スイレン(睡蓮)の花言葉は『滅亡』?!色別に徹底解説!
池や沼地に咲き、最近はビオトープなどにも利用されている睡蓮の花。この美しい睡蓮の花にまつわる花言葉や伝説をあなたは知っていますか?睡蓮は、古代エジプトで信仰の対象とされ、世界各地に様々な伝説が伝わっています。今回は、この睡蓮の特徴や花言葉などをご紹介します。
目次
スイレン(睡蓮)ってどんな花?
湖面に浮かぶ色とりどりの花が特徴的な睡蓮は、世界的な画家クロード・モネの作品に描かれている花として有名ですよね。そんな美しく可憐なイメージの睡蓮ですが「滅亡」など怖い意味の花言葉もあることは、ご存知ですか?美しい睡蓮の花に隠された以外と怖い伝説とは?今回は、今まで知らなかった睡蓮の秘密に迫ってみたいと思います。
睡蓮の特徴
睡蓮は日本を始め、世界各地の湖や沼などに生息する温帯性・熱帯性の多年生水草です。円形・楕円形の葉を持ち、最近はビオトープなどにも利用されています。以下が睡蓮の主な特徴です。
科名・属名 | スイレン科スイレン属 |
学名 | Nymphaea |
原産地 | 温帯、熱帯 |
花の色 | 白 黄色 紫 青 ピンクなど |
開花期 | 7月~10月 |
睡蓮の名前の由来
「睡蓮」の名前は、その特徴に由来します。以下が睡蓮の花の開花時間です。
- 温帯性睡蓮:昼咲き。朝から夕方まで開花し、夜は蕾を閉じる。
- 熱帯性睡蓮:昼咲き。夜咲き。
- 未草(ヒツジグサ】:午後2時~5時のみ開花する。
昼間の限られた時間に開花する品種が多い睡蓮は、その特徴 から「睡る蓮(ハス)」という意味で「睡蓮」という名前がつけられています。
睡蓮の概要
池や沼の水面に色とりどりの美しい花を咲かせる睡蓮ですが、日本に元々存在した品種は「未草(ヒツジグサ)」と呼ばれる白い睡蓮のみです。海外原産の睡蓮は明治時代に初めて日本に輸入され、品種改良が繰り返されました。様々な品種をかけ合わせたことにより、現在のように青や赤、紫といった様々な色の睡蓮が一般的に普及したのです。
睡蓮とハス(蓮)の見分け方は?
睡蓮は、同じスイレン科の水性多年草であるハスに似ていると言われています。またハスの花には「遠くに去った愛」など、睡蓮と似た意味の花言葉もあります。二つの花を見分けるポイントはなんでしょう?ここからは、睡蓮とハスの特徴と見分け方をご紹介します。
【睡蓮】特徴と見分け方
水面近くに美しい花を咲かせる睡蓮は、花の時期が終わると水中に沈む特徴があります。花が終わるタイミング次第では、水中で花が咲く「水中花」としても楽しむこともできます。以下が睡蓮の花の特徴と見分け方です。
- 葉:深い切れ込みがあり、撥水性がない。
- 咲く位置:水面近く。
- 花の終わり方:花が終わると水中に沈む。
- 花の色:青・紫・黄・ピンク・白など。
【ハス】特徴と見分け方
インドでは、ハスの花は多産や生命、長寿など命を産み育む女性を象徴する花として知られています。またハスの根は「蓮根(レンコン)」食用にも利用されています。以下がハスの花の特徴と見分け方です。
- 葉:切れ込みがなく、撥水性がある。
- 花が咲く位置:水面より高い場所。
- 花の終わり方:花托が枯れる。
- 花の色:白・紅・薄紅など。
睡蓮のポジティブな花言葉と由来を紹介!
睡蓮の花言葉には、ポジティブな花言葉とネガティブな花言葉があります。ポジティブな意味の花言葉は、花の色に由来する「甘美」「純情」など11種類の花言葉をご紹介します。
睡蓮の花言葉①清純な心
泥沼で咲いたとしても、その清純な美しさを損なうことがない睡蓮の花。特に白の睡蓮は、清らかで美しい花ですよね。睡蓮の白い花は、どんな汚れた世界でも清らかな心を持った人に例えられ「清純な心」という花言葉がつけられています
睡蓮の花言葉②甘美
睡蓮の花言葉「甘美」は、黄色の睡蓮につけられた花言葉として知られています。古代エジプト人は、睡蓮の花を香水の原料や、女性の装飾品として利用してきました。その清純で甘い香りは、現在も香水の名前やイメージとして大切にされ「甘美」という花言葉と共に親しまれています。
睡蓮の花言葉③優しさ
「優しさ」という花言葉は、黄色の睡蓮につけられた花言葉です。淡い黄色の睡蓮は、その優しい色合いで私達の心を癒やしてくれます。
睡蓮の花言葉④信頼
睡蓮の花言葉「信頼」は、ピンクの睡蓮に与えられた花言葉です。ピンク色の睡蓮は、薄紅色のハスにも似ていますよね。ピンク色の睡蓮は、その温かな色合いが人との愛情や信頼を連想させてくれます。
睡蓮の花言葉⑤純情
「純情」は白の睡蓮に与えられた花言葉です。睡蓮のなかでも、特に純粋な心をイメージすることが出来るのが「白の睡蓮」です。どんな環境でも、純粋な心を失わないでいたいと願う人の思いが込められた花言葉です。
睡蓮の花言葉⑥信仰
睡蓮の花は、西洋東洋を問わず古代から信仰や崇拝の対象となってきました。特にエジプトは、太陽の象徴として崇められ信仰の対象としてきた歴史があります。昼間に花を咲かせる青睡蓮と、夜に花を咲かせる白睡蓮が信仰の対象であったと伝えられています。
睡蓮の花言葉⑦柔らかい心
全般的な睡蓮の花言葉に「柔らかい心」という花言葉があります。睡蓮が世界各地で信仰の対象となるなかで、他人に寛容であることを大切する教えから生まれた花言葉です。
睡蓮の花言葉⑧愛情
睡蓮が登場する伝説には、男女の愛情にまつわる言い伝えが数多く残っています。こうした伝説により付けられたのが「愛情」という花言葉です。
睡蓮の花言葉⑨無垢
汚れのない心を意味する「無垢」という言葉は、白の睡蓮に与えられた花言葉です。古代から信仰の象徴でもあった睡蓮は、疑うことない純真な心をイメージさせる花としても大切にされてきました。
睡蓮の花言葉⑩愛くるしさ
睡蓮の学名「Nymphaea(ニンファー)」は、睡蓮との関わりが深い妖精にニンフに由来する学名です。睡蓮には、愛くるしい妖精ニンフにまつわる伝説が残っていることから「愛くるしさ」という花言葉がつけられています。
睡蓮の花言葉⑪慎み深さ
睡蓮は、エジプトでは「ナイルの花嫁」と呼ばれ、現在も国花として大切にされています。信仰心が暑く、控えめで慎み深い女性のイメージが、睡蓮の別名や花言葉にも表れています。
睡蓮のネガティブな花言葉と由来を紹介!
ここまでは、ポジティブな意味を持つ睡蓮の花言葉をご紹介してきましたが、睡蓮にはネガティブな意味の花言葉もあります。ギリシャ神話には、妖精ニンフが英雄ヘラクレスに恋をし、捨てられたことでナイル川に身を投げ、睡蓮に生まれかったという伝説が残っています。こうした伝説に因んだ花言葉が「冷淡」「終わった愛」という花言葉です。
睡蓮の花言葉 冷淡
「冷淡」は、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスが、身分違いの妖精ニンフをあっさりと捨てたその性格に由来した花言葉です。 このヘラクレスの冷淡さ、妖精ニンフを絶望させ「滅亡」へと追い込んだのでした。
睡蓮の花言葉 終わった愛
男女の恋愛にまつわる伝説が多い睡蓮の花。成就せずに終わりを告げた愛を表す「終わった愛」という花言葉がつけられています。
睡蓮の『色別』の花言葉5選!
睡蓮は、全体の花言葉以外に色別の花言葉がつけられています。ここからは白、黄色、ピンク、青、紫の5色の睡蓮にまつわる花言葉をご紹介します。
①白の睡蓮の花言葉
白の睡蓮には以下の3つの花言葉があります。
- 無垢
- 純情
- 潔白
白の睡蓮は、青い睡蓮と共に古代エジプトで宗教上大切にされてきました。信仰を大切にする古代エジプト人にとって白の睡蓮は、無垢で純粋な心の象徴だったのかもしれません。
②黄色の睡蓮の花言葉
黄色の睡蓮の花言葉は人の心の暖かさや思いやりを象徴する花言葉です。以下が黄色の睡蓮の花言葉です。
- 優しさ
- 甘美
③ピンクの睡蓮の花言葉
ピンクの睡蓮には「信頼」という花言葉があります。淡いピンクの花を咲かせる睡蓮は、人の心に安心感を与えることから、安心して心を開ける関係性を表す花言葉がつけられたと言われています。
④青・紫の睡蓮の花言葉
青や紫の睡蓮に個別の花言葉はありませんが、ナイル川が原産地であるアフリカスイレンは、白の睡蓮と共に古代エジプトで親しまれ大切にされてきました。葬儀など宗教的な儀式にも使用されていたことから考えると「信仰」という花言葉が一番ふさわしい花言葉かもしれません。
⑤西洋・英語での花言葉
西洋に伝わる睡蓮の花言葉には、日本の花言葉とほぼ同じ意味があります。英語で「purity of heart(清らかな心)」と表現されている花言葉は、睡蓮が西洋でも「清純な心」の象徴として大切にされていることを意味しています。
睡蓮の花言葉『滅亡』の由来とは?
睡蓮の花言葉にはギリシャ神話に由来する「滅亡」という花言葉があります。この「滅亡」という花言葉も、先程ご紹介したヘラクレスに捨てられた妖精ニンフが、失恋の末にナイル川に身を投げた伝説が元になっています。失恋により自らその身を滅ぼしたニンフの伝説が滅亡という花言葉の由来なのです。
睡蓮にまつわる言い伝え4選!
睡蓮にまつわる言い伝えは、世界各国に残っています。美しく可憐な花を咲かせる睡蓮ですが、悲恋や怖い伝説も数多く存在しています。今回は世界に伝わる睡蓮の言い伝えの中から、4つの物語をご紹介します。
①アメリカに伝わる言い伝え
アメリカのタッパー湖と呼ばれる湖のほとりに暮らしていたサラナク族首長ワヲタは、オジータという娘と恋に落ちました。しかし、オジータには両親の決めた結婚相手がいました。
両親の勧めに従い自分の心を隠すようになったオジータは、ワヲタを避けるようになりました。オジータへの想いを伝えようと湖のほとりで彼女を抱きしめたワヲタの手を振りほどいたオジータは、湖に落ちて、二度と浮かんできませんでした。
翌日、漁師がタッパー湖の水面に色とりどりの睡蓮が咲いているのを見つけました。サラナク族の占い師が「この睡蓮の花は、ワヲタを愛していたオジータが姿を変えたものだ」と告げたという言い伝えが残っています。
②ドイツに伝わる言い伝え
ドイツでは「睡蓮は水辺に住む妖精や睡魔の化身」とされ怖い伝説が伝えられています。睡蓮の葉の影に潜む妖精ニンフは、花を手折る人間を水中に引きずり込むと言われています。こうした怖い言い伝えは、子どもが、水辺に落ちることがないように作り出された伝説かもしれません。
③プリアーポスとローティスの伝説
ギリシア神話には男性神プリアーポスから言い寄られた妖精ローティスの 伝説が伝えられています。ある日、ローティスは、諦めの悪いプリアポスから逃れるため、水辺の神に願い出て赤色の睡蓮へと姿を変えました。そこへ何も知らないドリュペーとイオレーの姉妹が水辺に遊びに来ました。
姉のドリュペーが、睡蓮の花を手折ると、花からは真っ赤な血が流れ出ました。花を手折ったドリュペーは、ローティスの呪いにより睡蓮の花に変えられてしまいました。この怖い伝説は、安易に睡蓮の花を摘み取ることがないよう作られた物語だと言われています。
④トロイア戦争における言い伝え
トロイア戦争を終えたイタカ国王オデュセウスは、帰国する途中、乗っていた船が難破し、リビアに漂着しました。 オデュッセウスは三名の兵を島の偵察に行かせましたが、時間が経っても、戻ってきません。リビアには、ハスの実に似た果実を食べる民族が存在していました。
島民から勧められるままに果実を口にした兵士は、その味に魅了され、任務を忘れてしまっていたのです。果実に魅了された3人の兵士を目にしたオデュッセウスは、兵士を木に縛り付けて、その島を後にしました。このハスに似た実が、当時は睡蓮の実と間違えられ、伝説として伝わったと言われています。
睡蓮の花言葉は明るい意味も冷たい意味もある!
今回は、湖や池で美しい花を咲かせる睡蓮の花にまつわる伝説や花言葉などをお伝えしましたが、如何でしたか?「愛情」や「信頼」など美しい花言葉がある一方で、「冷淡」や「滅亡」といった運命の残酷さを表す花言葉もありましたね。
明るい意味だけでなく、冷酷で怖い伝説も伝わっている睡蓮は、美しいだけでなく、ミステリアスな一面も持ち合わせているようです。睡蓮を愛でる時は、軽い気持ちで花を摘んで、怖い妖精に水中に引き込まれないよう、くれぐれもお気をつけくださいね。