんです。
厚紙はそこまで強度はないので、かなり小型なドローンだと思われます。
価格もおよそ50ドルですので、興味のある方は試してみてはどうでしょう?
出典: https://www.amazon.com
初心者でも楽しめるドローン自作キット:DJI F450 ARFキット
出典: https://japan.zdnet.com
およそ2万円で手に入る小型のドローン組み立てキットです。
初心者でも楽しめるように設計されているとのことで、最初に買う組み立てキットとして選んでも良いと思います。
このキットで自作する場合、別途必要なものは以下のとおりです。
・プロも送信機/受信機
・飛行制御装置(NAZA-Mなど)
・リポバッテリー(3セルで1800mAh〜3500mAh)
・機体側の電源コネクター
また、このキットの組み立て方を解説している動画もあります。
1つ目の動画はフレームやESC、モーターの組み立て方を解説しています。
2つ目の動画はFCやアンテナなど、残りのパーツの組み立てについて解説しています。
3つ目の動画ではハンダ付けや配線について解説しています。
シンプルなレーシングドローンの自作キット:ARRIS FPV250
出典: https://www.amazon.co.jp
こちらは小型のレース用ドローンの組み立てキットです。
ちなみに組み立て済みのものも販売されています。
未組み立ての方は約2万円で購入可能です。
プロポ送信機/受信機は別売りのようです。
Arduinoの学習に最適なドローン自作キット:CoDrone
出典: https://www.kickstarter.com
こちらはArduinoの学習に最適なキットです。
実はこのキット、かっこいい小型のドローン本体は完成していてプロポ送信機の方を組み立てるという変わったキットになっています。
Amazonでは約36,000円で購入可能です。
Arduinoベースのドローン自作キット:SunFounder RC Drone
出典: https://www.amazon.co.jp
こちらもArduinoで制御するタイプの小型ドローン組み立てキットです。
ソースコードを自分でいじってコンパイルし直すなどしてArduinoを学ぶことができます。
価格はおよそ23,000円です。
最後に
出典: http://www.robolink.com
いかがでしたか?
意外とドローンの自作は敷居が低いので誰でも自作することができます。
これを機に一度ドローンを自作してみてはいかがでしょうか?