安楽死が日本で合法化されたら?国内事例や法律、合法国の現状などまとめ

日本の安楽死が合法なのかどうかは話が混同されがちです。そのため、日本で安楽死が合法になるケースと逆に法律に反する事例を紹介します。また現状は法律に反する安楽死も今後変わる可能性はあるので、現状の日本の事例と交えて世界の状況もまとめています。

安楽死が日本で合法化されたら?国内事例や法律、合法国の現状などまとめのイメージ

目次

  1. 1消極的安楽死は尊厳死だが積極的安楽死は殺人か
  2. 2日本の安楽死の現状と法律に基づいた判断事例
  3. 3日本の安楽死が今後合法化する可能性と現状の法律
  4. 4日本人は安楽死合法国の現状をどう考えるか
  5. 5より積極的な安楽死を認めている事例
  6. 6日本人が積極的安楽死を望む場合の合法的手段
  7. 7まとめ

消極的安楽死は尊厳死だが積極的安楽死は殺人か


僕に 未来は在るのだろうか?

御返事は 出来ません。
今は 絶対安静らしいです☺
病名は 【悪性リンパ腫】プラスアルフア
トイレは 大も小もベッドの上で‼️
最早 人間としての 尊厳はなくなりそうです?
もし‼️治ったら 自転車‼️そして ラーメン🍜
入院一日めでした☺ pic.twitter.com/IYfUrmS1kv
— WR250X (@XWr250) 2017年4月11日
 

消極的安楽死とは尊厳死のことで事例も多々ある


桂歌丸さん「延命装置をつけるのは絶対にやめよう」高齢者の91%延命治療はイヤ! https://t.co/lWISUU4QUZ pic.twitter.com/yE7cyg9bIu
— 矢田 (@yadajyo) 2017年2月18日
 


「消極的安楽死」とは「尊厳死」のことです。消極的安楽死の方法としては、延命治療を辞めるという方法になります。何か積極的に安楽死のために行動するのではなくて、むしろ命を引き延ばす作業を辞めるということです。
これは日本でも合法化されており、延命治療を行わないという表現がなされます。あまり消極的安楽死を選択するという表現はしないでしょう。安楽死というワードは避けられがちです。
 

積極的安楽死は日本では合法ではない


積極的安楽死とは、薬の投与などによって積極的に安楽死を行う方法です。この方法は日本では合法化されておらず、殺人と見なされます。
そのため、どんなに患者が苦しんでいても、積極的に安楽死を行うことはできません。本人が望んでも積極的に安楽死をさせてもらうことはできないので、状況によってはきついでしょう。

安楽死に賛成か反対かという議論が行われることが多いですが、だいたいは積極的安楽死の方を指しています。消極的安楽死は合法化されていますが、議論の余地はあります。しかし、消極的安楽死に賛成でない人はかなり少数派かもしれません。
いつでも延命しなければならないという状況は、遺族にも本人にもデメリットが多いです。
 

積極的安楽死の事例は日本でもあるが合法にはならなかった


薬物投与に使おうと思う画像← pic.twitter.com/WcFx6Q47wZ
— 如月@嫉妬姫@大学最後の1年 (@Kutikukann_) 2017年4月8日
 


日本人医師が薬物による方法で患者を積極的に安楽死させたという事例がありました。医師によると、苦しみながら安楽死を望む患者を見ていられなかった、という理由です。
しかし、日本では積極的な方法での安楽死は合法化されておらず、この事例でも医師は有罪となりました。多くの日本人の心境としては医師の行動には賛成を示すかもしれません。
しかし、日本は現状安楽死合法国ではないので、違法になりました。なぜ積極的安楽死が非合法で、消極的安楽死が合法なのかは手を加えるかどうかの違いです。

放っておいていつか死ぬのを待つ、というのも倫理的でないように思えますが、悪い言い方をすれば見殺しなら良いということになります。
 

日本の安楽死の現状と法律に基づいた判断事例

日本の積極的安楽死の事例では医師は患者の要望を聞いた


日本は自殺大国ですが、経済的な理由や人間関係はその主な原因になっています。しかし、日本人の自殺理由のトップは健康問題です。
健康問題には精神的な健康も含まれているので、もちろん経済的理由や、人間関係が精神疾患の原因になり、それが結果的に自殺に結びつくこともあります。
しかし、日本人は高齢化しているので、肉体の健康問題を苦に自殺する人も多いのです。

積極的安楽死が合法化されれば、日本人の自殺率は確実に下がるでしょう。とはいっても、積極的安楽死の方が自殺より良いという考え方は賛否両論あるかもしれませんね。
本来は命があることが一番という考え方が優先されるので、自殺を避けるために積極的安楽死というのはあくまでも一つの考え方です。
 

日本の安楽死が今後合法化する可能性と現状の法律


日本では積極的安楽死は合法国ではありませんが、消極的安楽死に関しては合法国です。安楽死に絶対的に反対する人たちのなかには、消極的安楽死であっても賛成できない考え方の人も存在します。
しかし、多くの日本人は消極的安楽死に対しては賛成という考え方です。延命治療によって生きながらえることが、かえって本人にとっても周囲にとっても苦痛になるケースもあるでしょう。

そして、各所の調査では積極的安楽死に関しても賛成している日本人は多いです。中絶の比較するのは極端な考え方のようにも感じますが、中絶が良いなら積極的安楽死も良い、という考え方の人も多いです。
倫理的な問題を排除した考え方をすれば、本人や周囲が望むなら積極的安楽死も認めた方が日本にメリットがあります。医療費や高齢化問題は日本にとって重い問題だからです。
 

高齢化が進んでも延命する日本人の現状


もちろん高齢者ならば積極的安楽死は賛成だというわけではありません。本人の意志もありますし、家族の意志もあるでしょう。しかし、高齢者本人がどんなに積極的安楽死を望んでもそれはできないという考え方は、ある意味極端な印象も受けるでしょう。
ロボットによる医療や介護が進めば日本にとって大きなメリットになります。しかし、そのために投入する国費も膨らんでいきます。また少子高齢化が今後も続けば税金負担者と受給者の割合がどんどん偏っていきます。

経済的な問題を安楽死の問題と絡めるのは倫理的には賛成できないかもしれませんが、事実として安楽死が進めば日本にとって経済的なメリットがあることは間違いないでしょう。
また本人や遺族にとっても選択肢が広がるというメリットがあります。ただ逆に選択肢が広がることがむしろ苦痛になるというデメリットが生じる可能性はあります。
 

日本人は安楽死合法国の現状をどう考えるか


なぜ安楽死合法国はそれが成り立つのか、なぜ日本では積極的に安楽死を推奨できないのか、という問題があります。
倫理的な問題もありますが、国の実情の問題もあります。いつでも安楽死を認めると日本人は死という選択肢を選びがちになります。なぜかというと、残念ながら死を望む日本人が多いからです。
 

日本とは法律が異なり安楽死が合法化されている国の現状


スイス、オランダ、ベルギー、アメリカのオレゴン州などでは積極的安楽死が合法とされています。オランダでは無駄な延命は高齢者の虐待とも考えられており、それはスイスやベルギーでも同じです。
認知症や、視力、聴力を失って生きる希望がない場合には、安楽死という選択肢があった方が良いという考えで法律が制定されています。
 


ベルギーの24歳の女性がうつ病により安楽死を求めた問題を取り上げているが、病は当事者しか分からない苦しみというものがあるからな。#fujitv #フジテレビ pic.twitter.com/Op85gcl4xM
— owd Saachan (@sts_stinger) 2016年1月13日
 


日本人の感覚的には、さすがに精神疾患を理由に若い人が安楽死を選択することには抵抗があるでしょう。安楽死合法国のなかには若者が精神疾患を理由にした安楽死すら認めている国はありますが、極端な印象も受けます。
日本で積極的安楽死が認められるとしても、肉体的にどうしようもない場合のみになると思われます。

長時間労働や不景気を理由に自殺する人が後を絶たない日本の現状において、年齢や状態に関係なく安楽死を認めたら大変なことになります。
突発的なストレスが原因で安楽死を選択する若者も増えてしまうでしょう。さすがに日本では手放しに安楽死合法国化を進めることはできません。
 

日本人から見た安楽死合法国の現状


当たり前ですが、安楽死合法国の現状をそのまま日本に取り入れることは不可能です。日本は幸福度ランキングで世界最底辺の国なので、要するに自殺願望を持っている人も多いということです。
日本人の真面目な気質や、閉鎖的な人間関係がそうさせているのかもしれません。いずれにしても、日本で積極的安楽死を認めるには、明確な理由がある場合のみに限った方が良いかもしれませんね。
 


メンヘラではないけど
わたしだけみてて、っておもっちゃうし
はなれていかないで
とおもっちゃう
メンヘラではない

いえーい
ぴーすぴーす pic.twitter.com/AQwNH0BdHM
— 待雪アイリʚ💗ɞ0507ワソマソ (@snowdrop__iris) 2017年4月7日
 


いわゆるメンヘラなどの精神的に病んでいる人の安楽死を認めたら日本は崩壊してしまいます。医師はかなり儲かるかもしれませんが。闇安楽死のような業者もできるかもしれません。なぜなら儲かるからです。
いつでも安楽死を容易に認めることは、自由意志の原則に基づいても危険と言わざるを得ません。

なぜか安楽死賛成か反対かに分かれることが多いですが、極論ばかり出すのはあまり現実的ではないでしょう。いつの時代もどこの国でもそれに見合ったものがあります。
 

より積極的な安楽死を認めている事例

本人の意思を尊重するスタンスの法律とその事例


上述の通り、安楽死がかなり自由意志の国もあります。病気が末期などの理由がなくとも、本人の意思で安楽死が選択できてしまうということです。
これが成り立つのは、ある意味国民の平均的な幸福度が高いからかもしれませんね。日本で同じことをすればデメリットが大きすぎます。
 

精神病での安楽死も合法とする法律


うつ病で悩んでいませんか?ヽ(;´Д`)ノうつ病なんってこれさえ知っていれば解決できます!うつ病の本当の原因や正しい改善方法をここで、わかりやすく解説しているよヽ(=´▽`=)ノhttps://t.co/t4BH9oveOO pic.twitter.com/hbQFnjzptF
— おそ松さんが一番! (@osomatusan_fan1) 2017年4月7日
 


日本人は精神疾患を抱える人が多いので、安楽死という方法が選択できればいいのに、と考えている人は多いでしょう。なぜそうなってしまうのかというと、社会構造や見えない序列関係の問題などもありそうですね。
 

日本人が積極的安楽死を望む場合の合法的手段

日本の法律の適用外なら合法になる


日本では積極的安楽死を受けることはできませんが、合法化されている国に行けば実現可能です。ただそこまでして安楽死にこだわるメリットはなくて、むしろ金銭的、労力的デメリットの方が大きいでしょう。
そのため、多くの日本人が自殺しています。そもそも自殺するほど追い込まれている状況で、安楽死がどうとか考えないかもしれません。

電車の飛び込みは被害額などのデメリットが大きいですが、それでもやってしまう人が後を絶ちません。電車に飛び込んで楽になりたい、といった感情が、後のデメリットを上回ってしまうのでしょう。
残された遺族にもデメリットはのしかかりますし、冷静な状態なら別の方法を選択するはずです。日本でも積極的安楽死が合法化されれば、電車への飛び込みなどのデメリットは解消できる可能性が高くなります。

 


いつも電車を利用する人が人身事故で電車が止まったときの感想は「またか」でしょう。感情面を無視すれば人間が自殺することはいつでも可能で、方法も選べます。
電車に飛び込むことは突発的なことなので、他の自殺方法があることは防止策になりません。自殺そのものに罪悪感は持っているはずですが、安楽死となると別でしょう。

安楽死が合法化されていれば、突発的な自殺ではなくて、多くの人が合法的な安楽死を選択すると思われます。
 

まとめ


安楽死はなぜいけないのか、いつのタイミングなら認めてもいいのか、こういった問題にはゴールがありません。日本の安楽死と世界の安楽死を単純比較することもできないでしょう。幸福度などの国民の精神状態と密接にかかわる問題だからです。

しかし日本の幸福度指数が上がれば積極的安楽死を認めても良い、はおかしな結論ですし、現状に見合った安楽死とするならば、末期での苦痛が大きすぎる人には安楽死を認めても良い、がもっとも合理的に思われます。ただ賛否両論あるでしょう。
 

関連するまとめ

編集部
この記事のライター
Cherish編集部

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ