夏バテのつらい症状の治し方を徹底解説!自宅で簡単にできる回復法は?
暑い夏や梅雨時がやってくると心配なのが夏バテです。夏バテは様々な身体症状を引き起こします。今回は夏バテで起こる症状やその治し方・回復方法をご紹介します。頭痛・下痢・気持ち悪いなどの症状も夏バテが原因の可能性があります。適切な治し方を学び、回復に努めましょう。
目次
夏バテで苦しんでいませんか?
高温多湿の時期になると、なんだかだるい・疲れが取れないなどと感じる人が増えてきます。その多くは夏バテの症状である可能性があります。夏バテの症状にはどのようなものがあるのでしょうか。また、夏バテになってしまったらどのような治し方があるのかについて解説していきます。
そもそも「夏バテ」とは?
病気ではない
体がだるく食欲不振が続き、冷たいものばかり飲んではいませんか?これらは典型的な夏バテの症状です。夏バテとは暑さによりあらわれる様々な症状のことを指し、暑気中り・暑さ負け・夏負けなどと呼ばれています。空調設備が普及した現代では気温と湿度の急激な変化によって自律神経のバランスが崩れて夏バテが起こるようになりました。
なお、辛い症状が出るにもかかわらず、夏バテは必ずしも特定の病気とはされておらず、分類としては疲労などに近いと考えられているようです。しかし、夏バテが病気ではないからといって油断は禁物です。「夏バテは病気の入り口」と捉え、夏バテになったと感じたときはしっかりと静養をとり、症状によってはできるだけ早く医療機関を受診するようにしましょう。
現代は夏だけとは限らなくなっている
冷房のなかった時代は夏バテというと猛暑による体力低下・食欲不振などいわゆる夏痩せと呼ばれる症状が主でしたが、現代では冷暖房の普及により自律神経のバランスが崩れることが原因で起こることが多くなりました。ストレス・冷房による冷え・睡眠不足などが原因となります。夏バテという名称から夏のみの症状と思われがちですが、最近では気候の変化が激しい梅雨や初夏にも起こりやすくなっています。
夏バテの主な症状は?
夏バテが原因で起こる主な症状は、疲労感やだるさだけではありません。中には食欲不振・頭痛・下痢などを伴う場合があります。詳しく見ていきましょう。
疲労感&だるさ
夏バテになると疲れがなかなか抜けず体調不良を感じやすくなるものです。疲労やだるさの主な原因は高温多湿の環境に長時間いたことからくる体温調節機能の乱れからくる症状といわれています。夏はエアコンを使うことで体温調節の切り替えが多くなり、体力を消耗しやすくなります。疲労感が続く・だるくて気持ち悪いなどの症状が現れたら要注意です。
食欲不振
夏に食欲不振におちいる原因は1日に何度も自律神経の切り替えが起こるためといわれています。体は交感神経と副交感神経の2つの自律神経を上手に切り替えることで汗をかいたり胃腸の働きをスムーズにします。夏は高温の屋外と冷房の効いた室内を何度も行き来するため自律神経の切り替えを何度も行うことになります。自律神経は何度も気温差を感じると切り替えに不調をきたすことがあり、その結果胃腸にもダメージが及び、食欲不振におちいるのです。
頭痛
高温多湿の環境で大量の汗をかくことによって体内のミネラルバランスが崩れ、頭痛を伴う軽い熱中症のような症状が現れるのも夏バテの典型的な症状の1つです。頭痛を伴う夏バテの場合は、体液中のナトリウム(塩分)が不足していますので、スポーツドリンクや経口補水液を飲むとよいでしょう。また、睡眠不足は夏バテによる頭痛の大敵であり、睡眠不足による頭痛の際は頭部を冷やすことも有効です。汗をかいた後や疲れている時に頭痛を感じたら夏バテのサインかもしれません。
吐き気
夏バテで胃腸の働きが低下したことによる食欲不振がさらに深刻になると、気持ち悪いと感じ、吐き気を引き起こすことがあります。吐き気や気持ち悪いと感じるときはかなり胃腸の機能が弱っているサインです。夏バテによる吐き気や気持ち悪いと感じたら冷たいものを摂取するのはしばらく控えましょう。
下痢
暑さによる夏バテの影響で下痢の症状が出る場合があります。昨今急増している熱中症は、屋外だけでなく自宅などの屋内でも発生しています。そのため、脱水症状の対策として水分と電解質の補給に注意する必要があります。しかし、過剰な水分摂取によって胃腸に負担をかけたり体の冷えを起こしたりして、下痢や軟便、いわゆる「水あたり」になる場合があります。水あたりによる下痢・軟便のときは脱水症状になっている可能性があるので、下痢・軟便が起きたときは注意が必要です。また、下痢のときはさらなる脱水症に警戒しましょう。
夏バテのつらい症状は自律神経の乱れが原因!
自律神経とは?
自律神経とは簡単にいうと、自分の意思とは関係なく無意識のうちに働いている神経のことです。私たちが眠っている間も、何かに熱中している間も、滞りなく身体機能が働くのは自律神経のおかげといえます。自律神経には交感神経と副交感神経があり、主に心臓をはじめとする内臓や血液の流れなどを管理し、呼吸・消化・代謝などの働きを調節しているのです。暑くなると交感神経が感知して働き、汗腺から汗を出して体温を下げようとします。
生活リズムの乱れで崩れる
交感神経は昼間に、副交感神経は夜に活動のピークを迎えます。脳や体が活発に活動しているときは交感神経が、休息しているときには副交感神経が働くのです。残業や夜更かしなどで休息すべき時間帯に休息できなくなると自律神経は途端にバランスを崩し始めます。1~2日程度の乱れであればまだしも、長く不規則な生活が続くと様々な夏バテの症状と直結する可能性があります。
日々のストレスで乱れる
ストレスが溜まってイライラする・電車に乗り遅れそうになってハラハラした・上司に叱られてビクビクするなど、これらの感情の起伏も自律神経に影響を及ぼします。1つ1つの出来事は短時間であっても、頻繁に繰り返されると自律神経のバランスは崩れやすくなり、夏バテの症状を引き起こします。自律神経にとってストレスは大敵といえるでしょう。
環境の変化で乱れる
夏場に特に多くなるのは、環境の変化による自律神経の乱れです。冷房の効いた室内と暑い屋外への出入りが増えるため、自律神経は1日に何度も体温や発汗の調節を行うことになります。すると、自律神経はいわゆる過労状態となり、バランスを崩して夏バテの症状を引き起こしやすくなってしまいます。
自宅でできる夏バテの回復法を5つ紹介!
1. こまめに水分を補給する
体にふらつき・めまい・気持ち悪いなどと感じたときは脱水症の可能性があります。夏バテによる脱水症の治し方は、こまめな水分補給で回復することができます。脱水症は自宅でもなる可能性があるので、汗をかいていなくても自宅にいるときは適度にスポーツドリンクなどを飲むといいでしょう。
2. 屋外との温度差を10℃以上にしない
自宅などの屋内と屋外の温度差を10℃以内にすることで自律神経がスムーズに働くようになり、夏バテも回復しやすくなります。また、エアコンの風が直接当たって体が冷えないように工夫することも大切な夏バテの治し方です。
3. バランスのよい食事を意識する
夏バテになったときは、ビタミン豊富な食事を心がけることが適切な夏バテの症状の治し方です。中でも夏バテの回復に役立つのはビタミンB群です。B1は筋肉に蓄積した乳酸の代謝を促進し、B2はアミノ酸代謝に関与しています。人間の基本的な栄養素の代謝に関わり、エネルギーを作り出すなどの補佐をしているのです。なお、B1を豊富に含む食材には、きのこ・豚肉・レバー・うなぎなどがあります。バランスのよい摂り方を意識して、効率よく夏バテの症状を回復しましょう。
4. 質のよい睡眠をとる
夏バテで疲れが抜けないときやだるさを感じる症状の治し方は、睡眠時間をたっぷり確保することです。睡眠は時間もさることながら、質が非常に大切です。就寝の90分前にぬるま湯につかり体をリラックスさせてから布団に入ればぐっすりと眠れて体力も回復しやすくなります。夜の睡眠時間だけで補いきれない場合は、短時間でも昼寝を入れることにより夏バテの症状に回復効果があります。
5. 軽い運動を生活に取り入れる
毎年夏バテに苦しんでいる人は、ランニングなどの軽い運動で暑さに負けない体を作るのも有効な夏バテの症状の治し方です。通学・通勤時のウォーキングや自宅での筋トレもおすすめです。ただし、無理をしてかえって疲れてしまっては本末転倒ですので、軽い運動を上手に生活に取り入れて夏バテの症状の回復を目指しましょう。
夏バテは水分の摂り方も大切!
熱中症や脱水症を警戒し水分をたくさん摂ろうと意識することは重要ですが、もっと大切なのは水分の摂り方です。夏バテの症状を防ぐ適切な水分の摂り方をご紹介します。
冷たいものをがぶ飲みしない
暑い夏は汗をたくさんかくため、汗の原料である水をたくさん補給する必要があります。普段あまり水分を摂らない人もなるべく気を付けて水分補給を心がけましょう。しかし、いくら水分が大切だからといって、冷たいものをがぶがぶと一気に飲むと体に吸収されにくく、胃腸が冷えてかえって消化器能力を落として夏バテの症状を引き起こしてしまいます。水分の摂り方には十分気を付けましょう。
暑い日でもなるべく温かい飲み物を飲む
暑い日でもなるべく温かい飲み物を飲むことは夏バテを防ぐために非常に有効な水分の摂り方といえます。緑茶だけでなく、消化を促進したりリラックス効果のあるハーブティーなども夏バテの回復におすすめです。しかし、暑いのでどうしても冷たいものが飲みたくなるのは仕方がないことでしょう。その際は、口に少しだけ含んで口の中で水分を少し温めてから飲むようにするだけでずいぶんと違います。
ジュースやアルコールは控える
のどが渇くとついつい冷たいジュース類などを飲みたくなるものですが、甘いジュースを飲むとまたのどが渇き、ジュースをどんどん飲んでしまい糖分過多になってしまいます。冷たい飲み物が欲しくなったらジュース類は避けて水かお茶にするようにしましょう。
また、仕事帰りのビールは暑い夏には最高ですが、アルコールを摂取するとアルコールの分解過程で水分が取り込まれてしまい、飲んだビールの1.5倍以上の水分が尿と共に排泄されてしまいます。夏バテを感じていたらアルコールは控えめにするよう心がけてください。
夏バテはひどくなる前に対処しよう!
いかがでしたか?夏バテは生活習慣の見直しや適切な水分の摂り方食事の摂り方で予防や改善が可能です。高温多湿の日本では自宅などの屋内でも夏バテや熱中症を起こす危険性があります。だるい・気持ち悪いなどと感じたら夏バテを疑い、ご紹介した治し方を実践してみてください。夏バテに負けない体を作って、楽しい夏を過ごしましょう。