2019年02月13日公開
2019年02月13日更新
シングルマザーが受けられる手当て一覧!支援制度を賢く利用しよう!
今、日本で100万人を超えるとされるシングルマザー。シングルマザー(母子家庭)として子育てや仕事に奮闘する女性は、社会からどのような手当を受けることができるのでしょうか?知らないと手当をもらい損ねてしまうかも?支援制度に詳しくなり、生活に活かしましょう!
目次
シングルマザー(母子家庭)が受けられる3種類の支援制度とは?
シングルマザー(母子家庭)が受けられる支援制度にはどのようなものがあるのでしょうか?シングルマザーが受けられる支援制度は、主に3種類に分けることができます。
①シングルマザーが受けられる手当
シングルマザーが受けられる手当は、主に「児童扶養手当」や「児童手当」などあります。また、地域によって「児童育成手当」や「ひとり親家庭における住宅手当」、「ひとり親家庭における医療費助成制度」、「ひとり親家庭自立支援給付金等」、「こども医療助成」などがあります。
現在は、シングルマザーだけでなくシングルファザーも受けることができるものも増えています。
②手当て以外の支援制度
シングルマザーが受けられる制度には、手当以外にも「遺族年金」や「寡婦控除」などの支援制度があります。
③母子家庭専用ではないが利用できる可能性が高い制度
シングルマザー(母子家庭)専用ではありませんが、「特別児童扶養手当」や「障害児福祉手当」、「生活保護」、「国民年金の減免」、「国民健康保険の減免」、「保育料の減免」、「上下水道料金の割引制度」、「粗大ごみの手数料の減免」、「交通機関の割引制度」などの、利用できる可能性が高い制度があります。
では、シングルマザーが受けることのできる手当について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
【シングルマザーの手当①】児童扶養手当とは
児童扶養手当とは
児童扶養手当とは、父母が離婚するなどして、シングルマザー(母子家庭)・シングルファザー(父子家庭)などに育てられている児童の生活の安定と自立の促進、福祉の増進などを目的としています。
児童扶養手当の対象は
対象は、父母が離婚しシングルマザーもしくはシングルファザーのもとで育てられる児童、もしくはいずれかと死別した児童、父または母が一定の障害をもつ児童などの養育者です。シングルマザーは、児童扶養手当と児童手当の両方をもらうことが可能です。現在はシングルマザー・シングルファザーともに支給されていますが、シングルファザーに支給されるようになったのは、平成22年8月からです。
また、平成24年8月より、配偶者からの暴力(DV)で「裁判所からの保護命令」が出され実質シングルマザーとなっている場合も、支給を受けることができるようになっています。
児童扶養手当の所得制限と支給額は
では、いくら支給されるのでしょうか?
収入に応じて全部支給と一部支給があります。全部支給の場合は、第1子は42.290円、第2子加算額は9.990円、第3子以降加算額は一人につき5.990円となります。また、一部支給の場合は、第1子は42.290円から9.980円、第2子加算額は9.980円から5.000円、第3子以降加算額は一人につき5.980円から3.000円となります。
児童扶養手当の支給日は
児童扶養手当の支給は、現在は4月・8月・12月の3回払いです。4月に12〜3月分、8月に4〜7月分、12月に8〜11月分がそれぞれ4ヶ月分まとめて支給されます。
ただし、2019年11月分からは、1・3・5・7・9・11月の奇数月5回払いに変更され、それぞれ2ヶ月分まとめて支給されるようになります。シングルマザーとして多忙な日々を送っているなか、ひと月置きにきめ細やかに支給される方が良いですね。
児童扶養手当の注意点
「児童扶養手当」と「公的年金等」の両方を受給する場合は、手続きが必要です。また、離婚によりシングルマザーとなり養育費を受け取っている場合には、自己申告する必要があります。もし、申告しなければ不正受給となり、返還を求められるので注意が必要です。
【シングルマザーの手当②】児童手当とは
児童手当とは
児童扶養手当とは、家庭等の生活の安定や、次代の社会を担う児童を健やかに育成するために設けられている手当です。
児童手当の対象は
支給対象は、中学校終了まで(15歳に到達後の最初の年度末まで)の国内に住所を有する児童です。シングルマザーなどのひとり親家庭の子どもでなくとも、受給することができます。
児童手当の所得制限と支給額は
所得制限は、例えば夫婦と児童2人家庭の場合は年収960万円未満です。いくら支給されるかというと、0〜3歳未満は一律で15.000円です。3歳〜小学校終了までは、第1子、第2子は10.000円ですが、第3子以降は15.000円です。中学生は一律で10.000円です。また、所得制限以上である場合は、一律5.000円(当分の間の特例給付)です。
児童手当の支給日は
児童手当の支給日は、基本的に6月・10月・2月中旬の年3回となっていますが、自治体によって支給日は異なります。通常は、10日や15日に指定の銀行口座へ振り込まれることが多いようです。
児童手当の注意点
児童手当は、受給後に毎年6月に「現況届」の提出によって、翌年5月までの手当の支給の可否等が判断されます。もし「現況届」を提出を忘れてしまうと、6月分以降の手当の支給が差し止められますので、注意が必要です。
【シングルマザーの手当③】自治体によって異なる支援制度5選!
では、シングルマザーが受けられる、自治体によって異なる支援制度を見ていきましょう。
①児童育成手当
児童育成手当は、主にシングルマザー・シングルファザーの児童(育成手当)または障害をもった児童(障害手当)をもつ家庭に対して、生活の安定と児童福祉の増進のために支給される手当です。シングルマザーが受けられる制度として、一見児童扶養手当と似ていますが、児童扶養手当は“国制度”であり、児童育成手当は“自治体制度”です。児童育成手当は、主に東京都で実施されています。
②ひとり親家庭における住宅手当
ひとり親家庭における住宅手当とは、シングルマザーまたはシングルファザーで、20歳未満の子供を養育しており、月額10.000円を超える住宅家賃を支払っている養育者を対象とした住宅手当です。
では、この住宅手当はいくら支給されるかというと、市区町村によって異なりますが、相場は5.000〜10.000円です。住宅のある地域の区役所で確認しましょう。
③ひとり親家庭における医療費助成制度
シングルマザー又はシングルファザーに育てられる子どもが、主に医療保険の対象となる医療費や薬剤費等が助成される制度です。全国の様々な地域で実施されています。
④ひとり親家庭自立支援給付金等
シングルマザー・シングルファザーの収入の安定等、経済的な自立を支援するための事業です。「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業」を各都道府県・市・福祉事務所設置町村において実施しています。
シングルマザー・シングルファザーが、自身の収入の安定に繋がる学習機会が少ないことが調べで明らかとなり、設けられました。このような事業が功を奏し、現在のシングルマザーの完全失業率は、2010年頃と比較すると大幅に低下しています。
⑤こども医療助成
子どもの通院・入院医療費を助成する制度です。市町村によっては所得制限を廃止しているところや、助成の対象年齢の区分等が異なるなどの違いはありますが、シングルマザーとして子育てをしているお母さんにとっても、安心の制度ですね。
【シングルマザー④】手当以外の支援制度2選!
①遺族年金
夫が亡くなり、急遽シングルマザーとなられるお母さんもいらっしゃいますね。遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が亡くなった時に、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることのできる年金です。
②寡婦控除
寡婦控除とは、夫と離婚したり死別した女性(寡婦)が受けられる控除のことです。つまり、離婚してシングルマザーとなった方は受けることができます。
いくら控除されるのかというと、一般的には27万円です。また、「特定の寡婦」となる条件を満たした場合は、35万円になります。
【シングルマザーの手当⑤】利用可能なその他の制度9選!
①特別児童扶養手当
「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」(昭和39年7月2日法律134号)に基づいて精神又は身体に障害を有する20歳未満の児童の福祉増進を図ることを目的に、その児童の保護者に対して支給される国の手当です。
支給月額は、1級が51.700円、2級が34.430円になります。支払時期は、毎年4・8・12月に、それぞれの前月分までが支給されます。所得制限は、扶養親族等の数などによって異なります。
②障害児福祉手当
重度障害児など常時介護を必要とする20歳未満の子どもに対して、その障害のために必要となる精神的・物質的な特別の負担の軽減を目的に支給し、特別障害児の福祉の向上を図る手当です。支給月額は14.650円で、原則として毎年2・5・8・11月に、それぞれの前月分までが支給されます。所得制限は、扶養親族等の数などによって異なります。
③生活保護
生活保護とは、収入が十分になく、生活に困窮する方に対して、その困窮の程度に応じて必要な保護を行うものです。健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助長することを目的としています。シングルマザーなどひとり親家庭は、生活が困窮しやすいことが調査で明らかとなっています。
生活保護の種類には、生活扶助・住宅扶助・教育扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助などがあります。
④国民年金の減免
シングルマザーとして生計を立てると、子育てにお金がかかり年金などを納めると家計が火の車となる場合もあるでしょう。収入が不安定であるなど、保険料を納めるのが難しい場合は、未納にせず「保険料免除制度や納付猶予制度」の手続きを行いましょう。そして、将来的に受給する年金額を増やしたければ、収入が安定してからなど、後から納めることで、年金額を増やすことが可能です。
また、配偶者からの暴力(DV)により配偶者(DV加害者)と住所が異なり、シングルマザーとして生活されている場合は、特例免除を利用することができます。
⑤国民健康保険の減免
所得が一定金額以下になったり、倒産などにより解雇され収入がなくなったりする場合に減額されます。認可が降りるには審査があるので、市町村役場等に相談に行きましょう。
⑥保育料の減免
シングルマザーとして働いていると、子どもを預けなければならないのが保育園です。失業や災害、また収入の10%以上の減額などを条件として、保育料の減免を受けることができます。それぞれの条件によって必要書類等は異なります。
⑦上下水道料金の割引制度
生活保護法の該当する扶助を受けている方、シングルマザーであることなどを理由に「児童扶養手当」や「特別児童扶養手当」を受給している方などが受けることができます。ひと月あたり水道料金は10㎥、下水道料金は8㎥の上限があります。
⑧粗大ごみの手数料の減免
生活保護世帯や身体障害や精神障害・知的障害などで特定の級を受けている方が属する世帯、福祉医療証の交付を受けているひとり親世帯、介護保険要介護4または5の認定を受けている高齢者が属する世帯などが対象の制度で、手数料が減免されます。
⑨交通機関の割引制度
身体障害者手帳や愛の手帳をお持ちの方とその介護人の方は、JR線・私鉄線・連絡社各線を割引運賃で利用することができます。この他にも、航空運賃やフェリー運賃などの割引もあります。
また、東京都は「都営交通無料乗車券」を高齢者・障害者だけでなく、生活保護を受けている世帯の方・児童扶養手当を受けている方(またその方と生計を同じくする方)などにも発行しています。
【シングルマザーの手当⑥】就業支援・学び直し支援4選!
①マザーズハローワーク
マザーズハローワークは、仕事と子育ての両立を希望する職業相談や就労活動に関するセミナーを行っている施設です。特にシングルマザーの方など、子連れでも来所しやすいように環境を整備していたり、個々のニーズに沿ったきめ細かい支援が受けられることが特徴とされています。
②自立支援教育訓練給付金
シングルマザー又はシングルファザーが対象となる教育訓練を受講し、修了した場合の経費から60%を支給する制度です。いくら支給されるかというと、12.001円以上で20万円を上限としています。
③高等職業訓練促進給付金・高等職業訓練修了支援給付金
シングルマザー又はシングルファザーが、看護師や介護福祉士等の資格取得のために1年以上養成機関で就業する場合に、高等職業訓練促進給付金が支給されます。そして、終了後に高等職業訓練修了支援給付金が支給されます。
対象となる資格には、看護師、介護福祉士、保育士、歯科衛生士、理学療法士などがあります。また、いくら支給されるかは、市町村民税非課税世帯か市町村民税課税世帯であるかによって異なります。
④高等学校卒業程度認定試験合格支援事業
高等学校卒業程度認定試験合格支援事業とは、ひとり親家庭の学び直しを支援する事業です。シングルマザー・シングルファザー又は児童が高等学校卒業程度認定試験合格のための講座を受け、修了及び合格したときに受講費用の一部が支給されます。
シングルマザーの手当を申請する時の注意点4選!
①申請する必要がある
それぞれの支援は、シングルマザーであることを市町村が調べて案内を送ってもらえるものではありません。自ら申請しに窓口へ向かってください。該当するか分からない場合でも、電話や窓口で相談すると良いでしょう。
②支給開始日に注意しよう
制度によって支給開始日は異なります。申請が受理された時に、担当の方と話したり書類を見る等して確認しましょう。
③支給日を確認しよう
受ける制度によって支給日は異なります。受けることになった制度の一覧表を作り、その支給日もまとめておくと、何月ごとにいくら手元に入るのか分かって良いでしょう。
④書類不備に注意しよう
書類不備があると申請が受理されなかったり、支給日が遅れることに繋がります。提出書類一覧をしっかりと確認し、不備のないようにしましょう。
見落としていた支援制度はありませんでしたか?
いかがでしたでしょうか?
各都道府県や市町村で、シングルマザー(母子家庭)の児童の育成を支える、様々な支援制度があることがわかりました。また、ひとつの支援制度を利用することが、ほかの支援制度の利用に繋がるものもありました。
支援制度は各自治体によって、制度の種類、収入による所得制限、いくらもらえるか等が異なってきますので、これを機にぜひ調べてみてください。見落としている支援制度があるかもしれません。また、日々制度内容などは改良されているので、こまめにチェックしましょう。
支援制度を上手に活用して、より良い暮らしを送りましょう。