臨床心理士になるには?仕事内容・給料・必要な資格も紹介!
臨床心理士の資格を持つ人が周りにいますか。臨床心理士とはどんな仕事をする人なのでしょうか。臨床心理士の仕事内容や資格取得に必要な資格とは何か、また気になる年収はどれくらいなのか等様々な面からご紹介していきます。さらに臨床心理士の将来性について考えてみましょう。
目次
臨床心理士に憧れる!臨床心理士の仕事を知ろう!
臨床心理士というと響きがかっこよくて憧れるという人もいるでしょう。しかし実際に臨床心理士とはどういった仕事をする人なのか知っていますか。現代社会において心の問題は大きな課題と言えるでしょう。そんな心の問題を抱える人をサポートする臨床心理士はきっと将来性がある仕事に違いありません。また仕事内容も気になりますが、年収はいくらくらいなのかも気になりますよね。仕事内容や臨床心理士になるにはどうしたらいいのか、年収はどれくらいのものなのか、本当に将来性があるのか等考えていきます。
臨床心理士ってどんな仕事?
臨床心理士という名前や、臨床心理士という資格があることを知っていても、実際に臨床心理士の仕事はどいういうものなのか知らないという人も多いでしょう。臨床心理士の仕事とはどういったものなのか、ご紹介します。
心の問題を抱えた人の心の状態を知る
臨床心理士の仕事としてまず挙げられるのは、人の心の問題についてその状態を知るということになります。心の問題を抱えたクライエントに対して適宜面接やカウンセリングを行い、クライエントの問題となっている部分を探ったり、今の心の状態を知り、その問題点についての解決策等を探っていきます。
心の問題を抱えた人に心理カウンセリングを行う
臨床心理士は面接とカウンセリングから得た情報から、数多くある心理療法や心理テストの中でその人に合うものを選択し心理カウンセリングを行っていきます。そのため臨床心理士は適切に心理療法を行えなくてはいけません。
心の問題を抱えた人に関係する人のサポートをする
心の問題を抱えた人に対するサポートは臨床心理士の仕事としてもちろんのこと、それに加えそのクライエントに関係する人たちのサポートをすることも大切な仕事です。クライエントにも必ず家族や近所等、人と接する機会がありますが、心の問題を抱えた人に関わる場合、クライエントの周りの人へ対応方法等をサポートすることでクライエントがより生活しやすくなるようにします。また心の問題を予防する立場として地域社会へ情報提供する等といった形でのサポートの仕方もあるでしょう。
心の問題に関する調査や研究を行う
臨床心理士がカウンセリングや心の問題に対してサポートする際には、資格と経験年数さえあればいいわけではありません。自分が行ってきた技法や心理査定等を研究・調査したものを論文にして発表したり、学会に参加する等も仕事のうちに入ります。
臨床心理士のやりがい・つらいこととは?
どんな仕事でも目標が達成されることでやりがいを感じたりするものですが、臨床心理士の仕事も例外ではありません。クライエントが抱えている心の問題が少しずつ解決し、クライエントが回復に向かっていくのがわかるとやりがいを感じることができます。また心の問題は多種多様なので、様々なクライエントに出会うことで色々な問題に対峙することになり大変ではありますが、それによって臨床心理士である自分のスキルを磨くこともできる将来性のある仕事でもあります。
反対に臨床心理士の仕事としてつらいこともあります。それは人の心の問題に触れるわけですから、本当は目を反らしたいような問題にも向かい合わなくてはならないことです。誰でもいい部分と多かれ少なかれ嫌な部分を持ち合わせています。そんな嫌な部分に対して同調してしまったり飲み込まれてしまうようではいけません。臨床心理士は仕事中は特に、感情的にならず平常心を保っておかなくてはならないのです。
臨床心理士の給料・年収はどのくらい?
臨床心理士の資格を取り、臨床心理士として仕事がしたいと思っても、給料・年収はどれくらいのものか気になるところです。人の心の問題に直接かかわる大変な仕事ですが、実は年収はそんなに良くはありません。臨床心理士の年収は一般的に300~500万円くらいと言われています。しかし臨床心理士として仕事で数々の経験を積んで、執筆活動や講演活動等もできるようになり、社会的に認められるようになれば、年収1,000万円くらいになる人もいるようです。
臨床心理士に向いている人とは?
臨床心理士はクライエントに対してカウンセリングを行ったりサポートをしていかなくてはならない仕事であることは先にご紹介しました。そんな臨床心理士の資格を取ろうというくらいですから、まずは人に興味がないといけません。そして敏感に人の気持ちを察知したり、変化に気づくことができなくては問題解決の糸口も見つけられないでしょう。ではどんな人が臨床心理士に向いているのか、臨床心理士に向いている人として3つご紹介します。
高い人間性と倫理観
人の心の問題に触れることになりますので、臨床心理士になる人には高い人間性と倫理観が求められます。臨床心理士の資格を取ろうと思う人は基本的人権の尊重はもとより、守秘義務についてももちろん遵守できなければなりません。
向上心がある
臨床心理士は一度資格を取ればそれで終わりというものではありません。日常から自分を磨くための努力を惜しんではいけません。臨床心理士の仕事は、観察力や精神力の強さ、コミュニケーション能力等様々な要素が求められます。また多種多様な心の問題に対応するためにも、積極的に自己研さんするような向上心がないといけません。
人の話に耳を傾けられる
臨床心理士の資格を取るためにはまず人の話に耳を傾けられなければなりません。カウンセリングを行う際もまずはクライエントの話を聴くことから始まります。カウンセリングをする立場の臨床心理士がしっかりとクライエントの話を聴かずにアドバイスをするようなことはありえません。
臨床心理士になるにはどうすればいいの?
臨床心理士という資格についてやその仕事について触れてきましたが、実際に臨床心理士になるにはどうすればいいのでしょうか。大学に行けば資格が取れるのではないかと漠然と思っている人もいるでしょう。臨床心理士になるための大学や専門職大学院についてご紹介します。
臨床心理士とは、日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格して初めてその資格を得ることができます。この資格試験は誰でも受けられるわけではなく、指定された大学院や専門大学院を修了している必要があります。
〈主な受験資格〉
●指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を充足している者
●臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者
●諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者
●医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者 など
受験資格からみた第1種指定大学院、第2種指定大学院、専門職大学院についてご紹介します。
第1種指定大学院とは
第1種指定大学院は「新1種指定校」と「旧1種指定校」があり、「新1種指定校」は修了後の心理臨床経験が不要であり、「旧1種指定校」は第1種指定大学院を修了後、病院等の医療施設や教育相談機関、心理相談機関等で1年以上心理臨床経験をしなくてはいけません。
第2種指定大学院とは
第2種指定大学院もまた「新2種指定校」と「旧2種指定校」があり、「新2種指定校」は第2種指定大学院を修了後、1年以上心理臨床経験を積まなくてはなりません。「旧2種指定校」は第2指定大学院を修了後2年以上の臨床経験が必要となります。
専門職大学院とは
専門職大学院とはあまり聞き慣れない名称ですが、大学院のうちさらに専門職業人としての養成を行う大学院と言えます。そして臨床心理士の受験資格としては、臨床心理学またはそれに準じた心理臨床に関係する分野を専攻し、その専門職学位過程を修了していなくてはなりません。
社会人から臨床心理士にはなれるの?
社会へ出てから色々な経験を積む中でふと臨床心理士を目指そうと思う人もいるでしょう。社会人になってからでも臨床心理士になれるかどうかというと、なろうと思えばなることができます。近年、社会人入試を実施する大学院もありますので、まずは大学院へ入学し修了することが必要です。ただこれまで心理臨床と全く関係ない分野にいた人が急に心理系の大学院へ入っても基礎がないので、その場合は心理学が学べる大学にまず入って基礎を学んでからの方がいいかもしれませんね。
臨床心理士になるために必要な資格や試験とは?
臨床心理士になるために必要な受験資格については前述しました。その受験資格を得てから受ける試験はもちろん専門性が高く、決して易しいものではありません。臨床心理士になるための平均的な合格率は約60%と言われています。専門性が高い人たちが受けて合格者が60%なのですからやはり難しいと言えるでしょう。
臨床心理士の現状と将来性は?
心の問題に困る人が増加傾向にある近年、人によって年収の差はありますが、臨床心理士という仕事自体は将来性のある仕事と言えるでしょう。2017年に「公認心理師」という国家資格ができたので、社会的に見た時若干将来性に変化が出る可能性もありますが、サポートを必要としている人が多くいる中で、これからも必要とされる仕事と言えるでしょう。
臨床心理士は様々な分野から期待される仕事!
2017年から公認心理師という国家資格ができたとは言え、いくら臨床心理士が民間の資格であってもまだまだ臨床心理士の知名度の方が上と言えるでしょう。心の問題を抱えサポートを必要としている人は世の中にたくさんいます。それだけ様々な分野から期待される仕事でもありますので、これから目指そうと思っている人は臨床心理士の将来性に掛けて資格取得に挑戦してみましょう。