『目礼(もくれい)』の意味とは?やり方・する場面・会釈との違いも!
目礼という挨拶があることを知っていますか?「知っているけれど会釈とどう違うの?」と、目礼と会釈の違いがわからないという人もいるのではないでしょうか。挨拶は礼儀の基本と言われています。知っていると得をする、日常でもビジネスでも大切な挨拶について学んでみましょう。
目次
『目礼』の意味とは?
挨拶にはさまざまな種類があります。仕事で使う基本のお辞儀である敬礼などは習うこともありますが、「目礼」はあまり習う機会がないでしょう。あなたは「目礼」とはどのような礼なのかご存知でしょうか?日常では気軽に使える「目礼」ですが、ビジネスの場で使う場合には、実は「目礼」にも厳格なルールがあります。そこで今回は「目礼」の意味を詳しく説明させていただきます。日常や仕事のなかで交わす挨拶の意味をきちんと把握して「目礼」の適切な使い方を学びましょう。
『目礼』の読み方とは
目礼の読み方は「もくれい」です。漢字としては目の礼と分解して読むことができます。難しい読み方ではありませんが、音として聞くと似た言葉に「黙礼」があるので少しややこしいですね。
『目礼』の意味とは
目礼の言葉の意味は「目を合わせて礼をすること」です。目礼は挨拶のなかでは1番軽いものとされている礼となります。そして、目礼は日常の場面やビジネスシーンのなかで、意外と頻繁に使用する挨拶でもあります。あなたも無意識に目礼を使っていませんか?
お辞儀は4種類!どんな場面で使うの?
目礼を含めて、お辞儀の種類は4種類あります。日本人は礼儀を大切にする民族なので、場面によってお辞儀の使い分けをする習慣があるのです。目礼をはじめとする4種類あるお辞儀それぞれの違いや、意味、使用する場面などを理解しておきましょう。
目礼をする場面
目礼を使う場面は、改まった場所ではないこと、知り合いであること、という条件が合致した場面になります。目礼は4種類の挨拶のなかでは最も軽い挨拶なので、親しい間柄で使われるものと考えておくといいでしょう。挨拶をしたいけど相手が忙しそうなときや、改まってお辞儀するほどではないけれど軽く挨拶をしたいときなど、相手と視線を合わせて目礼をすることでお互いの意思を伝えて挨拶を済ませます。
会釈をする場面
会釈は軽く頭を下げる挨拶です。目礼に比べると関係性が薄い相手にも使える挨拶になります。会釈を使う場面としては、言葉をかわしたりするほどの用はないけれど、挨拶としての礼儀を示したいというときに軽くお辞儀をするのが会釈です。また、軽く挨拶をしたいけれど目礼では距離があって伝わらないかもしれないという場合などにも基本的に会釈が使われます。お互いの立場としては上下関係がない相手によく使用する挨拶です。
敬礼をする場面
敬礼は目礼や会釈と違い、しっかりとしたお辞儀になります。目礼や会釈は通りすがりやすれ違いざまなどに使うこともありますが、敬礼は相手としっかりと向き合って行うお辞儀です。敬礼はその文字の通り、敬意を持って礼をするという意味を持ち、立場的に上の相手やお客様に対して挨拶を行う場面に使われます。
最敬礼をする場面
最敬礼は最も丁寧なお辞儀です。使用する場面としては、格上の立場の相手やとても大事なお客様などに対する礼として使います。公式な式典や、職場を代表する立場での挨拶などではこの最敬礼を使って挨拶します。4種類ある挨拶のうちでは最も格式高い挨拶になります。
お辞儀の基本姿勢を解説!
目礼なども含めて、お辞儀はその種類ごとに姿勢ややり方に違いがありますが、全てのお辞儀に共通する基本姿勢があります。特に姿勢ややり方に注意が必要となるビジネスシーンにおいて、仕事の挨拶としてのお辞儀は相手からの印象を決定づける必須スキルとなります。社会人ならぜひ身につけておくべきと言えます。お辞儀の基本姿勢を覚えておきましょう。
相手と目線を合わせる
お辞儀は相手に、「よろしくお願いします」と頭を下げる行為です。つまり意思の疎通を目的にした礼儀と言えます。お互いの意思を伝え合う際に、目礼だけでなく全てのお辞儀で目線を合わせるのは当然のこととなります。どの種類のお辞儀の場合でも、しっかりと目線を合わせるようにしましょう。
背筋を伸ばす
姿勢の真っ直ぐさは、その人間の実直さを感じさせます。そのため挨拶を行う場合には、背筋を伸ばしてピシッとした折り目正しさを相手に見せましょう。実直さというのは信頼出来る人物かどうかという基準になります。ビジネスの相手として挨拶を行うなら、あなたの真っ直ぐな姿勢を体現したお辞儀をするようにしてください。
手は身体の横で指を揃えて伸ばす
これは男女で少し差がありますが、男性は手を身体の横で指を揃えて伸ばすというのが挨拶の基本姿勢になります。具体的には中指をズボンの縫い目に沿わせるように意識するときれいに見えます。女性の場合は、手を前に揃えて軽く重ねるのが正式な形です。その場合、左手が下で右手が上になります。ただし、男性の場合でもサービス業などでは手を前で重ねるのが正しい場合もあります。
きちんと止まってお辞儀をする
目礼や会釈などは通りすがりに行うことも多いお辞儀です。親しい間柄や日常的なやりとりの場合はそれでもかまいませんが、ビジネスの場ではそういった歩きながらの挨拶は許されません。たとえ目礼や会釈でも足を止めて姿勢を正して挨拶をするのがビジネスマナーとなっています。ただしお客さまのお相手中などで、足を止めることが仕事上支障がある場合には、目礼や会釈に限って止まらずに行っても許されることもあります。
お辞儀のやり方!正しいマナーを身に着けよう!
それでは各お辞儀の正しいやり方を個別に覚えましょう。特にビジネスシーンや大切な相手に対するお辞儀の場合にはたとえ目礼や会釈と言えど、きちんとしたマナーが存在します。目礼や会釈だからと適当に流すことなく、正しいやり方を身に着けて相手からの印象をよくしましょう。
目礼のやり方
目礼はお互いにきちんとした挨拶を行えないときに交わすお辞儀です。お互いに向かい合って挨拶ができる状況なら目礼はむしろ失礼になる場合があるので注意しましょう。具体的なシチュエーションで言うと、取引先の人がほかの人と既に話をしているという状況などで行うのが目礼です。目礼で大切なのはお互いの目を合わせることです。目線を合わせることで意思の疎通を確認し、軽く頭を下げます。目礼の場合は目に見えるほど頭を下げる必要はありません。心なし下げたイメージで目を伏せるのが目礼の正式なマナーです。
会釈のやり方
会釈は目礼のように誰かと話している訳ではないけれど、忙しくてゆっくり挨拶ができないという場合に行われるお辞儀です。あまり立場が上の相手には行いません。知り合いではあるけれど関係性が薄い相手であったり、きちんとした挨拶をするのはかえって不適切な状況である場合などに使われます。お互いに何かをしていてすれ違いざまという場面が多いでしょう。会釈は目礼と同じように目を合わせますが、目礼と違って頭だけでなく、姿勢を正して上半身を15度の角度で傾けてお辞儀をします。
敬礼のやり方
敬礼は軍隊式のものがあまりにも有名ですが、ビジネスシーンで使われる敬礼は軍隊式のものとは違います。ビジネスシーンに使われる敬礼は、上半身を30度傾けて行うお辞儀となります。ピシッと姿勢を正すのは軍隊式の敬礼と同じですが、日常やビジネスで使われる敬礼は手を身体に添えて伸ばすか、前で重ねる形にしてまっすぐ体を傾けるものなのです。
最敬礼のやり方
最敬礼は最も深いお辞儀です。大切な相手に対する敬意を込めて行う挨拶が最敬礼となります。背筋を伸ばし、指を伸ばした手を体に沿わせるか前で重ねるかして背中を曲げずに上半身を深く傾けます。角度としては45度から60度となります。最敬礼とほかのお辞儀との違いは、体を傾けたままでいる時間です。最敬礼は最も長く、礼の形でとどまる必要があります。
『目礼』と『会釈』の違いとは?
目礼と会釈の違いは体を傾けるかどうかという部分にあります。目礼は本来視線のみで挨拶をするものなので、体を傾ける必要はありません。ただし、目礼でも挨拶という意味で軽く頭を下げると相手に意思が伝わりやすくなります。会釈は日常使いの場合、頭だけを下げる挨拶として考えられていますが、ビジネスで使用する場合には、目礼と明確な違いがあり、少しだけ体も傾ける必要があります。
『目礼』と『黙礼』の違いとは?
目礼と黙礼は同じ「もくれい」という発音ですね。そのため言葉にして使用する場合には混同してしまいがちです。ただし、目礼と黙礼にははっきりとした違いがあります。目礼は文字通り、目で挨拶をする礼のことです。一方で黙礼は沈黙した状態のお辞儀、主に敬礼を意味します。目礼のように軽い挨拶ではないのです。全く違う礼なのに発音が同じなので少しややこしいですね。
『黙礼』と『会釈』の違いとは?
黙礼と会釈の違いは、礼をする際の意識の違いと考えていいでしょう。黙礼は厳かに言葉を発することなく相手に敬意を表するというお辞儀です。鎮魂などの言葉にできない思いを込めた礼をする際に使用されるものなのです。しかし会釈は軽く挨拶をしておきたいときに使うお辞儀で、目礼に近い挨拶です。使われるシチュエーションが全く違うと思ってください。
お辞儀のマナーをしっかり身に着けよう!
お辞儀には目礼や会釈など、日常のなかでは軽い気持ちで使われるものもありますが、仕事で使用する場合などの改まった場面に使われる場合には、軽いお辞儀にもマナーや決まりごとがあります。大切な取引などで相手に礼儀がなってないと思われないように、挨拶の基本であるお辞儀をしっかりとマスターしましょう。