2018年08月19日公開
2018年08月19日更新
『主婦湿疹』って何?原因や症状は?対処の仕方&予防方法も!
手に強い痒みや水泡ができる主婦湿疹。主婦の間に多いこの湿疹の原因を詳しくまとめてみました。なかなか治らないあかぎれやひび割れは、もしかしたら主婦湿疹が原因となっているかもしれません。対処の仕方や予防方法、主婦湿疹と似た皮膚疾患もまとめてご紹介します!
目次
主婦湿疹とは?ひび割れやあか切れとの違いは?
”主婦湿疹”とは、洗剤に触れたり手を頻繁に洗うことによって、手の皮脂が洗い流されたことで皮膚のバリア機能が低下し、それによって引き起こされる手の痒みやひび割れ、水泡などの症状のことを言います。
家事などで手を洗う機会が多い主婦が発症することが多いため、主婦湿疹と呼ばれています。
また、手に症状が出ることから”手湿疹”とも呼ばれることもあります。
主な症状に、手に水泡やひび割れができる、手が痒い、指が腫れた、などがあり手荒れと似ているものが多いです。
そのため、主婦湿疹と認識せず、ただの手荒れとして放置してしまう人も少なくありません。
主婦湿疹の医学的な名称は、”進行性指掌角皮症”(しんこうせいししょうかくひしょう)といいます。
他の呼び方も存在しており、”接触皮膚炎”や”刺激性皮膚炎”といった言い方をする時もあります。
主婦湿疹は水泡やひび割れが手にあらわれ、強い痒みがあり、痒みがでたらハンドクリームを塗る、といった対処方法だけでは治らない場合も多いです。
また、主婦湿疹によるひび割れをただのあかぎれだと思って、あかぎれ用の市販薬を塗るだけで放置してしまう方もいますが、主婦湿疹の症状は皮膚のバリア機能が弱くなっていることが原因ですので、手のあかぎれが治ったとしても、すぐにまた別の症状がでることがあるため、市販薬やハンドクリームを傷に塗るだけでは適切な治し方とはいえません。
手のバリア機能を補ってあげたり回復させるなど、正しい治し方をしないとなかなか治らないとも言われています。
主婦湿疹は症状によって【乾燥型】と【浸潤型】に分けられ、乾燥型の主な症状は手の痒みやひび割れといったもの。
浸潤型の症状は手に水泡や発疹が現れ、ひどい場合は化膿してしまうこともあり、乾燥型も浸潤型も、どちらも強い痒みがあります。
症状の原因は皮脂を洗い流してしまうことですので、ハンドクリームや市販薬をただ塗っても効果が薄く、治し方がわからないと困っている主婦の方も多いです。
もし、手に水泡などができてしまい、ハンドクリームや市販薬などで対処してみても効果が薄くて治し方がわからない、なかなか治らないと思った場合はまず皮膚科で診てもらいましょう。
主婦湿疹の【症状】は?
主婦湿疹の症状には乾燥型と浸潤型の二種類があり、どちらの種類によるかで症状は違っていきます。
ですが、主婦湿疹を予防する方法や治し方はどちらも同じです。症状が違っても原因は同じですので、同じ方法で主婦湿疹を改善することができます。
まずは、手をあまり水に晒さないようにして手のバリア機能を守ることが予防法や治し方の基本となっています。
では、主婦湿疹の症状を詳しく見ていきましょう。
主婦湿疹の【乾燥型】の症状は
乾燥型の主婦湿疹の症状は、主に強い痒みを伴った手の乾燥、皮が剥けたり薄くなってあかぎれやひび割れを起こすこともあります。
原因としては、水によって手の皮脂が洗い流されて皮膚のバリア機能が弱くなり、それにより薄くなった皮膚が少しの衝撃でひび割れてしまったり、外部からの刺激によって強い痒みが発生します。
ただの手荒れとは違い、ハンドクリームを塗るだけでは治らない場合もあり、きちんとした治し方は手のバリア機能を補うことになります。
主婦湿疹の【浸潤型】の症状は
浸潤型の主婦湿疹の症状は、手の平や手の甲にまで症状が出ることが多く、手の広範囲に紅斑、水泡、丘疹などが発生して大抵の場合は痒みがあります。
また、浸潤型の場合は水泡が化膿したり、手がじゅくじゅくとしたりと症状が酷くなる場合があります。
早めに皮膚科を受診しよう
主婦湿疹は、ただのあかぎれやひび割れの症状だと思って放置しておいても悪化していくばかりです。
まずは原因や対処法を知ることと、早めに皮膚科を受診することが大切です。
また、洗い物などの家事が原因と言われていますので、家事をやっている以上治し方が難しい、洗い物をしないといけないから中々治らない、と主婦にとっては原因を取り除くことが難しいです。
ですが、正しい治し方や予防に気を遣えば、主婦湿疹から手や皮脂を守ることは十分可能です。
手にあらわれたひび割れやあかぎれ、水泡などの症状に市販薬やハンドクリームを付けてみても治らないと思ったのならば、皮膚科を受診するのをおすすめします。
医師の診察を受けて適切な薬を処方してもらったり、主婦湿疹を予防する方法や手のバリア機能を守る方法を教えてもらうこともできるので、皮膚科を受診することが一番適切な治し方と言えるでしょう。
主婦湿疹の【原因】となるものは?
主婦湿疹が起こる原因は、手の水分蒸発を防いだり外の刺激から皮膚を守る役割のある皮脂が水で流されてしまって、手のバリア機能が弱まってしまうことにあります。
そのため、毎日何度も水に触れ、手を洗う機会の多い主婦や理容師、美容師などに発症する人が多いと言われています。
また、手の水分や皮脂を奪いやすい紙によく触れる職業の人もまた、主婦湿疹を発症している人が多いです。
他にも、洗剤やシャンプーに含まれている界面活性剤が油汚れと一緒に手の皮脂も落としてしまうことも、主婦湿疹の原因となっています。化粧品に界面活性剤が使用されていることもありますので、こちらも、美容師や理容師にも発症する人が多い理由と考えられます。
水だけでなく洗剤も一緒に手の油分を奪っていってしまうので、毎日やらなくてはいけない洗い物のあとは手の保湿が予防するうえでも大切になっていきます。
日常生活で水に触れる程度ならば、主婦湿疹が出ることは少ないですが、家事などで頻繁に水に触れる場合は手の皮脂が洗い流されてしまい、主婦湿疹が発症しやすくなります。
また、乾燥しがちな秋冬は乾燥型、春や夏は水泡や赤斑を伴う浸潤型が発症することが多いです。
さらには、手のバリア機能を守ろうと思って対策をしてみても治らない場合は、逆に手の水分や皮脂を奪い主婦湿疹を起こす方法をとっていて、悪化する原因となっている場合もあります。
手のバリア機能を守ろうとして間違えがちな対処方法と、その原因ご紹介していきます。
洗剤やシャンプーの使用
洗剤などに含まれる界面活性剤は、油を落とす効果がありますが、油汚れと一緒に手の皮脂まで落としてしまいます。
そのため、手を刺激から守ったり手の水分の蒸発を防いでくれる皮脂が消えてしまい、皮膚湿疹が起こる原因となってしまいます。
洗い物や手を洗った時、お風呂から上がった後は市販薬やハンドクリームで手を保護し、保湿を心がけると主婦湿疹の対処だけでなく予防にもなります。
また、界面活性剤が入っている化粧品やシャンプーで手の皮脂が流れ落ちていってしまう場合もあり、シャンプーが原因で皮膚湿疹を起こす場合もあります。
なるべく肌に優しいシャンプーを選び、お風呂からあがったらハンドクリームや市販薬でしっかりと手の保湿をして、皮膚湿疹の予防をしましょう。
ゴム手袋の使用
手のバリア機能を守ろうと、洗剤や水に手が直接触れないようにするためにゴム手袋を使用する人も多いですが、ゴム手袋は正しい使い方をしないと主婦湿疹を悪化させてしまうおそれがあります。
ゴム手袋をすると、ゴムの素材に手の皮脂を逆に奪われてしまい乾燥や水分の蒸発を引き起こします。
また、ゴムは弱くなった皮膚に刺激を与えてしまうので、ゴム手袋を使って洗い物をすることは、主婦湿疹の治し方どころか悪化の原因になっている可能性も!
アトピー性皮膚炎や金属アレルギー
アトピー性皮膚炎や、金属アレルギーの主婦湿疹を発症したり悪化させる原因となる場合もあります。
これらの皮膚炎やアレルギーの症状がある人は皮膚のバリア機能が弱くなっているので、少しの刺激で主婦湿疹を発症してしまいます。
金属アレルギーの人は金属には触れないようにする、などといった対処方法をとってアレルギー反応を起こさないようにするのが大切です。
また、早めの皮膚科の受診も重要です。
もしも、アトピー性皮膚炎や金属アレルギーの症状が出る人は主婦湿疹の症状があらわれたと思ったら、すぐに皮膚科で診てもらいましょう。
主婦湿疹の【対処の仕方】は?
家事で水に触れてしまうのは避けられません。
そこで重要になってくるのが主婦湿疹になった場合にできる対処方法。
正しい対処をすれば、主婦湿疹が悪化しないですみます。
まずは発症・悪化の原因となるものを避けよう
手に水泡や痒みがでる主婦湿疹の症状が出たら、まずは発症・悪化の原因となるものを避けることが重要です。
発症の原因が洗い物ならば、手を刺激から守り皮膚のバリア機能が回復するのを待ちましょう。
保湿剤で皮膚を保護しよう
手を洗ったあとにはハンドクリームなどの保湿剤を手に塗り、皮膚を保護することで痒みなどに対処できます。
外部からの刺激をなるべく防ぐことと、皮膚のバリア機能を補うことで痒みやひび割れなど症状への対処ができます。
市販薬で治らない場合は皮膚科を受診しよう
浸潤型の主婦湿疹は、症状が悪化すると市販薬やハンドクリームで保護するだけでは治りにくいです。
市販薬でも痒みや水泡が治らない場合は、皮膚科に受診することをおすすめします。
痒みや症状が酷い場合は、ステロイド系の薬を処方してもらえる場合もあります。
主婦湿疹の【予防方法】は?
症状が出る前に適切な方法で、主婦湿疹を予防しましょう!
とにかく手のバリア機能を洗い流さないようにし、手に刺激を与えないことが予防方法として重要です。
手の保湿を心掛けよう
手を洗ったあとはハンドクリームを塗って手を保湿するように心掛けると主婦湿疹の予防になります。
皮膚のバリア機能を補い、刺激からも皮膚を守ってくれます。
洗い物のあと、お風呂から出たあとなどにハンドクリームで手を保湿することを習慣にしておくと肌も元気になります。
ゴム手袋をはめる前に綿の手袋をはめよう
ゴム手袋で水や洗剤から手を守りたい場合は、その前に綿の手袋をはめることで主婦湿疹の予防になります。
綿の手袋で保護すれば、手の水分蒸発も防げますしゴムの刺激から手を守ることもできます。
洗浄剤は低刺激製品を選ぼう
シャンプーや洗剤などは、なるべく低刺激の製品を選んで使いましょう。
また、化粧品にも界面活性剤が使用されている場合があります。
化粧品に含まれる成分を確かめて、界面活性剤が使用されていないものを選ぶと効果的です。
成分や肌へ気をつかった低刺激のものを選んで使うようにして、主婦湿疹を予防しましょう!
主婦湿疹と間違えやすい皮膚疾患は
皮膚の疾患は症状が似ているものが多く、主婦湿疹と間違えやすいものあります。
皮膚疾患にはそれぞれ適切な対処法や治し方があります。
ハンドクリームや市販薬で正しく手を保護しても水泡が治らない、この水泡や症状は主婦湿疹とは違うかも、などと感じた場合は皮膚科を受診するのがおすすめです。
主婦湿疹と間違えやすい皮膚疾患をまとめてみました。
汗疱(かんぽう)
皮膚の下に数ミリほどの水泡がいくつも並んでできる皮膚疾患です。
痒みやぴりぴりするなどといった症状や、水泡が潰れてじゅくじゅくしたり、皮がむけるなどの症状がおこります。
季節の変わり目や多汗症の人が発症しやすいといわれることからも、皮膚の下に汗が溜まっているのが原因と思われていましたが、潰れた水泡から出てくる水に含まれているのが汗だけとは限らないようです。
ステロイド軟膏で治療が可能ですので、皮膚科を受診しましょう。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
膿が溜まった膿疱が手の平や足の裏にできる皮膚疾患で、症状の出始めに痒みがあることが多いです。
周期的に良くなったり悪くなったりを繰り返し、足や手の他にもすねや膝に膿疱が現れることもあります。
手カンジダ症
真菌の一種であるカンシダ菌が過剰に増殖することで症状があらわれます。
症状には発疹、鱗屑(うろこ状のくず)、かゆみ、腫れなどがあり、手や足の指の間の隙間や脇の下に症状がでることが多いです。
抗真菌薬の塗り薬や飲み薬で治療できますので、まずは皮膚科を受診するようにしてください。
アレルギー性接触皮膚炎
何らかのアレルギーの原因になるものに接触を続けたことにより、アレルギー反応が起こって、疼痛や痒み、熱感、発赤などの症状が出ます。
アレルギーの原因は人によって様々で、金属やゴムなどといった身近にあるものがアレルギーの原因となっている場合もあります。
手荒れが治らないと思ったら皮膚科へ!
ただのひび割れやあかぎれだと思っていハンドクリームなどを塗っておいたけれど、手荒れがなかなか治らない、あかぎれを何度も繰り返す場合は主婦湿疹の可能性が高いです。
手荒れがなかなか治らないと思ったら、まずは皮膚科で診てもらいましょう。
ただの手荒れだから、と市販薬で対処し続けていても、皮膚疾患が改善することはほとんどありません。
もしかしたらただの手荒れではなく、危険な病気の可能性もありますので、手荒れが治らず不安に思ったら場合は、まずは皮膚科を受診するようにしましょう!