スクールソーシャルワーカーになるには?仕事内容・給料・必要な資格も!
子供にとって学校が安全に過ごせる環境になるには、いじめや不登校に対応できるスクールソーシャルワーカーの存在が欠かせません。スクールソーシャルワーカーになるには、個人の適性や資格が重要です。今回はスクールソーシャルワーカーの給料や必要な資格についてお伝えします。
目次
スクールソーシャルワーカーについて知ろう!
現代の学校では貧困や家庭内暴力など子供が日常的に抱える問題がより複雑になり、深刻化しています。学校に通う子供たちが困難な問題を自らの力で解決できるようになるには、先生だけではなく福祉の専門家が必要です。今回は保護者や先生と協力しながら、子供の問題を解決に導くスクールソーシャルワーカーの仕事とその役割についてお伝えします。
スクールソーシャルワーカーの仕事はどんなことに対応しているの?
スクールソーシャルワーカーの仕事は、家庭や学校になじめずメンタルに問題を抱えやすい子供を支援するのが主な役割です。子供本人だけではなく保護者・先生・友人などとコミュニケーションを取りながら問題を解決していきます。スクールソーシャルワーカーになるには、主に以下の3つの内容に対応することが求められます。
①不登校
不登校とは、何らかの原因で子供が学校に通学できなくなる状態を指します。不登校の原因は、学校の人間関係・家庭環境・勉強の遅れなど様々なものが考えられます。ソーシャルワーカーは、不登校の子供に対して家庭訪問などを行い、学校の先生や友達との関係を調整する役割を果たします。不登校に対応できるソーシャルワーカーになるには、信頼関係を回復するコミュニケーションを身につけることが大切です。
②家庭内暴力
スクールソーシャルワーカーの仕事で一番重要な役割が、家庭内暴力を受けている子供への対応です。暴力を受けている子供の支援を行えるようになるには、まずは保護者とコミュニケーションを取り、家庭内暴力の実状を把握することが必要です。状況に応じて家族と面談を行ったり、学校や児童相談所と協力して子供の支援を行います。
③いじめ
スクールソーシャルワーカーになるには、いじめに対して適切な対応ができることが大切です。学校で起きるいじめの多くは隠れて行われ、被害者側の子供は仕返しを恐れて先生や保護者には、いじめの内容を打ち明けない場合があります。
また子供が勇気を持って先生や保護者にいじめを打ち明けても、適切な対応が行われなければ、事態をより深刻化させることにつながりかねません。周囲の大人がいじめを解決できるようになるには、子供のメンタルに配慮したコミュニケーションを行えるスクールソーシャルワーカーの存在が必要なのです。
気になるスクールソーシャルワーカーの給料は?
職場で十分な才能を発揮できるスクールソーシャルワーカーになるには、生活していくために十分な給料を得なければなりません。スクールソーシャルワーカーの給料は、学歴・資格・勤務先などで異なります。例えば教育委員会では市町村の公務員規定に基づいて給料が支払われているのです。
大学新卒の給料は年収270~320万が一般的ですが、経験年数や資格に応じて増減します。給料の高いスクールソーシャルワーカーになるには、複数の資格を取得することが大切です。
スクールソーシャルワーカーになるには資格が必要?3つ紹介!
「スクールソーシャルワーカー」という名前の資格はありませんが、必ず福祉系資格を取得することが必要です。一般的にスクールソーシャルワーカーになるには、以下の3つの資格を取得することが求められています。
①社会福祉士
スクールソーシャルワーカーになるには社会福祉士の資格を得ることが最も重要です。社会福祉士になるには、主に以下の3つのルートがあります。
- 福祉系大学(4年)卒:国家試験受験→登録
- 福祉系短大(3年)卒:相談援助実務1年→国家試験受験→登録
- 福祉系短大(2年)卒:卒業後、相談援助実務2年→国家試験受験→登録
社会福祉士及び精神保健福祉士の資格を取得した後にスクールソーシャルワーカーになるには「日本ソーシャルワーク教育学校連盟」が主催する専門教育課程を修了する必要があります。
②精神保健福祉士
社会福祉士の資格に次いで最も受験する人が多いのが、精神保健福祉士です。精神保健福祉士の資格を得てスクールソーシャルワーカーになるには、社会福祉士とほぼ同様のルートを選択すれば大丈夫です。
- 福祉系大学(4年)卒:国家試験受験→登録
- 福祉系短大(3年)卒:相談援助実務1年→国家試験受験→登録
- 福祉系短大(2年)卒:卒業後、相談援助実務2年→国家試験受験→登録
スクールソーシャルワーカーになるには、社会福祉士と精神保健福祉士両方の受験資格を得られる大学を卒業することが最短ルートです。
③臨床心理士
スクールソーシャルワーカーの仕事内容は、いじめや虐待などで心が傷ついた子供のメンタルケアが含まれます。適切なメンタルケアを行えるスクールソーシャルワーカーになるには、臨床心理士などの資格を取得することが特に大切です。臨床心理士になるには、「公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会」指定の大学院で単位を取得し、資格試験を受験する必要があります。
スクールソーシャルワーカーに向いている人は?5つ紹介!
スクールソーシャルワーカーは福祉系専門職の中でも特に難易度が高く、個人の適性が問われる仕事です。スクールソーシャルワーカーになるには、まずは仕事に求められる役割を果たすための適性を持っていることが大切です。ここからは、スクールソーシャルワーカーに向いている人の特徴を5つご紹介します。
①相談に乗ることが得意
子供や保護者から持ちかけられた相談に対して適切な対応ができるようになるには、相談内容に共感的に耳を傾ける姿勢や守秘義務を守ることが大切です。スクールソーシャルワーカーは、普段から家族や友人の相談にしっかりと耳を傾け、秘密を守ることができる人が向いています。
②人の役に立ちたい
スクールソーシャルワーカーは、メンタルに問題を抱えた子供や保護者と向き合う仕事です。悩みを一緒に解決していくスクールソーシャルワーカーの仕事は、常に「人の役に立ちたい」と考えている人が向いています。
③コミュニケーション能力が高い
スクールソーシャルワーカーになるには、高いコミュニケーション能力を持っていることが最も大切です。スクールソーシャルワーカーは、子供や保護者との面談や学校の先生・福祉関係者との連携が必要になるため、常に高いコミュニケーション能力を発揮できる人が向いています。
④人に安心感を与えられる
問題を抱えた子供や保護者は大きな不安によりメンタルに不調をきたす場合があります。子供や保護者の不安を解消できるスクールソーシャルワーカーになるには、子供や保護者が安心して悩みを相談できる素質が求められます。家族や友人に穏やかに接するなど、人に安心感を与えられるタイプの人が向いています。
⑤社会福祉を通して社会に貢献したい
スクールソーシャルワーカーは、悩みを抱えた子供や保護者を支援することで社会に貢献する仕事です。スクールソーシャルワーカーになるには、難易度が高い国家資格に合格し就職後もスキルアップに励むだけのモチベーションと高い志が必要となります。
スクールソーシャルワーカーはただ給料を得るためだけに働くのではなく「社会福祉を通して社会に貢献したい」という志を持った人に向いている仕事なのです。
【番外編】スクールソーシャルワーカーとスクールカウンセラーの違いとは!
スクールカウンセラーはスクールソーシャルワーカーと混同しやすい職種ですが、学校での役割や仕事内容は違います。スクールカウンセラーは、子供・保護者・教員などのメンタルケア行うのが主な仕事です。スクールカウンセラーが子供に適切なメンタルケアを行えるようになるには、スクールソーシャルワーカーとの連携が欠かせません。スクールカウンセラーになるには精神科医・臨床心理士の資格が必要です。
スクールソーシャルワーカーを目指してみよう!
今回は子供の置かれている環境が複雑化するなかで、需要が増しているスクールソーシャルワーカーの役割や仕事内容についてお伝えしました。スクールソーシャルワーカーになるには、大学などを卒業し難易度の高い国家資格を取得する必要があります。
スクールソーシャルワーカーは決して簡単に目指せる仕事ではありませんが、子供の健全な成長を手助けする仕事だからこそ果たせる重要な役割があります。あなたもその高いコミュニケーション能力を活かして、スクールソーシャルワーカーを目指してみませんか。