『あすなろ』の意味は4種類!由来や使い方も分かりやすく解説!
「あすなろ」は日常的な会話や文などに使われることが少く、意味としては難しい漢字とされています。「あすなろ」の意味にはたくさんありますが、植物としての由来や使われる言葉としての意味などを4種類に分けての使い方を易しく解説したいと思います。
目次
『あすなろ』とは?
「あすなろ」という一般にはあまり聞きなれない言葉や漢字、意味や起源などを調べてみました。山や森などで見ることのできる日本個有の樹木で、北海道の南部から本州や九州や四国に分布するヒノキ科の常緑樹です。
「あすなろ」という言葉の起源や意味は、「檜(ヒノキ)」よりも木が小さいことが多いため、「明日はヒノキのようになろう」という成長の意思を持っていると言う意味から「あすなろ」と言われるようになりました。
『あすなろ』の意味は色々!4種類紹介!
まっすぐ伸びて行く
ヒノキ科の「あすなろ」は、山や森の中で見られるような雑木(広葉樹)ではありません。桧や杉の木のように天を突く様にまっすぐと伸びる樹木です。木の高さは、地面から10mから30m位に育ちます。幹の回りも直径90cm位の木になります。
「あすなろ」の木のまっすぐに伸びる意味合いから、子供が元気で健やかにまっすぐに成長して欲しいと言う意味と願いが込められているのではないでしょうか。
未来ある子供の成長
「あすなろ」に関しては、井上靖の著書「あすなろ物語」が有名です。井上靖の自伝的小説と言われています。物語の内容は、主人公鮎太の幼少期から青年壮年期までの青春を綴った物語です。読んでみても難しい意味の内容ではありません。是非、ご一読を。
物語の中に「あすなろは明日ひのきになろうとするのだけどなることができない。」この意味は、「あすなろう」とたゆまぬ努力を続けて伸びる子供の成長を願う意味での親達からのメッセージなのかもしれません。
明日はもっと成長する
ヒノキ科の「あすなろ」は、檜になろうとしても檜にはなれない運命と言う意味を持った木です。しかし、いつかは檜になれると信じて努力し成長しながら伸びようとしている意味なのです。
この姿は、人間の人生にとっても伸び行く姿が当てはまるのではないでしょうか。子供の頃から胸に秘めた希望を未来に向かって伸びる姿と言う意味ではないでしょうか。
ポジティブな上昇志向の意味
上昇志向と言う言葉の意味の起源は、「あすなろ」の起源が「明日はヒノキになろう」と言う文から来ています。「明日はヒノキになろう」と言う希望と努力と言う意味が文の中に込められ、ネガティブがちな心の迷いから向上心を芽生えさせポジティブな気持ちにさせようとする意味合いがあるのではないでしょうか。
『あすなろ』を漢字にすると?
「明日はヒノキになろう」と言う意味の「あすなろ」を漢字にすると、「明日桧」「翌檜」とか「翌桧」という難しい漢字が充てられています。しかし、ある説によると勘違いによる当て字ではないかとも言われています。
ヒノキ科の「あすなろ」の木は、昔「あすひ」と呼ばれていたそうです。それが、いつの間にか当て字として「明日桧」明日は桧になろうと言う意味で「あすなろ」となったと言う意味の異説もあるそうです。
『あすなろ』の起源は?
「あすなろ」の語源を「明日はヒノキになろう」と言う意味に由来するというのは誤りであり、古くは「あてひ」といわれていて、高貴なヒノキであったという意味だといわれています。これが「あすなろ」の起源とされています。
ヒノキ科の「あすなろ」は、天保13年(1842年)シーボルト達により木曽から採取されて「あすなろ」と名づけられたそうです。
ヒノキ科の『あすなろ』との繋がりは?
ヒノキ科の「あすなろ」は、ヒノキの木に比べて葉が分厚い意味から「あつひ(厚桧)」と呼ばれたのが始まりであろうと言われています。つまり、「あすなろ」の意味は「あつはひのき(厚葉桧)」の語源から「明日は桧」と言う意味で伝えられたのではないのかとも言われています。
言葉の意味としての「あすなろ」との繋がりは、ヒノキになりたくても決してヒノキにはなれない。「あすなろ」の木の様に、明日は明日はと目的に向かってがむしゃらに伸びる努力をしても到達することの出来ない難しさと言う意味です。しかし、何事にもめげなく伸びる向上心と言う意味の大切さを教えてくれるのではないだろうか。
『あすなろ』を使ってみたらこんなに素敵だった!10個紹介!
①一斉を風靡したあのドラマの名前も『あすなろ白書』
『あすなろ白書』は、漫画家柴門ふみによる日本の漫画です。小学館の雑誌『ビッグコミックスピリッツ』に1992年から1993年にかけて連載されました。1992年には、第37回小学館漫画賞を受賞しました。
日本では、フジテレビ系列で1993年10月から12月にかけて全11回で放映されました。また、2002年には台湾でもテレビドラマ化されました。脚本は北川悦吏子、音楽はS.E.N.S、主題歌は藤井フミヤ、出演は石田ひかり、筒井道隆、鈴木杏樹などです。大学で出会った仲間たちの恋と友情を描く群像劇です。
②ドラマから生まれたのも『あすなろ抱き』
『あすなろ抱き』とは、漫画家柴門ふみ作品の漫画『あすなろ白書』をもとにして生まれた言葉です。ポーズとしては後ろ抱きと言う意味なのでしょうか。
1993年にテレビのドラマとして公開され、主演の木村拓哉が石田ひかりを後ろから抱きしめるシーンが女性達の話題となり「あすなろ抱き」と呼ばれるようになり、日本でキムタクブームのはじまりのきっかけになりました。
③意外にも馴染みがある言葉並び『あすなろ医院』
クリニックを開業する場合、近隣を調査してなるべく他院との印象が重ならないような名前を採用して、他医院との差別化を図らなければなりません。
その最も簡単な方法は、医院の名前をひらがな表記にすることです。例えば、「あすなろ医院」でしたら「柔らかい」「優しそう」「青空」「元気」という意味で心療内科や婦人科や小児科などでは良い意味でのイメージとなります。
④優しさが出ているかも『あすなろ歯科』
歯医者と聞くと誰しもが避けたくなるような言葉ではないでしょうか。特に、幼児や子供などには一番嫌がられる所ではないかと思われます。痛くない歯を治療するこのこと自体、大人でも敬遠してしまいます。
「あすなろ歯科」と言う言葉の意味は、何故かその痛みを軽減させてくれるような優しい意味あいを持っているのではないでしょうか。
⑤アットホームな感じ『あすなろ株式会社』
会社と言うと、どうしても硬いと言う意味の感じがしてしまいます。ましてや、株式会社となると社則も厳しくピリピリとした感じがしてしまいます。
しかし、社名に「あすなろ」と言う言葉が付くと何故か社内の雰囲気もアットホームで柔らかい意味に感じられます。そして、「あすなろ」の様に未来に向かって真っ直ぐに突き進む堅実な会社と言う意味と印象を与えらます。
⑥本当に優しそう『あすなろ動物病院』
ペットブームの為か、街のあちこちにたくさんの動物病院があります。最愛のペットが病に侵され、飼い主達はどんな病院が良いかと右往左往してしまいます。電話帳やネットで調べても何処にするかと悩んでしまいます。
そんな時、「あすなろ」と言う言葉の付いた病院に出会うと、何故かペットに優しそうですぐにでも元気になれそうな感じがしてしまいます。
⑦ゆっくり出来そう『旅館あすなろ』
今、日本では温泉ブームに沸き立っています。それを助長するかのようにバス旅やバイク旅が毎日のようにテレビを賑わかせています。温泉地に行ってのんびりするためには、温泉旅館に泊まって温泉に浸かり体や気分を癒やすのが最適ではないかと思います。
もし、「温泉旅館あすなろ」なんて言う温泉旅館があったら気分的にも癒やされそうな意味合いの温泉旅館ではないでしょうか。
⑧みんなの集う会『あすなろ会』
集う会と言えば、私は地元の山歩きの会に入っています。会員は20名ほどで平均年齢は65歳位です。月に一度は山歩きを兼ねて会話などをエンジョイしています。偶然にも会の名前は「あすなろ会」です。
四季を通して山歩きを楽しんでいますが、低山の森を歩いていると会の名前と同じヒノキ科の「あすなろ」の木に出会うことがあります。こんな時は、「あすなろ」の木の下で休憩をしながらみんなの会話が弾みます。
⑨親身になってくれそう『あすなろ法律事務所』
街中で法律事務所と漢字で書かれた看板に出会うと何故か意味合いからは気分が滅入るような感じがしてしまいます。現役時代のころ営業をやっていましたが、売掛金の回収が難しいため法律事務所に駆け込んだ覚えがあります。丁寧に相談に乗って頂き無事回収に至りました。
法律事務所を選ぶときにも、やはり、名前で選んでしまいます。「あすなろ」などと言う漢字が付いていると何故か親身に相談に乗ってくれるような意味がして頼りになる感じがします。
⑩地域に密着してそう『あすなろ家庭教師』
「あすなろ」と書かれた漢字や言葉はこの世にたくさんあります。「あすなろ」と言う意味は、とても優しく信頼や希望のもてる言葉としての意味がありいろいろな場面に採用されています。身近な林や森にすくすくと伸びる「あすなろ」は、地域の大地にしっかりと定着しています。
「あすなろ家庭教師」、これもまた地域に密着した伸び行く子供たちへ優しく希望ある子供たちへ優しく指導する意味のある素晴らしいメッセージなのかもしれません。
古くは清少納言の枕草子にも出てくる『あすなろ』
「あすなろ」という言葉は、平安時代に清少納言によって綴られた随筆集の『枕草子』にあります。その中で清少納言は「何の心ありてあすはひのき(明日は桧)とつけけむ」と「あすなろ」について綴られています。そして、清少納言の生きた平安時代には「あすなろ」は「あすはひのき」と呼ばれていたそうです。
『あすなろ』を使うときの注意点3つ!
文中にはほとんど出てこない!
「あすなろ」と言う言葉を文の中に入れるのはなかなか難しいものです。文の中で疑似化するにも子供の伸び行く成長とかを表現する意味に限られてしまいます。本などを読んでいても「あすなろ」という言葉が文の中に見るのは稀ではないでしょうか。
会話の中にも盛り込みづらい!
日常的な会話でも、ビジネス上の会話でも「あすなろ」という言葉を会話の中に盛り込むのは非常に難しい事ではないでしょうか。何故ならば、「あすなろ」の意味が伸びるとか成長するとかという意味に特化してしまう為ではないでしょうか。
意味がわからない人が多い!
「あすなろ」という言葉の起源は、平安時代の随筆集『枕草子』にあるそうです。古に創られた由緒ある言葉です。しかし、響きの良いこの言葉も日常の会話や文に使われる頻度が少なく、その日常離れした意味さえ難しいため使える人も少ないのではないでしょうか。
『あすなろ』を知って、知識を増やそう!
「あすなろ」についていろいろと紹介してきました。日常の会話の中や文の中にこの言葉を差し入れるのは難しいかも知れません。しかし、「あすなろ」と言う言葉の意味や起源をよく理解すれば今まで以上に素晴らしい会話や文などが生まれてくるのではないでしょうか。